2010年6月10日木曜日

ソーシャルメディアで「使い捨てアカウント」はやめようよ、という話



企業のTwitterアカウントは本当に多くなったと思います。
Twinaviで見たところ、今3279件。ここに登録していないアカウントも多数あると思うので、実際にはもっと多いでしょう。
そのうちのどのくらいがアクティブなのか、ちょっと知りたいところ
例えば先日IS Paradeでヒットを飛ばしたAUも、その公式アカウント@au_officialは、発表会終了後完全停止していますし、(テスト的に)イベントやキャンペーンで立ち上げて終了、というアカウントは少なくないと思います。
ちょっと古い調査データですが、フォーチュン100企業のTwitterアカウントの15%が停止アカウント、というデータもあります(フォーチュン100企業のTwitterアカウントの半数は不人気:Weber Shandwickによる調査と提案)。
最近読んだ、(短期的な)ソーシャルメディアキャンペーンが最低な4つの理由、というエントリが、共感できる内容でした。
まず、特に印象的だったのはこの言葉。
"disposable properties(使い捨てアカウント)"
使い捨てアカウントの特徴は、  
 
Listen, engage, develop. の逆で、Build, promote, abandon.
まさに使い捨てですね。。。では詳しくご紹介。
オーディエンスに魅力を感じてもらうには時間もしくはお金が必要
FacebookやTwitter、ブログなどのソーシャルメディアでは、テレビやラジオ、紙誌面の広告が、スイッチを押せば何千もの人にリーチできるわけではない。ソーシャルメディアが可能にしてくれることは、あなた自身を見出し、確立し、同じような意見を持った人々のコミュニティと親しくなる、ということ。しかしながらこれは一夜にしてできることではない。だからゼロからはじめ、早期に結果を必要とするキャンペーンでは、どんな場合でも他のメディアによるサポートによって人々をソーシャルメディア上の「場」へ、深く関与してくれることを期待して向かわせる必要がある。
オーディエンスを獲得し、最後にはそれを捨てる
ソーシャルメディアを通じてオーディエンスを獲得するには、時間もしくはお金を必要とする。キャンペーンの終わりとともに築き上げた資産を捨て去ることは、全ての投資をどぶに捨てるのと同じことである。それは例えばeメールのリストを作り上げると同時に削除するようなものである。より良いアプローチは、例えばFacebookページや企業ブログのような長期的な「場」へと人々を誘導し、そこで短期的な目的のことも実施することである。そうすることで、コミュニティを育て、関与を深め、ローヤルティを強めながらさらに会話を深め、ブランドイメージを改善していくことができます。何よりもいいのは、次回発表やキャンペーンを行う際に、すでに情報の更新に関してオプトインしたグループがいるということ
ソーシャルメディアは"paid media"ではなく"earned media"
根本的にソーシャルメディアは"paid media"ではなく、"owned media"であり、"earned media"です。その区分はあいまいかもしれませんが、長期的な関係性を作り出すための、自身の"owned media"で面白いことをして、他の形態のメディアでの注目を得ることもできるでしょう。"earned media"や"owned media"上で、"paid media"でやるアプローチを行うことは、木の板をハンマーで切ろうとするようなもので、間違いである(上のForresterによるメディア分類をご参照)。
双方向でなく一方向
キャンペーンを主体とするアプローチでは、オンラインでの深い関与を目的に、依然旧来の一方向のアプローチをとり、面白いことを行ってバイラル化し何千もの人々にリーチすることを期待している事例が見受けらる。そうすることの価値はあるものの、純粋にキャンペーン主体のアプローチをとっていては、ほんの表面を引っかく程度のことしかできません。例えば、業務プロセスの再設計や、製品の強化、顧客サービスの改善などを閉じたプロモーションキャンペーンで見つけることはできるでしょうか?ソーシャルメディアをキャンペーンのために使うことはできますが、それは木を見て森を見ず、ということに等しい。
企業の活動としてソーシャルメディアに「かかわる」のだから、キャンペーンのような短期的な取り組みで、一定の効果を上げるためにアカウントを使うことが期待されるのは自然なことだと思います。 
特にTwitterは企業にとっての参入障壁の少ないプラットフォームなので、キャンペーン目的のアカウントも数多くあると思いますが、やはりやるなら長期的に使って自社のステークホルダーとの深い関与をここで行いたいところ。
Twitterでも例えば、長期的に運用するアカントを持ちつつ、キャンペーン施策の際にはそのアカントのアイコンや背景を変える、中の人の口調や運用ポリシーを変えてみるなど、単純ですが色々と活用方法は考えられると思います。 
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