2010年2月8日月曜日

トップ自らが積極的に参加する、米トヨタのソーシャルメディアを活用したダメージコントロール



これはトヨタが1月31日の全米の主要20紙に対して行った、リコールに関する全面広告です。そしてその翌日には、テレビ番組"Today"に、Toyota Motor Sales USAの社長兼COOのJim Lentz氏が出演して、アクセルペダルの問題について

きちんとした対応ができます
This will be under control

との見解を述べました。 

トヨタはこのようにしてリコール問題による企業イメージ低下を避けるためのコミュニケーションを開始し、先週金曜の夜には日本での社長会見が行われました。

こうした目に見える動きの裏で、ソーシャルメディアでも積極的な情報発信、質問の募集などが行われています。

基本となるのが、リコールに関する情報を集約している公式ホームページ

ここでは最新情報の開示やリコールに関連のある車種情報などが載せられています。ここまでなら、国内での危機対応時によく見られるもの。

ここからが少し違うのですが、こうした基本情報とともに、ホームページにはビデオコンテンツが収録されています。たとえば、下のような感じのものです。

重要なお知らせ
Toyota Motor Sales USA 社長兼COO、Jim Lentzより
Important Message
From Jim Lentz, President and Chief Operating Officer, Toyota Motor Sales, U.S.A., Inc.
 重要な情報の更新
Toyota Motor Sales USA 社長兼COO、Jim Lentzが、トヨタのディーラーを訪問し、リコールについて語る
An Important Update: 02.05.10
Jim Lentz, Toyota President and Chief Operating Officer, visits a Toyota dealership to talk about recall actions.

こうしたメッセージは、Toyota USAの公式YouTubeチャンネルにも掲載されています。
※下の動画の埋め込みができないようなので、こちらからご覧ください。 
 

そしてYouTube上のコンテンツには、当然のことながら、FacebookTwitterからも誘導が行われています。


Twitter上では、上で述べたTodayの番組出演映像へのリンクや、公開での質疑応答なども行われました。


RT @todayshow: @ToyotaのJim Lentzがリコールについてマットに「きちんとした対応ができます」とリコールについてコメント
RT @todayshow: "This will be under control." - @Toyota president Jim Lentz speaking to Matt about the recall. Video: http://bit.ly/awU01P (実際のツイート)


いまJim Lentzが来ています。20分間でできるだけ多くの質問にお答えします。
Jim Lentz is with us on the channel right now. We'll try to get through as many questions as possible in the 20-min time frame. #lentz (実際のツイート)

実際に14問程度回答しています。

そして極めつけがこれ。

 


Toyota Motor Sales USA 社長兼COO、Jim LentzがDiggコミュニティに寄せられた上位の質問にお答えします。(ツイート)
誘導先のページ"Digg Dialogg: Jim Lentz"では、

トヨタはあなたからの質問を募集しています!2月8日月曜の朝8時までに質問を投稿し、Digg(格付け)をしてください。それによってインタビューで聞かれる質問を決定します。
Toyota wants to hear from you – submit and vote up questions below!
Submit and Digg questions from now until Monday, February 8th at 8am PT to decide which will be asked in this exclusive interview.

というメッセージが、ありその下にはすでに1000以上の質問が寄せられており、diggでランキングがなされています。


トヨタのイメージ回復に向けてのコミュニケーションはまだ始まったばかりですが、この一連の動きを見ていて学べることが3点あります。

1つ目が、動画というソーシャルメディア・レディ・コンテンツを活かすことで、統一されたメッセージを分かりやすく伝えることができている。

2つ目が、日頃からプラットフォームとしてソーシャルメディアを活用していたことで、メッセージを一気に拡散させる取り組みを行っている。

そして3点目が実はもっとも重要なのですが、企業のトップ自らが積極的に関与していることです。

自らテレビ出演し、メッセージ動画はもちろん工場に出向いてのビデオにも出演し、ソーシャルメディアに対して質問を募り、自ら積極的に回答する。 

危機管理時におけるコミュニケーションをトップが自ら行うことで、会社としてのコミットメントの強さ示し、同時に社員や関係者に対してもメッセージを投げかけています。

ソーシャルメディアやそれに見合ったコンテンツが加わってはいますが、トップが積極的にリードする、という基本はきちんと守っているということですね。





























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