2012年12月10日月曜日

Dellが自社のリソースを用いてソーシャルメディア支援サービス提供へ:クライアントと代理店との部分競合




ソーシャルメディアの普及によって、企業と顧客が直接繋がりやすくなり、その結果として、顧客や潜在顧客のインサイトやソーシャルメディアの運営ノウハウが事業会社に蓄積されやすくなっていますが、そのナレッジを活かして事業化を図ってる大企業があります。

AdAgeの記事によると、PCの巨人Dellが、自社のスタッフでソーシャルメディアサービスグループを立ち上げる、とのこと。

事業会社によるソーシャルメディア支援サービスとなると、これはインタラクティブ系の代理店や、PR/広告代理店、Salesforceのようなソリューションプロバイダーと競合する動きになります。

Dellのこの動きには、

法人向けPC業界の近年の傾向として、技術的な差異が小さくなったために、ブランドスイッチを起こしづらくなってきており、DellはPCのハードウェア販売事業者から、ビジネスサービスプロバイダーへとポジショニングをしようとしており、この動きは競合であるやHP、IBMと同じである。(Forrester Researchのプリンシパルアナリスト Peter O'Neill氏)

という背景があります。

Dellのソーシャルメディアサービスグループは、マーケティングとサービスグループから構成されるそうで、ターゲットとしているのは既存の法人顧客のようです。

Dellといえば、サポートセンターが"Dell Hell"と揶揄され、「炎上」している同社のノートPCの第一報をブログGizmodoが最初に公開し話題になったのは大昔の話で、顧客のアイディアを募り、形にする"Idea Storm"を運用し、Twitterアカウント@DellOutletを利用して約650万ドルを売り上げ(当時)、"Social Media Listening Command Center"で、一日に2万5千ものソーシャルメディア上での会話の傾聴を行う、ソーシャルメディアフレンドリーな企業の代表格ですが、こうしたDellに対して、

私たちがソーシャルメディア上で行っていることを見ている顧客からは、ソーシャルメディア上の取り組みを構築し、拡大させるためのサポートを求められていました。(DellのCMO Karen Quintos氏)

というように、法人顧客からの引き合いが常にあったようです。

実際、赤十字やキャタピラー、クラフトフーズなど10社の顧客企業に対して、ソーシャル傾聴と戦略のサービスをテストとして過去数年間提供してきており、今回その枠を広げることにしたそうです。

既存の法人顧客がターゲットで、傾聴と戦略サポートに限られているため、Dellの代理店であるWPPのチームDellは、直接的な競合ではないようですが、非常に面白い動きですね。

ご参考:












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