2011年7月6日水曜日

Greenpeaceのマテル社襲撃キャンペーンから学べる、ソーシャルメディア活用5つの秘訣




現時点での今年のベストソーシャルメディアキャンペーン」というエントリがあり、その中で先月発生した国際環境保護NGOのGreenpeaceが、玩具大手メーカーMattel 社の製品パッケージに熱帯雨林を伐採した材料が使われていることを非難したものが取り上げられていました。国内でもニュースになっていたので御存じの方も多いかと思いますが、備忘録的にエントリを。

ちなみにこのGreenpeaceのキャンペーンでは、リアルを起点に「ソーシャルメディア」をチャネルのひとつとして連動させており、ソーシャル単体の話ではありません

そのリアルの部分がまさに上の画像ですが、Los Angels Timesの記事によると、 
火曜の朝、El Segundoの本社に出社したマテルの社員は、彼らの製品である人形のKenを模した巨大なバナーが、同社の熱帯雨林の伐採をについて非難しているのに驚かされた。
8人が逮捕されたこのキャンペーンは、同社がインドネシアの森林伐採を行っている企業との取引をやめるよう訴えるもので、Greenpeaceによるとその会社はぬいぐるみの包装を提供していることが研究所の調査で明らかにされた。

逮捕されたのはビルをよじ登った活動家たちだけではなく、下の動画の1分30秒目あたりから登場するピンクのブルドーザーに乗って登場したBarbieに扮した女性も逮捕された模様。


ここまでならあまりソーシャルとも言えませんが、このキャンペーンのランディングページを訪れるとその工夫が見てとれます。

Kenを登場させて作成した今回のキャンペーンの趣旨を伝える動画、マテルのCEOに今すぐ訴えよう、というメール送信ツール(文面付き)、TwitterやFacebookに連動させる機能などがシンプルなランディングページに配されています。

実は、Greenpeaceがネスレの熱帯雨林伐採を抗議したときのエントリ「ネスレのFacebookファンページ炎上に見る、ソーシャルメディアで解決できないこと、できるかもしれないこと」のときのスキーム

1. 3/17 ロンドンのネスレ本社前に、Greenpeaceがオランウータンのコスチュームを着て抗議活動を開始。
2. 同日、職場でキットカットを食べている男性が実はオランウータンの指を食べているビデオをYoutubeに公開。
3. これがNGO団体ネスレのやステークホルダー/アンチネスレファンを刺激し、Facebookファンページも炎上。
4. 3/18 英Gardian紙が、"Nestlé is fighting a PR battle with Greenpeace" と報じ、世界的なニュースとなる。

と、今回のマテルへの抗議キャンペーンは似たようなスキームであることが分かります。ランディングページの構成要素も似ています。

2回のGreenpeaceのキャンペーンから学べることをまとめると、

・ソーシャルメディアをインパクトのあるリアルと連動させる
・趣旨を分かりやすく伝える動画を活用する
・シェアを促す
・すぐにアクションに参加できるツールを提供する
・心情に訴えかける要素(この場合、危機に瀕する熱帯雨林の動物、ケンとバービー等)を織り交ぜる

というころでしょう。

Greenpeaceから学ぶ、というのもいささか微妙な感じがしますが、スキームとしては基本に忠実だなぁと思います。

(この抗議を受け、3日後の6月11日にマテルはサステナビリティに関するポリシー変更を発表しました。)















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