2011年6月23日木曜日

原油流出事故から1年たったBPの空転するソーシャルメディア活動





原油流出事故から1年以上が経過した現在、 石油メジャーBPのソーシャルメディアチャネルでは、回復するメキシコ湾岸の観光やシーフードなどのステータスアップデートを行う事で、プロモーションを行っているようです。

例えばFacebook Pageをみてみると、

いい釣りを楽しみたいですか?今年のルイジアナの漁場は、大型魚が豊富に水揚げされ、とてもいい釣りの季節に入ったそうです。詳細は下のリンクでどうぞ。

という感じで良いニュースを掲載しています。

ところが、先日公開されていたClick Zの記事によると、どうも地元住民との関係はすっきりしていない様子。

例えば、BPのYouTubeチャネルには、PR代理店が手掛ける地元のレストランオーナーの動画などがあるのですが、記事にはThe Fish Houseというお店のマーケティング担当Shelley Yates氏の、

彼らが撮影に来た時、これはBPとは全く関係がない、と言っていたのですが、その映像はBPのFacebookページやYoutubeに投稿されました。しかも、それはとても不自然な映像で、好意的に受けれられていませんでした。

というコメントが掲載されていました。

そのお店のオーナーが出演している動画は削除されたようですが、

嘘ばかり。彼はこの広告のためにいくらもらったんだろう。

という不本意なコメントも付けられていたとのこと。

今はそれと似たような動画が掲載されています。


この動画にもやはり、非常に多くのネガティブなコメントがつけられており、また多くのコメントが削除されています。

BPとしてはとにかくポジティブなニュースを発信して、ブランドのリカバリーにつなげたい、という意向もあるのかもしれません。ただし、FacebookやTwitter、Youtubeなどを活用したその努力が、奏効しているかというと恐らくそうではないようです。

事故から1年が経過したときに出されたオバマ大統領の声明に関する記事によると、

回復作業には現在も2000人近くが携わっている。声明は「(回復作業は)大幅に進展したが、仕事は終わっていない。湾岸地域を事故以前よりも高い水準に回復させるのが目標だ」

とのこと。

BPによるメキシコ湾の環境回復のPRは「美味しいシーフードを食べませんか?」といったトーンのコミュニケーションをすることではなく、粛々と回復作業のレポートを行い、地域産業のPRに関しては黒子に徹する方がよいのでしょう。

最後にYates氏のコメントを。いったい誰が加害者なのか、という事を考えさせられます。

BPが、メキシコ湾の魚やビーチに関する誤解を解こうとしてくれているのはありがたいが、そのブランド名が同じくらいイメージを悪くしているのではないかとも思っています。
実際の現実と、オイルが沿岸に打ちよせてくるというイメージとのギャップに昨年は悪影響を受けました。ほとんどの場所は美しいままなのに、その恐ろしい、陰鬱な映像は繰り返し放映されました。オイルに汚された場所は一部でしたが、メディアが描き出したものは異なり、多くの人を怖がらせるものでした。






















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