2010年10月18日月曜日

Facebookのソーシャルゲームでのインゲームプロモーション:The Best Social Network Game Awardを受賞したSocial Cityの内側


ちょっと前のエントリ、Facebookを使う理由、そして"Like"ボタンを押す理由:ExactTarget社による調査 で、アメリカのインターネットユーザーがFacebookを使う理由の第4位が「ゲームを遊ぶ」ため、であることをご紹介しましたが、最近筆者が軽〜くはまっている、ソーシャルゲーム"Social City"も人気ゲームのひとつでしょう。

Social Cityは、Game Developers Choice Online AwardsのThe Best Social Network Game Awardを受賞しているゲーム。

ゲームの目的は街を繁栄させるというシンプルなもので、友達を招待してご近所さんが増えると街の面積を広げられる、ご近所さんを助けるとポイントがたまりゲームの進行を早められる、課金と連動したゲーム内通貨でしか買えないアイテムがある、レベル12を超えるとエリアが広がる、などのソーシャルゲームの定番要素が盛り込まれており、まずはこのレベル12を目指すことが初期のモチベーションとなる設計だと思います。

さて、このエントリではゲームの解説は割愛し、普通にこのゲームをプレイしていて遭遇したプロモーション要素についてちょっとご紹介します。(注:Facebookのソーシャルゲームをよくプレイしている人にとっては目新しい内容ではないかもしれません)

ゲーム間プロモーション
まず、このゲームのデベロッパーであるPlaydom社の別のゲームでレベル5になればSocial Cityで特別な建物を使えるようになる、という工夫がなされています。すでに楽しんでいるゲーム内での特典が得られるから他のゲームも、というのはシンプルながら的を得ていると思います
 
日本のケータイソーシャルゲームでもそうですが、はまりすぎると例えば怪盗ロワイヤル=>(エネルギー補給中に)戦国ロワイヤル=>(エネルギー補給中に)モンハン日記=>(エネルギー補給中に)100万人の信長の野望、というように半無限ループに陥るので注意が必要ですが。

ゲーム内広告
今ゲーム内広告で最もプッシュされているのが、このホンダオデッセイの広告。ここに表示されているリンク先の動画を見ると、販売店を街に設置できるようになります。 
 


また、街の工場で作るアイテムの中にあった、このCountdown to Zeroは、トレイラー映像への誘導がついたプレイスメントのようで、他のアイテムよりも生産コストが低く設定されているので、使われる頻度も高くなり記憶に残りそうです
 
Fanページ連動
Social CityのFanページでLike! をすると、新アイテムなどの更新情報が表示されるようになるのですが、例えばこんな風に追加アイテムの全景を紹介し、モチベーションの向上を促しています。

College Townのアイテムを集めて町の装飾を始めましたか?LordElaen がデザインしたこのすばらしい大学キャンパスを見てください!キャンパスは、運動競技施設や本屋、大学ラジオ局で完成します!

Have you collected the College Town items and started decorating your city? Check out this awesome college campus designed by LordElaen! This campus comes complete with athletic facilities, book store, and even a campus radio station!



と、ゲーム周辺のプロモーションを中心にご紹介してみました。








2010年10月12日火曜日

ブログ、Twitterの次はFacebook?:現時点ではB2B目的の参入価値が高いのでは?


日本企業でもFacebookを使い始めている企業が少しづつ増えてきました。
これまでもグローバル企業のToyota USAHonda、最近だとUNIQLOのように英語でFB内に公式ページを運営しているところはありました。

こうしたグローバル企業サイトとは違い、日本人のFBユーザーを対象に、日本語を言語として運営する企業が現れ始めました。今はこうした企業の公式Fanページはまだ少なく、昨年の今頃のtwitterのような状況にあると思います。

ただし、「とりあえずBlog、とりあえずTwitter、とりあえずFacebook」ということにならないよう、目的や戦略をきちんと整理したうえで参加したいところ。ブログや企業のHPと同じことをしてもあまり意味は無いでしょう。

これも1年ほど前に盛り上がった、そもそも何でtwitterやるんだっけ?という議論と共通すると思うので、昔のエントリを引用しながら、今もやもや考えていることを整理してみたいと思います。


1. Facebookは、あなたの会社のユーザー属性と合致していますか?
  日本のFacebookアクティブユーザー数はFacebookの広告作成ツールによると、1,515,880人(予想配信数:日本に住んでいる, 18歳以上という条件)で、男女比は半々くらい(女性:753,720人、男性:726,100人)。対象となる人が今どのくらい含まれているか。

2. Facebookで何がしたいですか?
  メディアのアカウントのようにニュース情報の発信か、ファンとの交流、CRM、あるいはCS、などなど。目的によって期待する効果も異なります。

3. 質と量でファンの期待に応えられますか?
  ブランドプロミスを守れるレベルのクオリティが提供できるか。一時的な使い捨てアカウントにしないだけのコンテンツの計画や長期的なコミットができるかどうか。

4. 担当者の人選
  Facebookの作法を理解し、パッションがあり、コミュニティ管理のできる(中の)人がいるかどうか。

5. 効果測定
  導入目的に対しての実績の評価をどのように行うか。




特に「Facebookで何がしたいか」という点については、企業の公式HP、ブログ、メルマガ、twitterがある上に、さらにFacebook、となるわけですから、きちんと整理しておきたいところ。できればtwitterとも異なる役割を負わせてみたいところ

今のところ、Facebookのアクティブユーザー像としては、留学経験がある人や外資系企業勤務の人、ネット関係者、マーケターなどが多いと思います。

その意味では、今はB2BのビジネスにFacebook参入価値が高い場合が多いと思われます。

まだまだいろんなことができるはずですが、使い方の整理ができていて「いいね!」と個人的に思うファンページをご紹介。 

マイネット・ジャパン:インターネットサービス企業の同社。社内イベントのような企業情報のアップデートが中心。ネット関係者に対して、B2B目的でFacebookを使っているといえますね。同じことは「広報ブログ」などでもできますが、例えば社外の人を招いてのイベントの写真などに、参加者のタグ付けをすれば、Facebookならではの特性をいかして関わりあい(Engagement)を深めることができます。
  
In the loopikedahayato.com大元さんのページ:よくあるメディア系アカウントと異なり、ブログエントリについてのディスカッションに作者自身がきちんと加わっている点がいいと思います。読者はソーシャルメディアやオンラインマーケティングに関心のある人が多いからこそ意味のあるアカウント。特に@IHayato さんは、ブログのコメント欄を閉鎖してこちらに誘導する徹底ぶり。Twitterよりディスカッションもしやすいですしね。

American Express Japan:FB内には、外資系企業でコーポレートカードとして使っている人も多いでしょうし、海外旅行に良く行く人(利用者)も多そうなので、濃いユーザーをターゲットできると思います。アメックス利用のtipsや、イベント情報が中心。設立年月日が、1850 (嘉永3年)なんてトリビアも楽しいですね。

筆者もFacebook上のアカウントを作ってみました。目的はブログについてのご意見やコメントを行う場として(↓のコメント欄をご利用いただいても結構です)。

また、Facebookはプライベート情報、Twitterやブログはパブリック情報、という使い方を心がけているので、直接存じ上げない方からのFacebookのフレンド申請を、この新しいアカウントの方でご対応させていただきたいという思いもあります。このあたりの話はまた別の機会で書いてみようと思います。













2010年10月6日水曜日

「大きなダイニングテーブルの上が好き」:こんな投稿をする女性がFacebook上に多数現れている理由


これはやられた!

と思っている男性も多いことでしょう。

今Facebook上で、多くの女性が何とも不思議な投稿を行っています(海外での話です)。
大きなダイニングテーブルの上が好き
キッチンカウンターが好き
椅子の上が好き
床の上が好き
ベッドの上が好き
これ、何の話をしているか分かりますか?

正解は、帰宅してハンドバッグをどこに置くか、という質問への答えなのです

10月は乳がんの早期発見や治療の大切さを訴える運動の強化月間。日本でもピンクリボン運動が行われています。この「どこにハンドバッグを置く?」は実は乳がん月間のアクションのひとつ、ということのようです

コメントには性的なイメージが示唆されているため、女性にとっては楽しいガールズトークになり、男性にとっては「何これ?」と興味を引く内容になります。

実際にYahoo! Answersにも質問が寄せられていて、例えばこんな風に回答されています。
これは乳がんに関係する投稿で、10月は乳がんの認知向上月間なのです。
 
Actually it is about breast cancer, October is breast cancer awareness month. 
元々はハンドバッグについてのバイラルメッセージが発端になっています。女子が自分の友人にステータスを「__の上が好き」と変えるようメッセージを送ったのです(ブラの色の投稿の時のように)。空欄にはハンドバッグを帰宅してすぐに置きたい場所を書きます。だから「キッチンテーブル、ベッド、ドレッサー、カウチ等々が好き」という投稿がされているのです。この投稿は性的なものとして読まれ、理解されることを意図しています。
 
It originally started out as viral message about handbags. Girls would send out a message to all their friends telling them to change their status to "I like it on the _____." (Same as the bra color post) The blank was to be filled in with the location you set your handbag down as soon as you got home. That is why originally you saw a lot of "I like it on the kitchen table, bed, dresser, couch, etc." The post is intended to be read and interpreted as sexual.
このコメントの中に登場する「ブラの時」というのは、女性が単純に好きなブラの色について「赤」「黒」「ヌード(これが色ならば)」のように投稿した過去のバイラル現象のことを指しています。

凄くシンプルですが、参加している女性が楽しみながらクチコミしているのが理解できますし、様々なキャンペーンに適用可能な要素が凝縮されていると思いました。

ちなみに、乳がんの検診ですが、欧米の検診受診率が70%以上であるのに対し、日本は20〜30%と受診率が低いのが現状のようです。 
 



ご参考: 









2010年10月5日火曜日

PR担当は仕事の幅を広く捉えてもいいのでは?:コラボや広告もPublic Relations



via flickr.com 
先週の夜、こんなツイートをしました。

PR担当です。広告使います。コラボします。ソーシャルメディア使います。記者さんともコンタクトします。

何でこんな発言をしたかというと、私のタイムラインに流れてくるPR関連のコメントを読んでいて、PR担当はもっといろんなことをしてもいいはずなんだけどなぁ、と思ったからです。

筆者は今所属する会社で、基本的に「PR担当」という職務を与えられています。ですが上記発言のとおり、一般的にPR担当が行うと思われる以上のことをさせていただいています。

ただし広告費などの予算は持っていないので、色々とレバレッジを利かせることで横断的な活動を実現しています

ということで、今日は筆者がしている仕事の一例をご紹介し、PR担当が仕掛けるコラボと広告の説明をしてみたいと思います。

筆者が勤務している会社は、デモグラでいうとF1層のユーザーが中心のコンテンツビジネスを行っています。通常のメディアリレーションの考え方だと、女性誌などの媒体を通じて情報を伝える、ということになりますが、例えばファッション誌でコンテンツを扱うページがあるでしょうか?

ありません。露出させる枠がないので、掲載されず、情報を届けることができない、となります。

そこで登場するのがコラボです。

女性誌の中には公式ホームページや有料の携帯サイトを運営しているところがあります。ここにアプローチをします。編集部ではなく、Web担当にコンタクトし、一部コンテンツの無料提供とバーターで、特設ページを作っていただき、「もっとほしい人はこちらへ」という具合にリンクアウトして自社サイトへトラフィックを誘導していただきます。

コンセプトとしては、伝統的なPRの「プレゼントパブリシティ」と同じです。違いは既存の枠にあわせるのではなく、自ら枠を生み出す、という点です。

パートナー側のサイト運営者としては、既存ユーザーの満足度向上や活性化、退会防止に役立てることができるので、双方にメリットがあります。

さらにこの仕組みの良い点は、編集と広告を巻き込むことができる点です。

サイト上でコラボを行い、通常では手に入らないコンテンツを提供できるということは、サイトへの新たな訪問者や会員獲得の機会となります。これで何が起こるかというと、サイト上のコンテンツコラボの告知を雑誌の編集ページで行い、さらには自社広告を出していただることになります。

そして、パートナーサイト上の訪問者数が増えれば、筆者の所属する会社のサイトへの訪問者数も自動的に増えることになります。

このケースは「メディアリレーションズ」の延長であり、コストも特別かからないのでPR担当が行っていることはごく自然であり、筆者としてはオンライン、オフラインでのメディア露出に加えて、自社サイトへのトラフィック創出を通じて直接的な収益への貢献もできる、ということになります。

これにソーシャルメディアを加えると、興味をもってくれている人に対して直接キャンペーンのお知らせをすることができるようになります。「無料」などのお得な情報であればそれがシェアされる確立も高まり、コラボページへのダイレクトなトラフィックとなります。とくに小さめのキャンペーン情報は、社内調整や配信コストのかかるプレスリリースは出せないので、このチャネルが活かされるのです。

ちなみに、自社メディアが無いパートナーと組む場合は、ポータルサイトやメールなどでの広告になることもあります。コラボ企画をしていることがわかるバナーやメール広告は通常よりもCTRが高くなり、ROIも高くなります

既存のメディアリレーションだけでは、枠がないと掲載されずターゲットに届かない。じゃぁどうしようか、ということから様々な方法でターゲットに情報をお届けしているのですが、根底にある考え方は共通しています。

「価値あるコンテンツと露出のバーター」です。この考え方はPR担当の方であれば説明不要でしょう。

PRはPublic Relationsの略です。そのことを口にするPR担当者は多くいますが、業務をメディアリレーションズだけに狭めているのはPR担当自身かもしれません。

既存の広告、PR、SPなどの壁は意識せず、多くの人と相思相愛になれる仕組みを作ったもの勝ちなわけで、枠は自分で設定すればいいのです。

事業内容や社風によって前提は異なると思いますが、広告を買う予算が無いなら持っている人に使ってもらえる流れを作ればよいのです。例えば、あるメディアで自社の製品・サービスの露出が決まっている場合、リスティング広告のキーワードにそれを事前に加えてもらう、ということだけでもいいかもしれません。

Start smallで、できるところから、パブリックとの接点を増やす工夫をしてみてはいかがでしょうか?

ということで筆者のブログもタイトルも変えてみました。


ご参考: 























2010年9月30日木曜日

120万のツイートを分析して、会話の寿命が短いことが証明されたTwitter:RTされるのはわずか6%で、そのほとんどは1時間以内に行われる




Twitterでの発言のうち、どのくらいがRTされたり、@リプライがされるのか?

ソーシャルメディアの分析ツールなどを提供するSysomos社が、120万のツイートを分析した結果が公開されていました。

RTされるのは全体のわずか6%で、しかも短命。オリジナルのツイートから1時間以内にほぼ全てのRTが行われている。
just 6% of all tweets are retweeted and these retweets have a very short lifespan. Virtually all retweets happen within the first hour after the original tweet.

2時間以内に行われるRTの数は1.63%で、3時間以内になると0.94%となる。
Only 1.63% of all retweets happen in the second hour and a minuscule 0.94% in the third hour.

@リプライに関しても同様で、リプライの97%が最初の1時間以内に行われている。
The same is true for @replies, too; 97% of all replies happen within the first hour.

Twitter上の会話は長く続くものではなく、@リプライされるもののうち85%は一回の@リプライで終了している。
A typical Twitter conversation is very short-lived. About 85% of those tweets that actually generate a reply only have one reply.

2回@リプライされるものは11%で、長く会話が続けられるのはごくわずかである。
Only 11% of these conversations have a second reply and very few Twitter conversation go deeper than that.




RTの92%が1時間以内になされている、というのはちょっと驚きですが、ツイート全体の中で比較すると、そうなのかもしれないですね。

ちなみに筆者個人の体験で言うと、@masason こと孫社長のRTをいただいた、以下のツイートが4日間RTされ続け、その数は400以上に及んだ、ということがありました。

@masason こんな使われ方もあるようです。可能性は予測できませんね。: 99歳の女性がiPadで豊かな人生を取り戻した瞬間:iPadで緑内障を克服 http://post.ly/cSe9 







2010年9月29日水曜日

Twitterが特売情報を取り扱う@Earlybirdに注力しない方針、という情報


Twitterが新たな収益源として実験的に導入していた、タイムセールなどの限定商品を提供する、@earlybird。The Wall Street Journalのデジタルネットワークにも入っているAll Things D というメディアのレポーターによると、

Twitterは@earlybirdのプロモーション施策には注力しない

Twitter "setting aside" @earlybird promotions program (@pkafka)

との方針に動いているようです。

理由は明らかにされていませんが、分析記事によると、次のように書かれています。

何が間違っていたのか?
Twitterがeコマースで成功できなかった理由は特にないが、実際の運営内容よりも、もっと創造的にできたはずです。Twitterは@earlybirdのアカウントを立ち上げ、限定商品をそこからツイートした。
それだけ。

What went wrong?
There's no reason Twitter couldn't be successful in ecommerce, but the execution was about as unimaginative as it possibly could have been.
Twitter set up an account, @earlybird, and tweeted exclusive offers from it.
That's it.

Earlybirdと、他の似たようなサードパーティによるカウントには根本的な違いがなかった。取引する相手は、その人がフォローしているアカウントやツイートしている内容に合わせてターゲティングされていたわけではなく、一般的な取引がたまたまTwitterから告知されていただけで、Twitterがたまたまそれを運営していただけなのです。

There was essentially no difference between Earlybird and any similar Twitter account set up by a third-party. The deals weren't targeted based on who you followed or what you tweeted about. This was just a generic deal hose that happened to broadcast on Twitter, and that happened to be operated by Twitter.

現在@earlybirdのフォロアー数は約23万人。

Grouponに代表されるフラッシュマーケティングの後を追うように作られたアカウントですが、よほど多くのフォロアーを抱えるか、Promoted Tweetsや、Promoted Tweets、Promoted Accountsのように、ターゲティングできる仕組みが無ければワークしない、ということなのでしょう。

欲を言えば、ソーシャルグラフを活かす仕組みも欲しかったとところですが、「Twitterはソーシャルネットワークではない」という幹部の発言もありましたからね。

少なくともTwitterは、"Promoted シリーズ"にフォーカスして、収益を上げていくということなのでしょう。

2010年9月27日月曜日

Grouponを利用して失敗した、と主張するちょっと話題になった小さな事例



筆者はこれまでいわゆるGroupon系のフラッシュマーケティングといわれる分野にはあまり興味がありませんでした。というのも単に自分が所属する組織ではその仕組みがワークしそうにないからです。

ただ、わずか数ヶ月の間で、レッドオーシャン化した市場であり、また、この不況の世相を反映して、「安く買える!」、「ツイッター活用」などがキーワードになって情報番組などのマスメディアで取り上げられるのを目の当たりにして、PRパーソンとしても、気にかけないままというのもよろしくないのかなと思い始めたところ、Grouponを利用して失敗した、というエントリが先週ちょっと話題になっていました。しかもエントリには88ものコメントがついています。

あくまでもアメリカでの一事例で、もうすこし数字の部分でクリアな情報が欲しい内容ですが、色々と気になる部分もあったので抜粋しながらご紹介。

エントリの筆者Jessie氏は、Posies cafeの経営者。多くのすばらしい企業がGrouponを有効活用しているのを知って、営業マンとの商談を開始。商談は$13の商品を6$で売ることから始まったのですが、営業マンのJohn氏が言うには、その理由は、

50%以上の値引きに、人々はよく反応するから

because John told me people really respond to deals that are over 50% discount.

とのこと。その後、売り上げの配分率について話したところ、

消費者の消支払いが$10に満たない場合、通常Grouponが売り上げの100%を受け取る。

John told me that when the consumer pays less than $10, Groupon usually takes 100% of the money.

と聞かされたそうです。

John氏曰く、ほとんどの消費者は$13以上購入するし、彼らのネットワークを活用すれば二度と広告をする必要が無くなる、との営業トークを行ったようです。

その話自体は疑わしいと思いつつも、最低でも50%は確保するべきと考えたJessie氏。その理由は、

今日までなぜ50%が良い条件だと思ったのかわかりませんでした。多分、食品コストをカバーできるからと考えたからです。

to this date I don’t know why I thought even 50% would be a good deal for us. Maybe because I thought since we were covering our food costs.

とのころですが一方、人件費や、賃料、公共料金などのコストを含めて考えていなかった、事前のROIの分析が甘かったと本人は反省しているようです。

実施後、売れたクーポンは約1000枚。結果にハッピーだったかというとそうでもないようで、まず、

売る数の上限を決めて損失を抑え、ビジネスを守ることができなかったのか、というと答えは単純で、「ノー」。Grouponに登録するときに、売れた分だけ販売することに合意することになっているのです。なぜかといえば、Grouponは売り上げの半分を得ることができるからです。

if there was a cap on how many were sold to help protect the business from too much loss, and the simple answer is, no. When you sign up for Groupon, you are agreeing to sell as many as get sold… and why would Groupon want it any other way? They get half of the earnings.

と売りたい以上に売れてしまった模様。

さらに、悲劇的な心情が文面に表れているのがここ。

Grouponが有効だった6ヶ月以上もの間、多くの本当に多くの素敵なお客様にあうことができ、Posiesファミリーに迎えることができて、とても幸せでした。同時に、多くの、本当に多くのひどいGroupon客もいらっしゃいました。

Over the six months that the Groupon is valid, we met many, many wonderful new customers, and were so happy to have them join the Posies family. At the same time we met many, many terrible Groupon customers…

どうひどいかというと、Grouponのルールを守らず、一回の食事で何枚ものグルーポンを使おうとしたり、そのことについて嫌悪感をあらわに議論をしたり、実際に払った分の10%でチップを払おうとしたりする客(支払い0ドルの場合、10セント払うのはとても太っ腹)がいたそうです。

最終的に$8,000の損失となり、キャッシュフローを維持するために、個人の貯金から支払いをする羽目になった、ということでした。普段から広告のROIをあまり信用していないJessie氏としては、損失を宣伝のための投資として割り切ることもできなかったようです。

さて、グルーポン自身の調査によると、同社のクーポン利用後に再び同じ店を訪れる客は22%というデータがあるようですが、実際に結果に満足しているビジネス側はどの程度なのでしょうか?

個人的に記事やテレビを見た限りでは、「リーチできなかったお客さんに知ってもらえる」、「再来店してもらえる」、「出品内容以上に購入してもらえる」というのが経営判断としてフラッシュマーケティング実施に踏み切る大きな理由のようです。

ここで、PRをやってきた人間として頭をよぎるのが、10数年前に起きた「懸賞ブーム」。企業は自社製品を広く知ってもらう、ファンになってもらう、などの目的でプレゼントパブリシティを展開し、懸賞雑誌が生まれ、電波少年的懸賞生活なる企画がテレビでオンエアされていたほど。

その流れは提供された商品のレビューやブロガー試食会などを行うブロガーリレーションに引き継がれ、今度はバーゲンハンターが集まるフラッシュマーケティングに、、、と思ってしまうのは筆者だけではないのでしょうか?

出品内容や目的によって結果のリターンは異なると思いますが、良い結果、悪い結果ともに実際やってみてどうたったのかの開示が日本でも今後なされていくことを期待したいところですね。
























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