2011年12月27日火曜日

最も読まれた記事Top10で振り返る2011年

2010年も残すところあとわずかとなりました。今年もこのブログで最も読まれた記事Top10で1年を振り返ってみたいと思います。ちなみにPosterousは分析機能があまり充実していないので、Google analyticsの記事別PV数をベースにしています。


【10位】


昨年書いたこのエントリが、今年のTop10に登場してきたということは日本でのFacebookの浸透を裏づけていると思います。Facebookでのプライバシーのあり方についてはヨーロッパでも問題になっているようで、今後もついて回る問題なのでしょうね。


【9位】

Our clients are redefining what's possible with technologies that change the way we work, play, shop, and share. Their messages are complex. Their audiences are sophisticated. And that's just the way we like it.

こちらも昨年書いたエントリ。ソーシャルメディアの普及に伴い、広告代理店やそのクリエイティブのあり方が、引き続き問われているということなのでしょうか。

【8位】


Twitter、Facebook、mixiなど複数のプラットフォームで企業公式アカウントを活用する企業が増えてきたためか、このエントリがランクイン。より実務レベルでの活用が昨年よりも広がったことが実感できます。


【7位】


無料電話サービスのニュース。最近ではスマートフォンアプリ経由の無料通話サービスの普及も進み、サービスが多様化してきていますね。


【6位】

この記事が6位??という感じですが、Google様の計測データなので間違いはないのでしょう。実際に検索キーワードをみると、「Twitter id」は上位でした。

【5位】

via flickr by Claus Rebler

こちらは海外で数多くの人が回覧していた、仮定をもとにしたエントリ。この記事に対して寄せられたコメントも「実感がある」というものが多数見受けられました。


【4位】
via flickr by liber
このエントリは東日本大震災時における@NHK_PRさんのとった有名な行動に触発されて書いたエントリです。ソーシャルメディアを運用する上では会社が定めるポリシーに準じる必要がありますが、時としてその優先順位は変わってもいいのではないか、思いました。


【3位】

このエントリも、これがランクイン、しかも3位なのか???と思ってしまうものですが、Facebookの普及に伴い、「友達リクエスト」ってどう対応すればいいの?という素朴な疑問をもとにこの記事に辿りついた方が多いのかもしれません。


【2位】

via wired.com
日本でもツイッターでの失言やそれによる炎上などのニュースが少なくない件数で取り上げられたと思いますが、この事例はその象徴ともいえるもの。ソーシャルメディアの担当者は「誰の立場を代表しているのか」の常に意識し、「コントロールしようとしないこと」という基本原則のもと発言をするべき、ということだと思います。


【1位】


震災直後、すこしでも明るい事を書きたいという思いで、政府の対応と「スポークスマンとしての枝野氏」を切り分けて書いたエントリです。はてブのトップページに掲載されため、多くのひとの目に触れるものとなりました。

ということで、2011年のエントリの振り返りをしてみました。

このブログをお読みいただいた皆様、ありがとうございました。
2012年が平和な一年となることを願ってやみません。




ご参考:

































2011年12月19日月曜日

Facebook以上の効果も生まれている注目の新サービスPinterest:特徴的な利用者属性とセルフプロモーションを嫌うポリシー




先日TechCrunchでも「一般および投資家から熱い注目を集めるPinterest、6月比2,000%のページビュー数を達成」として紹介されていた新サービス Pinterest。現在招待制をとっており、筆者もまだアカウント登録ができていない状態ではありますが、海外では最近その存在に言及する記事が増え始めているので、ちょっとご紹介。

簡単にいってしまうと、Pinterestは、画像に特化したブックマークサービスで、flickrとDelicious(日本なら「はてな」)が合わさったようなサービスです。関心のある画像を張りつけ(Pin)、それを張りなおすRepinやLike、コメントなどがつけられるもの。

人気のPin一覧のページをスクロールするだけでもその楽しさを体感できると思います。

さて、このPinterestですが、TechCrunchにも書かれていたように、

Pinterestのアーリーアダプターは、よくあるテック系の人々ではないのだ。投資家たちも同様の傾向を見ている。

というのがサービス利用者の特徴。

何かを検索して探すというよりも、興味のある画像を偶然発見する楽しさがポイントであるため、敷居が低く利用でき、ブックマーク元へのトラフィックも生み出しています。ちょうど自分の気になるコンテンツに偶然出会える人気サービスで、Facebookに匹敵する巨大なトラフィックソースとなっているStumbleUponにも似ていると思います(利用者にとってはどちらも時間泥棒となってしまいそうなサービスです)。

さて、利用者がテック系の人々ではない、という特徴に注目しているのは企業も同様で、既にReal Simpleや、EstyNordstromなどのライフスタイルブランドが公式アカウントを作成して、投稿(Pin)を行っています。

その効果は、というと、

リファラーという観点からみると、Printerestは巨大な流入元で、10月はFaebookからの流入を凌駕しました。それはエンゲージしているオーディエンスのパワーに訴えかけるものです。私たちはPrinterestをソーシャルメディア戦略上重要なものとして見ています。(Real Simpleマガジンのデジタル部門のGM、Shannon King氏 via adage.com

と、確かな手ごたえを感じている様子。

また、ファションブランドのLand's EndはCanvasブランドで、クリスマス商戦に合わせて、"The Holiday Pin it to Win it"というコンテストを開催中Facebookページの告知によると、

キャンペーン用のボード(Pinをするためのアルバムのようなもの)を作り、
Pinterest上のCanvas公式アカウントCanvas公式HPからお気に入りのアイテムをPinし、
ボードのリンクをメールで送る
すると、10人に1名250ドル分のCanvasのギフトカードがもらえる

という仕組みのようです。トラフィックの獲得だけではなく、プレゼントを絡めたキャンペーンを行うことで参加と、ユーザー経由の認知拡大を促す仕組みになっています。

ただし、このPintrestの利用における注意点をまとめた、Pin Etiquetteによると、

Pinterestはあなたのお気に入りをまとめ、共有するためのものです。もし自分が素晴らしいと思う写真やプロジェクトがあれば、Pinしていってください。ただし、Pinterestを、セルフプロモーション目的だけのツールとして使わないようにしてください。

と、注意事項が書かれています。確かに企業の押し売りマーケティングコンテンツばかりになってしまうと、楽しんでいたユーザーが離れて行ってしまうかもしれません。

冒頭でもふれたようにPintrestはまだ招待制をとっている状態ですが、来年には完全に公開され、注目サービスになっているかもしれません。その時セルフプロモーションを推奨しないこのエチケットが適切なレベルで守られてるとよいのですが。


















2011年12月15日木曜日

動画広告はテレビとの組み合わせでブランド想起が2倍になるというGoogleの調査と、バイラルする動画に関するinfographic




先月YouTubeのデザイン一新され、チャンネルやその更新がこれまで以上に見やすくなるという仕様の変更があったわけですが、ちょうどいいタイミングで「テレビとデジタルのミックスによって、ブランド想起が強まる」という調査結果が公開されていました。

調査はGoogleと調査会社Ispos社との共同調査の結果で、それによると、15秒30秒の6つの広告キャンペーンをテストしたところ、

YouTubeのプリロール広告とテレビ広告との両方を見た人はテレビ広告だけ見た人に比べブランド想起率が2倍となり、YouTube広告のみを見た人は、テレビ広告だけを見た人に比べてブランド想起率が1.5倍になった。

という結果になったそうです。自前の媒体をアピールするかのような調査ではありまますが、動画広告の投資に対する分かりやすい後ろ盾にはなりそうですね。

さて、上のinfographicですが、こちらはソーシャルメディアで共有されている動画(ソーシャル動画)の特徴を、動画制作を手がけるjungroupがまとめたもの。ユーザー経由で視聴された動画1300万件(2011/1/1〜2011/9/30)が対象で、Fortune500企業向けに制作された幅広い企業カテゴリーの動画が含まれています。その解説を抄訳にてご紹介。

ユーモアは大切:10の内4つがユーモラスな動画であった。ユーモラスな動画を見た人は、視聴後ブランドのFacebookページに3倍行く。
セレブリティは必ずしも役立たない:セレブを起用しているものは10の内1。セレブを起用した動画を見た後にブランドのFacebookページを訪問する人は、セレブを使っていない動画より12%少ない。
短い動画もしくは長い動画が有効:15秒以下の動画が最もCTRが高いが15秒以下の動画は全体の10%しかない。また、1分を超える動画も効果的で、16−1分の動画の170%近いCTRとなっている。1分を下回る長さだとエンゲージを生むだけのストーリーを伝えるには短いと考えられる。
女性の影響力拡大:2010年の調査では女性経由の動画の割合が57%だったのに対し、2011年では63%になった。
若い世代の視聴拡大:2011年の始めに比べ、12−17歳の視聴者が48%増加。
Facebookページへのトラフィック:ソーシャル動画のオプトインは、プリロール等に比べてエンゲージメントが3倍。ソーシャル動画の視聴後の40%がFacebookページへの誘導を行っている。
最後まで見られるソーシャル動画:30秒のプリロール動画で最後まで見られた平均が64%であるのに対し、ソーシャル動画は95%。

一般的な広告型のものと、ソーシャルに共有されるタイプ、2種類の動画に関する調査をまとめてご紹介しました。

スマートフォンの普及とあいまって、オンライン動画がマーケティングに果たす役割は、どのようなフォーマットであるにせよ今後も大きくなっていきそうですね。


ご参考









2011年12月12日月曜日

「今はソーシャルスタートアップのバブル期」:Forrester Research社CEOの考えるポストソーシャルに求められるサービスとは?




筆者もこのブログの中で紹介する機会の多い調査会社Forrester ResearchのCEO George Colony氏が、先週パリで開催されていたLeWebという会議で次のような発言をしたそうです

ソーシャルは時間と人とを使い果たしている

この発言の意味するところは、人々はこれ以上ソーシャルネットワーキングに使える時間はなく、SNS市場は飽和状態にある、ということです。

Forresterによると、各国のオンライン人口(成人)のSNS利用割合は、

アメリカ:86%
カナダ:88%
ポーランド:95%
中国の都市部:97%

という具合になっており、SNSに使用される時間は、

教会に行く
電話で会話をする
Eメール
普通郵便
運動

のどれよりも長く、買い物と育児よりわずかに少ないそうです。

まさしく「ソーシャルは時間と人とを使い果たしている」という現状を踏まえ、George Colony氏は来るべきポストソーシャルについて次のように話しました。

現在のような状況は長くは続かない。今はソーシャルスタートアップのバブル期。バブルが崩壊すれば、例えばFourSquareのような無意味なサービスの一部は一掃されるでしょう。多くの企業が生まれ、消えていった2000年のWebに似たポストソーシャルの時代に私たちは入ろうとしてます。次のソーシャルサービスはより効率的で、より時間節約をもたらすものになるでしょう。

ユーザー数が1500万に達したFourSquareも一蹴されてしまったわけですが、ソーシャルメディア/サービスの盛り上がりが見せるバブル的な状況に対して、同じように感じている方も多いのではないでしょうか?














2011年12月5日月曜日

Facebookで今年最もシェアされた記事の4つの共通点




2011年、Facebookで最もシェアされた記事上位40が、先月末に公開されていました。

1位になった記事は、The New York Timesによる、Satellite Photos of Japan, Before and After the Quake and Tsunamiという、東日本大震災の前後の比較をインタラクティブにできる衛星写真を用いた記事でした。この記事にはシェアボタンが一つも付いていないにも関わらず、です。

この40の記事に見られる特徴を4つにまとめたエントリがあったのでご紹介。

1.記事が実用的で、驚きがあり、強い主張を持っている。いわゆる重大ニュースや政治ものばかりではない。
2. ほとんどが短く、魅力的な見出しで、記事内容を良く伝えている。
 
3. 男性よりは女性を対象にしている記事が多い。40の内13が子どもや教育に関するもので、人間関係や動物、占いも健闘している。
4. 全ての記事がメジャーで、規模の大きなFacebookページを持つ報道機関からのものである。

たしかに、重大ニュースものばかりではない、女性に人気のある内容も多い、という点はFacebookでの時間の使われ方を考えると頷ける感じ。傾向としては夕方のニュース番組に少し似ているかもしれませんね。

ちなみに、メディアごとに順位をつけると、

Yahoo 13
CNN 10
NYTimes 7
Huffington Post 7
Washington Post 3
WSJ 1

という結果になりました。









2011年11月28日月曜日

Public Relationsを再定義をオープンに行う試み:米PR協会「今の定義は賞味期限切れ」




PR業界におけるアメリカの組織、Public Relations Society of America(PRSA)が、"Public Relation"の再定義を行っています。

PRSAが1982年に定めた定義は、

“Public relations helps an organization and its publics adapt mutually to each other.”(PRとは、組織と公衆とが相互に適応することを支援するもの

というもので、The New York Timesの寄稿記事によると、その後2003年と2007年に新しい定義を作ろうとしたものの、完成にはいたらなかったそうです。(ちなみに、日本PR協会の定める定義はここに公開されています。)

今回PRSAが開始した再定義の作業は公募の形をとっており、オンライン上で多くの人からの意見を募集しています。

公募のフォームはいたってシンプルで、

Public relations (does what)
with/for (whom)
to (do what)
for. (what purpose)
()の部分を記入して投稿するだけ、です。

Twitterでも #PRdefined のハッシュタグで募集告知や会話が行われています。

さて、今回再定義の動きが起きている背景は、ソーシャルメディアを代表とするコミュニケーションの変化があるわけですが、

PRの新しい定義を発見するということは「私たちが知っているものが賞味期限切れ」ということです。

という、PRSAの会長兼CEOのRosanna Fiske氏の言葉が端的に現状を示しています。

その他関係者のコメントからいくつか抜粋を。

ソーシャルメディアの隆盛以前、PRは企業が様々なオーディエンスと共有するメッセージを管理しようとすることを意味していたが、現在PRは常にONの世界における継続する会話の促進をする以上のものであるべきです。(Word of Mouth Marketing Associationの役員の一人Adam Lavelle氏)

普通の消費者が世界中に情報発信できる力をポケットの中に持って歩いている今の世の中、PRと企業コミュニケーションの役割はコンテンツ作りから、他人が作るコンテンツに影響を与えようとすることに変化してきています。ただし、PRは"spin"を行うものというイメージの問題があります。(Argyle Communications社長Tisch氏)

PRSAによる新しいPRの定義募集は12月2日まで行われているそうです。



ご参考

















2011年11月21日月曜日

infographicsを使う時の3つのアドバイス:TVでも紹介されたinfographicの事例とともに




こちらのinfographic、Facebookが人間関係にもたらす悪影響とその対処法に関するテーマで、オンライン上でのデートに関するtipsやアイディアを紹介するOnline Dating Universityによって半年以上前に公開されたものです。

内容の解説はここでは省略しますが、Facebook全体の数字データから、人間関係に特化した情報、自分がどんな状態にあるかなどなど、Facebookと人間関係への影響について多面的に図解で紹介しています。

ところで、日本ではinfographicsはあまりお見かけしませんが、海外ではすでに飽和しているというもあり、infographicsのinfographicによると、

一週間に目にしたinfographicの数は3,274
そのうち単に数字をグラフ化し、色づけしたもの=100%

というようなこともあるようです。

実際Googleの画像検索では17,800,000件のヒット、Flickrでは5500件近くの結果が表示されます。

infographic.jpのように日本でもサービス提供いているところはありますが、まだ積極的に使われるという状況にはないので、あまり参考にならないかもしれませんが、infographicsを使う際のアドバイスについて書かれた記事がなかなか良い内容だったのでご紹介。infographics作りのtipsは色々と書かれてすが、これは一味違うものです。

まず第一に、infographicsは、複雑なものをシンプルにするものでなければなりません。私たちは単にそれができるというだけで、あまりにも頻繁に落書き(infographics制作)をしますが、そうではなく、作るべき時に制作すべきです。結果としてテキストでも十分理解可能な情報を誤って視覚フォーマットで伝えています。infographicsは複雑な情報をわかりやすく伝えるために使用すべきです。
第二に、ビジュアルに込められるのは消費者向けのメッセージではなく、消費者の強いメッセージであるべきです。このことは複数ブランドや特定の話題に関連することのほうが、単一のブランドメッセージを伝えるよりも適しているといえます。顧客に関するinfographicのストーリーを作りましょう、あなたのものではなく。
最後に、グラフィックがソーシャルになると考えるのではなく、ソーシャルがグラフィックになると考えるべきです。Facebookのウォールは金脈です。共通するテーマのコンテンツのストリームを発掘し、豊富なグラフィックとともにフラットな情報に置き換えましょう。それはデジタルの大使館(Facebookページ等のこと)での会話を理解しやすくします。

「顧客に関するinfographicのストーリーを作りましょう、あなたのものではなく」、「ソーシャルがグラフィックになる」など、infographicsだけにとどまらない重要なtipsといえますね。

最初にご紹介したinfographicですが、上の3つのポイントを満たす数少ない事例だと思いますし、Online Dating Universityというサイトの特性とも合致しています。紹介元の一つであるallfacebookの記事は、2000近くシェアされ、多くの共感コメントが寄せられています。さらに、オンラインの話題がきっかけとなりこのinfographicはテレビでも紹介されたようで、infographicsを活用したPRの成功事例と言えます。

筆者は以前「ソーシャルメディア時代の広報ツールとしてのinfographics」というエントリを書いたことがありますが、国内ではメディア側の掲載もあまり見られないことを考慮すると、現時点では海外で認知を高めたい企業にとって有益なツールなのかもしれないですね(「知られざる○○社の実力」的なものとか)。







ご参考
















2011年11月14日月曜日

Google+はソーシャルネットワークではない:Google幹部による公演会での発言




先週から企業やブランド、著名人などが利用するための「ページ」機能の提供開始した「Google+」。公開開始から4カ月ほどが経ったこの新サービスは「Facebook対抗の独自ソーシャルネットワーク」という認識のされ方が一般的だと思いますが、どうもそういうわけではないようです。

11月9日〜11日まで開催されていた、Monaco Media Forumに登壇した、GoogleのChief Business Officer、Nikesh Arora氏が、The Telegraphの質問に対し、こう回答したそうです。

Google+は、私たちにとっては、ソーシャルネットワークではない

以前、Twitterの幹部が「Twitterはソーシャルネットワークではない」と発言したことを彷彿とさせます。ではGoogle+とは何か、という事になりますが、 

それは、Googleが提供する全サービスにソーシャルの要素をもたらすプラットフォームです。YouTubeとGoogle+の連携や、Google検索におけるGoogle+のダイレクトコネクトにみられるように。私たちは人々を一つの場所に集め、それをソーシャルネットワークと呼ぶのではなく、ソーシャルの信号をGoogleの全製品にわたって使えるようにしようとしているのです。

要するにGoogle+とは、製品を横断するソーシャルなレイヤー、ということになると思いますが、この考え方自体は、Google+の開始後に、Edelman DigitalのEVP、David Amano氏が"The Social Layer: Six Thoughts On Where Google Plus Is Going"というエントリで示していたもので、それと同じコンセプトがいわば公式に示された、ということになります(初めてかどうかは知りませんが)。

Google+は、Facebookの直接的な競合にあたるのかどうか、という点についてのテレグラフからの質問に対しては、

「Facebookの機能と競合しているものがGoogle+にもあることは確かだ」とはぐらかした

そうです。

Google+のユーザー数は既に4,000万人に達したと公式発表されており、その増加の速度には目を見張るものがありますが、

Googleにとって、4000万の会員登録はたやすい。写真に関しては、Google+にAndroidとのシンクがあれば、簡単に10億のオーダーにいくだろう。でも、Google+のいわゆる日常的なアクティブユーザ数となると、まだまだ??がつきまとう。(via TechCrunch

という見方があるものも事実。

「Google+はソーシャルネットワークではない」という発言が出ているということは、Facebookとの比較をされたくないのかもしれませんね、少なくともソーシャルを生かした「勝ち」の状況を作れるまではArora氏の発言は、広報の観点からはそのように感じさせるものです。

どのようなポジショニングであるにしても、インターネット上の個人のデータと人の時間とを巡る両者の争いという側面は変わることはないのでしょうが。

ところで、最初にご紹介した、Monaco Media Forumのですが、その公式HPではカンファレンスが行われている間のニュースをpaper.liでまとめて表示する、というなかなかユニークな使い方をしていました。とてもシンプルですが、このような使い方があるんだなぁ、と思いました。


















2011年11月8日火曜日

10000%のトラフィック増を生んだお化け屋敷の事例:長期的な積み重ねが発見されたときのインパクト





カナダのナイアガラの滝にある、Nightmares Fear Factoryという、いわゆるお化け屋敷のような施設が行っているオンラインキャンペーンが、ハロウィンがあった先月話題になっていたようです。

なんでもそのキャンペーンを通じて公式サイトのトラフィックが10月6日から急増し、

デイリートラフィックが午後1時には2倍になり、その日の終わりには10,000%増にまで達した

とのこと。

通常のトラフィックがあまり高くない(公式サイトのデイリーユニークビジターは約600)からでしょうが、これは大きな数字ですね。

他にもこんな数字がプレスリリースで開示されていました。

10月6日以降、Nightmares Fear FactoryのFlickrのView数は、50から300万以上に上昇
FacebookページのLikeは1000から12000に増加
Nightmaresの公式サイトをLikeした人は300から6000に増加

このキャンペーン、何を行っていたかというと、いたってシンプルで、上のようなツアー参加者が驚いている画像を、 FlickrFacebookに投稿できるようにした、ただそれだけのようです。例えば参加者が後日その写真をNightmares Fear FactoryのFacebookページに投稿し、自分やその友人にタグ付けを行う、というような感じです。

シンプルながら、面白いイベントの写真とソーシャルメディアの繋がりというバイラルを生みやすい要素を含んだものといえますね。

さてこのキャンペーン、元記事を見ると、「今年のハロウィンを機に開始した」ようなことが書かれていますが、良く見てみると、Flickrの最初の投稿は"August 11, 2010"、Facebookのほうは"Oct 13, 2010"となっており、実は以前から行っていた施策のようです。


急に注目を集めた理由は、10月6日のBuzzfeedの掲載がきっかけとなり、 ABC Newsや、 The Tonight Show with Jay Lenoなどでも紹介されたためのようです。

ABCのニュース映像などを見ても、面白写真としての紹介で、ハロウィーンとは特に関係なく紹介されていることが分かります。要するに、粛々と続けていたことが、ネット上のある投稿をきっかけに日の目を見ることになった、というケースのようです。

ハロウィンに向けて狙いを定めて「仕掛けた」キャンペーンではなかったわけですが、これはこれでネットらしいちょっといい話、ですね。















2011年10月31日月曜日

リンクの位置よってTwitterのCTRが変わる、という調査




ついに日本でも提供が開始された、ツイッターの3つのプロモ系広告の「プロモトレンド」「プロモアカウント」「プロモツイート」。

詳細はこちらの記事に譲るとして、広告商品への投資が増えるとなると、求められるのがその効果。
プロモトレンドを除くと、「コストパーフォロー」や、「コストパーエンゲージメント」をベースに料金が発生する仕組みになっており従来のリスティングに近い形ですが、広告を出すからにはやはりクリックしてもらい多くの誘導を発生させたいもの。

ではそのクリックしてほしいリンクを140文字のツイートの中の、どこに配置するのがいいのでしょうか?

HubSpotのソーシャルメディアサイエンティストによる調査結果が公開されていたのでご紹介。

Bit.lyで短縮された20万のツイートを無作為抽出して、各リンクのCTRを検証した結果がこちら。
この図で示されていることは、ツイート本文の1/4辺りと、最後のほうにあるリンクのCTRが高い、ということです。

ふーん、そんなものですかね?という印象ですが、例えば、こういうことなのでしょう。

今日から全店で一斉値下げセールが始まります! http://bit.ly/123456 こんな商品やあんな商品、普段はなかなかお目にかかれない海外直輸入の商品などありとあらゆる商品が最大50%引きになります!セール期間は今月末までなので、是非この機会をお見逃しなくご利用ください!

記者やPRパーソンにはなじみのある、新聞記事の構成で有名な、「起承転結」ではなく結論を先に書く「逆三角形」の法則はここでも有効ということができそうですし、最初の1/4はクリックしてもらうための(時に刺激的な)記事の見出し、ということもできそう。

個人的には最近、あるリンク付きのツイートが対フォロアー数で20%以上のCTRになったという経験をしました。CRTを高めるのはなんと言っても自分事化される情報ではありますが、こういう調査データを参考に試してみるのはいいかもしれないですね。

ちなみに最近サンフランシスコで開催されたWeb 2.0サミットで、TwitterのCEO、Dick Costolo氏が、面白い数字を公表していたそうです。

2010年9月に9千万/日だったツイート数が、今年の初めには1億ツイート/日になり、今では2.5億ツイート/日になってる(177%成長)
2011年1月には30%だったDAU(デイリーアクティブユーザー)が、現在は50%に(参考:9月時点のMAUは1億
iOS5との統合後、新規登録が3倍に

うーん、順調に成長しているようですね。

また、Twitterは新しいタイムライン(下はその動画)を実験中らしく、より利用されるプラットフォームにするための工夫が続いているみたいですね。


日本でも、「一般ユーザーはTwitterに注目、業界関係者と大きなギャップ」という調査結果が発表され、Twitterはまだまだ面白くなってきいきそうな感じですね。














2011年10月24日月曜日

雑誌広告を8割カットし、リアルタイムマーケティングに投資したリゾート経営企業Vail Resorts

(この映像は、映画Brave Heartの戦闘シーンですが、なぜその映像を引用したかは、このエントリの最後にご説明します)

伝統的なマス広告をやめ、ソーシャルメディアに予算をシフトする。記事などでよく見かける話ですが、実際にマス広告を一気に取り下げ、それをソーシャルメディアに寄せた、という事例は(短期的なキャンペーンを除くと)あまり多くはないと思います。

ところが、そんな事例の一つとして、北米で有数のスキーリゾートを経営する、Vail Resortsのケースが紹介されていました。年商10億ドルのVail Resortsは、ライフスタイル誌やスキー専門誌などの雑誌メディアにとっても重要なクライアントでしたが、雑誌広告を80%削減し、ソーシャルメディアなどのリアルタイムマーケティングに予算をシフトしたそうです。

なぜか?

理由は単純明快で、顧客の意思決定がよりリアルタイムに変わってきたため、だそうです。

世界的な金融危機や、ソーシャルメディアの興隆によって、6ヵ月程度だった予約期間が2〜3週間に縮まり、部屋の利用率はクリスマスの2週間前に50%から80%に急上昇した。顧客の意思決定はよりスピーディになり、マーケティングやPRの戦略・戦術の変更をしなければならなかった

雑誌広告を行う場合、4〜6ヵ月前から出稿を約束し、制作にはいらなければならないため、実際に顧客が意思決定をする時期に本当に伝えたいメッセージにはならない、だから雑誌広告をやめ、リアルタイムマーケティングに移行したそうです。

Vail ResortsのCEO、Rob Katz氏は、PR、(伝統的な)広告、ソーシャルメディアの各グループを協力させ、ウィークリーベースでのメッセージカレンダーに基づいてマーケティングを行ったそうです。そのメッセージ自体も周りの状況や競合の動きに合わせて変化させ、

PRやソーシャルメディアでのメッセージ発信
新聞広告やバナー広告
SEO

などを行い、雑誌広告に行くはずだった予算を使い切ったそうです。

顧客の意思決定の変化に合わせたマーケティング施策の変更を、ここまでわかりやすく行ったケースはあまりないのではないでしょうか?

また、チャネルの変更と同時に重要だったのが動画の存在だったそうです。

スキーをする人はスキーの動画を見るのが好き

雪の粉が舞い散り、スキーヤーがジャンプをするスリリングで美しい動画。そして動画は、いうまでもなくソーシャルメディアでの人気コンテンツです

さて、冒頭に映画Brave Heartの動画を引用した理由に戻ります。

Vail Resortsがマーケティング方針をリアルタイムマーケティングに転換して雑誌に投下していた予算を留保し、一方で競合がマーケティング活動を始めているのを見ながら、「その時」が来るのを待っていた時の心境は、敵が迫ってくる中、ギリギリまでタイミングをうかがっていた映画Brave Heartの戦闘シーンのようだった、という感想を、CEOのRob Katz氏は持っていたそうです。

その心境を語った公演の映像は↓でご覧いただけます(当エントリはその公演の抜粋です)。

この事例、最後にどうしても気になるのが成功したかどうかですが、残念ながらそこまでは触れられていませんでした。

ただ、IR資料を見る限り、スキーヤーの訪問客数は、2010年度から2011年度で16.3%増加しているので、成果は上がっていると考えていいのでしょう、たぶん。

Total Skier Visits










6,991


6,010

16.3

%

Posted via email from the Public Returns - 続・広報の視点