2011年8月31日水曜日

世界最強のアメリカ軍のソーシャルメディアガイドライン:目的は情報漏えい防止よりもPR?




先週公開された、ITmedia エンタープライズと調査会社のアイ・ティ・アールによる、「ソーシャルメディア」に関する読者調査(N=339)の結果によると、企業が使用したいソーシャルメディアプラットフォームの内、FacebookやTwitterに対する業務利用のニーズが高い一方、業務利用が認められていない企業は3〜4割に達しいていた、という事になっていました。
その要因として、

「情報漏えいにつながる可能性が高いから」(49.3%)が最も多く、次いで「コンプライアンス問題が発生する可能性が高いから」(43.6%)

が挙げられていました。

それを防ぐ手立ての一つが「ガイドライン」ということになるのですが、5000名以上の企業の4割が導入しているというガイドライン、それらの策定を主導した部門は、

上位から順に、「情報システム部門」(38.8%)、「広報部門」(35.3%)、「経営トップ」(28.2%)

ということになっていました。

この調査は複数回答の設定なので、ガイドライン策定には「情シス」や「広報」、「経営者」が関与する割合が高い、というのがデータの正しい読み方だと思いますが、だれが作ったとしても、不安は残るでしょう。

それは最強集団の(?)アメリカ軍のソーシャルメディアハンドブックにおいても同じかもしれません。約半年前に公開されたこのガイドラインは、「ソーシャルメディアとは」に始まり、「災害時事おけるソーシャルメディア」「ケーススタディ」「用語集」など全56ページからなるもの。

その中身は、

Engage the audience
Listen to the audience
Answer questions
Measurement

のように一般企業のガイドラインなのでは?と思ってしまうようなコンテンツで構成されています。

そんな世界最強軍のソーシャルメディアガイドラインから、TwitterとFacebookの利用ガイドのハイライト部分を掲載しているエントリがあったので抄訳にてご紹介。

Facebook
DO:
投稿前にスペルチェックを行うこと;陸軍の評判が掛っています。
短く、未編集の、キャッチーな映像を使用すること。
よい写真5点をできるだけ頻繁に更新せよ(活動や視点、人員の多様性を示すこと)。
DON'T:
プロとしての投稿に、子供っぽい言葉を使わないこと(例:i wanna b ur bff 2day & 4evr)。
必要でない限り、定型のメッセージや退屈なプレスリリースを使わないこと。
位置情報がわかるプログラムを使用しないこと(例:現在地についての投稿)。
REMEMBER:
プロとしてふさわしくないたった一つのミスが、評判に泥を塗ることを忘れないように。


Twitter
DO:
上級士官の引用をツイートすること。
他の陸軍および国防総省のツイッターアカウントをフォローすること。
タイムリーなニュースや情報の情報源となること。
DON'T:
一日に何度もツイートしすぎないこと(フォロアーを失うことになります)。
詐欺師や宗教的、政治的に繋がりのある者をフォローしないこと。
ツイートに場所の情報を加えないこと。
REMEMBER:
一度ツイートしたものは無くならないということを肝に銘じること。


「位置情報の公開禁止」や「上官の発言を引用せよ」など軍隊ならではのものもありますが、もっと鬼気迫る感じのものになっていると想像していたので、結構そうでもないな、という印象でした。

一方、

投稿前にスペルチェックを行うこと;陸軍の評判が掛っています 
よい写真5点をできるだけ頻繁に更新せよ(活動や視点、人員の多様性を示すこと)

このようなガイダンスや、これだけしっかりしたハンドブックそのものには、軍という組織は常に評判を意識し、イメージ向上のためのPRを行い、採用を続けなければならない、という背景が見え隠れする、そんな気がしますね。


















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