2011年10月31日月曜日

リンクの位置よってTwitterのCTRが変わる、という調査




ついに日本でも提供が開始された、ツイッターの3つのプロモ系広告の「プロモトレンド」「プロモアカウント」「プロモツイート」。

詳細はこちらの記事に譲るとして、広告商品への投資が増えるとなると、求められるのがその効果。
プロモトレンドを除くと、「コストパーフォロー」や、「コストパーエンゲージメント」をベースに料金が発生する仕組みになっており従来のリスティングに近い形ですが、広告を出すからにはやはりクリックしてもらい多くの誘導を発生させたいもの。

ではそのクリックしてほしいリンクを140文字のツイートの中の、どこに配置するのがいいのでしょうか?

HubSpotのソーシャルメディアサイエンティストによる調査結果が公開されていたのでご紹介。

Bit.lyで短縮された20万のツイートを無作為抽出して、各リンクのCTRを検証した結果がこちら。
この図で示されていることは、ツイート本文の1/4辺りと、最後のほうにあるリンクのCTRが高い、ということです。

ふーん、そんなものですかね?という印象ですが、例えば、こういうことなのでしょう。

今日から全店で一斉値下げセールが始まります! http://bit.ly/123456 こんな商品やあんな商品、普段はなかなかお目にかかれない海外直輸入の商品などありとあらゆる商品が最大50%引きになります!セール期間は今月末までなので、是非この機会をお見逃しなくご利用ください!

記者やPRパーソンにはなじみのある、新聞記事の構成で有名な、「起承転結」ではなく結論を先に書く「逆三角形」の法則はここでも有効ということができそうですし、最初の1/4はクリックしてもらうための(時に刺激的な)記事の見出し、ということもできそう。

個人的には最近、あるリンク付きのツイートが対フォロアー数で20%以上のCTRになったという経験をしました。CRTを高めるのはなんと言っても自分事化される情報ではありますが、こういう調査データを参考に試してみるのはいいかもしれないですね。

ちなみに最近サンフランシスコで開催されたWeb 2.0サミットで、TwitterのCEO、Dick Costolo氏が、面白い数字を公表していたそうです。

2010年9月に9千万/日だったツイート数が、今年の初めには1億ツイート/日になり、今では2.5億ツイート/日になってる(177%成長)
2011年1月には30%だったDAU(デイリーアクティブユーザー)が、現在は50%に(参考:9月時点のMAUは1億
iOS5との統合後、新規登録が3倍に

うーん、順調に成長しているようですね。

また、Twitterは新しいタイムライン(下はその動画)を実験中らしく、より利用されるプラットフォームにするための工夫が続いているみたいですね。


日本でも、「一般ユーザーはTwitterに注目、業界関係者と大きなギャップ」という調査結果が発表され、Twitterはまだまだ面白くなってきいきそうな感じですね。














2011年10月24日月曜日

雑誌広告を8割カットし、リアルタイムマーケティングに投資したリゾート経営企業Vail Resorts

(この映像は、映画Brave Heartの戦闘シーンですが、なぜその映像を引用したかは、このエントリの最後にご説明します)

伝統的なマス広告をやめ、ソーシャルメディアに予算をシフトする。記事などでよく見かける話ですが、実際にマス広告を一気に取り下げ、それをソーシャルメディアに寄せた、という事例は(短期的なキャンペーンを除くと)あまり多くはないと思います。

ところが、そんな事例の一つとして、北米で有数のスキーリゾートを経営する、Vail Resortsのケースが紹介されていました。年商10億ドルのVail Resortsは、ライフスタイル誌やスキー専門誌などの雑誌メディアにとっても重要なクライアントでしたが、雑誌広告を80%削減し、ソーシャルメディアなどのリアルタイムマーケティングに予算をシフトしたそうです。

なぜか?

理由は単純明快で、顧客の意思決定がよりリアルタイムに変わってきたため、だそうです。

世界的な金融危機や、ソーシャルメディアの興隆によって、6ヵ月程度だった予約期間が2〜3週間に縮まり、部屋の利用率はクリスマスの2週間前に50%から80%に急上昇した。顧客の意思決定はよりスピーディになり、マーケティングやPRの戦略・戦術の変更をしなければならなかった

雑誌広告を行う場合、4〜6ヵ月前から出稿を約束し、制作にはいらなければならないため、実際に顧客が意思決定をする時期に本当に伝えたいメッセージにはならない、だから雑誌広告をやめ、リアルタイムマーケティングに移行したそうです。

Vail ResortsのCEO、Rob Katz氏は、PR、(伝統的な)広告、ソーシャルメディアの各グループを協力させ、ウィークリーベースでのメッセージカレンダーに基づいてマーケティングを行ったそうです。そのメッセージ自体も周りの状況や競合の動きに合わせて変化させ、

PRやソーシャルメディアでのメッセージ発信
新聞広告やバナー広告
SEO

などを行い、雑誌広告に行くはずだった予算を使い切ったそうです。

顧客の意思決定の変化に合わせたマーケティング施策の変更を、ここまでわかりやすく行ったケースはあまりないのではないでしょうか?

また、チャネルの変更と同時に重要だったのが動画の存在だったそうです。

スキーをする人はスキーの動画を見るのが好き

雪の粉が舞い散り、スキーヤーがジャンプをするスリリングで美しい動画。そして動画は、いうまでもなくソーシャルメディアでの人気コンテンツです

さて、冒頭に映画Brave Heartの動画を引用した理由に戻ります。

Vail Resortsがマーケティング方針をリアルタイムマーケティングに転換して雑誌に投下していた予算を留保し、一方で競合がマーケティング活動を始めているのを見ながら、「その時」が来るのを待っていた時の心境は、敵が迫ってくる中、ギリギリまでタイミングをうかがっていた映画Brave Heartの戦闘シーンのようだった、という感想を、CEOのRob Katz氏は持っていたそうです。

その心境を語った公演の映像は↓でご覧いただけます(当エントリはその公演の抜粋です)。

この事例、最後にどうしても気になるのが成功したかどうかですが、残念ながらそこまでは触れられていませんでした。

ただ、IR資料を見る限り、スキーヤーの訪問客数は、2010年度から2011年度で16.3%増加しているので、成果は上がっていると考えていいのでしょう、たぶん。

Total Skier Visits










6,991


6,010

16.3

%

Posted via email from the Public Returns - 続・広報の視点

2011年10月14日金曜日

マーク・ザッカーバーグは究極の肉食系?:食べる肉は自分で狩ったものだけ、というこだわり




via flickr by Hefhoover

FacebookのCEOことマーク・ザッカーバーグ氏、実は究極の肉食系のようです。

ちょっと前のCNN Moneyの記事によると、ザッカーバーグ氏は、狩猟のライセンスを取得し、バイソン狩りをしたとのこと。

なんでもザッカーバーグ氏は

自分で殺した動物以外の肉は今年口にしない、と誓いを立てた

とのこと。

なぜか?

理由は極めてシンプルで、

「より体に良いもの」を食べる

ということのようです。

日本では一般的ではありませんが、バイソンの肉は、牛肉よりも低脂肪で低コレステロール、しかも柔らかく甘みがあるそうです。








自分が狩をした動物の肉だけを食べる、、、ある意味究極の肉食系であり、最高の贅沢ともいえそう。

その昔、狩猟は王侯貴族の趣味の活動の一つだったそうですが、今でもそうなんですかね?





2011年10月11日火曜日

Googleの幹部が使っていないGoogle+




9月から一般公開され、ユーザー数が4300万人を突破した、ともいわれるGoogle+。

ところが、そのGoogle+をGoogleの幹部が積極的に使っていない、というデータが公開されていました。

それを示しているのが上のグラフで、下の表がそのローデータ。それぞれのアカウント(検索結果)へのリンクも張られています。


MANAGEMENTJunJulAugSepOctTOTAL
Larry Page 2 1 3 1 0 7
Eric Schmidt Not on Google+. 0
Sergey Brin 0 9 3 3 0 15
Nikesh Arora No posts ever. 0
David C. Drummond Not on Google+. 0
Patrick Pichette 0 3 2 2 0 7
BOARDJunJulAugSepOctTOTAL
L. John Doerr No posts ever. 0
John L. Hennessy No posts ever. 0
Ann Mather Not on Google+. 0
Paul S. Otellini No posts ever. 0
K. Ram Shriram No posts ever. 0
Shirley M. Tilghman No posts ever. 0
SENIOR VPJunJulAugSepOctTOTAL
Alan Eustace No posts ever. 0
Vic Gundotra Unk 30+ 45 57 8 150+
Salar Kamangar No posts ever. 0
Sundar Pichai 0 16 20 17 5 58
Andy Rubin 0 7 1 0 0 8
Susan Wojcicki 0 0 1 0 0 1


このデータは、6/28〜10/3までのデータで、エントリの公開後、何名か(Nickesh AroraAlan Eustaceなど)はアクティブに使用を開始したようです。

いまや800億人のユーザー数を擁し、2004年のインターネット人口と同じ規模となり、主要サイトの中で最も利用時間の長いオンラインサービスとなったFacebookに対抗すべくローンチされたGoogle+ですが、マネージメント自身が使っていないというのはちょっと残念な状況。

併せて、Facebookの利用時間拡大に関するThe Wall Street Journalの記事に書かれていた、CitigroupのアナリストMark Mahaney氏のコメントをご紹介。

So far, we haven’t seen any material migration off of Facebook to Google+
今のところ、FacebookからGoogle+への実際のユーザー移行は見られない

エントリでも指摘されているように、”Eat your own dog food(自社製品を使うこと)” という姿勢は少なくとも必要なのかもしれませんね(それでユーザー移行が起きるかどうかは別ですが)。 


ご参考:











2011年10月4日火曜日

女性の利用者が多い急成長株のTumblr、そのカギの1つがメディアによる利用




9月に公開されたTechCrunchの「Tumblrのページビューは驚異的―Wikipediaを抜いた」という記事や、RBB Todayの記事「Tumblrが急速に拡大中……ニールセンのソーシャルメディアレポート」を読まれた方も多いと思いますが、Tumblrの規模拡大が注目される機会が前にもまして増えてきたようです。

ブログのリッチさとTwitterの手軽さを併せ持つ2007年に開始されたこのプラットフォーム、上のグラフにあるとおり、2010年5月のユニークビジター数約420万に対し、2011年5月のユニークビジター数は約1190万と約3倍になっています

また、18−34才の利用者が最も多いことに加え、男性より女性の利用者のほうが多い、というのも特徴といえます。

Tumblrの人気の理由については、公式サイトの「みんながTumblrに夢中になっている理由」をご覧いただきたいのですが、画像、動画を表示でき、ページレイアウトのカスタマイズの自由度が高いため、ファッション誌やファッションブランドの公式アカウントが多いこともTumblrの特徴。例えば、

W

ファッションメディアだけで、ざっとこれだけあります。ブランドもGUCCID&GなどがTumblrを使っています。

Tumblrの場合、特に新作発表のライブ中継など、表現力の差がTwitterとはケタ違いですよね。



こうしたTumblr特有の状況が、女性の利用者が多い事の理由の一つなのかもしれないな、という感じもします。

個人的にTumblrのことを強く意識したのは、Steve Rubel氏が、それまでの過去のブログのエントリを全て削除し、Tumblrに切り替えた今年の6月のことでした。

その時の投稿"Why I Adopted a Scorched Earth Policy, Dismantled Two Blogs and Jumped to Tumblr in a Single Weekend(週末に2つのブログを消すという焦土作戦を行い、Tumblrに参加した理由)"に書かれていたコメントが特に印象的なものでした。

私のとったやり方は全てのひとにとって正しいわけでもなく、間違ったことをしたと証明される日がいつか来るかもしれません。それでも私は、かつてのPRの師の一人の言葉を信じているのです。彼女はかつてこうアドバイスしてくれたのです、自分のところに来るようにお願いするのではなく、メディアがいるところに行け、と。時がたてばどちらが正しいか証明してくれるでしょう。

特に新情報があるわけでもなく、またTumblrの解説は数多くある中、今日このエントリを書いたのは、日本でもTumblrが来る!ということが言いたかった、からではなく、Rubel氏の決断から3ヶ月がたち、前述のような調査データも出たことなので、節目として一度Tumblrのことを書いておきたいなと思ったからでした。

彼の決断が正しかったことを証明するほうにこのまま進んでいくのでしょうか?

Tumblr公式サイトの情報による、今日の時点の数字です。

投稿合計数:10,992,043,219
ブログ合計数:30,518,445 
今日の投稿数:45,969,936