2010年3月31日水曜日

直近3カ月のAppleとGoogleの活動が株価に如実に反映されていることを示すグラフ:アップルの株価は過去最高値を更新

apple google chart


30日、アップルの株価は過去最高値を更新したそうです(235.83ドル)。そのアップルの好調ぶりをさらに印象付けるのがGoogleとの比較(30日終値:$566.71)。
たしかに今年に入ってから両社のファンダメンタルズは少なからず変わったのかもしれません。 
Apple: iPadの発売(そして予約も好調)、ベライゾンでのiPhone取り扱い開始の可能性
Google: 中国市場からの撤退、Nexus Oneの不振

それにしてもこうして比較してみると、マネーの動きが如実に見えてくるものですね。


2010年3月30日火曜日

ソーシャルメディア危機管理マニュアルが必要な7つの理由

Domino Spiral by FracturedPixel.

via flickr

昨日のエントリ「ネスレのFacebookファンページ炎上に見る、ソーシャルメディアで解決できないこと、できるかもしれないこと」にもあるように、想定外のところから企業のコミュニティが非難の集積地になり、これまでの蓄積がドミノ倒しのようにあっというまに崩壊してしまう可能性はつねにあります。 

これはソーシャルメディアマーケティングを行っていない企業にとっても同じことです。

Seven Reasons Your Company Needs To Prepare For Crises(あなたの会社が危機対策をしておくべき7つの理由)というエントリがあったので抄訳にてご紹介。

1. いつかあなたの会社も人々を驚かすようなことを「きっと」してしまう
それは逃れられない。いつかあなたは人々がハッピーに思わないことをしてしまう - それは値上げかもしれないし、人員解雇かもしれないし、製品のリコールなどかもしれない。ネスレが受けたような反動ほどでは無いかもしれないが、人々がオンラインで声を上げる機会は、ソーシャルメディアのようなツールを使う機会が増えるほど頻発するようになります。

2. ソーシャルメディアを使っているかどうかは問題ではない
ネスレの場合、自身の(ソーシャル)メディアがハイジャックされてしまいました。(いい面と悪い面がありますが)ソーシャルメディアにチャネルを持つことによって、非難に対する避雷針の役割がもたらされますが、それが無いからとって、炎上が発生しないということにはなりません。

3. 事故が起きてから準備するのでは遅い
危機対策のプランを立てるのは、すでに危機が発生した後では遅すぎます。伝統的なメディアの世界においてもそれではだめで、物事が何倍も早く動くソーシャルメディアではだめなのは言うまでもありません。

4. 個人が組織化をするのは以前より容易になっている
人々が自分に関わりのある問題に関して、自身で組織を作るのは以前よりもずっと簡単になっています。

5. Slacktivism(スラッカティヴィズム)は、いまだ注目される
Slacktivism(スラッカティヴィズム)とは、数名の人が起こす抗議活動のようなもので(日本ではいわゆる炎上や電凸など)、これはいまだにマスメディアの注目を集めやすいと言えます。目新しいものではなくなったとはいえ、ありがたくないものには変わりありません。

6. コントロールという神話
メッセージをコントロールすることはできません。事故後6時間経ってから出されるプレスリリースには効き目はありません。リアルタイムのモニターを行い、必要に応じて即座に対応策をうたなければなりません。ある団体が目的遂行を先制した場合、その準備ができていないと最も重要なタイミングでバランスを失うことになります。

7. 間違いは危機をさらに悪化させる
ネスレは、Facebook上の担当者を通じて、ぶっきらぼうな対応を行い、問題を囲おうとしました。こうした誤った対応は嵐が静まるのを妨害するチャンスを与えるようなものです。政府が災害訓練を行っているように、プランをつくり、練習することはあなたの会社にも必要なことです。

すでに危機管理マニュアルなどがある企業の場合は、いわゆる潜在リスクの洗い出しやステークホルダーの考え方などは同じなので、それをどのようにソーシャルメディアの作法で対応するかということになると思います。 

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2010年3月29日月曜日

ネスレのFacebookファンページ炎上に見る、ソーシャルメディアで解決できないこと、できるかもしれないこと

Greenpeace protest outside Nestle HQ


NestleのFacebookファンページがGreenpeaceの「強襲」を受け、炎上していることは、一部の方はご存知だと思います(日本でも@IHayatoさんが速報を出しています)。Greenpeaceの主張は、ネスレは製品に使っているパームオイルを採取するためにインドネシアの熱帯雨林を破壊し、オランウータンが危機に瀕しているというもの。

ざっと経緯をまとめると、

1. 3/17 ロンドンのネスレ本社前に、Greenpeaceがオランウータンのコスチュームを着て抗議活動を開始(上の写真)。
2. 同日、職場でキットカットを食べている男性が実はオランウータンの指を食べているビデオをYoutubeに公開
3. これがNGO団体ネスレのやステークホルダー/アンチネスレファンを刺激し、Facebookファンページも炎上。
4. 3/18 英Gardian紙が、"Nestlé is fighting a PR battle with Greenpeace" と報じ、世界的なニュースとなる。
5. Adrian Peters このようなアイコンを使うユーザーが増え始めたため、ネスレはファンページで、「ロゴを変えて投稿されたコメントは削除します」と発表したため、これがさらに炎上を加速させる。

ということのようです。「5」については、208件のコメントがついており、ネスレ自身も以下のようにコメントをしています。
 
Nestle
皆さんには言論の自由はありますが、ここでは我々が決めたルールがある。他の多くのフォーラム同様に。
you have freedom of speech and expression. Here, there are some rules we set. As in almost any other forum

ファンの投稿の削除もさることながら、このコメントもなんとも頑なな、ソーシャルメディアには受け入れられそうにないものといえますね。

Greenpeaceも特設サイトを設け、誘導のバナーを買うなどして、キャンペーンを続けています。


もちろん、ネスレ側もFanページで何もしていないわけではく、

2015年までに環境破壊をしない形で採取したパームオイルだけを使うようするコミットメントを発表しました。詳細は、http://tinyurl.com/yhamekg
We recently announced our commitment to using only "Certified Sustainable Palm Oil" by 2015. Read more here: http://tinyurl.com/yhamekg

と、ポジティブな情報を発信したり、Q&Aを公開・そこへのリンクを張るなどしていますが、2015年では"too late"という反応が大半で、ボイコットを表明する声は後をたちません

ちなみに2015年までにパームオイルの採取法を変えるという発表はGardianに掲載されてもいるものの、テクノロジーがもたらす皮肉と言うべきか、その記事自体が下のようにGreenpeaceの攻撃にさらされています。


多くのブログなどで語られているように今回のNestleのFacebookファンページの炎上は、ソーシャルメディアエキスパートがいない、コメントの削除に代表されるような不適切な対応をしている、きちんと謝っていない、などによるものといえますが、それは物事の表層でしかないと思います

今回の件で筆者が注目すべきと思ったことは、

1. 擁護するファンが非常に少ない。
2. ソーシャルメディアだけでは解決できない。

ということで、この二つは表裏一体の関係にあります

ファンページに寄せられているコメントを大別すると、「自分はネスレの製品が好きだったが、買うのをやめる。」というトーンのものと、「オランウータンを殺すな」というものになります。

CNETの記事についていたコメント欄に今回のことの本質が集約されていました。

自分はネスレやグリーンピースが何をしていようが気にしない。ただし、パームオイルの問題は現実であり、人類を危機にさらすものだ
I don't care about what Nestle is doing or this Greenpeace crap. But the Palm Oil issue is real and is a threat to humanity.

要するに「環境問題とあっては」いかにファンであっても、地球に生きる一個人として擁護のしようが無い、ということだと思います。 

ネスレが様々な分野でCSR活動を行っていたとしても、この件で思い切った具体策を出さない限り、ネスレの道は長いものとなるでしょう。

ただし、解決までの過程でソーシャルメディアを有効に活用することはできるはずです。解決策への取り組みをできるだけオープンにし、意見を取り入れ、(社員を登場させるなど)企業としての顔が見えるようにしながらコミュニティで会話をしていくこと、これからのネスレに必要なのはこういうことではないでしょうか?

最後に、Facebookファンページに寄せられていたコメントをひとつご紹介します。

私は以前ネスレで働いていたことがあり、私の父は今もネスレで働いています。ネスレは環境と人への支援活動を、皆さんが知る以上に数多く行っています。だから、このことに首を突っ込んで、彼らを攻撃するのをやめたほうがいい、なぜならあなたたちは魅力的なものを知らないヒッピーたちと抱き合っている木々のようなものだからです。

I've worked for them before and my father still works for them and they do more for the environment and people than you'll ever know so pull your heads out and stop attacking them because your a bunch of tree hugging hippies who don't know a dang thing. 

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2010年3月26日金曜日

ソーシャルメディアマーケティングでは、やらないことを決めるのが重要

Just Say No

先週来日したスティーブルーベル氏の来日公演で印象に残った言葉の一つが、

私はよく、「Steve、FavebookやTwitterの次に来るのは何だと思う?」と聞かれるのですが、こう答えます「分かりません。次のFavebookやTwitterはやっぱりFavebookやTwitterなんじゃないですか?」

でした。

ソーシャルメディアには海のものとも山のものとも分からない新しい技術の情報があふれ、生まれ、消えていく。それをフォローし続けることは終わりのないサイクルであるといえます。

ソーシャルメディアで必要なことは「やらないことを決めること」というエントリがあったので抄訳にてご紹介。日々の業務でも気にしたいTipsです。

勝者に限定せよ
Facebook、Twitter、ブログ、Linkedin、そしてYoutube、その5つで十分。ほかにもツールは色々ありますがこの5つだけで素晴らしいことができるにもかかわらず、そこにかける時間を見つけることすら難しい。だったらなぜそれ以上のものが必要なのでしょう?

時は金なり
Google WaveやFoursquareを使い込んだ時期もあったがやめました。これらに未来が無いからではなく、単に費やせる時間がないからです。Foursquareに費やす時間をFacebookのファンページに使ったらどれだけのことができるか。アーリーアダプターばかりがいるところではなく、すでにファンがいるところに参加した方が有益です。

行動する前に一歩引く
ソーシャルメディアキャンペーンを実施している最中は、多くのことが起こり、たくさんのノイズが上がる戦いのなかにいるようなもの。多くの人が日々戦略を変え、トレンドは瞬く間に変わっていきます。一歩後退し、ハイレベルでこうした状況を俯瞰し、大きな絵を描く必要があります

Noと言うこと
人気のあるもの全てに単に乗っかるのではなく、乗らないことも重要。「Facebookの位置情報機能はTwitterキラーだ」などと言わず、両方続けてオーディエンスを育てた方がよっぽどいい。iPhoneアプリをローンチするより、自分のブログへのトラフィックを伸ばす努力をした方がいい。最新の注目技術に乗るのを拒否することは、すでにあなたが成功し、決して軽んじてはいけないソーシャルメディアチャネルでのプロファイルを飛躍的に高めることにつながります。

特に個人的には「今あるものを軽んずるな!」というメッセージを受け取ったつもりです。 

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2010年3月25日木曜日

代理店をソーシャルメディア事業にシフトさせるには、デジタルネイティブの血が必要

 Born Digital: Understanding the First Generation of Digital Natives by lwtclearningcommons.

via flickr

1. ソーシャルメディア企画の需要が高まり、これまでの広告制作で重要でっあったクリエイティブ部門などの役割が低下。その分ソーシャルメディア担当者がパワーを持ち始めている。

2. 絶え間なく生み出す必要がある「ソーシャルメディア・レディ・コンテンツ」を低価格で手早く制作できる人材が重宝されている。

という動きをご紹介しましたが、ではどうやったらシフトさせることができるのか?という問いに対する回答がPJA Advertising & Marketing社での実際の話として紹介されていました。

ポイントを先にまとめてしまうと、

1. 様々な階層においてプロセスと役割とを再定義する必要がある
2. デジタルネイティブのDNAが必要
3. デジタルネイティブに組織改革を委ねるぐらいの心づもりが必要 

ということになりそうです。

ちょっと長めになりますが、詳細を以下の抄訳にてどうぞ。

どのようにすれば代理店が変化することができるか、またその変化は非常に困難であるということに、私は依然興味を持っています。困難であったとしてもそれは代理店がサバイブするために必要なスキルです。素晴らしい代理店は絶えず自身を中核から変えていく方法を学んでいますが、まあまあの代理店の場合は大概、外見的な構造だけ変化させています。ある意味では、デジタルの世界における適性を見出し、変化を追求してきているここ2年間の(PAJ Advertising社の)動きは広告界における一大ドラマなのかもしれません。

I continue to be fascinated by how agencies change and how extraordinarily hard this can be to accomplish. Regardless of the difficulty, it's an essential agency survival skill. Great agencies learn how to continually reinvent themselves to the core, while merely good agencies often only change their outward structure. In some ways this pursuit of change, particularly as agencies define their relevance in the digital world, has been the great advertising drama of the last two years.

PAJ Advertisingが、この変化の旅を通じて学んだことは、変化は単一の定義からは起こらない、ということです。会社トップからの変化へのコミットが必要であり、プロセスと役割とを再定義する必要があります。また、新たな人材と才能を呼びこまなければなりません。そして何よりも、表層的ではなく企業の中心から変化を起こそうと思っているなら、代理店の構成自体を変化させるような異文化の代理店を受け入れなくてはなりません。私たちの場合は、起業からいまだかつて経験したことの無いレベルの変化を体験したわけですが、「デジタルネイティブ」の血を取り込み、彼らにそのデジタルのDNAを代理店に自由に導入させました

PJA Advertising has made this journey along with the rest, and what I've learned is that change does not come from one defining choice. You need a commitment from the top. You need to redefine processes and roles. You need to bring in new resources and talent. More than anything, if you want to make changes that go beneath the surface to the core, you need to introduce a foreign agent that will chemically alter the composition of the agency. In our case, we didn't experience this degree of change until we opened our doors to the new breed of "digital natives" and gave them the freedom to introduce their digital DNA into the agency.

デジタルネイティブは、自分の人生をインターネットとともに過ごし、インターネットを自分自身の延長として使い、いくつかの素晴らしい特質を持っています。こうしたネイティブスピーカーの影響抜きには、私たちはデジタルメディアに特有のオリジナルなアイディアを生み出すことはできず、ぎこちない会話のアイディアをデジタルフォーマットに落とし込むだけに終わっていたでしょう。(デジタルネイティブでない人は)デジタルの世界の外面はマスターすることはできても、その魂をマスターすることはできません。

Specifically, digital natives are people who have spent their entire lives using the internet as an extension of themselves, and there are some good descriptions of the attributes that these people possess. Without the influence of these native speakers, most of us are doomed to clumsily translate conventional ideas into a digital format, rather than creating original ideas unique to the digital medium. We may master the outward forms but not the soul of the digital world.

デジタルネイティブは、世界中を旅する人のように、デジタルプラットフォームをまたにかけてデジタルで暮らす術を身につけています。プラットフォームを、そしてそのユーティリティを軽々と乗り越えるのです。これはつまり、マーケティングキャンペーンを企画する際に、消費者に対して高度にカスタマイズされたオンライン体験を生み出すために、勝手の分かったルートをとることができるということなのです。
彼らは多くの時間をオンラインですごしているので、デジタルの世界における豊富なブランド体験があり、どのようなコミュニケーションが効果的であるか明確に理解しています。この「流暢さ」が代理店の視野を拡げ、戦略やキャンペーンを作る際に役立つのです。
そして何よりも彼らにとってはゲームなのです。代理店がオンラインゲームの原理や心理を理解するためには、私たちはみな、デジタルネイティブに迷宮を導いてもらう必要があるでしょう。

Digital natives have the skills to conduct their digital lives across many digital platforms with the ease with which an international traveler moves across continents. They can jump from platform to platform depending on its utility. This means that when planning marketing campaigns they can leave the beaten path to create more highly customized online experiences for consumers.
Because they conduct so much of their lives online, digital natives have a rich collection of experiences with brands in the digital world and a solid understanding about what kinds of communications are effective. With this fluency, they can expand an agency's vision for what is possible when developing strategies and campaigns.
Above all, digital natives get gaming. It's in their blood. As advertising and marketing agencies continue to adopt more of the principles and psychology of online gaming, all of us will need digital natives to help lead us through the maze of opportunities.

代理店はデジタルネイティブを、単にテック要員として求めるのではなく、プランニング、メディア、アカウント、そしてクリエイティブに渡って働いてもらうべきです。彼らには古い肩書きで規定された仕事を強いるのではなく、実験と探求させる必要があります。もし真剣にデジタルへの移行を考えているのであれば、彼らこそ組織の構造を揺るがし、役員が新鮮な目で世の中を見るように促す存在なのです。私たちはクライアントに対して、変化という大きなリスクをとるよう励ます立場です。私たち自身も同じようにリスクをとらなければなりません。

Agencies don't just need digital natives working in technical functions. We need them working throughout the agency in planning, media, account, and creative. They need to be allowed to experiment and explore and not be forced to work within old job titles and structures. If you're really serious about a digital transformation, these are the people who can shake up the organizational structure and push senior management to see the world in a fresh way. We're in a business that encourages clients to take big risks on change. We should be willing to do the same for ourselves.  

いかがだったでしょうか?

慣れ親しんだスタイルにとらわれず新しい血を取り込んでこそ、時代にあったサービスを行い、クリエイティブでい続けることができる。きっとそういうことなのだと思います。

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2010年3月24日水曜日

最近見た、心温まるZapposの3つの奇跡

最近見た、心温まるZapposの3つの奇跡をまとめてご紹介します。

まず一つ目が上の動画。

見たことのある方もいるかもしれませんが、ちょっと前から話題になっている、ザッポス初のテレビCMです。

Here's our first TV spot featuring puppets & actual phone calls to Zappos (more coming)! - http://bit.ly/b5Hms4 10:38 AM Mar 9th

ザッポスのコンタクトセンターの社員と顧客とのやり取りを題材に、パペットを使って作られたこのCM、実は実際にコンタクトセンターにかかってきた電話の録音を使っているのです。

内容はというと、「素敵なグラスを受け取ったが送り主が分からない」という問合せの電話に対応する社員が「誰からだと思う?」とクイズを出しながら楽しい会話で対応をし、最後にその女性が思いを寄せる男性からのプレゼントと分かり、喜びの声を上げる、というものです。

実際の電話の録音を使いながら作るところがZapposらしい透明性でもありますし、社員との楽しい会話やハッピーな瞬間を見ることができるのもならでは、と言う感じがします。

二つ目は、

Friendly reminder: Today is the deadline to submit your photos for the 2010 Zappos culture book! - http://bit.ly/cEVFfF 12:17 PM Mar 19th 

というツイートに関するもの。リンク先を見ると、"Be A Part of Zappos Culture History!" と題されたエントリで、昨年"Zappos.com Gear Zappos Culture Book - 2009 Edition"を制作する際に、顧客や社員、パートナーから写真を募集したところ、大好評だったので今年も実施する、というもの。

本の内容は、

Zapposの企業文化がなぜ特別で成功しているのかを社員やベンダーらによる何百ものエッセイを通じて説明しているもの

Contains hundreds of short essays written by Zappos employees and vendors explaining what makes the Zappos company culture so special and successful.

と言う感じで、募集要項もいかにもな内容。

Things we’d like to see:
What you think of when you hear “Zappos”(Zapposと言えば?)
Your favorite Zappos item(お気に入りのZapposアイテム)
Something fun and a little weird(楽しくて、ちょっと変わっているもの)
Something that makes you smile(あなたを笑顔にするもの)
Something you’re passionate about(あなたが情熱を傾けているもの)
Your interpretation of one of our core values(コアバリューのあなたなりの解釈)

実はこの本、販売されているのですが、そのレビューも"Seriously, this should be mandatory reading in every business, MBA, and leadership class.(全てのビジネス、MBAやリーダーシップのクラスにとって、この本は間違いなく必読書です)"と非常に高く評価されています。

何が凄いかって、こうして関係者のEngageを生み、それを通じて社外の人にもポジティブな影響を与える。こんなことができる会社、なかなかありませんよね?

そして最後の奇跡はCEOのTonyが11歳になる娘のAvaや企業家や明日のビジネスリーダー達にささげているという、2010年6月7日から発売される書籍"Delivering Happiness"を、11歳の誕生日に初めてプレゼントした、というもの。

プレゼントする際、人生のアドバイスとともにプレゼンテーションを作ったのですが、それが非常に心温まる内容で、同時にビジネスパーソンにも役立つものになっています。

ということで、最後にそのスライドショーをご覧ください。解説は、、、不要ですね!

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2010年3月23日火曜日

8千万以上のアカウントを対象にした、Twitterアカウントにおける影響度の調査:フォロアー数は必ずしも影響力があるとは言えない

Audience Size Doesn't Prove Influence on Twitter

Twitterにおいて、フォロアー数は必ずしも影響力があるとは言えないということを証明するレポートを紹介するエントリがあったので、抄訳を以下に。

Twitterを用いた施策を行った場合、何をKPIにするかが悩みどころですが、そのためのヒントになりそうなデータです

調査対象はなんと8千万以上のアカウント!

・そのうち実際につかわれているアカウントは約550万

だったそうで、使われているアカウントをベースに詳しく調査されたわけですが、調査対象の正確な数字は以下の通り。

54,981,152 user accounts
1,963,263,821 social (follow) links
1,755,925,520 tweets

550万のうちの約8%(44万)が、プライベート設定されていたそうです。
そして驚くべきは10以上のツイートを行っているアクティブユーザーの数ですが、なんと

6,189,636 active users (約7.5%)

という結果に。

影響力はなにではかるべきか?

フォロアー数:フォロアー数が多かったのは、CNN, New York Times, Barack Obama, Shaquille O'Neal, Ashton Kutcher, Britney Spears などのアカウント。これは分かりやすいですね。

リツイート数:リツイートされるアカウントは、"コンテンツ"を生み出しているアカウントとも言えます。TwitterTips, TweetMeme, Mashable, Guy Kawasaki, New York Timesなどの名前が挙がっていました。実際Guy Kawasaki 氏は「Twitterでの全ての活動のゴールはRTされること」という発言をしています。

言及数:実際の発言内容などを含んでRTされていないが、名前が言及されているアカウント。これはセレブリティアカウントに多かったようです。

そしてもっとも重要な発見は、フォロアー、リツイート、言及のオーバーラップが少ないことでした。

それを示しているのが、このグラフです。(Indegree=フォロアー)

3カテゴリそれぞれの上位20アカウントを調べた結果、オーバーラップしていたのは、Ashton KutcherとPuff Daddyのアカウントだけだったそうです。フォロアー数だけでは影響度を測れないということがこれによって証明された形ですね。

また、もっとも影響力をもつTwitterアカウントは、一つの分野に特化するのではなく、バラエティに富んだトピックを有している、という結果になったそうです。

最後のポイントは、そのまま企業のアカウントには適用できなさそうですが、フォロアー、リツイート、言及の3つの視点から評価し、オーバーラップを生み出せているか、についてみることは重要と言えそうですね。

ご参考

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「つぶやき」だけでチケットを完売させた男と、Twitterを連動させたAMEXのキャンペーンも「PR」?

Conan O'Brien contest



人気のコナン・オブライエンのツアーチケットをAmerican Expressがキャンペーンに活用しています。

仕組みはいたって簡単で、@americanexpress をフォローして、以下のようにツイートするだけ。

Hey @americanexpress I want to be with Coco in (insert one city). Pick me! http://bit.ly/bEUqsh #amexConan

ちなみにCocoというのはオブライエンのニックネームです。

当然のことながら、オブライエンもTwitterで告知をしています。

不安定なセレブティが目をそらすところを見たいかい?Amexがただで会わせてくれますよ:http://bit.ly/bEUqsh
(注:コナン・オブライエン氏は司会をつとめていた深夜番組「The Tonight Show」を先日降板)
Want to see an insecure celebrity avoid eye contact? Meet me courtesy of Amex: http://bit.ly/bEUqsh. 11:19 AM Mar 19th

さて、このAmexによる、Twitterアカウント獲得キャンペーンの情報をみて、筆者は先週ちょっとした話題になった、日本のホンダがmixiアプリで行っているキャンペーンを連想しました。

Hondaのミクシィアプリがトップ10入り、遂にソーシャルアプリはPRで活用できることが証明された(TechWave)
これはホンダが投入するハイブリッド型スポーツカーCR-Zのプロモーション用アプリで、利用登録を済ませ、かつニックネームに「CR-Z」という文字列を加えることで、CR-Z(1台)などが当たるキャンペーンにノミネートできるというもの。

マイミクと協力しあうことで、当選倍率が変動するという仕組みが投入されているのである。当選確率を高めたいユーザーは、ニックネームにCR-Zを挿入し、マイミクにこのアプリの利用を勧める。マイミクがアプリを利用したり、ニクネームがCR-Z化すると確率は変動する。支援ボタンを押すと相手にサイコロボーナス(ふった数が確率に加算)が付与される。このように“支援”という軸で、互いの倍率を高めていく仕組みになっている。

Amexの事例は、CR-Zのように友人との連携で確立を変動させる、というような仕組みは無いものの、いずれも「登録と懸賞」がセットになったWeb施策

CR-Zの方は自分のニックネームに車名を埋め込む、ということを通じて新しい手法で名前の認知向上にも成功しており、ソーシャルメディアの仕組みをうまく活用できていると言えます(Amexの事例もアカウントの認知向上に寄与しています)。

で、このニュース記事をよんでちょっとした議論になったのが、「これってPRなの?」ということでした。

特にPR原理主義のような思考を持ち込むつもりはありませんが、個人的にはPRという言葉の、少々残念な使われ方だと感じました。

メディアが価値を認めて掲載=(日本で言う)PR。これは自分の利益のために自分のメディアに車名を掲載。読者プレ記事とも違う。バイラルプロモと言うべき?QT @IHayato @maskinソーシャルアプリはPRで活用できることが証明された http://trunc.it/6gva8 11:14 AM Mar 19th

一方で、多くの人にとって「PR」と「アピール」は同義なのかな、と思った瞬間でもありました。

でもまぁ、テクノロジーによって、一昔前なら「応募はがきに商品名の一部を書いて投函」という行為が、Webで公開され、広がりやすくなったということ自体は、使い方を間違わなければとても良いことだと思います

あ、もしかしたらテクノロジーをベースにした「ネットPR」という言葉が使われていたらあまり違和感を感じなかったのかも
@Capoteをフォロー

















2010年3月22日月曜日

【要注意】Twitterのダイレクトメッセージを通じたフィッシング



Twitterのダイレクトメッセージ(DM)を使ったフィッシングが起こっているようなのでご注意を。

DMの内容は、

"You’re on here?" というメッセージとリンク
"mhansenhome" というサイトへのリンクに"someone posted on their blog about you(あなたのことがブログに書かれています)."

などが報告されているそうです。

また、受け取るだけではなく自分がそのDMを送っている、ということもあるようです。

対応は以下の3通り。くれぐれもご注意ください。

リンクをクリックしない
もしくは飛び先のページでログイン情報を入力しない
自分がそのようなDMを送っているような場合は、パスワードを変更してください






2010年3月21日日曜日

行動ターゲティング広告であることを明示しているバナー広告

以前ご紹介した「FTCの広告ガイドライン改定と行動ターゲティングの変化:コミュニケーションアイコンによる透明性の確保」でご紹介した、行動ターゲティング広告に表示される" i "のマークをはじめて見たので、思わずエントリ。

この広告は、筆者が使用しているTwitterGagetというGmail内でTwiterを使えるクライアントのTLの右脇に表示されていたもの。

先週あたりからTL内にスカイクスレーパー型のバナーが出るようになったのですが、右下に小さく" i "のマークが!

それだけです、、、

それにしても、筆者はゲームとはあまり縁の無い生活をしているのですが、本当に行動ターゲティングしてるのかな??

@Capoteをフォロー 

ご参考

WOMMAがソーシャルメディアマーケティングの情報開示ガイドラインを発行

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Twitterの検索結果が「人気度」に応じて表示されるよう準備中:Google BUZZへのカウンター?

Twitterの検索結果、これまではタイムライン順に表示されていたものが、「人気度」に応じて表示されるようになるそうです

Twitter Developer Advocate(Twitter開発支援部門)のTaylor Singletary氏がGoogleグループ上で発表した内容によると、

サーチチームは検索ワードに対して、新しい順ではなく、もっとも人気のあるツイートを表示させるベータプロジェクトに現在取り組んでいます。これはベータプロジェクトの段階ですが、Twitter検索の際に人気の高いツイートを分かるようにする第一歩です。

The Search team is working on a beta project that returns the most popular tweets for a query, rather than only the most recent tweets. This is a beta project, but an important first step to surface the most popular tweets for users searching Twitter.  

またTwitter Searchのトップページも、人気のツイートを表示するように変更がなされるようです。

これはやっぱり、Google BUZZがTwitter上の情報をインポートして、整理して表示できるようにしようという動きに対するカウンターと見るべきなのでしょうか?

いずれにせよ、ユーザーにとっては嬉しい前進になりそうですね。

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2010年3月19日金曜日

「つぶやき」だけでチケットを完売させた男

今日はちょっと派手目なケースをご紹介。

アメリカの人気コメディアンで司会者の、Conan O'Brien(コナン・オブライエン)氏が、全米ツアーのチケットをツイッターでつぶやいただけでチケットをほぼ完売させたそうです

Conan O'Brien氏のアカウント@ConanOBrienは、ツイート数が28とわずかながら、70万弱のアカウントを擁する規模で、人気の高さをうかがわせるものになっています。

「もの凄くうまくいった」と語るのは、Live Nation Comedy社社長のGeof Wills氏。彼はまた、新しいコミュニケーション手法が何千枚ものチケットを売るのに成功したのに非常に驚いていました。

“It was expertly done,” said Geof Wills, the president of Live Nation Comedy, who said he was astonished to see how successful the untraditional communications approach was in selling thousands of tickets.

チケットをツイッターで完売させた、という事実自体も凄いことですが、驚くべきはそのスピード。

インターネットを見てる皆さん:くだらないコメディと音楽のツアー(a half-assed comedy & music tour)を行います。チケットはhttp://TeamCoco.comで。繰り返すけど、くだらない内容です。3月11日7:21 AM 
Hey Internet: I'm headed to your town on a half-assed comedy & music tour. Go to http://TeamCoco.com for tix. I repeat: It's half-assed. 7:21 AM Mar 11th via web

警告!Teamcoco.com はトラフィックが集中しているので、アクセスできなかった方は、http://ticketmaster.comでチケットを購入して下さい。ではまた。3月11日7:52 AM 
Alert! Teamcoco.com is jammed with too much traffic. If you can't get on, go to http://ticketmaster.com to buy your tickets. See you soon. 7:52 AM Mar 11th via web

その後、

8:32 AM Mar 11th :ニューヨーク、シカゴ公演追加
9:39 AM Mar 11th : ボストン公演追加 
11:10 AM Mar 11th : サンフランシスコ、シアトル、バンクーバー、LA公演追加

という破竹の勢い。凄いですね。

ちなみにConan O'Brien氏は、先日フォロアーの中から一人をランダムにピックアップして初めてフォローしたことで話題を呼びました。

ランダムに誰かをフォローすることにした。彼女はピーナツバターが好きで、恐竜みたいな歯をしている。Sarah Killenさん、あなたの人生はこれから変わる。

I've decided to follow someone at random. She likes peanut butter and gummy dinosaurs. Sarah Killen, your life is about to change. 12:55 PM Mar 5th via web

このあと、Killenさんのアカウントはみるみるフォロアーが増え、いまは3万弱。

結婚を控えていたKillenさん。式をするための資金的な余裕がない状況だったのですが、無料でPCを提供する人、ドレスのデザインをする人、式の費用の援助などを申し出る人などが次々と現れた、というシンデレラストーリーになったそうです。

一つのツイートが、本当に人生を変えてしまった瞬間でした。(詳しくはこちら

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2010年3月18日木曜日

ソーシャルメディアマーケティングでは、退屈なことをするのが重要

Warning: This column may put you to sleep. 

日本ではまだこんなことを言う段階では無いかもしれませんが、"Marketers, Get Back to Boring"というエントリがありました。 

ちなみにこのエントリの作者は、昨年「"slow marketing"の時代」や、2010年をサバイブするために必要なのは"serve, shrink and simplify(役立つこと、縮小、簡易化)"の3つのキーワードだ、という提言をしているそうです。

このエントリで語られていることは、「基本に戻ろう」ということ。流行に踊らされて間違った第一歩を踏み出さないためにも、心に留めておきたい重要な考え方です

「退屈なこと」というのは味気ない、魅力の無い、パンやバターのように基本的なものと言う意味で、居眠りしたくなるようなこと全てです。言うまでもなく、Retweetされないようなものです。

Yes, I said "boring" -- dull, non-sexy, foundational, basic as bread and butter. All the stuff that makes our heads nod and makes us fall asleep. You know, the last stuff you'd ever re-tweet.

なんだか皮肉たっぷりと言う感じですが、それだけアメリカではソーシャルメディアマーケティングが氾濫し、ソーシャルメディアが疲れ始めているのかもしれません。

私たちは取り付かれている。会話に加わろう!会話に関与しよう!さあ、会話に刺激を与えるだ!

それはそれで良いんだけれども、、実際には販売促進としてのマーケティングの基本的なものであることを、あたかも独創的な新しいコンセプトであるかのように語るのはバランスを欠いている。

We're obsessed. Join the conversation! Engage the conversation! Hell, spike the conversation!

All well and good, but still, we're off-keel. We're embracing things as though they are bold new concepts when in fact they are as foundational to marketing as a selling line. We're dissing fundamentals.

彼がこのような思考にいたったきっかけが、元P&Gで41年間グローバルな広告や数多くのイニシアチブでリーダーシップを発揮した、Bob Wehling氏との90分に及ぶインタビューだったそうです。

P&Gの最初のIvory Soapの広告は、フィードバックと参加を呼びかけるものだった。
Bobは(冗談ではなく)インタビュー中100回も"listening to the consumer"といった。

ソーシャルメディアマーケティングで行っていることは顧客の声を聴く、という昔から変わらない基本的なことなのです

どうどう!物事はそんなに変わるものではない。たぶん私たちの"ソーシャル"マーケティングへの移行に欠けているのは、実は退屈で基本的なことなのです。味気ないものがデジタルをドライブし、基本的なものが私たちを前へ向かわせるのです。たぶん退屈なことこそが、突破口なのです

これを適正理由と呼びたいと思います。ソーシャルメディアやデジタルマーケティングは、短期的なキャンペーンやちょっとした瞬間的なもの、偽善的な誓いや高原ではなく、より深く、より確立されたマーケティングの真実に基づいて行われたときに初めて(組織的にも)成功するのです

Whoa, horsey! Maybe things haven't changed that much at all. Maybe what's missing in our "social" marketing transformation is the really boring and basic stuff. Maybe dull drives digital. Maybe fundamentals face us forward. Maybe boring is breakthrough.

I call this out for good reason. Social media and digital marketing will only succeed -- and sell through the organizational layers -- if we ground it in deeper, more established marketing truths, not ephemeral campaigns, one-trick pony moments, or hypocritical oaths or proclamations.

ではその退屈な基本的なこととは?

最後にその構成要素を抄訳にてご紹介。

信頼:信頼は全ての広告における通貨。偽装ではなく開示せよ(The boring basics say: disclose, don't disguise.)。

顧客との関係性の管理:まだなじみの無い言葉だが最近語られ始めている"Social CRM"は正しい基本的な考え方。プラットフォームの枠を超えて行い、関係性を育てて行くのが重要。

情熱:私たちは写真を共有することで気持ちがつながるように、ソーシャルメディアでもそれが行われている。感情は魂を揺さぶるもの。ツイートではなく、涙について考えよう(Think tears, not tweets.)。

フィードバック:フィードバックは新しいコンセプトなどではない。みな、コールセンターやフィードバックフォームのことをないがしろにしている。

傾聴:傾聴は全てのマーケティングの入り口であり、(その価値が)消えることは無い。ソーシャルメディア(もしくはソーシャルCRM)はそれを新しいレベルに引き上げただけのこと。

忍耐:ローマは一日にしてならず。Facebookファンやマーケティングの基本は簡単なように見えてそうではない。

リーダーシップ:最後に重要なのがソーシャルな聡明さよりも、古きよきリーダーシップである。リーダーシップは変化を促し、そして何よりも、素晴らしいリーダーシップは顧客の声を聴くものである。ソーシャルメディアの成功事例には優れたリーダーシップのDNAがある。

卑近な例ですが、昨日のエントリ「"Fans First"の気持ちをもって、F1層向けに実施したTwitter中継」は他のエントリよりPVは低いですが、奇をてらうことなく、基本に忠実に実施した事例であり、ファンの方には楽しんでいただけたと思っています。

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2010年3月17日水曜日

"Fans First"の気持ちをもって、F1層向けに実施たTwitter中継

Fans First Logo

大企業でソーシャルメディアマーケティングを実施するのは様々な調整を伴い、容易ではありません。

筆者が現在所属している会社は世界的によく知られたブランドであり、日本にもファンが数多くいます。それゆえ、ソーシャルメディアマーケティングのようないわば「ブランディングを参加者に委ねる」チャネルに対してはなかなか踏み込めないのが実情ですが、「何もしないでいること自体がリスク」でもあるわけで、先日ささやかながらソーシャルメディアマーケティングを行いました。

実施したのは記者発表のTwitter中継。

いまさら何を、と言われそうですが、ブランドのターゲットが年齢区分で言うところのいわゆるF1層であり、Twitterビギナーを対象に実施した点でわりとユニークだったんじゃないかと思います。

筆者は、「無理してソーシャルメディアマーケティングをやる必要はない:ソーシャルメディアマーケティングとPRの高い親和性」というエントリを書いたこともありますが、「取り合えずTwitter」的なアプローチだけはしたくなかったので明確な目的設定をしました。

それはコカコーラではありませんが、まさに

"Fans First"

でした。ファンの方を記者発表会場にお招きできれば一番いいのですがそれは無理。Twitter中継であればメディア露出より早く製品情報や会社からのメッセージなどを臨場感をもって伝えることができます。

このエントリではその設計部分にフォーカスしてご紹介したいと思います。

そもそもF1層のどのくらいの人がTwitterをやっているの?
始める以前にまずどの程度のユーザーがいるかを把握しておく必要がありました。社外のリソースとしてはカフェグローブが実施した調査を参考にさせていただきました。

twitterやってる? 
もちろん! 1年以上前からやってます  3.72% 
最近(この半年以内)はじめました  25.42%
気にはなるけどやってません  35.59%
興味なし、やる予定もなし  30.16%
何、それ?  5.08%

カフェグローブの訪問者の属性を考えれば、F1層の約3割がアカウントを持っている、と言うことができそうですが、そのほとんどが(昨年末からの)テレビの報道などをみて登録したライトユーザーであることも見て取れます。

アクティブユーザーでなくても大丈夫?
上記のデータを受け当然この疑問がわいてくるわけですが、結論から言うと問題ありませんでした。フォローしてくれたユーザーの多くのアイコンはデフォルトのままで、フォロー/フォロアー数も10名以下という状態でしたが、後述するPV数やUU数を見る限りは問題なかったといえます。ポイントになるのは「このTwitterアカウントでしか得られない情報」を提供できるかどうかだと思います。

KPIは?
会社でコストをかけて実施する以上何らかのKPIの設定は必要。ここでは一般的なフォロアー数とPV数やUU数、リプライの定性分析を指標としました。フォロアー数についてはアクティブユーザーでなくてもフォローしてもらえるかどうかが分からなかったため、強気の読みと弱気の読みとで算出しましたが、結果的には強気の目標値に近いほうに振れた結果となりました。

フォロアーの集めかた
実はもっともこだわったのがここ。「フォロアー数の多いアカウントを持っている人にツイートしてもらえはいい」というような安易な意見も出てくる中、筆者はかたくなにFans Firstにこだわりました。別の言い方をすると、ファンではない人には知られないように運営したともいえます。一般的に行うであろう、プレスリリースや広告、公式サイトからのリンクなどは一切行わず、「メルマガを通じた招待のみ」に限定しました。

携帯
F1層のソーシャルメディア利用(mixiやアメーバ、モバゲーなど)の閲覧は、言うまでもなく携帯経由が大半です。またメルマガ経由の招待でもあったので、携帯電話対応には非常に気を配りました。準備の時間は非常に短かったのですが、PCと携帯で表示変換可能な画像アップロードサイトを自社で構築しました。ブランド管理の理由からtwitpicなどに画像をおきたくなかったのと、PV数やUU数を計測するためです。また、携帯のメルマガからの誘導は"twtr.jp"にするなどの配慮を行い、ツイートする際もPCと携帯とで別のURLを用意しました。

ガイダンス
対象がTwitterに詳しくない人中心であったため、Twitterアカウントに訪問した際に、「フォローの仕方」「ハッシュタグの使い方」「Twitterの公式FAQへのリンク」などがファーストビューで分かるよう事前にツイートをした状態でお迎えしました。 

と、設計から準備において配慮したことをまとめましたが、結果としては成功だったと思います。フォロアーは十分な数が集まり、画像ページへのPVやUUについても申し分の無い結果でした。

ご参考までにPCと携帯のアクセスに関して言うと、PCと携帯からのPV数/UU数はほぼ同数で、携帯への配慮の重要性を裏付ける結果となりました。また、Twitterビギナーを対象としておこなうことは、同時にTwitterの楽しみ方を伝えることでもあり、データを見る限りでは楽しんでもらえたのだと思います。

実際、このアカウントを見るためにTwitterに登録した、楽しい体験であった、今後も続けてほしい、というような声や、ブランドに対する具体的な意見を聞くこともできました。

さて、イベントをきっかけに立ち上げたアカウントですが、今後もFans Firstの気持ちをもって定期的にアクティブにしていきたいと思います。 

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2010年3月16日火曜日

ソーシャルメディアでのファンの半数以上が実際の顧客になるという調査データ

“While social media is not the silver bullet that some pundits claim it to be, it is an extremely important and relatively low cost touch point that has a direct impact on sales and positive word of mouth,”

ソーシャルメディアでのファンは実際にブランドの顧客となるか、ということに関する調査結果が公開されていました。調査対象は1500名。  

ファンやフォロアーになった場合、そのブランドを推薦する
Facebookのファンの場合:60%
Twitterのフォロアーの場合:79%

ファンやフォロアーになった場合、そのブランドを購入する
Facebookのファンの場合51%
Twitterのフォロアーの場合:67%
この調査では、元々そのブランドが好きでファンやフォロアーになったのかどうかが、はっきりしていないのですが、ファンやフォロアーがクチコミや購入という行動を起こす可能性が高いということが分かります。

リサーチを行った、Chadwick Martin Bailey社の社長Josh Mendelsohn氏曰く、 
専門家が語っているように、ソーシャルメディアは魔法の杖ではないが、比較的ローコストのタッチポイントであり、セールスやポジティブなクチコミを生む非常に重要なものである。積極的に関与していない企業は大きな機会喪失をしており、顧客とかかわることに前向きであることを伝えることができていない。
では、ソーシャルメディアでファンを増やすことは実際に購買につながっているのでしょうか?

"sweet" Fan PageというFacebookのファンページを運営しているヒューストンを拠点とするベーカリー&カフェのチェーンのDessert Galleryが行った調査によると、Facebookのファンは、一般的なDessert Galleryの顧客に比べて、 
毎月36%多く、Dessert Galleryを訪問している
45%多くの人が食費をDessert Galleryで使っている
Dessert Galleryで33%多く買い物をしている
Dessert Galleryブランドとの感情的なつながりが14%高い
Dessert Galleryブランドへのロイヤルティが41%高い。 
という結果になったそうです。

事例としては小さなものですが、こうした数字は参加に二の足を踏んでいる企業にとって、ちょっと背中を押してくれそうなデータですね。日本のソーシャルメディアマーケティングの購買意欲やブランド好意度などへの効果のデータも見たいものです。

ちなみにご紹介したDessert GalleryのAbout Usがなかなか素敵なのでかいつまんでご紹介。 
About Us: It's a Wonderful World 

デザートへのあくなき夢をかなえるレシピの世界にようこそ。リッチなチョコレートの空想が食卓に並び、感動的で温かな心遣いと伝統的なおもてなしと安らぎがお待ちしています。ここは友愛が、賞賛、信頼、共感、2本のフォークとひとつのデザートに出会う場所。

ここはカロリーを気にすることなく、チョコレートが全てを素敵にしてくれる場所。

立ち寄って、ログインして、ダブルクリックしてください -- あなたをお待ちしています。

そして地球を守ってください -- 唯一チョコレートが存在するこの星を 
なんだかちょっとふざけた会社案内ともいえますが、商品ではなくすばらしい体験の提供にコミットしていることや、デジタル時代への適応、ウィットにとんだエコ意識の表明、など素敵だと思いました。 

ソーシャルメディアへの対応以前に、こうしたところがロイヤルティにつながっている原点なのかもしれませんね。 

なんだか調査データのことよりもこの文面の紹介がしたかっただけなのかな。 

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新サービス「@anywhere」 でさらに利用範囲を広げるTwitter

Twitterが新サービスを発表しました。

その名も「@anywhere」

いかにもTwitterらしい名前ですが、これは例えば上記の画像に示されているようなサイトに直接Twitterを組み込むことを可能にするもので、APIとも異なるようです。

私たちのテクノロジープラットフォームはよく知られており、TwitterのAPIは広く利用されていますが、これは異なるアプローチをとったもので、ものすごくシンプルにできています。APIを導入するのではなく、サイトオーナーがするべきことは、数行のjavaスクリプトを加えるだけ。これが新たなフレームワークで@anywhereと呼んでいます。

Our open technology platform is well known and Twitter APIs are already widely implemented but this is a different approach because we’ve created something incredibly simple. Rather than implementing APIs, site owners need only drop in a few lines of javascript. This new set of frameworks is called @anywhere.

具体的にどうなるかというと、例えばYoutubeを見ながらツイートができたり、New York Timesの記事を読みながらその記者をフォローできたりと、ページ遷移をすることなく、そこからTwitterの機能を使える、しかも導入が非常に簡単、ということのようです。

これをFacebookコネクトへの対抗と見る向きもあるようです

導入予定企業は

Amazon, AdAge, Bing, Citysearch, Digg, eBay, The Huffington Post, Meebo, MSNBC.com, The New York Times, Salesforce.com, Yahoo!, and YouTube

だそうです。

ん、Google先生は? 

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2010年3月10日水曜日

YouTubeの投稿ビデオの自動字幕表示が、日本語訳対応している動画

 

先日のエントリでご紹介した、YouTubeの投稿ビデオへの自動字幕表示ですが、日本語訳を含む多言語展開のベータテスト版が公開されているようです。

さすがに完全な翻訳とは言えませんが、意味は伝わってきますね。 

ご参考

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PRのお手本のようなツイート:Twitter記号を関係性明示を含めて文章化する技術

  

特にB2BのPRにおいて重要なのがケーススタディ(導入事例)。

高額な大規模システムや、ハード、ソフトの導入を検討する際に、買う側が当然気にするのが他社実績。ケーススタディに使わせてもらうことを条件に、通常とはことなるディールを行うこともあるほど。

PRにおいてはそのケーススタディ作成とメディア掲載、さらに営業マンのセールスツール(許可を得て掲載紙を使うこともある)作成、Webでの掲載と多面的に展開しますが、やはりTwitterも有効活用すべき。

ただし、

「ABC社の導入事例が掲載しています! URL」

というだけのツイートでは寂しい。

たまたま見かけたPerkettPR社 によるお手本のようなツイートが上の画像。小さな事例ですが、エッセンスが凝縮されているので分解しながらご紹介。

How client @proliphix helps @QdobaMexGrill chain reduce #energy use by 15%, save $$, #environment from @ChainLeader http://bit.ly/buG0Nx #fb

Twitterアカウント:引用先企業のTwitterアカウントを使って説明しています。興味のある人がその企業のアカウントを訪問し、フォロアーになる導線を作っています。

ハッシュタグ:ハッシュタグを用いてトレンドの話題と関連付けを行っています。Buzzの広がりだけでなく引用先企業のブランディングにも繋がっています。

関係性の明記:WOMMAのSMM開示ガイドにもあるように、Twitterであっても関係性の明示は重要。この一言があるかないかで信頼性が変わってきます。

Facebook連携:情報の集積地としてのFacebookにも自動投稿することは当然。ちなみにこの#fb、見慣れな方もいると思いますが、Selective Twitter Update applicationをFacebookにインストールしている場合、#fbを最後に入れることでインポートさせることができます。

文章になっている:これは以外に重要かな、と思っています。これだけの非言語的要素を読みやすい文章として組み上げるのは技術が必要であり、PRする側の力量を示すことにも繋がります。 

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2010年3月9日火曜日

アカデミー賞の結果をブログは予想できていたか?の調査:今年のオスカーでのソーシャルメディア活用事例も

アバターが3冠、ハート・ロッカーが6冠という結果に終わったアカデミー賞。

ブロガーはその結果を予想できたのか?というエントリがあったのでご紹介。

上のグラフの出所は、The Nielsen Company。2月からブログのポストのモニターを続けていたのですが、このチャートを見る限りでは、ハートロッカーについての話題もアバターと同レベルで語られており、アバター超優性、というものとは違う結果をある程度反映したものだったといえそうです。

また授賞式の最中のTwitterでの反応は、毎分1,500〜2,000の間を推移していたのが、9時ちょうど手前の、ハート・ロッカーが作品賞を受賞する瞬間には5,000ツイートに跳ね上がったとのこと。

ちなみに、今年のアカデミー賞では授賞式のテレビ番組とソーシャルメディアとの連動が図られたようで、USA Todayに紹介されていました。

•Be app-y.(アプリ):iPhoneアプリを今年のオスカーでは提供。ユーザーは全24カテゴリのノミネート作品にアクセスでき、ベスト10のノミネート作品のトレーラーを見ることができる。またFacebookやTwitterで予想を述べることもできる。「私たちは映画ファンがどこにいても繋がれるようにしたい」(アカデミーのマーケティングディレクター、Janet Weiss氏)

•Leak ads.(広告のリーク):J.C. Penneyは、オスカーの広告を全てFacebook上で、オンエア前に公開。デジタルマーケティングバイスプレジデントのNick Bomersbach氏曰く、「コマーシャルはファンのためであり、彼らはコマーシャルにコメントをするのが好きだ」

•Dish the dresses.(ドレスを楽しむ):サムソンは、ABCのオスカー「レッドカーペーット」のスポンサー。そこではセレブ登場時にライブストリーミングが行われた。 Facebookでのチャットは「オンラインの仮想井戸端会議状態だった」とマーケティング部プレジデントのPeggy Ang氏。

•Hype news. (事前告知):アカデミー賞の規定により、ノミネート俳優のJeff Bridgesの声による広告が使えなかったHyundaiは、声の差替えを別の名人を起用して行う、と事前に告知した。

•Go goofy. (楽しいことをする):トイレットペーパーのCottonelleは、オスカー視聴者に対して、トイレットペーパーは上から出すか下から出すかを投票させた

•Act snarky.(狂騒を起こす):サンタモニカのホテルCasa del Marでは、スクリーンを横に並べ、コンパニオンがその一つでオスカーのTwitter中継をしているのに挑戦させる試みを行って、最高に面白いツイートをした人や鋭いコメントをした人にはフリードリンクがふるまわれた。

特にTwitterのようなリアルタイム性の強いメディアの効果的な活用はこれからも期待されそうですね。 

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2010年3月8日月曜日

ディズニー映画「アリス・イン・ワンダーランド」が、LA Timesの表紙をジャック

ディズニーの新作映画、「アリス・イン・ワンダーランド」の広告が、ロサンゼルス・タイムズの一面をジャックしたそうです。

新聞メディアの在り方について考えさせられるこの施策、実際にジャーナリズムの在り方をめぐる論議を招いているとのこと。 

この広告を見て、ジャーナリズム評論家のロイ・ピーター・クラーク氏は、米景気後退と広告収入の落ち込みを背景に、新聞の一面と広告面を区別していたジャーナリズムの倫理観が崩壊したと批判をにじませた。同紙は「本物」の一面は内部に掲載していると断ったが、気付かなかった読者もいるという。

同紙のジョン・コンロイ広報担当は、「新たな流れを生み出すためにデザインされた革新的な広告」だと主張。ただ、広告料については触れなかったが、10万ドル(約900万円)を超えるとの見方もある。また、読者がこの一面を見たとしても、広告と判断して本当の一面記事は内部にあると認識するだろうと述べた。 (Asahi.com

広告扱いということで、編集側の最終判断ではないようです。

LA Times編集長のRuss Stantonは、次のようにだけコメントした「言うまでもなくこれは私の判断ではない」
LAT editor Russ Stanton, who would only say, "Obviously, it was not my decision." (huffingtonpost.com)

以前筆者は、世界初?新聞の証券面をアヒルがジャック:アフラックの紙面広告というエントリを書いたことがありますが、証券面での施策とは意味合いが大分異なりますね。

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2010年3月5日金曜日

YouTubeが投稿ビデオに自動で字幕を付けられるサービスを開始:ビジネスへの恩恵も

これは凄い。。。

YouTubeが、Googleの音声認識技術を使って、投稿されたビデオに「字幕」を付けるサービスを開始するそうです

上のビデオがそのデモですが、しゃべっている内容が字幕になって表示されています。英語からでしょうが、Google音声検索のように日本語にもきっと対応していくことでしょう。

コンテンツが国境をさらに超えやすくなるだけでなく、

・聴覚障害者向けの動画コンテンツ
・語学学習
・字幕によるエンターテイメント(バラエティ番組での字幕の感覚)

などなど、色々な恩恵を生み出しそうですね。

表示する字幕のカスタマイズや、テキストデータへの書き出しなどができると、さらに可能性が広がりそうな感じです。

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2010年3月4日木曜日

ソーシャルメディアに疲れたあなたを、CAFEへご招待:150万人以上のファンをあつめたピクルスのFacebookページ

via ClickZ

Nickelbackというバンドをご存じでしょうか?

筆者は知りませんでしたが、Facebookでは140万人以上ものファンを擁する人気バンドのようです。そのNicklebackのファンの人数を超えようとCoral Anneさんという女性が企画したのが、"Can This Pickle get More Fans than Nickelback?" というFacebookのファンページ。

目的は?

純粋に単なるユーモアで、それ以上でも以下でもなく、Nickelbackを嫌う人をエンドース(支持)するものでもありません。
This is all strictly intended for humour and nothing more or less. I am not using this page to endorse any hate towards the band Nickelback.

という完全なジョーク企画。ところがあっという間にファンが増え始めたため、Nickelback自身がこの企画を馬鹿にするような書き込みをしたほど。結果は言うまでもなく拡大を助長することになり、見事150万人を突破したそうです。

ソーシャルメディアマーケティングで、オウンドメディアにファンを集めるための施策に投資するのがばかばかしくなるような事例ですが、同時にこれは一種の「ソーシャルメディアマーケティングの疲弊」を示していうように思えます。

巨額の投資をしてテレビのスポットを打ち、Tweitterをフォロー、Facebookでファン登録、のような導線を呼び掛ける。これはシンプルで簡単、特徴のない行為である。消費者にとって意味がないだけでなく、はっきり言ってブランドにとっても価値がない。許諾を得て多くの人と繋がったとして、何になるのだろうか?

Today, we have big-buy TV spots where the single call to action is to follow the brand on Twitter or become a fan on Facebook - an action so simple, easy, and non-committal that it has almost become entirely meaningless for the consumer and, ultimately, scarcely valuable for the brand. Yes, we've gotten permission, but for a relationship that hardly seems worth having. (ClickZ)



ただし、数を追いかけるのでなく、ドラッカー先生の言うように「最適」を目指すのであれば、話は異なってくると思います。

そこでこのエントリの筆者が提案するのが、"CAFE"。良くまとまっているので抄訳にてご紹介。

CAFE:Content, Advocacy, Fans, and Engagement (コンテンツ、支持、ファンそして関与)

Content: コンテンツは計画を推進するための燃料である。ブランドはコンテンツを使って会話を開始しなければならない。消費者がこちらに来るのを待つのではなく「招待状」としてコンテンツを用い、自分の考えや製品のアイディアを示すのがよい。
Advocacy: 支持を得ることはマーケティングの手法としては新しい。もちろん消費者が決定する際には友人のアドバイスを聞くことを知ってはいたが、これまでは計画に組み込むことは難しかった。支持を得ることを前提として計画をしなければならない。
Fans: ファンは言うまでもなく、とても重要。ただしそれはゴールではない。重要なのはファンがコンテンツに触れ、ブランドが彼らと関係を築き、フォローし楽しませることが理想と言える。これは同時に支持や露出を得るための道である。
Engagement: 関与は多くの人がおろそかにしがちな最も重要なピース。関与こそ、目的としている長期の関係性と言える。参加者を得るためには、価値を提供するだけではなく、コミットメント(責任や忠誠)が伴わなくてはならない。消費者がオプトインするのは、彼らがブランドとの関わりを何度も持ちたいと思うからであり、ブランドはそのつもでいなくてはならない。

ご参考:












2010年3月3日水曜日

無理してソーシャルメディアマーケティングをやる必要はない:ソーシャルメディアマーケティングとPRの高い親和性



筆者は基本的に広報・PR畑の人間で、この業界で10年以上仕事をしていますが、ソーシャルメディアマーケティングに非常に興味があり、この分野の発展に何らかの形で寄与したいと思っています。

ここ数年で様々な取り組みがなされてきたソーシャルメディアマーケティングですが、最近になって論調が変わってきていると感じます。ソーシャルメディアマーケティングの第一線の方々が、(Twitterをセールスチャネルとして使うようなケースは除き、)その本質を単なるBUZZや数字ではなく、つながりや顧客との関係性にある、という発言を行い、無理してソーシャルメディアマーケティングをやる必要はない、という意見も耳にするようになる機会が増えています。
「無理してソーシャルメディアマーケティングをやる必要はない」。これはPRパーソンである筆者にとっては馴染みのある、古くて新しいテーマなのです。PR代理店に勤めた経験のある方であれば、「PRやって儲かるの?やる必要あるの?」という認識を持つクライアントに対し、PR活動のリテナーフィーを正当化するための説得を試みた経験のある人は少なくはないでしょう。

自分自身の頭の整理のために、SMMとPRとの共通点を洗い出してみたいと思います。


いかがでしょうか?

「押し売りでなく相手にあった形で情報を提供」「コントロールをしようとしない」「関係性の構築」などなど、ソーシャルメディアマーケティングで語られているこうしたことは、誤解を恐れずに言えばほぼ全てPR的には常識と言えます。

両者の最も大きな違いは、消費者と直接つながって会話をするかどうかと言うことになりますが、実はPRが 
「メディア(記事)を通じて信頼性の高い情報を消費者に対して発信し、消費者とと双方向のコミュニケーションを行う」
という考え方に立脚していることを考えれば、手法の違いこそあれ、これも実は共通しているといえます(そもそも消費者に支持されない情報は記者が記事にしません)。

例えば、企業の謝罪会見。これはメディアを通じて消費者に許しを請うコミュニケーションである、という例を出せばこのことは分かりやすくなると思います。きちんと説明して謝罪しないと消費者は許してくれません。消費者の不満が納まらなければ2回目、3回目の会見を行うことも珍しくありません。これは消費者とのインタラクティブ(双方向)なのコミュニケーションの分かりやすい例です。また、Public Relationsとしての広義のPRはメディアリレーションだけでは無いので、消費者の意見を直接伺う公聴活動や地域の人との交流イベントなども行います。

両者の違いを強いて挙げるとすれば、特に上場企業の場合は広報・IRを通じて情報発信することが義務(開示義務)であることぐらいかもしれません。

エデルマン社の調査が示しているように、ソーシャルメディアにおける情報の信頼性は変化を始めており、権威のある人か、実際の知り合い(ソーシャルグラフ)からの情報だけが信頼される、というように今後二極化が進むことも予想され、ソーシャルメディアマーケティングと非常に親和性がある伝統的なPR手法は、今後ますますソーシャルメディアマーケティングに必要になると考えられます。

広告とPRの違いを分かりやすく理解できる昔ながらの説明を最後にご紹介します。

広告は “Buy me!” で広報は “Love me!”

さて、ソーシャルメディアマーケティングは?



ご参考:













2010年3月1日月曜日

オリンピックから学んだこと:ニッチの世界でトップを目指せ!

今日、日本時間の3月1日に閉幕するバンクーバーオリンピック。

もちろん日本人選手の活躍に注目が集まりましたが、同時に私たちの関心を引いたのは普段注目されることのない様々な競技。カーリングやスキークロス、リュージュ、エアリアル、バイアスロン、、、

広報やソーシャルメディアの話とはあまり関係ありませんが、The Olympic Spirit: Exemplars of the Niche Professional(オリンピックの精神:ニッチにおけるプロのお手本)という、ちょっと素敵なエントリがあったので抄訳にてご紹介したいと思います。

オリンピックの成功の鍵は、参加種目を選択し、トレーニングで必要なことだけに集中すること。国際大会ではその場しのぎは通用しない。同じことは最高のWebのプロにも当てはまる。

両者の大きな違いは2つ。Webのプロには献身的なコーチがいないことと、Webの業務においてはトレーニングと試合の違いがスポーツ選手ほど大きくないこと。

コーチがいないWebのプロの場合は、理論と実践の両方を考慮し気を配る必要がある。スポーツ選手の場合、コーチがプログラムを考え、分析を行って改善につなげている。これを実施する最善の方法は、詳細なデータと業務内容の記録をとること。仕事を改善することは製品の改善と同じくらい重要で両者は切っても切り離せない関係にある。

トレーニングと試合の違いに関しては、プレッシャーをどう捕らえるかによって異なるが、Webのプロに分がある。いつでもトレーニングを行うことができ、お金を払ってそれを行っている人も多いと思うが、金銭授受の発生しない評価の対象外の仕事やチャリティーのようなプロボノの仕事などで練習をするのも良いだろう。トレーニングを効果的に生かすために、予定されているプロジェクトや業務をランク付けし、小さな業務を大きなプロジェクトに向けてのものとして取り組むのが良いだろう。これは注目を集めるような大きな仕事をこなす際にに役に立つはずだ。

オリンピック選手のように表彰台に上る機会はないが、特定の分野においてもっとも優秀なプロとして見られることはできる。企業が特定のプロジェクトへの投資を強めて行く中、自分の注力分野を磨き、ニッチにおけるトップになることは、結果として大きなリターンにつながる。

オリンピック選手並みに、とは行かないまでも自分の専門性を磨きをかけていかねば、という気持ちになりました。

Posted via email from Capote's Connected Communications - 続・広報の視点

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