2010年4月14日水曜日

今のメディアに必要なのはストーリーのねつ造ではなく、コラボレーションとソーシャルサーチ

表紙
 
 
@smashmedia さんのエントリ、"「ツイッターを疑え!」を疑え"を読んで、これはひどいと思われた方も多いと思います。

実際の広報の現場にいる人間にとってはこれって悲しい現実で、記者の書きたいストーリに当てはまるコメントが誘導的に求められたり、コメントの一部を都合のいいように使われたり、という経験をした広報担当者は少なくないと思います。

もっと単純な例を出すと、「日米の距離は広がる一方」というような記事に、両国首脳がたまたまお互いそっぽを向いていた時の写真を使う、そういうようなことです。当人にとってはこれってそういう文脈ではないですよね。
 
結果的にこの雑誌の売れ行きに多少なりとも変化があったのかは気になるところですが、いまメディアに求められていることは面白おかしいストーリーを仕立て上げることではなく、「コラボレーション」することだと思います。
 
コラボレーションというと「×」のマークに代表されるようにキャッチーな感じになってしまいますが、いわゆるメーカやブランドとのコラボ、などではなく(既存・潜在)読者とのコラボであり、話題とのコラボレーションです。それを上手くやっているのが最近の週刊ダイヤモンド。
 
最近のダイヤモンドはどうしてしまったんだろうか、そう思っている人も多いと思いますし、Twitter上での会話を見る限り、ポジティブに評価をよく見かけます。
 
Twitter特集
FREE特集
無縁社会
そして、ドラッカー特集
 
バックナンバーと比較してみるとこれらの特集号は通常の、ダイヤモンドとは異なる企画性の高い号です。
 
なんとなく上手いところを突いてくるBRUTUSのような雰囲気さえ漂い、小難しい経済誌のオーラは影をひそめています。
 
なぜか?
 
やはり変わったきっかっけは同誌のTwitter特集にあったのだと思います。
 
2010年ツイッターの旅 140字、1億人の「つぶやき」革命 企画おさらい
 
Twitterを通じて企画を公開し、フォロアー獲得開始
週刊ダイヤモンド編集部では1月23日号(1月18日書店発売)で「ツイッター特集」を企画しています。全40ページの大特集です!。
http://twitter.com/diamondweekly/status/6858828910

フォロアーのアイコンを表紙・特集扉用に
正式に表紙アイコン掲載希望を募ります。ハッシュタグ #dwfp をつけて「掲載希望」でも「載せろ〜」でも何でもつぶやいてください。先着1500名様です(笑)。ただし、表紙のタイトルデザイン等によって掲載人数は増減する場合があるので
http://twitter.com/diamondweekly/status/6862856885 ちなみにこれは244回のRT
 
こぼれ話や編集過程をTwitterでレポート(インタビュイーの話や深夜の執筆中、校了など)
堀江:ツイッターを使い始めたきっかけ「ブログにコメントがついた。堀江、ツイッターも使ってないなんて終わったな」
http://twitter.com/diamondweekly/status/7623677127
ちなみに、ツイッター特集号は1/18の月曜日発売(1/23号)となります。締め切り作業も、ラストスパートに入りつつあります。といつつも、特集班のおっさん3人はもうヨレヨレですが(苦笑)
http://twitter.com/diamondweekly/status/7664009304

販売の収益の一部は社会貢献として途上国の学校建設
週刊ダイヤモンド「ツイッター特集号」をご購入いただいた方全員のツイッターアカウントが、途上国で建設される学校・図書館に記されます。是非、ご協力を!。 http://bit.ly/6PjUNF
http://twitter.com/diamondweekly/status/7507775786
 
コーズマーケティング的な要素まで活用した結果、
 
特集内容とインタラクティブな誌面づくりが評価され、完売し、増刷

こうしたTwitterでのやり取りを通じて、週刊ダイヤモンドはTwitterユーザーとの絆を作り上げたといってもいいでしょう。男性、30-40代を多く含有しているTwitterユーザーは、まさしくダイヤモンドのコアターゲットです

雑誌で企画をする際に当然今のトレンドは何か、ということは調べていますが、筆者は先のTwitter特集以降、
ソーシャルサーチを使い始めたのではないかと思います。
 
具体的に「検索」をしているか分かりませんが、少なくとも編集記者個人々々が「TLを通じて感じる今」を受け取り、それを企画会議にかけ、記事にしていく。
 
そんな素敵なプロセスを想像してしまうのは、ちょっとロマンチック過ぎでしょうか?
 
昔は編集部へ要望をハガキなどで募っていたものが、今はTwitterでリアルタイムに行えます。しかもニーズをツイート数やRT数などを通じて量的に分析することもできます。
 
ここまで来るとソーシャルサーチからクラウドソーシングの域に入ってきそうな気すらします。
 
それぞれの号の売れ行きや購買者属性など気になるところですが、コマーシャルになりすぎずに、読者の読みたいビジネス情報をくみ取って誌面をつくっていく、そんな取り組みを続けていただきたいものです。
 
機会があったら中の人に聞いてみたいと思います。 

Posted via email from Capote's Connected Communications - 続・広報の視点

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