2011年6月15日水曜日

ソーシャルメディア成熟度の5段階指標




多くの企業がソーシャルメディアでの活動を行うようになってきていますが、その取り組み方は千差万別。

ただし、その「ソーシャル成熟度(social maturity)」に目を移すと、業種、地域、顧客層の違いに関わらず、大企業においては共通の変化を歩みながらビジネスにソーシャルメディアを統合している、というForrester Researchのデータが公開されていました。

「ソーシャル成熟度(social maturity)」は、有名なロジャースのイノベーター理論になぞらえて解説されていました(1000人以上の社員のいる95のソーシャルメディア活用企業、30社以上のあらゆる成熟段階にある企業、既存の調査結果などをもとにまとめられたものです)。

ラガード(遅延者):休眠段階
Forrester社は、5社に1社がソーシャルメディアを活用していないと予測。これらの会社は非常に保守的で、規制が多い、もしくは単に興味がないという傾向があります(非テクノロジーのB2Bなど)。このステージを脱するために、我々はインタラクティブマーケターには「小さな勝利」を積み重ねることをお薦めします。軌道に乗せるためにケーススタディになっるような最良の機会にフォーカスすべきです。

レイトマジョリティ(後期多数採用者):テスト段階
多くの企業がソーシャルメディアを活用している一方、組織的にはポケットの中で開始されるているようなものです。このステージは「混沌が分散している状態」という事ができます。次に進むには、経験のあるインタラクティブマーケターが、「世話人」の役割を果たし、活動を組織横断型なるように調整することが推奨されます(この役割は、ソーシャルメディアストラテジスト等といわれるものであるが、企業は既存のインタラクティブマーケティングチームを通じて成長することが可能であることは留意すべきです)。

レイトマジョリティ(後期多数採用者):調整段階
この時点では、マネージメントはソーシャルメディアから得られるものとリスクを認識し、リソースを割いて管理をはじめ、組織全体で一貫性を持たせ、「分散した混沌」からより中央集権的なアプローチをとるようになります。インタラクティブマーケターには、その運営委員会とともに行動して主要な関係者が基礎を作り、リソース、ポリシー、予算を共有し、長期的な取り組みとして結果の最適化ができるようにすることをお薦めします。

アーリーアダプター(初期採用者):拡大・最適化段階
(スターバックスやベストバイ、コカコーラのような) リーダーたちは、すでにソーシャルな組織を連携させ、プロセスの最適化からより発展した指標に至るまで、ソーシャルメディア活動の最適化に注力し、他のマーケティング活動等の統合を行っています。このグループにとっての次の大きなステップは、組織の中の誰がソーシャルアプリケーションを使い、顧客の問題を解決し、ソーシャルメディアに関わる全社員のプランニングを手助けするのに最適かを決めることです。

イノベーター(革新者):権限移譲段階
この段階では関係のある全社員がトレーニングを積み、ソーシャルメディアを活用するのに権限移譲がされています。中核となる研究組織は必要ですが、「組織化された配置」が根本的になされています。(例えばZapposのような)ごくわずかな企業がちょうどこの段階に入ったところですが、より多くの企業が後に続くことを期待しています。




確かにZapposのように500名近くの社員のTwitterアカウントを公開し、有名なコアバリューのもと権限委譲ができているのは、理想郷の域と言ってもいいと思います。

一方で、Zapposのように全社員上げて顧客とのコミュニケーションを重視しているわけではない一般的な企業にとって、イノベータへの道のりはとても遠そうです。。。

ちょうどZapposの話になったので、最後にオマケ。以前のエントリ「Guy Kawasaki氏によるZapposのCEO、Tony Hsieh氏のインタビュー:企業家精神、Amazonへの売却、家族、そして幸せについて」からの抜粋です。

Q: 顧客サービスは新しいマーケティングですか?
A: 新しくなったことは、全てが高度に接続し、情報伝播が以前よりもずっと早くなったことです(Twitterやブログなどを通じて)。顧客サービスのストーリーはそれがいいものでも悪いものでも、すぐに伝わり、企業ブランドにより大きな影響を及ぼします

Q: 普通の昔ながらの電話はZapposにおいてどんな役割ですか?
A: 私たちは電話は最高のブランディング機器だと思っています。顧客との集中をした時間を5〜10分間持つことができますが、30秒のスーパーボウルの広告では、視聴者はあまり集中していません。電話で正しいやり取りを行えば、顧客は長い間覚えてくれていて、友人や家族に私たちのことを話してくれます。


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