2013年6月17日月曜日

シェアされている記事は途中までしか読まれていない、という調査

via slate.com

「あなたはこの記事を最後まで読まない」
「すでに読者の半分がいなくなった!」
「この記事をまだ読んでいるのはママだけだ。ママ、ありがとう!」

と、ジョークを織り交ぜながら、「オンラインの記事はどこまで読まているのか」に関する調査をSlateというメディアの記者が公開していました。

調査に使用されたツールはリアルタイム解析のChart beat

その結果が上のグラフですが、

・ほぼ何も読まずに離脱
・半分程度で離脱
・最後まで読む

と3か所にピークができています。これはSlateの解析データですが、他のメディアでも概ね似たような傾向だったそうです。

まぁそうだろううな、という感じの結果ではありますが、面白かったのが、Twitterのシェアと記事がどこまで読まれたかの関係の調査。



縦軸は記事の長さで単位はpixel。大体の記事は2000pixelでできているそうです。

この分布図を見ると、記事をどこまで読んだかと、記事をシェアするツイート数には相関関係がないことが分かります(注:このデータはSlateの解析結果)。

つまり、「よくシェアされる記事は、最後まで読まれるほど面白い記事」ということでもなく、「記事を読まずして、冒頭からツイートされ始めている」ということのようです。

この記事へのTweetにも"And yes, I'm guilty of tweeting before finishing it."なんてコメントがありました。



2013年4月14日日曜日

Vine活用のあれこれ


先週「Twitterに買収されてわずか半年, VineがApple App Storeの無料部門でトップに」なり、ブランドによる利用例も見られ始めているようなので、ちょっとまとめ。

以前のエントリでVineについて、PR的には
A brief product demonstration. (簡単な製品紹介)
A short statement by the CEO. (CEOからの短い声明)
などの使い方が想定されることを書きましたが、実際色々な使われ方がされています。

映画「ウルヴァリン」の予告編ならぬ「トゥイーザー」
映画のダイジェストを6秒にまとめたティーザーならぬ「tweaser」。テッククランチいわく「Vineの有効性をハリウッドが認めた瞬間である、ということもできよう。」とのこと。

政治での利用シーン
対立候補を攻撃するキャンペーンとしてのCMがVineに置き換わった形。「南カリフォルニアにとってColbert Buschと労組は雇用の減少を意味する」というメッセージとともに暗いイメージの人物画像をモノクロで表示しています。
日本ではネット選挙法が成立間近になっていますが、Vine活用議員も出てくるのでしょうかね。

ミュージシャンによる活用
Mashaleに沢山紹介されていますが、その中からいくつか。

ポールマッカートニーからのクイズ「この曲を当ててみよう」。チャーミングで楽しい使い方ですね。



Didoのホテルでのリハーサル風景。オフショット的な感じがファンには嬉しい使い方ですね。



ピーナツバターのプロモーション動画
4月2日はアメリカのソウルフードともいえる「ピーナツバター&ジェリー」の記念日。ということで、Peanut Butter & Co.がその記念日を活かしたVine動画を作成。通常の何十倍ものRTを獲得しています。

フォルクスワーゲンによるモーターショーでの活用
New York International Auto ShowでVineを活用したのがフォルクスワーゲン。Vineの一覧サイトを作成し、そこにフォルクスワーゲンの自動車に関するVine投稿を集めています。


このような動画が閲覧できますが、色々な角度から製品を見せられるのは便利ですね。

ニュースメディアによる利用
NBC放送のTwitterアカウントでは、記者がVineに映像を投稿し、そのRTをするというスタイルで活用しています。


「視聴者からの映像」的なRTもしているようです。


バイラル動画の短縮版を作ったり、簡単な動画コンテスト、製品サポート動画などなど、活用のバリエーションは沢山ありそうですね。

最後に面白系のVine動画を。ストップモーションはVineでは有効な手法と言えそうですね。

2013年4月8日月曜日

Facebook Homeが広告やアプリに及ぼす影響



先週発表されたFacebook Homeは、「Androidを Facebook 携帯に変えるホームアプリ&UX」ということで、ライバルともいえるGoogleが作り上げたモバイルプラットフォームをそのままFacebook仕様にしてしまおうという内容でした。

さて、Facebook Homeは今後どのような影響をもたらすのかについて、いくつかのメディアが取り上げていましたが、Adweekの記事を紹介。

Facebook Homeは広告データの観点から大きな機会である一方、ブランドやメディアのアプリにとっては悪影響をもたらすだろう、というのが記事の概要。
InstagramやCamera、MessengerなどのFacebookのアプリはAndroid携帯に組み込まれる。TwitterやGoogle Mapsなどのサードパーティアプリは、利用可能だが、アクセスまでに数回スワイプする必要があり、プレゼンスを失う事になる。
Facebook Homeのアプリロンチャーにショートカット登録をすればいい話ですが、Facebookが所有するアプリの優先度が高まり、他社のアプリを利用するのは煩雑になるのは確かでしょう。

では広告に関してはどうか。


グローバルベースでみれば、Androidは最もシェアが高いOSなわけで、Facebookのモバイル広告におけるFacebook Homeの役割にも期待がかかるところだと思います。

カバーフィードは、Facebookが提供しているニュースフィード広告に新しい機会を提供するかもしれない。 
それだけではなく、Facebook Homeはモバイル広告の究極の理想形になるかもしれない。 
携帯オペレーター以外追跡できない利用者の位置情報を常に把握できるようになり、新しいチャットヘッドや通知はロケーションベースの広告表示を可能にする機能を提供するでしょう(それは通信キャリアにはできない)。
もしFacebookが位置情報に合った広告メッセージをタイムリーに配信することができれば、それは彼らが長年追い求めてきたGoogle AdWordsに相当する「金のなる木」をFacebookにもたらすことになる。
Webの広告がモバイル、それもAndroidへのシフト続ける中、プライバシーの問題ははらみつつも、実現の可能性がありそうな話ではありますね。

2013年3月25日月曜日

独自の言葉で部族を形成するTwitterユーザー



Twitter利用者は、独自の言葉使いでトライブ(部族)を形成する、という調査データが公開されていました。

調査は2007年1月から2009年11月に発せられた2億ツイートを分析したもの。

英語のツイートのみを対象にしたものですが、そこで使用される言葉はTwitter上のコミュニティ構造を反映している、ということが確認されました。

ガーディアンの解説記事によると、今回確認された最大のトライブであるアフリカ系アメリカ人のコミュニティでは"Nigga", "poppin", "chillin"などの言葉の使用頻度が高く、メッセージの90%はそのトライブ内に向けられたものだそうです。

そのほか、Justin Bieberのファンは"Pleasee" のように"ee"で終わる言葉を使い、ヒンズー語を使うインド人の場合、"bhi"や"nadi"などの言葉を使用する傾向があるそうです。

上の図は、
・テキスト:それぞれのトライブで最も使われる言葉
・円:コミュニティの大きさ
・線の太さ:コミュニティ内での会話数
・色:コミュニティのユーザー間での会話の割合(赤が100%で黄色が0%)
を示しています。

各トライブで使用される、頻度の高い言葉の一覧を下の表で確認できます。

地域属性のみでなく、Swsxのようなイベントによって一時的に形成されるコミュニティもあり、なかなか面白いです。

昔から「郷に入っては郷に従え」といいますが、そこで使用される「部族語」を理解し、話せるようになることも場合によっては必要なことと言えそうですね。

2013年3月6日水曜日

購買決定におけるネットの重要性と、モバイル、ソーシャル、自動化への予算シフトに関する調査


58ヶ国、29,000人を対象にした、購買におけるインターネットの重要性に関するニールセンの調査レポートが公開されていました。

それによると、上の図にまとめられているように、様々な商品カテゴリで購買プロセスにインターネットが重要であるという結果になったそうです。まぁ、オンライン調査のようなので当然の結果と言えばそれまでですが。

家電が81%と高いのは当然として、飲食も62%となっていますね。

他の情報ソースとの比較では

家族や友人のクチコミ:77% 
ネット検索:67% 
テレビ広告:59%
という結果になったそうで、やはりクチコミって強いんだなぁ、と改めて実感します。

これとは別の調査で、リクルーティング支援をしているAqueintとAMA(米国マーケティング協会)の共同調査(2600名のマーケターが対象)結果によると、2013年のマーケティング予算で減額を検討しているのが、新聞、雑誌、ラジオ、業界紙、テレビなどの伝統的なメディアだったそうです。


さらに同調査では、マーケティング予算の移行先についても調べられており、モバイル、ソーシャルそしてマーケティングの自動化が上位3位になっていました。


その一方で、
半数以上の54%が、新しいテクノロジーやトレンドを使いこなすことができないと感じている。
という側面も明らかになったそうです。

2013年2月22日金曜日

Facebookの「交際中」ステータスは5ドルで購入できる、という話


Namoro

via bbc.co.uk

バレンタインの2月14日、イギリスBBCのサイトに"Fake Girlfriend: I paid for make-believe love on Facebook(偽のガールフレンド:Facebook上の見せかけの愛を買った)"という投稿がされていました。

5ドルでFacebook上のガールフレンドになってくれる、という話を知った記者が実際に体験した取材記事です。

お金を支払ってデートに行くわけではなく、Facebookのステータスを「交際中」に変更し、恋人になったかのように自分のウォールに投稿してくれたり、自分の投稿にLike!をしてくれたりする、というものです。例えば上の画像は、ブラジルのNamorofakeというサイトを日本語に翻訳したものですが、メニューも複数あります。しかも相当繁盛しているのか、サービス停止になりそうなのか分かりませんが、オーダーできない状態のようです。

記者がお金を支払ったのはSophiaという女性で、その人物をFiverrというサイトで見つけたとのこと。

Fiverr自体は、5ドルで様々なサービスを提供・購入ができるマーケットプレイスで、「5ドルでサンタに扮してあなた用にビデオを作ってあげる」とか「5ドルで100-300字のブログを24時間以内にかいてあげる」というような様々なオファーが個人の趣味からビジネスに至るまで投稿されています。

"Facebook girlfriend"などで検索すると、実際に5ドルで1週間Facebook上で恋人になってくれる、というオファーが出てきます。

Fiverr

記者は途中で身分を明かしSophiaさんに取材をします。

すると、Sophiaというアカウント自体も画像を除くと偽のものであり、当の本人はとくに罪の意識はない、ということでした(偽のアカウントなのでこの時点でFacebookの規約違反ですが)。

購入する男性については、

他の人に嫉妬されたいと思っている人か、もしくはガールフレンドがいるようなプロファイルを作って喜んでいる人がほとんど

とのこと。

まぁ、「誰得?」と言いたくなるようなお話ではありますが、たしかにこうした経済活動は一定の割合で成立するんだろうなぁ、とも思います。

ご参考:

2013年2月17日日曜日

Facebookの新広告は「友人の投稿を宣伝する」機能

Promoted-post-3

Facebookの広告Promoted postに新たな機能が実装されたようです。

それは、「友人の投稿を宣伝する」機能。Tech Crunchの記事によると、投稿の非表示やスパムを選択するところにメニューとして加わっているようです。

Promote-a-friends-post
 Facebookの担当者いわく、

チャリティーマラソンに参加している友人の投稿を自分の友達にプロモートすることで手伝うことができる。
アパートを貸し出している友人の投稿を共通の友人に共有することでニュースフィードの上位に現れてより多くの人に認識される。

というような使い方が想定できるそうです。

この広告に対しては、表示される側のパーミッションが不要とのことなので、見たくないものを見る羽目になる、というケースもあるでしょうね。

どれだけこうした広告が利用されるのか分かりませんが、選挙のときなど有権者に献金を求める代わりにプロモートを依頼する、というようなことはできそうです。

ご参考:

2013年2月13日水曜日

オンライン/ソーシャル上で存在感を増すCEO:伸びる動画利用

Ws_syceo_infographic

企業のCEOはどのくらいソーシャルメディアを自ら活用しているのか?についての調査レポート"Socializing Your CEO 2013"を、PR会社のWeber Shandwick社が公開していました。

対象となったのは、フォーチュン・グローバル500の上位50社(北米:15、ヨーロッパ:21、アジア:11、南米:3)で、2010年との比較調査にもなっています。

それによると、

・企業の評判の49%がCEOに関するもの
・CEOの(オンラインでの)ソーシャル活動は2010年から30パーセント増加し66%に
・自社メディア上での露出が32%から50%に増加
・自社メディア、ソーシャルメディアのいずれかでのCEOの動画出演は18%から40%に増加

などなど、という結果になったようです。

チャネル別にみると、自社メディアとTwitter以外のほぼすべてにおいて存在感が増していることが分かります(ソーシャルメディアについてはアカウントの有無)。

CEOがオンライン上(特にソーシャルメディア)での露出を増やすことは、より身近な企業イメージづくりへの貢献が期待でき、間違った使い方をすると株価が下がるようなケースすらあるので、関係者としては気が気でないかもしれません。

今回の調査で注目に値するなと思ったのは、2010年比で倍以上になったCEOの動画の利用です。

特に先ごろTwitterが買収したVine(6秒間の動画作成アプリ)については、「マーケティングとPRの実践ネット戦略」の著者David Meerman Scott氏が、「VineをマーケティングとPRで活用する方法」というエントリで、

A brief product demonstration. (簡単な製品紹介) 
A short statement by the CEO. (CEOからの短い声明)

などと使い方を紹介しているように、活用が進む可能性もありちょっと注目です。

ご参考:

Posted via email from the Public Returns - 続・広報の視点

2013年2月6日水曜日

AP通信が始めた独自のツイッター広告がちょっと話題に

Ap

通信社のAP通信が、そのTwitterアカウント@APを使った広告商品をに展開して、ちょっとした騒ぎになっていたようです。

公式発表によると、1月7日〜11日のCESの期間中に、 "SPONSORED TWEETS"という断りを入れた上で、サムソンの宣伝ツイートを150万人以上のフォロアーに、1日に2回配信するとされています。

実際のツイートがこちら。

広告に嫌悪したフォロアーからは、アンフォローする、止めてくれというようなリプライが行われています。

さらにその後、アメリカホンダからも新車ACURAやNSXのコンセプトモデルのお披露目に関する"SPONSORED TWEETS"が連日投稿されており、こちらにもネガティブな反応が起きています。

このAPの「新広告」に対しては、ジャーナリストからも疑問視する声がツイッターで寄せられました(下のStorifyをご参照)。

"SPONSORED TWEETS"と銘打ち関係性を明示しているとはいえ、報道機関のツイッターに期待するものではないということなのでしょうが、フォロアー数が激減したということでもないようです。

@APは1日に50以上のツイートを配信しており、その中の1つくらいなのでまぁいいのでは、と思いますが、人によっては気になるのでしょうね。

ご参考:

Posted via email from the Public Returns - 続・広報の視点