2010年2月25日木曜日

ソーシャルメディアに対応するための3タイプのマーケティング組織と、実践するための4つのステップ

question: Just whose job is it anyway?    

-->Answer: everyone's -- so it's important to get all those disciplines working together.  

"You're Using Social Media. But Just Who Is Overseeing It All?"(あなたが使っているソーシャルメディア、誰が全体を見ていますか?)というエントリがあり、読んでみました。

記事自体の多くはFordやBest Buyなどのケーススタディの紹介・分析、デジタル系代理店とPR代理店という異なる志向をもった代理店との付き合い方、などに割かれていますが、最後に書かれていた"Three marketing models for social media" が、最近筆者が考えていることに沿う内容だったので抄訳にてご紹介。

ソーシャルメディアに対応するための3タイプのマーケティング組織

「集約型」
ソーシャルメディアの組織が会社組織の上位で機能し、直接CMOやCEOにレポートするタイプで、全ブランドのソーシャルメディア活動への責任を負う。PR代理店Ketchum社でソーシャルメディア ストラテジーのVPのJonathan Bellinger氏によると、「私たちのクライアントには1名を専任者としている企業が多い。企業の顔として外部へのコミュニケーションと内部へのコミュニケーションを行うセレブリティを持つことはいいことです。一方でその人に関することばかりになると、混乱を招く可能性もある。

危険性:ソーシャルメディアの代表者を置くことは、その担当者の守備範囲外の部門は恩恵を受けられない可能性がある。例えば、ソーシャルメディアがマーケティング部門化になった場合、カスタマーケアは対象になるでしょうか?このモデルではソーシャルメディアの影響をビジネス全体としてとらえないこともある。

必要な役割:ソーシャルメディア リード

このタイプに属するマーケター:フォードのグローバルデジタル&マルチメディアコミュニケーションズ Scott Monty氏。Monty氏はコーポレートコミュニケーションズに属してCEOに直接レポートを行っている。  

「分散型」
この組織体系の場合、個人がソーシャルメディアの責任を負うということはなく、カスタマーケア、マーケティング、メディアやそれ以外の全社員がブランドを代表し、それぞれの役割においてソーシャルメディアに関与する。多くの場合、トレーニングが行われ、組織を挙げてソーシャルメディア利用を推進している。

危険性:標準化された訓練がない場合、ソーシャルメディアでブランドから乖離したメッセージが繰り広げられる可能性があります。例えばJet BlueのマーケティングのSVP Marty St. George氏は、広告代理店の選定をする際に、Twitterを使って「デジタルに詳しい代理店を募集中。ツイッターで自分を見つけられるかをテストしています」という趣旨のつぶやきをしましたが、この企画自体が記事になり広く知られるものになってしまったため「もうこのような実験はしない」ということになりました。(こうした結果になることを想定できる)リーダー不在の状況では、新しいソーシャルテクノロジーやサイトについての知識がないため個人プレーに陥ってしまう。

必要な役割:ソーシャルメディアに関して社内をガイドする立場。トレーニングやソーシャルメディアポリシーに関する社内のコミュニケーションは必須。

このタイプに属するマーケター:Best Buyでは組織のそれぞれがソーシャルメディアでの役割を持つため、分散させている。例えば@Twelpforceはその典型。Twitter上での要望に対して、どの社員がサインアップして回答してもよい。しかしながらBest BuyはTwitterでのコミュニケーションにおける規則とガイドラインを持ち、マーケティングセクションには専門家がいる。昨年の夏、CMOのBarry Judge氏は新興メディアマーケティングのシニアマネージャーの職務内容をクラウドに求めた。IBMやインテル、コダックはソーシャルメディアポリシーを発行している。 

「コンビネーション型」
集約型と分散型のいいとこどりをしたのがこのタイプ。ブランドがソーシャルメディアのステークホルダーの委員会をもち、ポジションや発信する情報を作り上げ、それが企業全体に広められる。そこからそれぞれの規律がソーシャルメディアに適用され、個々の活動として展開される。

危険性:どのようにして各部門がその委員会に責任を持たせるか?また、ソーシャルメディアプログラムが失敗した場合、誰の責任となるのか。ソーシャルメディアストラテジーを作り出した人物か、それとも実行した人物か?

必要な役割:他部門から選出されたソーシャルメディアの専門家集団

このタイプに属するマーケター:PR代理店Ketchum社のBellinger氏によると、クライアントであるコダックはよくバランスがとれているという。マーケティングのチーフブロガーとしてJenny Cisney氏を雇い、彼女は企業全体のソーシャルメディアの存在感を高めるための責任を持つというよりは指導的な立場をとっている。また、IBMでは2005年からwikiを使って、企業ブログのガイドラインをクラウドソースし、社員にソーシャルメディアの変化に合わせてルールを訂正・修正するよう委ねている。こうした活動は、IBMのソーシャルメディアの責任者であり、最前線にいるAdam Christensen氏にフィードバックされる。 

筆者自身も社内で、ソーシャルメディアマーケティングについて話をする機会が増え、知識や見解、感覚的なことを話すのですが、痛感するのはソーシャルメディアは非常に個人的な体験であり、知識や理解が千差万別であることです。典型的なのはTwitterで、誰をフォローし、どのように使うかでソーシャルメディア体験は全く異なり、理解や認識が全く違ったものになります。  

企業の規模や事業内容、部門毎の性質によってとるべき体制は異なると思いますが、少なくとも以下のステップが必要であると思います。

1. ある程度平準化されたソーシャルメディアの共通理解:きちんと話し合えるようになるために必要です。「同じ言葉」で

2. ソーシャルメディアマーケティング体制の確立:これは例えば、「集約型」>「コンビネーション型」>「分散型」のように変化していってもいいと思います。少なくとも体制のないところでは旗振り役が必要。

3. ガイドライン作り、トレーニングの実施:ガイドラインだけでなくトレーングの実施は重要

4. フィードバック:実施したソーシャルメディアマーケティングの事例共有や改善の検討   

 

ご参考:

インテルのソーシャルメディアトレーニング
代理店からNPOまで、多分野にわたる全116件のソーシャルメディアポリシー・データベース
他人のTLを見る方法:cTwittLike・・・うーんちょっと良心の呵責が

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2010年2月23日火曜日

一日のツイートが5,000万に:Twitterの成長を示すぞっとするようなグラフ


Twitterの公式ブログで、驚異的グラフが公開されていました。

一日のツイートの数の推移です。

2007年には5,000ツイート/日
2008年には300,000ツイート/日
2009年には250万ツイート/日
2009年末には3,500万ツイート/日(1,400%成長)
2010年1月には5,000万ツイート/日

なんだかぞっとするような伸びですね。 
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2010年2月22日月曜日

WOMMAがソーシャルメディアマーケティングの情報開示ガイドラインを発行

via WOMMA

アメリカのクチコミマーケティング協会ことWOMMAから、ソーシャルメディアマーケティングにおける情報開示についてのガイドラインが発行されました。

情報量が増加の一途をたどり、情報源に対する信頼性が希薄化していく中、透明性の確保は極めて重要です。WOMMAの役員代表でもあり、Zócalo Groupの社長兼CEOのPaul Rand氏曰く、

WOMMAのガイドラインはFTCのガイドラインを「実践的な形で適用している」もので、様々なチャネル間でどのように(SMMを)実施、どのように見えるべきかを示している

WOMMA's guidelines are the “practical applications” of the FTC guidelines: how to do it across various channels, and how it will look.(mmm-online.com)

その中身をちょっとご紹介するとこんな感じです。

個人や編集者のブログ
「私は "製品/サンプル" を "企業名" から受け取りました」
「"企業名" から "製品/サンプル" が送られてきました」 

Personal and Editorial Blogs
I received (product or sample) from (company name)
(company name) sent me (product or sample).

製品を評価するブログ
「私は "製品/サンプル" を評価するために "企業名" から受け取りました」
「私は "企業名" から 金銭の支払いを受けて評価をしています」 

Product Review Blogs
I received (product or sample) from (company name) to review
I was paid by (company name) to review

Twitterのようなプラットフォームを活用する場合、マーティング担当者には次のようなハッシュタグの使用を推薦しています。 

For platforms such as Twitter, the new WOMMA guidelines recommend marketers employ the following hashtags:
• #spon (sponsored)
• #paid (paid) and
• #samp (sample) 

当たり前のことですが、定着するかどうかは積極的に使われるかどうか、ですね。  

代理店がクライアントのことを書くときも、関係性が分かるように「 #client 」などと明示することが必要だと思います。 

ちなみに、このガイドラインには、

この書類は、WOMMAが企業の法務からのアドバイスや慣習を置き換えることを意図しているものではなく、むしろそれをサポートするものです。ソーシャル目でいらは常に変化するものなので、WOMMAのディスクロージャーガイドも絶えず変化するものとなります。進化を続ける業界のベストプラクティスを反映し、修正されていきます。

It is not WOMMA’s intent for this document to replace your company’s legal advice or practices but rather to enhance it. As social media is ever-changing, the WOMMA Disclosure Guide will be a living document – continuing to be refined to reflect evolving industry best practices.

との断り書きがついています。

詳細は添付のPDFでどうぞ。 

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ご参考:

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2010年2月21日日曜日

オリンピックのツイートを競技別、キーワード別にリアルタイムで楽しめるNBCのOlympic Twitter Tracker #Olympics

今年のスーパーボウル、オリンピックはソーシャルに楽しむ仕組みが盛りだくさんになっていますが、中でも個人的に注目したのが、NBCのオリンピック特集ページにある、Olympic Twitter Tracker

Olympic Twitter Tracker では、リアルタイムで繰り広げられるツイートを競技ごとさらに、キーワードごとに振り分けて表示することができます。

自分の気になる競技に絞って徹底的に楽しむことができるというのは嬉しい配慮ですね。

日本語には非対応のようですが、UIも直観的に分かりやすく、なかなか秀逸です。 

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2010年2月18日木曜日

オバマ大統領、景気刺激対策法案の成果をアイコンでアピール:支持者にアイコン変更の呼びかけも


さて、この小さな画像ご覧になった方も多いと思いますが、オバマ大統領のTwitterアカウント(@BarackObama)で今朝から使われ始めたアイコンです(ちなみに24時間で元に戻るようです:出典)。 

そして、そのアイコンが使われたツイートを見ると、 



OFA(Organizing for America)は、#RecoveryActの1周年を記念したTwitter用画像を提供しています。ここで変えられます。http://bit.ly/b-E

OFA supporters are donating their Twitter pictures to mark the anniversary of the #RecoveryAct. Change yours here: http://bit.ly/b-E

とのメッセージが。

これは、昨年オバマ大統領が議会を通過させた景気刺激対策法案(RecoveryAct)の成果をアピールするものです。小さなアイコンですが、ブッシュ政権時代との比較をしながら、景気刺激対策が有効に機能していることを示しています。

アイコンを使ってメッセージを送り、一種の時限付きイベントとして盛り上げようという試みは面白いですね。

サイトに行くとその成果が次のように記されています。

無党派の予算委員会によると、景気刺激対策は2009年の末までにすでに240万の雇用を呼び起こした
その結果、景気刺激対策をはじめる1年前と比較して失業が減少
経済学者は、景気刺激対策法案はより深刻な経済危機を避けるための役割を果たしたと言い始めている。

According to the nonpartisan Congressional Budget Office, the Recovery Act is already responsible for as many as 2.4 million jobs through the end of 2009
As a result, job losses are a fraction of what they were a year ago, before the Recovery Act began.
Economists on the left and the right have stated that the Recovery Act has helped avert an even worse economic disaster.


そして、アイコンを変更したい人のためのボタンが。 



ざっと検索してみたとことろ、それなりに使われているようです。




















消費者がオンラインで支払ってもいいと考えているものは?:ニールセンの調査データ

デジタル化が進んだ業界では経済の仕組みも変わり、無料も、一つの「価格」となった(FREE著者 クリス・アンダーソン氏:週刊東洋経済より)

とのクリス・アンダーソン氏の発言を引用するまでもなく、私たちは多くの情報やコンテンツをネットから無料で手に入れることができます。

では、一体どんなものになら料金を支払ってもいと思うのか。

ニールセンの調査データが公開されていたのでご紹介。調査は27000人を対象に52カ国で行われたもの。

グラフに現れているように、映画、音楽、ゲームなどのエンターテイメントコンテンツが料金を支払ってもよいものの上位と考えられています。

また、UCGコンテンツよりも雑誌やニュースのようなものに対しては支払う価値があるとみていることが分かります。ここにも情報過多による「自分と同じような人」の信頼性の「希薄化」が見てとれるような感じがします。

また、このチャートに示されていないデータとしては、
すでに新聞や雑誌、ラジオやテレビにすでにお金を払っている場合、オンラインコンテンツは無料であるべきと考えている:78%

 有料コンテンツはそれが何であれ、現在無料で提供さてているものよりも相当価値が高くなくてはならないと思う:71%

 同じコンテンツが無料で手に入るなら有料のWebサイトもう利用しない:79%

 オンラインコンテンツを有料にできなければ企業にとって痛手になる:Yes 34%、No 30%、分からない 36%

 一度購入したコンテンツは自分のものであり、欲しい人に対してコピーや共有してもよいと思う:62%

などがありました。

では、無料と有料の境界はどこにあるのか?

それは各企業が知恵を絞って考えることだ。フリーミアムには数えきれないほどのビジネスモデルのバリエーションがある(FREE著者 クリス・アンダーソン氏:週刊東洋経済より)

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2010年2月17日水曜日

伝統的なPR手法とソーシャルメディア活動が必要な理由:「自分と同じような人」の信頼性の「希薄化」によって高まる伝統的な信頼性獲得サイクルの価値



受け取る情報があまりにも多くなりすぎ、またマーケターによるソーシャルメディア活用が多くなりすぎたために、「自分と同じような人」ではなく専門家や企業トップの生の発言の信頼性が相対的に増した

ということを示している調査データをご紹介しましたが、実はこれは別の見方をすると、従来のPR手法が活きてくるということでもあります。

さらに進めるて考えてみると、このことはPR代理店にとっては活躍する場が広がることを意味しています。PRは、企業、NGO、役員や社員を特定の案件に関しての専門家としてポジショニングさせることについて何十年もの経験があるからです。そのととソーシャルメディアにどんな関係が?大いにあります。ソーシャルメディアはソートリーダーシップ(先進的な考え方を示しコミュニケーションをしていくこと)を確立するためにもっともスピーディで効率的な方法だからです。オンラインでのソートリーダーシップを通じて信頼を獲得していくことがますます重要になります。

Taking this a step further, this is where PR agencies shine. We have decades of experience positioning companies, NGOs, execs and employees in the ranks as subject-matter experts. So what does this have to do with social media? A lot. Blogs, Facebook, Twitter, YouTube, you name it are by far the fastest and most effective ways for an any individual or a company to build a thought leadership footprint. All it means that we'll have to work harder to build credibility through online thought leadership.(steverubel.com)

この文脈から考えると、従来主にB2Bの目的で行っていたいわゆる「企業広報」をB2C目的に行うことがこれからの消費者とのソーシャルメディアコミュニケーションにおいては重要になる、ということなると思います。

このことは日本でも企業の社長や政治家がTwitterを始めて注目されている動きとも合致していると思います。

また、ソーシャルメディアで企業広報を行うことには顧客に直接リーチすることのほかに、別の利点があります。

記事のネタを探す際にジャーナリストの89%がブログを、65%がFacebookやLinkedInのようなSNSを、52%がTwitterなどのマイクロブログを閲覧する。(記者とソーシャルメディアの関係

上の画像にもあるように、調査結果では「専門家の記事」「ビジネス誌の記事」の信頼性が増加しています。そしてその記事を書いている記者や専門家は、ソーシャルメディアでネタ探しをしています。

顧客にリーチできないのであればソーシャルメディアを通じたコミュニケーションを行っても意味がない、ということにはならなそうですね。









2010年2月16日火曜日

Google BUZZのリアルタイム検索



Googleリアルタイム検索、話題のキーワードで検索すると、続々と検索結果が流れてくるので見ていても楽しいのですが、そのほとんどがTwitterのコンテンツだと思います。

あれ、Google BUZZは?ということになると思いますが、Google BUZZだけで検索をしたい場合、下のリンクをクリックしてみて下さい。 


見て分かるとおり、Google BUZZの検索結果であるため、google.comドメインからのものであることが表示されています。

"site:google.com" の後に好きな言葉を入れて検索してみてください。例えば「眠い」と入れた結果が下の画像です。

 






2010年2月15日月曜日

インテルのソーシャルメディアトレーニング

it is important to recognize that merely having social media policies in place at an organization does not necessarily mean an organization's employees will understand them or incorporate them into their daily jobs.

ちょっと時間がたってしまったのですが、Intel's Social Media Trainingという気になるタイトルのエントリがあったので抄訳にてご紹介。

インテルのソーシャルメディアポリシーは、データベースにも公開されており、35カ国以上で利用されています。

ただ単にソーシャルメディアのポリシーを導入しただけでは、従業員がそれを理解し、日々の業務に活かせるようになる、ということにはならない。そうではなく私たちが行っているように、従業員はどのようにソーシャルメディアを活かして仕事の成果に結び付けられるようになるトレーニングを受ける必要があります。トレーンングとポリシーの両方が従業員のソーシャルメディアへのかかわりを増大するためのフレームワークとなります。フレームワークがあることで、従業員のソーシャルメディアへの参加とそれを管理するマネージャーの関与のバランスがちょうど良く保たれます。両者が満足し、同じ認識にあることでソーシャルメディアへの参加についての期待と責任とはより明瞭になります。

ソーシャルメディアをよりよく発展させ、同時に管理するために、インテルの次のステップはSocial Media Center of Excellenceを作り出すことでした。これは部門間をまたぐ法務、マーケティング、PRそしてWebコミュニケーションからの専門家による組織です。この組織では、インテルの社員が責任と敬意をもって、ブログ、wikiTwitterFoursquare、その他世の中のソーシャルネットワークを使えるようになるためのガイドラインや様々なプロセス、戦略やスキルアップコースを作りました

2008年の1月には、インテルは、イノベーションやコミュニケーション、仕事でのコラボレーションをより増やすためのソーシャルメディア・ツールの使い方に関するトレーニングプログラムであるDigital IQを追加しました。Digital IQの認定を従業員に与えるためのオンライン大学として、60以上ものオンラインコースを用意しました。Digital IQを開設した目的は、セールス、マーケティングの社員のスキルを高め、ダイナミックなデジタルマーケティングの世界を理解してもらうことでした。ターゲットが、セールスやマーケティングの部門だったので、このプログラムは新興のデジタルメディアの理解を深めようという全世界の社員に対しても公開されています

Digital IQのコースは以下のエリアを網羅しています。

伝えたいことをツイートする:ブランを正しくツイートする方法
ソーシャルメディアにおけるブランドアイデンテティの重要性
WOM
Buzzの解剖学
ソーシャルメディアの効果測定
モバイルマーケティング:小さなスクリーンからの幅広いリーチ
中国のソーシャルメディア事情

とまぁ、凄いなぁという感じですが、ポイントは

1. 企業が社員のソーシャルメディア活動を最大化するにはガイドラインとトレーニングの両方が必要
2. 部門間を超えた専門家チームがそれぞれの視点からリスクやベネフィットを共有しつつガイドライン等を策定した
3. ソ
ーシャルメディアスキルアップのための特別なオンライン大学があり、世界中の社員に公開されている

というところでしょう。特に2点目は実際にこれから社内でガイドラインを作ろうという企業にとっては、偏ったものにならないための具体的な手法として使えそうですね。

あと、Digital IQのコース内に「中国のソーシャルメディア事情」というのが個別に用意されているのが興味深いですね。

ご参考:代理店からNPOまで、多分野にわたる全116件のソーシャルメディアポリシー・データベース 

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2010年2月14日日曜日

ハイチ救援のための"We are the world 25"がYouTubeに:寄付へのリンク付き

ハイチ救援のための25年ぶりに75名のアーティストが集まって収録した"We are the world 25"の動画がYou Tubeにアップされていました。

ちなみに、ページにはYouTube Nonprofit プログラムへのリンクボタンがあり、寄付がしやすくなっています。 

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2010年2月12日金曜日

Google Buzzを無効にする方法

2月10日(水)から提供が開始されたGoogle Buzzですが、Gmailアカウントと連動しているため本名や(モバイルでは)位置情報が公開されてしまうため、気づかずにプライバシーを公開していたケースが多発してちょっとした騒ぎになっているようです。 

Google Buzz(バズ)のコメントで意図せず本名が公開されるケースが続発、Googleから設定に関する勧告も(Gigazine
Googleバズで本名と位置情報がダダ漏れになっている件と解決方法まとめ(togetter

公開したくない場合、プロフィールを変更する、別のアカウントを設定するなどで解決するしかないようですが、気になるようであれば使わないというのが一番かも。

それをさらに積極的に(?)やりたいなら、「バズを無効にする」という方法があります。

上の画像がそうなのですが、バズのページの一番下に設定があります。

ちなみに、Googleが公開した、「Google バズ を快適にお使いいただくために」という注意には、当然といえば当然ですがこのことは記載されていません。

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2010年2月11日木曜日

Super BowlでもっともTwitterを盛り上げた広告はドリトス、Googleは次点:Twitter公式の分析データ

[superbowl_large_final.png]

毎年広告業界関係者の注目を集めるSuper Bowl。

ゲーム中にツイートのボリュームと、そのきっかけになった内容が公表されていました。

広告出稿企業名で言うとドリトスが圧勝、Googleは次点という結果でした。

当たり前と言えば当たり前の結果ですが、タッチダウンやインターセプトを決めた瞬間などは盛り上がることが分かります。

ツイートそのものが最も盛り上がったのはセインツが優勝を決めたタイミングでした。




2010年2月10日水曜日

ペプシはスペインでは「ペシ」?:スペイン語の発音に合せたTVCMキャンペーン

今ペプシに関するBuzzといえば、Super BowlのCMから撤退してその予算をソーシャルにシフトさせたPepsi Refresh Projectだと思いますが、スペインでは地域に根差したユニークな試みもしているようです。

動画のスペインでのペプシのテレビCMに出演するのは、サッカースペインリーグのFernando Torres選手。

Fernando Torres選手のCM撮影の模様をCMにしているのですが、どうしても"Pepsi"の真ん中の"p"が発音できず"Pesi"と発音。何度もダメ出しをされ、しまいにはバックパネルの"p"を破り捨ててしまう、というもの。

スペイン人にとっては、"Pepsi"と発音するのが難しく、"Pesi"になってしまうことから考えられたキャンペーン。

スペインの方にとっては「あー、わかるわかる」という共感を生むことでしょう。

ブランド管理の考え方からどうなんだとか、そもそもこれってネタなんじゃないの?という疑問もわきますが、地域にあったコミュニケーションを通じて共感を得てBuzzを起こす、という発想はいいですよね。

ちなみにこのキャンペーン、もともとは同じスペイン語圏のアルゼンチンで行った、"Pepsi"を"Pecsi"としたことをヨーロッパンに持ち込んだ、とのことですが、スペイン語圏の他の国でも行う予定は今のところないそうです。

"There currently are no plans to use similar advertising in other Spanish-speaking markets."(AdvertasingAge)

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2010年2月9日火曜日

「自分と同じような人」の信頼性を希薄化するソーシャルメディア:知り合いや仲間を信頼する割合が低下したことを示すデータ


PR会社のエデルマンが10回目となるTrust Barometer(信頼の指標)調査を発表しました。それがちょっと驚きの結果だったので、AdvertisingAgeの記事からご紹介。

上のチャートが今回の調査のハイライトといってもいいでしょう。


2008年にはほぼ半数の45%だった、企業に関する情報源として、知り合いや仲間を信頼するという割合が25%まで低下

the number of people who view their friends and peers as credible sources of information about a company dropped by almost half, from 45% to 25%, since 2008.

伝統的メディアであるテレビや新聞の信頼度低下は織り込み済みといってもいいかもしれませんが、消費者自身の信頼度低下というのは、ソーシャルメディア・マーケティングの根底にある概念を覆すもので、驚きの結果と言えます。ちなみに調査は日本を含む22カ国の4,875名を対象に電話調査で実施されたもの。)

この結果の通りであれば、企業、代理店、ソーシャルメディア・プラットフォーム等、全ての関係者にインパクトを与えることになります。

原因は何か?

その一つとして考えられるのが、皮肉にもソーシャルメディアそのものだと記事は伝えています。


場合によっては、ソーシャルネットワーク自身が信頼の低下を生みだしているといえます。FacebookやTwitterのようなプラットフォームは人々がよろ大きな、緩やかな繋がりを保有することを可能にした一方、それ自体が仲間同士の繋がりを「希薄化」してしまったとも言えます。つまりより多くの繋がりを持てば持つほど、その人を信頼するのは難しくなる、ということです。

In some cases, social networks themselves may be contributing to the decline in trust. Platforms such as Facebook and Twitter have allowed people to maintain larger circles of casual associates, which may be diluting the credibility of peer-to-peer networks. In short, the more acquaintances a person has, the harder it can be to trust him or her.

もうひとつ考えられるのが、背後にある企業の存在に消費者が気づいていること。



人々は影響力のあるブログやツイートの背後にいるマーケターの存在が増している事実を理解しています。マーケター自身が積極的に作り出した開示ルールがあろうが、消費者は影響力のある人々が、ポジティブな推薦を書くことで何らかの利益を企業から享受していると感じているのかもしれません。

People have caught on to the fact marketers are increasingly behind that influential blog post or tweet. Despite regulations regarding disclosure of marketer-driven efforts, consumers may feel that whatever it is these people are receiving from companies positively influences their endorsements.

では逆に信頼度が上がったのは誰か?それはCEOなどの一定の権威のあるカテゴリーでした。


CEO:26%(2009年は17%)
政府関係者:27%(2009年は22%)
経済/業界アナリスト:52%(2009年は46%)
NGOの代表:44%(2009年は42%)
学者:64%(2009年は61%)

受け取る情報があまりにも多くなりすぎ、またマーケターによるソーシャルメディア活用が多くなりすぎたために、「自分と同じような人」ではなく専門家や企業トップの生の発言の信頼性が相対的に増した、ということなのでしょう。

これらの結果についての見解が興味深いものになっていますので最後にご紹介します。


エデルマン社長兼CEO Richard Edelman氏
過去18カ月における様々な出来事が影響を及ぼしている。消費者は異なる場所や異なる人々(専門家や仲間、会企業の従業員など)からメッセージを受け取らなくてはならい。今は不信の時期に入っている。だから企業が仲間同士の繋がりを軸にしたマーケティング活動をこの状況下で行うことは良いことではあるが、同時にそれが唯一のソリューションではなく、解決策の一つにすぎないことを理解すべきだ。

Richard Edelman, president and CEO of Edelman,
"The events of the last 18 months have scarred people," Mr. Edelman said. "People have to see messages in different places and from different people. That means experts as well as peers or company employees. It's a more-skeptical time. So if companies are looking at peer-to-peer marketing as another arrow in the quiver, that's good, but they need to understand it's not a single-source solution. It's a piece of the solution."

伝統的メディアも含め総不信に陥っている状況を見れば、単一手法には頼れないというのはごもっともな見解。ちなみにエデルマン氏は先にあげた「希薄化」の原因の一端がFecebookやTwitterにあることは「間違いない」と述べています。


360i の新興メディアディレクター David Berkowitz氏
あまりにも多くの情報を目にしたら、それらは簡単に捨てられてしまう。それこそが、現在のマーケティングメッセージが抱えている問題。

"When you're seeing so much noise, it's very easy to dismiss a lot of it, and that's a problem marketing messages have had for a while now," said David Berkowitz, director-emerging media for 360i.


オムニコムグループ社長兼CEO、WOM マーケティング協会代表 Paul Rand氏
口コミはこれまで以上に効果的になるが、状況が変わった。「誰かの考え方だから信用できる」という考え方はもう通用しない。これからは「私の知り合いの情報だから信頼できる」になる。 

Not surprisingly, Paul Rand, president-CEO of Omnicom Group's Zocalo Group and president of the Word-of-Mouth Marketing Association, said word-of-mouth is more effective than ever. But he does concede the game has changed.
"The mind-set is no longer 'I can just trust it because it's somebody's opinion,'" he said. "It's, 'I can trust that specific opinion because it's someone I know.'"

先日「コラボレーションの真の価値は「ゆるい繋がり」から生まれる:150を限界とするダンバー数とは異なる世界観」というエントリを書きましたが、コラボレーションではなく「信頼」の指標としてはダンバー数は当てはまっているのかもしれないですね。

















2010年2月8日月曜日

トップ自らが積極的に参加する、米トヨタのソーシャルメディアを活用したダメージコントロール



これはトヨタが1月31日の全米の主要20紙に対して行った、リコールに関する全面広告です。そしてその翌日には、テレビ番組"Today"に、Toyota Motor Sales USAの社長兼COOのJim Lentz氏が出演して、アクセルペダルの問題について

きちんとした対応ができます
This will be under control

との見解を述べました。 

トヨタはこのようにしてリコール問題による企業イメージ低下を避けるためのコミュニケーションを開始し、先週金曜の夜には日本での社長会見が行われました。

こうした目に見える動きの裏で、ソーシャルメディアでも積極的な情報発信、質問の募集などが行われています。

基本となるのが、リコールに関する情報を集約している公式ホームページ

ここでは最新情報の開示やリコールに関連のある車種情報などが載せられています。ここまでなら、国内での危機対応時によく見られるもの。

ここからが少し違うのですが、こうした基本情報とともに、ホームページにはビデオコンテンツが収録されています。たとえば、下のような感じのものです。

重要なお知らせ
Toyota Motor Sales USA 社長兼COO、Jim Lentzより
Important Message
From Jim Lentz, President and Chief Operating Officer, Toyota Motor Sales, U.S.A., Inc.
 重要な情報の更新
Toyota Motor Sales USA 社長兼COO、Jim Lentzが、トヨタのディーラーを訪問し、リコールについて語る
An Important Update: 02.05.10
Jim Lentz, Toyota President and Chief Operating Officer, visits a Toyota dealership to talk about recall actions.

こうしたメッセージは、Toyota USAの公式YouTubeチャンネルにも掲載されています。
※下の動画の埋め込みができないようなので、こちらからご覧ください。 
 

そしてYouTube上のコンテンツには、当然のことながら、FacebookTwitterからも誘導が行われています。


Twitter上では、上で述べたTodayの番組出演映像へのリンクや、公開での質疑応答なども行われました。


RT @todayshow: @ToyotaのJim Lentzがリコールについてマットに「きちんとした対応ができます」とリコールについてコメント
RT @todayshow: "This will be under control." - @Toyota president Jim Lentz speaking to Matt about the recall. Video: http://bit.ly/awU01P (実際のツイート)


いまJim Lentzが来ています。20分間でできるだけ多くの質問にお答えします。
Jim Lentz is with us on the channel right now. We'll try to get through as many questions as possible in the 20-min time frame. #lentz (実際のツイート)

実際に14問程度回答しています。

そして極めつけがこれ。

 


Toyota Motor Sales USA 社長兼COO、Jim LentzがDiggコミュニティに寄せられた上位の質問にお答えします。(ツイート)
誘導先のページ"Digg Dialogg: Jim Lentz"では、

トヨタはあなたからの質問を募集しています!2月8日月曜の朝8時までに質問を投稿し、Digg(格付け)をしてください。それによってインタビューで聞かれる質問を決定します。
Toyota wants to hear from you – submit and vote up questions below!
Submit and Digg questions from now until Monday, February 8th at 8am PT to decide which will be asked in this exclusive interview.

というメッセージが、ありその下にはすでに1000以上の質問が寄せられており、diggでランキングがなされています。


トヨタのイメージ回復に向けてのコミュニケーションはまだ始まったばかりですが、この一連の動きを見ていて学べることが3点あります。

1つ目が、動画というソーシャルメディア・レディ・コンテンツを活かすことで、統一されたメッセージを分かりやすく伝えることができている。

2つ目が、日頃からプラットフォームとしてソーシャルメディアを活用していたことで、メッセージを一気に拡散させる取り組みを行っている。

そして3点目が実はもっとも重要なのですが、企業のトップ自らが積極的に関与していることです。

自らテレビ出演し、メッセージ動画はもちろん工場に出向いてのビデオにも出演し、ソーシャルメディアに対して質問を募り、自ら積極的に回答する。 

危機管理時におけるコミュニケーションをトップが自ら行うことで、会社としてのコミットメントの強さ示し、同時に社員や関係者に対してもメッセージを投げかけています。

ソーシャルメディアやそれに見合ったコンテンツが加わってはいますが、トップが積極的にリードする、という基本はきちんと守っているということですね。





























#popcornというキーワードに反応して作るポップコーンメーカー

国内では、UCCのTwitterキャンペーンが、

「コーヒー」「懸賞」などのキーワードが入ったツイート(つぶやき)を機械により判定し、自動的にbotと呼ばれるプログラムにより「@username」に向けて「コーヒーにまつわるエッセイとアートを募集中!エッセイで賞金200万円!アートで賞金100万円!締切間近!!」というメッセージを送る(プレスリリース

という手法のもと行われたために、騒動となりましたが、ポップコーン好きの人たちがもっと癒し系の企画を考えたようです。

それが上の動画ですが、ポップコーンメーカーのFireworks Popcornの主催するコンテストに応募するために、Twitterを連携させたアイディア。
Twittterで#popcornというキーワードを入ったツイートを自動的に見つけ次第、ポップコーンが作り出されるというもののようです。

これならだれにも迷惑はかけないですね。

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インターネットが今年のノーベル賞にノミネート

インターネットが今年のノーベル賞にノミネートされたそうです。

インターネットがコミュニケーションを通じて、対話を生み、議論を呼び、合意形成することに貢献しているとの理由からイタリア版のWired Magazineがノミネートを実現させた。

The nomination was made after a petition by the Italian version of Wired Magazine, which cited the Internet’s contributions to “dialogue, debate and consensus through communication”. (mashabe)

ただし昨年オバマ大統領に平和賞を与えたことから考えると今年は保守的な選択になり、インターネットのノーベル賞受賞は可能性が低いそうです。

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2010年2月5日金曜日

サン・マイクロシステムズのCEO、俳句形式のTwitterで退任を表明

IT界の巨人サン・マイクロシステムズのCEO、Jonathan Schwartz氏がその座を退くことを、Twitter(@OpenJonathan)を通じて発表しました。

しかもそのツイートは、俳句(#Haiku)のスタイルで書かれていました。

Financial crisis
Stalled too many customers
CEO no more

それにしても、なぜ俳句なのか?

それはサンを買収し、200万ドルも費やして日本式家屋を建てるほどの侍/日本好きとして知られるオラクルのラリーエリソン氏への当てつけなのでは?という憶測もあるようです。

New York Timesによると、Twitterで退任を伝えるのはFortune200企業で初めてのCEOになるとのこと。

CEOブロガーとしても著名であったシュワルツ氏らしい発表方法なのかもしれないですね。

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2010年2月4日木曜日

代理店からNPOまで、多分野にわたる全116件のソーシャルメディアポリシー・データベース

これは今まで知りませんでした。

今日の時点で116のソーシャルメディアに関するポリシーやガイドラインが、Social Media Governance Databaseにて公開されています。

分野も

Agencies: Advtising, PR, Marketing
Business Products or Service
Consumer Products or Service
Healthcare
Government or Non-Profit
General Guidelines and Templates

と多岐にわたります。

公開されている企業もそうそうたるもの。一部を抜粋しただけでもABCのほぼ全てが網羅されるほどのボリュームです。

American Red Cross
BBC
City of Seattle
Dell
ESPN
FedEx
GM
HP
IBM
Judith Lindeau
Kodak
Le Bonheur Children's Medical Center
Microsoft
New Zealand State Services Commission
Opera
Powerhouse Museum
Robert Scoble
Sun Microsystems
The University of Texas MD Anderson Cancer Center
U.S. Air Force
Wal-Mart
Yahoo!

是非ご参考にしてみてください!

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2010年2月3日水曜日

従来のWebマーケティングを無効化するthe Splinternet:iPhoneやiPad、Facebook、Kindleの登場が変えるWebの常識

Splinternet

先日iPadが発表された際、大きく議論になったことの一つが「Flash非対応」だと思います。

様々なネット接続機器が登場する中、これからのインターネットは、各デバイスやプラットフォームが独自のルールで支配するthe Splinternet(分断されたインターネット)になっていき、従来のマーケティング手法は通用しなくなっていく、ということを示唆しているエントリがあったので抄訳にてご紹介。

Web(やWebマーケティング)の全フレームワークはこの考え方を基本としていた「全てが互換性のあるフォーマットに入っていること」。どんなブラウザやコンピュータ、コネクションであっても全く同じものを見ることができる、という。
しかし今、iPhone、Android、Kindle、タブレットPC、そしてテレビでネットに接続したとき、その通りではないことが分かる。これらのデバイスであなたのサイトはきちんと表示されない。flashを含んだものや、マウス操作を前提としたつくりのものは特にそうだ。iPhone上で動くアプリはAndroidでは動作しない。

As we all gird for the launch of the Apple Tablet, take a moment to step back and realize what all these new devices are doing. The whole framework of the Web (and Web marketing) is based around the idea that everything is in a compatible format. Any browser, any computer, any connection, you see pretty much the same thing.
Now with iPhones, Androids, Kindles, Tablets, and TVs connecting to the Web, that's not true. Your site may not work right on these devices, especially if it includes flash or assumes mouse-based navigation. Apps that work on the iPhone don't work on the Android.

その一方で、Web上の多くの興味深いコンテンツが、ログインパスワードの向こうに隠されている。例えばFacebook。Facebookアプリが他のどこでも動作しないだけでなく、多くのコンテンツをGoogleで検索することができない。また、News CorpやNew York Timesはより多くのコンテンツの閲覧にログインを科すよう議論をしている。

Meanwhile, more and more of the interesting stuff on the Web is hidden behind a login and password. Take Facebook for example. Not only do its applications not work anywhere else, Google can't see most of it. And News Corp. and the New York Times are talking about putting more and more content behind a login.

Webマーケティングは1995年から、全てが相互接続しているという前提のもの成長を続けてきた。クリックスルー、アドネットワーク、分析、SEO・・・これらが機能したのはWebが標準化されているからだ。Googleが機能しているのも同じ理由から。
だがそれはもう無くなる。それぞれのデバイスが独自のアドネットワークやフォーマット、テクノロジーを持っており、それぞれのソーシャルサイトがログインを必要とし、サーチエンジンから多くのコンテンツを隠している。

Web marketing has grown since 1995, based on the idea that everything is connected. Click-throughs, ad networks, analytics, search-engine optimization -- it all works because the Web is standardized. Google works because the Web is standardized.
Not any more. Each new device has its own ad networks, format, and technology. Each new social site has its login and many hide content from search engines.

私たちはこの新しいWebの世界をthe Splinternet(分断されたインターネット)と呼んでいる。それは統一されたものとしてのWebを分断するもの。長く、永遠に続くであろうと考えていた黄金時代は、15年たち終わりを迎えようとしている。

We call this new world the Splinternet. It will splinter the Web as a unified system. The golden age has lasted 15 years. Like all golden ages, it lasted so long we thought it would last forever. But the end is in sight.

単一だったネットの世界も細分化がすすみ、デバイスやサイトごとにルールが異なってきていています。実際私たちは、iPhone用のクライアントからのアクセスを含むTwitter全体の正確なUUを測定することすらできません。

「テレビや新聞などのマスが効かなくなった」ということと通ずる世界観の変化の始まりようにも感じます。

ではどうすべきか。それに対するアドバイスも述べられています。

してはいけないこと:パニックになって、全てをまた統合しようとしないこと。破壊を止めることはできない。

Here's what not to do: panic and try to unify things again. The shattering cannot be undone.

するべきこと:①デバイスを注意深く選ぶこと・・・誤った選択をした場合、一つのものに投資した分を他に転用することは容易ではありません。②分析やリンク、効果測定を再考すること・・・新しい環境でもこれらは使えるようになってきている。③新しいチャネルをプロモーとすること、ただしここではSEOにはあまり期待できない。iPhone appsやFacebookはもっともエキサイティングな新規のチャネルです。 ④新たなプラットフォームを味方にしていくのと同時に、Webの背景にあったこれまでの快適な環境(これまであなたの成長を支えてきた様々なツール群)から去っていくということを認識すること。

Here's what to do: choose your devices carefully -- investments in one cannot be transferred easily to others if you make a mistake. Rethink analytics, links, and measurement -- they're just becoming available in the new environments. Promote the new channels, SEO won't help you so much here. Platforms like iPhone apps and Facebook are some of the most exciting new channels out there. Just realize that you're leaving the comfy environment of the Web behind -- along with all the tools you've grown dependent on -- as you embrace the new platforms.

ちなみに、Proof the Splinternet is realという続編もあるので興味のある方はどうぞ。

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2010年2月1日月曜日

フォロアーを増やしたいなら、自分自身について語るのはやめたほうがいい、というデータ 

 

先週末のツイッター"#bluemoon"(ご参考写真)で盛り上がったかたも多いと思いますが、毎月第四金曜日に行われる、日本版"#FollowFriday"こと「フォローミー祭り(ご参考)」に参加されたかたも多いかもしれませんね。

TweetPsychというTwitter上で語られている内容の定性分析を行うツールがあるのですが(日本語非対応)、これを用いた分析によると、

フォロアーを増やしたいなら、自分自身について語るのはやめたほうがいい。
Want more followers? Stop talking about yourself.

ということのようです。

それを示しているのが上のグラフ。フォロアーが多いほど自分自身に関する内容が少なくなっていることを示しています。
※ちなみに上のグラフのY軸の"Social Language"は"Self Reference"の間違いだと思われます。

それと対称となるデータが下のグラフ。

WeやYou、関係性やコミュニケーションに関する記述を表す"Social Language"が多いほど、フォロアーが多くなっていることを示しています。

ソーシャルメディアが相互の繋がりやコンテンツを提供しあって成り立つメディアであるという視点で考えると、"me"中心のものより"You"やWe"中心にツイートするアカウントのほうが、よりフォローされやすい、ということは想像できますね。もちろん、著名人など「私生活」自体がコンテンツとして価値のあるアカウントについては、この分析の通りではないでしょう。

要するにツイートが他の人にとって「自分事化されるもの(relevant)」かどうか、ということだと思います。

また、このデータは、たとえ大企業のアカウントであっても「自分事にならないものはフォローされない」ということを暗示しています。
Twitterの楽しみ方は人それぞれですが、フォロアーを増やすことが重要な目標の一つとなる企業アカウントでは、重要な視点だと思います。











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