2012年10月29日月曜日

Pinterestで買い物のヒントを得る人はFacebookの3倍以上という調査




私が、「Facebook以上の効果も生まれている注目の新サービスPinterest:特徴的な利用者属性とセルフプロモーションを嫌うポリシー」というエントリでPinterestのことを最初に取り上げたのは昨年12月19日。

今年の1月ごろからPinterestの話題が一気に増え(確か日経系のメディアが取り上げてからだったかな)、その後は5月の楽天による大型出資を頂点に、話題を目にすることが少なくなった印象ですが、海外、特にアメリカでは特に下火になっている、という実感はありません。



上の図はPinterestとFacebookを使う理由に関する質問ですが、最もその差が顕著に表れているのが下の質問(n=1,248/4,738)。

買うもののヒントを得るため
Pinterest: 70%
Facebook: 17%

 好きなものの情報を整理・収集するため
Pinterest: 67%
Facebook: 21%

 好きなもの最新トレンドを得るため
Pinterest: 67%
Facebook: 22%



Facebookは知り合いの情報を知り交流する場、Pinterestは興味があるものを共有しあう場、と言えると思いますが、この調査をみると、Pinterestは企業やコマース事業にとっては購入のきっかけに繋がる有益なチャネルということがうかがえます。

また、ブランドとのエンゲージメントの仕方を比較すると、

Facebookではブランドのコンテンツに対して参加する一方、Piterestでは自らブランドに関するコンテンツを作り出しているという違いが見て取れます(n=723/2,372)。

こちらのランキングを見ると、企業よりも個人の方が多くの人にフォローされていますが、上記の傾向はこの辺りにも反映されているといえそうです。

Pinterestに関しては下のような分析ツールも存在していますが、

PinAlerts:自社サイトのコンテンツがPinされたらアラートが来る
Pinpuff:分析に加え、キャンペーンエディターがある
Pinery:Pinterest上での影響力が分析できる

実は、


のサイト名にドメインを入れると、どのくらいPinされているかを簡易的に見ることができます。

例えば、Pinterestにアカウントを持っているユニクロの場合、


これで確認することができます。

Pinterstは最近ユニーク訪問者数でTumblrを上回ったというデータもありますが、日本ではまだまだ利用者は少なく、企業がアカウントを開設してもあまり影響がない、というのが実情だと思います。

上の方法なども使いながら、まずはソーシャルメディアマーケティングの基本「傾聴」から始めてみるのもいいかもしれませんね。

ご参考:




















2012年10月22日月曜日

実は非常に影響力があるダイレクトソーシャル




The Atlanticというメディアサイトが面白いデータを公開していました。

The Atlanticのリファラーデータを、リアルタイムWeb解析を行うChartbeatを使って分析したところ、FacebookやTwitter経由よりも、メールなどで共有された結果の来訪の方が多かったとのこと。

そもそもトラックできないメールやメッセンジャー経由の来訪をどう判別したかというと、ブックマーク経由や直接入力する可能性のあるホームページ(theatlantic.com)やカテゴリーページ(theatlantic.com/politics等)と、URLが非常に長い各記事とに分けて判別したそうです。URLが長い各記事については、ブックマークや直接入力ではなく、共有経由の訪問のはずなので、確かにこれは理にかなった分け方ですね。

Chartbeatはこれを「ダイレクトソーシャル」と呼び、The Atlanticのリファラーデータを一般的なソーシャルと、ダイレクトソーシャルトに分けて比較したのが上の図です(Atlanticの記者はこれをダークソーシャルと呼んでいる)。

ダイレクトソーシャル:56.5%
Facebook:21.6%
Twitter:11.2%

その他ソーシャル:10.7%

これがAtlantic特有の状況かどうかを確かめるために、Chartbeatで他のメディアサイトのデータも集めたところ、対象としたサイトやその数は開示されていないものの、次のような結果になったそうです。

ダイレクトソーシャル:69%
Facebook:20%
Twitter:6%

その他ソーシャル:5%

この結果をさらに全体のリファラーの中でみると、

ダイレクトソーシャル:17.5%
検索:21.6%
となったそうです(ちなみにthe Atlanticの場合は、ソーシャル>検索だそうです)。

これまでプライベートに行われていた情報の共有が広く公開された形で行われるようになったことが、FaceookやTwitterなどのソーシャルメディアが加速させた変化の一つですが、その代償としてユーザーはプライバシー情報をプラットフォームに提供することになります。

ソーシャルメディアが存在する以前からあった、プライベートな共有が今でも非常に大きなウェイトを占めている、というのは驚きである一方、納得のいく話でもありますね。

ご参考:











2012年10月15日月曜日

モバイルソーシャルは2年以内に主流になり、2015年のモバイルの広告市場は12倍に:ガートナーによるモバイル市場の予測レポート





その翌日、ガートナーはモバイルの動向に関する予測を発表しました。

PCの販売減速の裏で成長を続けるスマートフォンとタブレットについて、2015年にはスマートフォンが10億台、タブレットが3億5千万台出荷されるとガートナーは見ており、その分モバイル関連市場の拡大も期待されています。

ということで、PC販売の減少と対をなしているともいえるこの調査データをいくつかご紹介。

モバイルソーシャルネットワーク:
・ガートナーによると、モバイルソーシャルネットワークは2年以内にメインストリームになり、2014年には10億人が利用するようになる。
・現在、携帯経由でSNSを利用しているのは15%である。
・ただし競争の激しいこの市場は、2015年までには統合が進み、専業のモバイルソーシャルネットワークは5つかそれ以下になるだろう。

上場したFacebookが巻き返しを図っているモバイルSNSの活況については疑う余地もありません。が、つい先日10億ユーザーに達したFacebookのモバイル利用者は6億(=60%)と発表されていたような、、、

ロケーションベースサービス:
・2012年の終わりまでに8億人がロケーションベースサービスを利用するようになる。
・広告を主な収益源として、2015年には135億ドルの売り上げがロケーションベースサービスから生まれる。
・直近で関心を集めるのは、ナビゲーション、ロケーションサーチ、フレンドファインダー/SNSになる。

モバイル広告:
・モバイル広告の分野は、プライバシーや測定、標準化などの問題が未解決でありながらも急成長している。
・2年後にモバイル広告は2倍になる。
・2015年までには現在の12倍の206億ドルに達するか、広告費全体の4パーセントになる。

TechCrunchの記事によれば、現在モバイル広告の割合は1%にも満たないことを考えると、広告費全体の4%でも大きな成長といえそうですね。

ちょうど「モバイル広告の認識率は頭打ち、有用性の評価も低下気味―定期モバイル調査「広告閲覧」(6)」という記事が出ていましたが、モバイル広告の見せかたたについてはまだまだ伸び代があるということで、拡大する市場に見合うだけの投資効果を出せるようになっていく必要はありそうですね。

これら以外にも、モバイルアプリストア、バーコードマーケティング、モバイルクーポン、ARに関しての予測がされています。

ご参考:











2012年10月10日水曜日

Facebook、広告はテレビのようにクリックよりリーチが重要:Facebook広告のほとんどは将来リターゲティングに?




Facebookは、リターゲティング広告を本格的に始めるようです。

最近立て続けに発表しているFacebookの広告関連のニュースの中でも、注目していた2つがちょうどまとめて翻訳されていました。


リターゲティング広告に使用するツールは、「Facebook Exchange (FBX)」と呼ばれるもので、9月13日に米国で正式リリースされました。

Facebook ExchangeはFacebookユーザーが外部のWebサイトを訪問した際にcookieを設定し、そのユーザーのネットでの行動履歴に基づく広告をFacebook上に表示するというものだが、外部サイトにFacebookアカウントのデータを渡すわけではなく、また、ユーザーはいつでも特定の広告主からの広告をオプトアウトできるという。

もうひとつの注目記事は、Datalogixとの提携。

このツールは、Facebook上に表示したブランド広告とそのブランドの商品の実際の購入の関係を分析するものだ。このツールで実際の50件の広告キャンペーンについて調査したところ、Facebook広告から生成された購買行動の99%は、Facebook広告を見たがクリックをしなかったユーザーによるものだったという。
Facebookは、こうしたコンセプトはテレビCMの世界ではなじみ深いものだが、オンライン広告ではこれまで証明できなかったことだと説明。今回の調査から、オンライン広告は広告主に平均で70%高いROI(投資収益率)をもたらすとFacebookはみている。

アトリビューションの確認もこの提携によって可能になるそうです。

で、この発表をした時のFacebookのメジャーメントとインサイツのトップ、Brad Smallwood氏の発言が非常に印象的だったわけです。

テレビのように、彼/彼女らは(Facebook上で)メッセージを消費し、彼女/彼らが店舗に行くと、あなたの製品を購入する可能性が高まります。これは(上記の調査結果が示すように)クリックの最適化が正しいわけではないことを証明しています。テレビと同じように、リーチが重要な後押しとなるのです。

また、FBXへの参画を呼び掛けられている、広告の再販を行うTriggit社のCEOによると、

これから18ヶ月後にはFacebookの広告在庫のほとんどはリターゲティング経由で購入され、その割合は何倍にもなるだろう。


株主対策とはいえ、ユーザーのLikeやコメント、プロフィール情報、そしてユーザー同士の繋がりなど、Facebookがこれまで構築してきた、膨大な情報を必要としないリターゲティング広告が、リーチを売りにして主要なものになるのだとしたら、なんかちょっと残念だと思うのは私だけではないのではいでしょうか。

Facebook広告のイノベーションは今後も続くであろうと信じつつ、以下、「フェイスブック 若き天才の野望」から有名な一節の引用を。

フェイスブックのここ数年来の注目語が「ダサい奴になるな(Don't be lame」だ、コックスによるとその意味は、もっと金を儲けるためだけや、みんながやれと言うからというだけの理由で何かをするな、ということだという。これはグーグルの「邪悪になるな(Don't be evil)」と対照をなすフェイスブックのモットーだ。

ご参考:















2012年10月1日月曜日

ソーシャルからの購入は1%未満:Forrester Researchの調査




Forrester researchの最新レポート"THE PURCHASE PATH OF ONLINE BUYERS IN 2012"の結果の一部が公開されていたのでご紹介。

2012年4月1日から14日に発生した77,000の購入データをもとに、購入経路の効率を調査したもの。

上の図はその抜粋ですが、

ソーシャルメディア経由の購入は1%にも満たない

という結果になったそうです。

その他、直接訪問を除くと、

新規顧客の獲得に最も効率的なのは検索
リピーターに最も効率的なのはeメール

となり、従来の傾向と同じであったことが報告されていました。

ソーシャル上の施策は、有意義に売り上げをもたらすものとは言えない。ソーシャルネットワークがeコマースに影響を及ぼすものとして過剰に宣伝され、オンラインの経営者達の興味を引いている一方、実際にはソーシャルは引き続き苦しい立場にあり、新規およびリピート購入者にとって無視してもよいものとみなされている。事実、新規およびリピート購入の両方において、遡ることができたトラック可能なソーシャルリンクはトランザクションの1%にも満たなかった。

注釈として、不釣り合いにソーシャルコマースの効果がよいスモールビジネスは対象にしていない、とのことでした。

この調査の結論としては、ソーシャルメディアは顧客と繋がりブランドとのエンゲージメントを生みだす一方、目に見えるような形で収益を生むものではない、ということですかね。

ご参考:











Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...