2011年8月31日水曜日

世界最強のアメリカ軍のソーシャルメディアガイドライン:目的は情報漏えい防止よりもPR?




先週公開された、ITmedia エンタープライズと調査会社のアイ・ティ・アールによる、「ソーシャルメディア」に関する読者調査(N=339)の結果によると、企業が使用したいソーシャルメディアプラットフォームの内、FacebookやTwitterに対する業務利用のニーズが高い一方、業務利用が認められていない企業は3〜4割に達しいていた、という事になっていました。
その要因として、

「情報漏えいにつながる可能性が高いから」(49.3%)が最も多く、次いで「コンプライアンス問題が発生する可能性が高いから」(43.6%)

が挙げられていました。

それを防ぐ手立ての一つが「ガイドライン」ということになるのですが、5000名以上の企業の4割が導入しているというガイドライン、それらの策定を主導した部門は、

上位から順に、「情報システム部門」(38.8%)、「広報部門」(35.3%)、「経営トップ」(28.2%)

ということになっていました。

この調査は複数回答の設定なので、ガイドライン策定には「情シス」や「広報」、「経営者」が関与する割合が高い、というのがデータの正しい読み方だと思いますが、だれが作ったとしても、不安は残るでしょう。

それは最強集団の(?)アメリカ軍のソーシャルメディアハンドブックにおいても同じかもしれません。約半年前に公開されたこのガイドラインは、「ソーシャルメディアとは」に始まり、「災害時事おけるソーシャルメディア」「ケーススタディ」「用語集」など全56ページからなるもの。

その中身は、

Engage the audience
Listen to the audience
Answer questions
Measurement

のように一般企業のガイドラインなのでは?と思ってしまうようなコンテンツで構成されています。

そんな世界最強軍のソーシャルメディアガイドラインから、TwitterとFacebookの利用ガイドのハイライト部分を掲載しているエントリがあったので抄訳にてご紹介。

Facebook
DO:
投稿前にスペルチェックを行うこと;陸軍の評判が掛っています。
短く、未編集の、キャッチーな映像を使用すること。
よい写真5点をできるだけ頻繁に更新せよ(活動や視点、人員の多様性を示すこと)。
DON'T:
プロとしての投稿に、子供っぽい言葉を使わないこと(例:i wanna b ur bff 2day & 4evr)。
必要でない限り、定型のメッセージや退屈なプレスリリースを使わないこと。
位置情報がわかるプログラムを使用しないこと(例:現在地についての投稿)。
REMEMBER:
プロとしてふさわしくないたった一つのミスが、評判に泥を塗ることを忘れないように。


Twitter
DO:
上級士官の引用をツイートすること。
他の陸軍および国防総省のツイッターアカウントをフォローすること。
タイムリーなニュースや情報の情報源となること。
DON'T:
一日に何度もツイートしすぎないこと(フォロアーを失うことになります)。
詐欺師や宗教的、政治的に繋がりのある者をフォローしないこと。
ツイートに場所の情報を加えないこと。
REMEMBER:
一度ツイートしたものは無くならないということを肝に銘じること。


「位置情報の公開禁止」や「上官の発言を引用せよ」など軍隊ならではのものもありますが、もっと鬼気迫る感じのものになっていると想像していたので、結構そうでもないな、という印象でした。

一方、

投稿前にスペルチェックを行うこと;陸軍の評判が掛っています 
よい写真5点をできるだけ頻繁に更新せよ(活動や視点、人員の多様性を示すこと)

このようなガイダンスや、これだけしっかりしたハンドブックそのものには、軍という組織は常に評判を意識し、イメージ向上のためのPRを行い、採用を続けなければならない、という背景が見え隠れする、そんな気がしますね。


















2011年8月24日水曜日

暴動発生後のロンドンでのTwitterを活用した草の根運動: #ilovelondon



今月6日に発生した、ロンドンでの暴動事件。

暴動の拡大に使用されたとして、キャメロン首相が利用規制を検討したのがSNS

TwitterやFacebookがその対象となっていた模様。

一方でそれらのソーシャルメディアは、




暴動後の後片付けの参加者募集や、沈静化を求める呼びかけにも使われた。(cnn.co.jp)

とのこと。

その一例が、上の画像が発端となった"#ilovelondon"運動。

これは、40年以上も前に創刊された老舗のタウン情報誌、Timeout London(8/18-24号)の表紙に掲載された、#ilovelondonというハッシュタグ

この行動は、暴動が発生したロンドンの評判を再び取り戻すために、自分がこの街で一番好きなものをツイートするよう促したもの(via marketsentinel.com)

このエントリが書かれた8/17時点のでは、#ilovelondonのハッシュタグを使ったツイートは42、リツイートは37にすぎなかったようですが、その運動は今も続いており、twitter searchでその様子をうかがうことができます。

24日の朝の時点でざっと300件程度でした。

ツイートの内容をみると、

#ILoveLondon because I do!
London's #1 fashion capital!!! Did you really doubt it?? :D #ILovelondon
mit schönen gedanken vom ätzenden büro ablenken: bald gehts zum #shopping nach #LONDON oh #IloveLondon sooo much!! <3
El otoño ha llegado a Londres, señores. En Agosto. #londrescool #ilovelondon
Awesome job from Time Out this week #ilovelondon



と生粋のロンドンっ子と思われるひとの発言や、海外の人からのコメント、Time Out誌の表紙を称賛するコメントが寄せられています。








ロンドンのタウン情報誌、という媒体特性にもフィットした素敵な取り組みだと思います。

2011年8月23日火曜日

1万以上のLikeを生む最高の顧客サービスを提供したステーキハウスの話




先週読んだ記事の中で、1万以上のLike、4700件以上のツイート、200件以上のコメントが付いたエントリがありました。

それは上の画像のような美味しそうなステーキを提供するステーキハウスチェーン"Morton's Stake House"の顧客サービスに関するものです。

そのエントリ"今まで聞いた中で最高の顧客サービス:Morton’s Steakhouse"を書いたのはPeter Shankman氏。

無類のステーキ好きで、Morton's Stake Houseの常連でもあるShankman氏(店側もPeter氏が常連であることを知っている)は、忙しい出張の移動の合間に冗談で

@Mortons 2時間後にニューアーク空港に着くんだけど、porterhouseを持ってきてくれないかな? 

とツイートをして、飛行機に乗り込んだ。

2時間半ほどかかってニューアーク空港に到着し、秘書が帰宅のために手配したはずのドライバーが待つ駐車場に向かうPeter氏。自分の名前を見つけ、手を振り、ドライバーの待つ方に向かって歩き出す。ここまではいつも通りのこと。

ドライバーが、

「Shankmanさん」と声をかけ、

Shankman氏が振り向くと、

「あなたにサプライズがございます」と言う。

すると、ドライバーの横にはタキシードを着て、Morton'sの袋を持った男性が。

Morton'sのHackensack店から来たAlexと名乗るその男性が自己紹介し、バッグを手渡すと、中には24オンスのPortehouseステーキと、大エビ、サイドポテトとパン、2枚のナプキンとナイフとフォークが。

喜びのあまり、Shankman氏は、

I. Was. Floored.(床にひっくり返るほど驚いた)

な状態になってしまったそうです。

ちなみに Shankman氏のブログによると、
1) 自分は冗談でつぶやいただけで
2) 最寄りの店舗から空港までは23.5マイル(約38キロ)離れている

という状況を考えると、

3時間以内という時間で、自分のツイートをみたMorton'sの社員が社内で決済をとり、Hackensack店に連絡し、オーダーを出し、Hackensack店で調理し、包装し、車にサーバーをセットし、ニューアーク空港まで車を走らせ、その間にどのフライトでどこに着陸するかを調べ、私がセキュリティを通った先に待っていた。

という事になるようです。

これはきっと想像よりも、ものすごぐくスピーディーな仕事なはずで、Shankman氏も感激のあまりブログを書き、それが1万以上ものLikeをつけるほどの反響になったようです。 

顧客に「サービスを通じてWowを届ける」がコアバリューのひとつであるZapposの驚きの逸話にも通じる話。

これはかっこいいですね。

企業の担当者としてはこういうのを演出してみたいものです。

さて、なぜこのようなことが実現できたのか、いくつか要因を(推測の範囲ですが)整理してみたいと思います。

ソーシャルメディアを活用して、自社に対するコメントに気がつくことができた
現場に権限移譲がなされていて判断がスピーディーにできる環境にあった(たぶん)
CRMがしっかりしていて常連客かどうかを把握可能だった
 こうしたチャレンジをよしとする企業文化があった(たぶん)

といったところでしょうか。

そしてもう一つ忘れていはいけないのが、Shankman氏そのもののinfluencerとしての存在感です。
10万人以上のTwitterフォロアー
5万人以上のFacebookページLike

を持つShankman氏は、ITベンチャーの創業者、ソーシャルメディアマーケティングのコンサルタント、投資家などとして知られる人。そんなShankman氏であったからこそ、このようなスタントに許可が下り、実現できたのでしょう。

ブログで取り上げてもらえ、大反響になることまでを期待していたかは分かりませんが、お店の常連であることを公言しているインフルエンサーのためであればやってみよう、という事になるでしょうし、現場はとても楽しかったんじゃないかな、と想像してしまいます。

いずれにしてもソーシャルメディアを活用した、ちょっといい話であることには変わりないですね。
































2011年8月18日木曜日

ソーシャルメディアマーケティングを総点検する5つのポイント




via flickr by kevin yezbick

数日前、何の気なしにこんなツイートをしました。

ソーシャルメディアの文脈で語られる「長期的視点」って何年だ?「ソーシャルメディア」が登場してわずか数年だと思うけど。

何件か頂いたリプライやFacebookからのコメントでは、3-5年という感覚の方が数名見受けられました。3年程度と考えると、いわゆるここ数年語られている、「いわゆるソーシャルメディア」を長期的な目的(その場合主に「エンゲージメントによる企業ブランドのイメージ向上」などだと思いますが)に据えている場合、何らかの結果が見え始めているところが現れてきてもいい頃でしょう。

さて、自社のソーシャルメディア(マーケティング)が、当初目的としていたことを実践できているか、軌道修正の必要が無いか、というような総点検に役立ちそうなtipsがあったので、抄訳にてご紹介。

1. ソーシャルメディアマーケティングの現状は?
ブログや共有サイトを含む全ソーシャルメディアチャネルの活動を点検しましょう。ファンやフォロアー数にとどまることなく、どのくらい発展したかを定義しましょう。ソーシャルメディアの売上への貢献を計測するには、販売プロセスの初期段階からの顧客との関わり合いやソーシャルメディア上での顧客サポートを計測する必要があります。伝統的なブランドモニタリングの手法を使ってブランドへの影響がどの程度増加しているかを見ることも必要でしょう。また、コストについても予想以上かかっているはずなので、軽視しないように。こうした情報を基に、ソーシャルメディアでの活動が想定どおりかどうかを評価することができます。
2. 周りで何が起きているか?
ブランドのモニタリングが役立つのが企業やブランド、製品や会社役員、その他のキーワードがどのように語られているかの広聴です。また、自社のみならず、経済や政界で起きていることを踏まえてソーシャルメディアのアプローチは修正されるべきです。テクノロジーがエンゲージメントを加速するのであれば、スマートフォンやiPadのようなタブレットコンピューターのようなデバイスも分析に組み込むべきでしょう。
3. 競合はソーシャルメディア上で何をしているか?
業界内の直接的な競合や、カテゴリのトップ企業、市場を独占している企業について、どのような情報を得ることができますか?自社の提供しているものやサービスに影響をもたらす問題が生まれてきていませんか?競合が違うソーシャルメディア上で活動を行っているのあれば、なぜそうしているのかを理解しましょう。できれば個人アカウントをそこに作り、競合企業と関わりあい、参加者をどのように扱い、コミュニケーションしているかを確認しましょう。
4. ソーシャルメディアの変化を理解する
常に変化するのソーシャルメディアのエコシステムは発展を続けるため、その変化がマーケティングに及ぼす影響を注視し続ける必要があります。FacebookやYouTube、LinkeInやTwitter、クーポンサービスのGrouponやLivingSocial、ロケーションサービスのFoursquareなどなど。最近の急成長を鑑みると、Google+もプランに入れておくべきでしょう。
5. 目的達成のために修正すべきソーシャルメディアマーケティングの計画と戦略は何か?
こうした情報を集め、ソーシャルメディアマーケティングの計画に戦略的な修正を加えていくことが大切です。修正点を編集カレンダーやビジネスやマーケティング全般と統合しましょう。組織全体においてソーシャルメディア活動が統合されている必要があります。

 夏もそろそろ終わろうとしているこの時期、年末へ向けて修正すべきことはないか、点検するにはいいタイミングかもしれませんね。









2011年8月16日火曜日

ソーシャルメディアをアメコミのヒーローで例えたinfographic:Twitterはスパイダーマン、Facebookはハルク、Google+は、、、




 ソーシャルメディアの比較をアメコミのスーパーヒーロー達に置き換えて行ったinfographicがあったのでご紹介。

facebook: The HULK
「巨大で醜く、パワフル。でもあまりフレンドリーではない」
twitter: SPIDERMAN
「素早く敏捷で、巨大なクモの巣(web)をあっという間に作ることができる」
LinkedIn: THE THING
「強力で堅固、柔軟性に欠ける。恐らくFacebook以上に醜い唯一の存在」
my_____(旧称 myspace): DAREDEVIL
「素早く敏捷で、目の前の事の処理には長けているが、とても近眼」
slideshare: INVISIBLE GIRL
「小さく、見た目は素晴らしいが、実際自分ではあまりしていない」
WORDPRESS: BATMAN
「様々なガジェット(ウィジェット)を使うと、おしゃれで魅力的になる」
YouTube: CYCLOPS
「人気者で、グループのリーダー。ただし一芸しかできない」
Google+: SILVER SURFER
「ミステリアスで将来有望。ただし完全に正体不明」
人人网(renren.com): WOLVERINE
「Facebookを激しく追撃。ただし部外者には関心がない」
flickr: HUMAN TORCH
「見た目は非常に印象的。もし鎮火したとしても見失うことはない」

知らないアメコミキャラクターもいるので、その特徴とあっているのかいまいち分からないものもありますが、なかなか面白いです。

トレーディングカード風のデザインもいいですね。 

アニメ大国ニッポンのキャラクターを使ったinfographicも見てみたいですね。




ご参考






2011年8月9日火曜日

企業が未だソーシャルメディアに手つかずなのは、40才のマーケティングディレクターのせい?




via flickr by Claus Rebler

先週多くの人に共有されたテレグラフ紙の記事がありました。

それは、「企業が未だソーシャルメディアに手つかずなのは、40才のマーケティングディレクターのせい」という刺激的なタイトルの記事でした。

記事は昨年のGoogleのカンファレンスが行われた際に、「残り100枚、1枚550ドル。プロモーションコードが使えます」という1つのツイートで11分間で売り切れにした、という事例紹介から始まります。

こうした事実があるにも関わらず、企業がソーシャルコマースに取り組まないのはなぜか(アプリやウィジェットを通じてソーシャルネットワークからの購入を可能にしているのはわずか12%というデータもあります)?

それは企業の役員が状況を理解してないからではないのか?という流れで、40才のマーケティングディレクターのキャリアパスの描写を通じて解説されていました。以下、かいつまんでご紹介。

あなたの会社の40才のマーケティングディレクター

1988年に高校を卒業(そのころ学校にはコンピューターはない)。その後数学を勉強することはなく、マーケティングに興味を持つ卒業生は、英語、外国語、歴史などを学ぶ。

・大学を首席で卒業した彼らは、広告代理店に入社し、アカウント担当となる。

・数年を代理店ですごしたのち、クライアント側で仕事を始める。90年代をビルボードのキャンペーンや、広告基準局との討論、大手企業とのジョイントプロモーションや、セレブリティへのスポンサーなどを行う。人生はとても楽しかった。

彼らは30才になり、ドッドコムバブルが到来。彼らの少数の先進的な人々が起業家となった。残りは同じ仕事を続け、商品発売までに18カ月を要し、クリスマスの9カ月前から流通とプランニングすることを学んだ。

・そうしている間、彼らが学校で避けてきた数学が背後に迫っているのを感じていた。

10年前、マーケティングといえば1000万人が視聴するテレビコマーシャルに何百万ドルも使うことを意味していた。

Googleがアドワーズとともに躍進し、CPCベースで顧客を購入可能にし、マーケターはSEOやリスティング広告やアフェリエイトといったこれまで経験したことのないものを学ばなければならなかった。

・そしてFacebookが登場し、再び状況を変えた。今はターゲットは5000人だけでよく、彼らが2万人に影響を与え、それがさらに20万人に影響を及ぼす。

マーケティングは分析と計算が全てになり、投資判断は日々おこなわれるようになった。データ、データ、データ。

20年間学んできたものとは全く異なるスキルが、マーケティングディレクターに求められるようになったが、計算ができず、Facebookのsponsored storiesやオープングラフを理解しないものが依然決定権をもっている。

← イマココ、という感じでしょうか。

いやいや、広告だって必要でしょ、とか、ベテランのマーケターも新しい手法やその分析方法を学んでるでしょ、とか、なんでマーケティングに興味のある学生が英語や外国語を先行するの?など突っ込みどころの多さも含め、この記事が多くの人に共有された模様。

にしても、生々しい、現実的にありえそうな話だと思います。

また、こうしたジレンマは、マーケターに限った話ではないでしょう。

消費者と直接つながることが容易になり、コミュニケーションができるようになった今、セールスからカスタマーサポート、商品開発や改善のリサーチがソーシャルメディアである程度可能となり、企業のあらゆる側面でマインドセットの更新が求められています。

こうした時代の変化に取り残されないためにも、日々勉強ですね。



 ご参考:













2011年8月3日水曜日

Facebookの家族欄に「出産予定」オプションが追加:広告ターゲット特定の一助にも?




Facebookのステータス変更、自分の知り合いに近況報告をする手軽な手段ですが、新たなオプションが追加されました。
それが上の画像にある「出産予定」。

交際ステータスの変更(独身⇒交際中への変更など)があると、お祝いコメントが殺到しますが、この出産予定オプションも非常に盛り上がりそう。

生まれてくる子供の名前を任意でつけられるのもいいですね。

同時に、企業にとっては、広告のターゲット特定にこのオプションが一役買いそう。。。

ちなみに、自分以外のアカウントを家族として追加することもできるので、名前がきまっていたら子供のアカウントを代理取得して家族に追加してもいいかもしれないですね?





2011年8月2日火曜日

Facebookページのコンテンツは、ユーザーのニュースフィード上で156倍消費される:コンテンツの到達と広がりを捉えたcomsCoreの調査




調査会社のcomsCore社が最新の調査レポートThe Power of Like: How Brands Reach and Influence Fans Through Social Media Marketingを公開しました。この調査は、5月にFcebookと共同で実施されたもので、モニターに同意した200万のインターネットユーザーを対象にしているそうです。

調査で明らかにされたのは、企業ブランドのFaceboookページのコンテンツががどのように消費されているかについて。そのハイライトがまとめられていたので、抄訳にてご紹介。

まずFacebook上での時間の過ごし方。上の画像がどこで時間を消費しているかの調査結果をまとめたものですが、

ホームページ/ニュースフィード上:27%
プロフィール:21%
写真:17%
アプリやツール:10%
その他:25%

となっており、ユーザー自身のホームページたるニュースフィードで情報の消費が最も行われていることが分かります。どのようなものを作るかにもよりますが、コストをかけてアプリの開発してもユーザーに消費される時間で考えると、割に合わない、という事になりかねません。

次に、(最も時間が消費されている)ニュースフィードへの情報の更新頻度とリーチとの相関性。上位100の企業ブランドのFacebookページにおける到達率の累計が示されていました。




目見当ですが、グラフの数字は下のようになります。

週1回更新:Likeしている人の8%に到達
週2回更新:Likeしている人の9%に到達
週3回更新:Likeしている人の10%に到達
週4回更新:Likeしている人の13%に到達
週5回更新:Likeしている人の16%に到達
週6回更新:Likeしている人の17%に到達
週7回更新:Likeしている人の22%に到達

週の半ばか、週末か、等によっても異なると思いますが、定期的に更新することの重要性が表れています。

また、最後に掲載されていたのが、Starbucks、Bing、Southwest AirlinesのFacebookページからのニュースフィードと、それぞれのFacebookページのインプレッション数の比較。


ちょっと分かりにくいかもしれませんが、Starbucksの156という数値は、StarbucksのFacebookページ上の1インプレッションに対し、ニュースフィード上で消費されるStarbucksの投稿のインプレッションは156倍、という意味です。

これはフィードで流れてきたコンテンツが、Likeやシェアによって共有され、インプレッションが増加していることを端的に示していますし、わざわざブランドのFacebookページを訪問する、という事が少ない、と言えます。

また、comsCore社の調べによると、ブランドFacebookページののファン(Likeしている人)のフレンド数は、ブランドのファン数自体の31〜84倍に相当するそうです。

一連のデータから見えてくることは、ニュースフィードに注力するのが得策、と言う至極当たり前のことです。

いかにファンに喜んでもらい、思わずシェアしたくなるなるようなコンテンツを発信するか。それによってより多くの到達を達成し、情報を消費してもらうかが王道と言えそうですね。




















2011年8月1日月曜日

検索連動型の「プロモツイート」の発表から1年経て登場したTwitterの新広告「プロモツイート」を解説:ユーザー体験への配慮に対する回答




Twitter社のブログで公開された、新広告「プロモツイート」こと"Promoted Tweets"。

プロモツイートは、通常のツイートと同様にタイムラインに一度だけ表示され、時間とともに表示場所は下へと下がっていきます。また、一回クリックするだけでかんたんにプロモツイートを削除することもできます。

このように説明がされているものの、いったいどういうユーザー体験になるのかがよくわかりません。

と、いうことで確認した結果をご報告。

1. Twitter社が最も大切にしていることはユーザー体験
Forrester researchの記事にも下のように書かれていましたが、まず大前提としてユーザー体験重視があります。

「Twitter社にとっての最優先事項は、ユーザー体験」(Twitter社の Global RevenueのPresident、Adam Bain氏)。

もともと、この"Promoted Tweets"の構想が公のものとなったのは、2010年の4月。当時のThe New York Timesの記事をみると、このように書かれています。
TwitterがPromoted Tweetsと呼ぶ広告プログラムは、Twitterユーザーがキーワード検索を行ったとき、広告主があらかじめ購入した自社の広告へのリンクが表示される。ゆくゆくは、ユーザーにとって適切な内容であることを前提に、宣伝の投稿をTwitter投稿のストリームの中に表示させる予定だ。
こちらがその時に公開された画像(via adage.com)。

この検索連動型のプロモツイートは現在も販売が続けられているようで、今Promoted trendになっている#SharkWeekを検索してみると表示されます。(ちなみにこのプロモツイートは検索結果の最上位に常に表示されて消えることはありません。)

さて、最初の発表から1年以上を経て改めて登場したのが、今回のPromoted Tweets、「ユーザにとっての内容の適切さ」を、どのように担保しているのでしょうか?

2. プロモツイートを表示できるのは自分のフォロアーに対してのみ
そのユーザー体験重視の姿勢を具体的に実現しているのが、この仕組み。

プロモツイートは、自分のフォロアーに対してしか表示させられません。別の言い方をすると、自分がフォローしているアカウント以外のプロモツイートは表示されない、という事になり、一種のオプトインといってもいいと思います。

実際に、Twitter社のブログで公開されていた、パートナー企業を複数フォローしたところ、ジェットブルー航空のプロモツイートが表示されました。


3. プロモツイートのメリットはタイムラインを超えて表示できること
上の画像のスクリーンショットをとったのは、7月30日ですが(参照:プロモツイートの上に写っている日経電子版の記事の日時)、プロモツイートそのものは、7月29日付で出されていることが分かります。

これは要するにどうしても伝えたい情報がタイムラインで流れて行ってしまうのを防ぎ、確実に表示させることができるということで、プロモツイートの最大のメリットと言えます。 

4.一期一会
公式ブログの説明によると、

プロモツイートは、通常のツイートと同様にタイムラインに一度だけ表示され、時間とともに表示場所は下へと下がっていきます。また、一回クリックするだけでかんたんにプロモツイートを削除することもできます。

という事ですが、その画像がこちら。

実際にはクリックではなく、リフレッシュをしたのですが、確かにタイムラインから消えてしまいました。

さて、プロモツイートが具体的にどのような体験になるのかをみてきましたが、Twitter社の幹部が説明するように、ユーザー体験に非常に気を遣ったものであると言えます。

Twitterはこれまで、トレンドの枠にハッシュタグなどを表示するPromoted trends、おすすめアカウントに表示させるPromoted accountsという2つの広告商品を出していましたが、

こうした有料の仕組みは、キャンペーンなどの仕掛けをする際、会話の活性化やアカウントのフォロアー獲得などに役立つもの。効率的に活用したいですね。