今月初旬、ThunderclapというTwitterに連動させた新サービスがTwitter社の意向により停止していました。
拍手万雷のその名の通り、Thunderclapは、主に政治や社会問題への意見等に対して、時間内に一定数の賛同が得られると、賛同した人のTwitterアカウントを通じて一斉にツイートが発生させられる、というサービス(賛同者はThunderclapが自分に変わってツイートすることを承認している)。
ある意見に賛同する人同士が呼び掛けあって、一定の時刻に、一斉にそのメッセージを発するというような、草の根の動きは選挙のときなどに見られます。
100人が1時間に1人づつばらばらにつぶやくよりも、1秒間に100人が一斉につぶやくほうが声として目立ち、効果が高まるためです(その最たる例が「バルス」なわけですが)。
Thunderclapは、これはこれを人為的に作り出すもので、Twitterのトレンドランキング入りなども狙える、というもの(でした)。
例えばローリングストーン誌記者の「ウォール街が金融改革を殺した方法」という記事を通じた批判のThunderclapは、1900名以上の賛同を得て400万以上の人にリーチしました。
.@senjohnsonsd @stabenowpress Hear our voices and stop the rollback of Dodd-Frank thndr.it/LvaAUW
— Matt Taibbi (@mtaibbi) June 6, 2012
2つ目のThunderclap案件が成立し、一斉にツイートされた後、TwitterはThunderclapからのAPI利用を停止。Twitterからはスパムとして判定された模様。
トレンドトピックが狙えるかも、という点や特定の記事やサイトにトラフィックを生みだすことができる、という点から、プロモトレンドなどの広告商品を販売するTwitterから嫌われたのではないかと思います(同じ仕組みをキャンペーンとして企画しても、APIを抑えられてしまうのでしょうね)。
その後Thunderclapは、サービスを停止していましたが、先週、プラットフォームをFacebookに切り替えてサービスを再開した模様。
仕組みはTwitterのときと同様で、成立したらThunderclapが本人に替ってFacebookのウォールに投稿する、というもの。
・Twitterのトレンドトピックを狙えるかもという明確な利点がなくなる。
・Facebookは、Twitterよりもプライベートな内容の投稿が多いので、拡散性に劣るのでは?
という点が気になるものの、今回は
開発者の規約全てに注意深く、できる限り従った(Thunderclapを開発したスタジオDe-De社の代表Hashem Bajwa氏。)
とのこと。
また、
現在はソーシャルグッドの精神がThunderclapの原動力となっているが、巨大な組織がこの仕組みを、その他の社会問題等に対して活用する、ということも想像に難くありません。これまでのことろ、Thunderclapが求めているわけではないが、ホワイトハウス、アルジャジーラ、Glenn Beck議員のチームや国連からアプローチを受けている。
という状況でもあるようで、今後が気になるサービスです。
ご参考:
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