question: Just whose job is it anyway?
"You're Using Social Media. But Just Who Is Overseeing It All?"(あなたが使っているソーシャルメディア、誰が全体を見ていますか?)というエントリがあり、読んでみました。
記事自体の多くはFordやBest Buyなどのケーススタディの紹介・分析、デジタル系代理店とPR代理店という異なる志向をもった代理店との付き合い方、などに割かれていますが、最後に書かれていた"Three marketing models for social media" が、最近筆者が考えていることに沿う内容だったので抄訳にてご紹介。
ソーシャルメディアに対応するための3タイプのマーケティング組織
「集約型」
ソーシャルメディアの組織が会社組織の上位で機能し、直接CMOやCEOにレポートするタイプで、全ブランドのソーシャルメディア活動への責任を負う。PR代理店Ketchum社でソーシャルメディア ストラテジーのVPのJonathan Bellinger氏によると、「私たちのクライアントには1名を専任者としている企業が多い。企業の顔として外部へのコミュニケーションと内部へのコミュニケーションを行うセレブリティを持つことはいいことです。一方でその人に関することばかりになると、混乱を招く可能性もある。危険性:ソーシャルメディアの代表者を置くことは、その担当者の守備範囲外の部門は恩恵を受けられない可能性がある。例えば、ソーシャルメディアがマーケティング部門化になった場合、カスタマーケアは対象になるでしょうか?このモデルではソーシャルメディアの影響をビジネス全体としてとらえないこともある。
必要な役割:ソーシャルメディア リード
このタイプに属するマーケター:フォードのグローバルデジタル&マルチメディアコミュニケーションズ Scott Monty氏。Monty氏はコーポレートコミュニケーションズに属してCEOに直接レポートを行っている。
「分散型」
この組織体系の場合、個人がソーシャルメディアの責任を負うということはなく、カスタマーケア、マーケティング、メディアやそれ以外の全社員がブランドを代表し、それぞれの役割においてソーシャルメディアに関与する。多くの場合、トレーニングが行われ、組織を挙げてソーシャルメディア利用を推進している。危険性:標準化された訓練がない場合、ソーシャルメディアでブランドから乖離したメッセージが繰り広げられる可能性があります。例えばJet BlueのマーケティングのSVP Marty St. George氏は、広告代理店の選定をする際に、Twitterを使って「デジタルに詳しい代理店を募集中。ツイッターで自分を見つけられるかをテストしています」という趣旨のつぶやきをしましたが、この企画自体が記事になり広く知られるものになってしまったため「もうこのような実験はしない」ということになりました。(こうした結果になることを想定できる)リーダー不在の状況では、新しいソーシャルテクノロジーやサイトについての知識がないため個人プレーに陥ってしまう。
必要な役割:ソーシャルメディアに関して社内をガイドする立場。トレーニングやソーシャルメディアポリシーに関する社内のコミュニケーションは必須。
このタイプに属するマーケター:Best Buyでは組織のそれぞれがソーシャルメディアでの役割を持つため、分散させている。例えば@Twelpforceはその典型。Twitter上での要望に対して、どの社員がサインアップして回答してもよい。しかしながらBest BuyはTwitterでのコミュニケーションにおける規則とガイドラインを持ち、マーケティングセクションには専門家がいる。昨年の夏、CMOのBarry Judge氏は新興メディアマーケティングのシニアマネージャーの職務内容をクラウドに求めた。IBMやインテル、コダックはソーシャルメディアポリシーを発行している。
「コンビネーション型」
集約型と分散型のいいとこどりをしたのがこのタイプ。ブランドがソーシャルメディアのステークホルダーの委員会をもち、ポジションや発信する情報を作り上げ、それが企業全体に広められる。そこからそれぞれの規律がソーシャルメディアに適用され、個々の活動として展開される。危険性:どのようにして各部門がその委員会に責任を持たせるか?また、ソーシャルメディアプログラムが失敗した場合、誰の責任となるのか。ソーシャルメディアストラテジーを作り出した人物か、それとも実行した人物か?
必要な役割:他部門から選出されたソーシャルメディアの専門家集団
このタイプに属するマーケター:PR代理店Ketchum社のBellinger氏によると、クライアントであるコダックはよくバランスがとれているという。マーケティングのチーフブロガーとしてJenny Cisney氏を雇い、彼女は企業全体のソーシャルメディアの存在感を高めるための責任を持つというよりは指導的な立場をとっている。また、IBMでは2005年からwikiを使って、企業ブログのガイドラインをクラウドソースし、社員にソーシャルメディアの変化に合わせてルールを訂正・修正するよう委ねている。こうした活動は、IBMのソーシャルメディアの責任者であり、最前線にいるAdam Christensen氏にフィードバックされる。
筆者自身も社内で、ソーシャルメディアマーケティングについて話をする機会が増え、知識や見解、感覚的なことを話すのですが、痛感するのはソーシャルメディアは非常に個人的な体験であり、知識や理解が千差万別であることです。典型的なのはTwitterで、誰をフォローし、どのように使うかでソーシャルメディア体験は全く異なり、理解や認識が全く違ったものになります。
企業の規模や事業内容、部門毎の性質によってとるべき体制は異なると思いますが、少なくとも以下のステップが必要であると思います。
1. ある程度平準化されたソーシャルメディアの共通理解:きちんと話し合えるようになるために必要です。「同じ言葉」で。
2. ソーシャルメディアマーケティング体制の確立:これは例えば、「集約型」>「コンビネーション型」>「分散型」のように変化していってもいいと思います。少なくとも体制のないところでは旗振り役が必要。
3. ガイドライン作り、トレーニングの実施:ガイドラインだけでなくトレーングの実施は重要
4. フィードバック:実施したソーシャルメディアマーケティングの事例共有や改善の検討
インテルのソーシャルメディアトレーニング
代理店からNPOまで、多分野にわたる全116件のソーシャルメディアポリシー・データベース
他人のTLを見る方法:cTwittLike・・・うーんちょっと良心の呵責が
Posted via web from Capote's Connected Communications - 続・広報の視点