2012年9月24日月曜日

Facebook、鳴り物入りで登場させた広告商品"Reach Generator"をひっそり終了




今年3月に行われた、Facebookによるマーケター向けカンファレンス"Facebook Marketing Conference"で、「Facebook書き込みは友達の16%にしか届いていない。(後に12%に訂正」という驚きの数字とともに、それを解消するものとして紹介された広告商品"Reach Generator"。

Reach Generatorを使うことで、FacebookページにLikeしている人のニュースフィードやログアウトページに投稿を表示し、到達率を上げることができる、という広告商品ですが、どうやら7か月たらずでその販売を終了することになった模様

Facebookのスポークスパーソン曰く、

私たちは、広告主に提供するものをシンプルにします。広告主は最近ローンチした、Promoted Postsを使うことで、選択の自由度を高め、ニュースフィード内で投稿を宣伝するすることができます。

ということで、今後はPromoted Postsにフォーカスするようです。

Reach Generatorは、広告主がFacebookと直で作業をする必要があり、Facebookにとっては人的リソースがかかってしまう、という側面もあったようです。

それに対してPromoted Postsは入稿にかかる手間が少なく、現在は400以上のLikeがあるページなら利用可能で、さらにLikeしている人の友達にも到達できるオプションも選べるため、広告主側にとってもReach Generatorを選ぶ利用が無くなった、ということでしょう。

ご参考:







2012年9月18日火曜日

「iPhone 5」発表の裏で繰り広げられていたTwitterのトレンドトピック争奪戦:ハイジャックされる危険性もあるプロモトレンド広告



米国時間9月12日に発表されたiPhone 5。その熱狂はTwitterなどのSNS上でもあふれかえっていますが、その波に対抗するかのごとく、サムソンがTwitterのトレンドトピックを購入(プロモトレンド)していたようです。
購入していたのは"#DontWait"。

アップルの新製品など待たずに、世界販売台数が2000万台を突破と絶好調な「ギャラクシーS3」を買おう、というのが趣旨のハッシュタグ。それだけではなく、「iPhone」や「iPhone 5」などの検索キーワードに対してツイートを表示させる「プロモツイート in サーチ」も購入もしていた模様

焼け石に水だったのではという感じがしますが、下のツイートは711回りツイートがされ「ギャラクシーS3」支持者からの熱い反応は見受けられました。


今"#DontWait"で検索すると、別のプロモツイートが表示され、このハッシュタグ自体が検索キーワードとして他社に購入されていることが分かります。





うーん、まさしく、リアルタイムマーケティング。今後はこういう使われ方も増えていくのでしょうか?


さて、このハッシュタグの購入は、先日行われた共和党と民主党の全国大会において両陣営がそれぞれ購入しましたが、目的通りの役割は果たしていないようで、例えばRomney陣営が民主党全国大会の初日にあたる9/4に購入したトレンドトピック"#AreYouBetterOff(暮らし向きは良いですか?)"は、現オバマ政権によって生活に苦しんでいる人のツイートを誘発することを目的としていましたが、Yesと答えた人はNoと答えた人の5倍と逆効果ともいえる結果に。




同じことはオバマ陣営にも起こり、ツイート記録を生んだ民主党全国大会最終日に購入した"#Forward2012"には、下のようなものをはじめとする、ネガティブな反応も寄せられました。











さて、Twitterのプロモトレンドは、マクドナルドの"#McDStories"の事例が有名ですが、広告主側の意図に反するコメントであふれかえる「ハイジャック現象」が発生するケースがあり、なかなか難しい商品ですが、Twitterの広告収入は増加しており、事例も出てきていることを考えると、今後購入を検討する機会も増えるのではないでしょうか?


Twitter Ad Revenues Worldwide, 2010-2014 (millions and % change)

間違った購入をしないためのポイントとしては、

あえて狙っている場合以外は、賛否両論を生むトピックは避ける:特に政治に関するものや、商品やサービスに対する感想を問うものなど。

あやふやなものではなく目的が具体的なトピックを設定する:例えば同じ政治でも"#投票しました"のような具体的行動を促し、可視化するものであればあまりおかしな結果にはならないでしょう。

ディスカウントやインセンティブなどのポジティブなものと連動させる:ハッシュタグが使われただけ安くなる等、使用目的が明確なものはキャンペーンの結果にも連動しやすくなるでしょう。

と、いったところでしょうか。

ご参考:






2012年9月10日月曜日

オバマ大統領の演説がTwitter新記録を生みだした背景:ソーシャルメディアでの両党の攻防まとめ




9/6に行われた、民主党全国大会でオバマ大統領が指名受諾演説行い、毎分52757のツイートを生成し、Twitterの新記録を樹立しましたが、

8/28-8/30に共和党全国大会と、9/4-9/6に行われた民主党全国大会でのソーシャルメディアの反応をまとめたinfographicがあったのでご紹介。

その数字の差は歴然としており、民主党で最もコメントが少なかった日は9/5の120万ですが、その数字は共和党で最も多かった8/30の95万1千を遥かにしのぐ結果になっています。

また、コメントした人の女性の割合を見ると、

民主党:54%
共和党:44%

となっており、平均45%という政治関連のテレビイベントでは女性の割合も民主党は大きく上回る結果になっており、ミシェル夫人と、オバマ大統領のスピーチが牽引したとのことです。

オバマ陣営のソーシャルメディア活用は色々なところで話題になっていますが、せっかくなのでここでもまとめてみました。

まず、Pew Research Centerによる両陣営のソーシャルメディア活用の調査データがこちら。



調査は6/4-6/17の期間と少し古いですが、ベースが既に違うことが一目瞭然です。

Twitterのフォロアー数だけを比較しても、8/28日時点で@BarackObamaが約1900万、@MichelleObamaは137万人なのに対し、@MittRomneyは93万で、その状態から党大会に入るわけですが、、、

8/29 共和党全国大会2日目の午後、オバマ大統領がTwitterで突如告知し、ニュースやネタの投票を行うRedditに登場して有権者からの質問に回答。30分間の出演ながら、Redditは500万を超えるPVを記録

8/30 共和党全国大会最終日。ロムニー氏に演説が行われ、twitter上では、共和党陣営が購入したトレンドトピック"#RomneyRyan2012"が登場。


8/30 共和党全国大会にクリント・イーストウッドが登壇。空席の椅子にオバマ大統領が座っていると見立てた演説を披露。それに対するオバマ大統領の対応"This seat’s taken."が話題に。


9/4 民主党全国大会の初日、ホワイトハウスのアプリ ver.2.0 をリリース。掌にホワイトハウスをコンセプトに、ブログ、ブレス向け発表資料、写真ギャラリー、ビデオ、ライブの閲覧とそれらコンテンツのお気に入り登録ができるすぐれもの。



そして、、、



大統領のスピーチの間、ツイート数がもっともスパイクした瞬間は:
 -43,646: “今の私は単なる候補者ではない。私が、大統領だ。”
 -39,002: “メディケアをヴァウチャーには絶対にしない。”*
 -38,597: —メディケアに関するくだり—
 -37,694: “政府が問題のすべてを解決できるとは思っていない。”
 -34,572: —オリンピック関連の警句と〔共和党の人たちの〕“冷戦時代的な感性”について

ちなみにこの日、オバマ陣営も、トレンドトピック"#Forward2012"を購入

こうして両陣営の動きを見てみると、9/6のTwitter新記録が生まれる環境をオバマ陣営が整えていたことが分かります。




それをまとめると、

ソーシャルメディアは1日にしてならず:6月時点での両陣営のソーシャルメディア基盤の差は歴然。4年前の大統領選以降も継続してきたことの結果。

競合の動きに機敏に対応:共和党全国大会の期間中に突然Redditに登場し、クリント・イーストウッドの演説にスマートに切り返すなど、競合のソーシャルメディアでの盛り上がりに対抗したり乗っかったりと、柔軟な対応を機敏に行うことで、民主党全国大会への布石としていた。

スマートデバイスの活用:4年前の大統領選との環境の変化の一つが、スマートフォンやタブレット、それを活かした画像によるコミュニケーションの普及。民主党大会の初日にホワイトハウスアプリを更新し、"This seat's taken."を象徴的な画像とともに投稿するなど、今のデジタルコミュニケーションをしっかりと押さえていた。

という感じでしょうか。

11月の大統領選挙まで目が離せませんね。

ご参考:























2012年9月3日月曜日

人気のGIF動画作成&共有アプリのCinemagramがブランドや映画とコラボするRemix




iPhoneで簡単にGIF動画を作れるCinemagramという アプリが人気を博しており、ローンチから6カ月で200万ユーザーを超えたそうです

Cinemagramは、動画コンテンツを動的な部分と性的な部分をもつGIF動画に変換してくれるアプリ。投稿されたGIFはまさしくInstagramのようにお気に入りや共有ができるようになっています(アプリ外連携だと、GIFの再生ができるTumblrの相性がいいようです)。


PCからもアクセスできるTrendingをみると、面白いGIFが多数作られていることが分かります。

アプリが人気になっていることと、ユーザーがテレビや映画、ミュージックビデオやスポーツイベントなどの動画を使ってcines (“cinnies”と発音)を作っていることを受け、Cinemagramは"Remix"というプロジェクトを開始。

このプロジェクトでは、以下のブランドや、映画、アーティスト等のショートクリップが提供されていて、ユーザーが思い思いのcinesを作っています。


Red Bullの素材でcineを作ってみましたが、制作はとても簡単。Instagramのようにフィルターを掛けることもできます。





認知を獲得するために、ユーザーに遊んでもらうための動画コンテンツを提供する、というのは手法として理にかなっていますね。

ご参考:








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