2010年7月29日木曜日

ギネス世界記録にも認定された、XBOXのTwitterによるカスタマーサポート:電話の数を減らす戦略でROIにも配慮



「アクティブサポート」
Twitterの企業の使い方の理想形の一つとしてしばし語られるこの言葉。Twitterを通じて発せられるユーザーの悩みや不満を見つけ出して、積極的に解決策などをツイートして伝える、というカスタマーサポート(CS)的なもの。
日本では昨年末にダスキンが実施した期間限定の@DUSKIN_OSOUJIが、その事例のひとつですね。 
アメリカのマイクロソフトが展開する家庭用ゲーム機 XBOX のCSは、このアクティブサポートを年中無休のレベルで行っていて、Twitterで最も多く返事をしたことでギネス世界記録にも認定されたほど。
その運用方法について具体的に語られているエントリがあったのでかいつまんでご紹介。
一般的な企業と同様、電話やeメール、オンラインサポートや掲示板などのCS業務はXBOXチームでも行っていたが、XBOXユーザーのTwitter利用者の多さや、Twitter上で起きている関わりあいがコールセンターではほとんど見られないものであったことなどから、まずは傾聴を主目的にアカウントを開設。
そしてつぶやかれる内容に対して、
私たちは上空から突然舞い降りたかのように現れ、「何かお困りですか?」と始めたのです。すると、彼らは、ワーオ、どこからともなく積極的なCSが現れた、これはすごい、というような反応を示しました。これは本当に魔法のような体験で、私達の "through-the-roof "顧客満足(屋根を突き破る、という意味。社内の独自指標のようなもの?)を特に高める要因と考えられます。
“We swoop in, seemingly out of nowhere, and say, ‘No, we can help,’” Eakin says. “They’re like, ‘Whoa, proactive customer service out of nowhere. This is so cool.’ It’s a really magical experience and I think that in particular drives our through-the-roof customer satisfaction.”
と、ポジティブな驚きをもって迎えられた様子。その後、顧客満足度、問題解決度ともに高いということが認められ、晴れて本格的な運用をすることになったそうです。
ちなみに、TwitterのCSチームは"the Xbox Elite Tweet Fleet(日本語だと"XBOX つぶやき精鋭部隊")"と呼ばれ、上の発言をしているMcKenzie Eakin氏は、その"Sky Captain"という称号を与えられているようです(なんだか楽しそう)。
ではその the Xbox Elite Tweet Fleet による運用体制を見てみましょう。
・Tiwitter アカウント:@XboxSupport
・チーム体制:10名の専属スタッフ
・対応時間:週91時間
専属スタッフの多さもさることながら、対応時間の長さには目を見張るものがあります。これはユーザーがゲームをしている週末や夜も対応しているからです。Twitterというメディアだけでなく時間もユーザーとともに過ごすという徹底ぶりですね。
そしてエントリで紹介されていた運用方針がまた素晴らしい。
部隊はすべての @ に対して回答をする(ボットからのものや公序良俗に反しているもの以外)
the Tweet Fleet is absolutely required to respond to every @ unless it’s from a bot or particularly vulgar.”
サポートチームは、問題の発見と解決を、最もコストのかかるサポートサービスである電話をユーザーがかけてくる前に終わらせる。 
Notably, the Tweet Fleet helps find and troubleshoot issues before they become live calls, the most expensive mode of service.
各隊員は回答にイニシャルと挿入記号からなるタグをつける。例えば ^MB のように。
Each Fleet member tags replies with their initials and a caret, as in ^MB (Eakin’s tag).
14歳の子供の気持ちで
In the Mind of a 14-Year-Old
例えば電話がかかってくる前に問題の発見と解決がTiwtterでできてしまえば、電話サポートのコストを抑えられるだけではなく、その回答がReTweetされ、第2、第3の問い合わせを発生させずにすむ、という効果も期待できます。
回答者のイニシアルをタグで分けることは、ユーザーとのパーソナルな対応と深く関係していますし、14歳の子供の気持ちでというのは、自分が14歳なら問題が起きた時にどうツイートで表現するかという傾聴する際の心構えでもあり、同時に回答する際にどういう言葉で回答すべきか、という2つの側面があると思います。
また、フォロアー数を増やすためのTwitter懸賞を行ったり、偽アカウントによる妨害行為があるような場合は、自分たちはそのアカウントをブロックしたことをフォロアーに伝える、というようなことも定期的に行っているようです。
減らした電話の数を考えれば、最終的なコストはROIの観点から埋め合わせができていると思います。(Erin氏)
Given the number of calls we do prevent, we have run about net neutral from a return on investment perspective.
Twitterによるアクティブサポート、現時点では多くの企業にとって「追加コスト」ということになると思いますが(特にここまで徹底したものは)、XBOXユーザーのようにTwitter利用率が高く、ユーザー同士のRT等による自主的なサポートが期待できるようなら、全体的なCSコストの低減につながるのかもしれませんね。

2010年7月28日水曜日

foursquare のチェックインを427%高めて、ROIのブランド、デジタルに貢献したMiss Shirley’sの事例



昨日のエントリ、
を読まれて、「まぁ多面的にROIをとらえよう、というのは分かったが、もう少し具体的に説明せよ」と思われた方もいらっしゃると思います。
そこで、というよりもたまたま面白い記事を見つけたので、そのあたりも触れながらご紹介を。
事例はfoursquareを使った、Miss Shirley’s Café というお店のもので、そのお店のMayorshipを獲得すると、
Miss Shirley's のメイヤーになると、席に着くのに待つ必要はありません。もしあなたがメイヤーなら、店員にそれを見せれてください。すぐに列の先頭にお連れいたします(4人までの団体の場合)。
The Mayor never waits for a table at Miss Shirley’s. If you’re the Mayor, show the host/hostess and you will get bumped to the top of the list (let’s be fair, no parties larger than 4). (via ethiopianreview.com)
という特典が得られる、というそれだけのシンプルなキャンペーン。
  
このキャンペーンを行ったことにより、お客さんがそのゲームに参加してMayorの座を競い合っていたそうです。その結果として、froursquareのチェックインは427%上昇したとのこと。
Foursquare checkins at Miss Shirley's Roland Park location increased dramatically when they added a foursquare mayor special
またこのキャンペーンは話題となり、ポジティブな記事やブログエントリなども書かれたそうです。
獲得できたこと(Return)をまとめると、
1. 顧客に対して楽しさを提供してロイヤルティを高めることに成功した。
2. 多くのfoursquareのチェックインを通じて、目立つことができた。
3. 記事やブログの露出を通じてPRができた。
4. 同時に記事などからの非リンクを通じてのSEOやサイト訪問も獲得できた(であろう)。
ということができると思います。
ではこのシンプルなキャンペーンのROIを昨日のForrester Researchのチャートに当てはめてみると、
1 は「ブランド」、4は「デジタル」、2と3は「ブランド」と「デジタル」の両方に貢献したということができると思います。記事によると、売り上げへ(「財務」)の貢献は限定的だったようです。
今回の事例は小さなケースですが、ツールは使いようであるということと、飲食店のように直接の「財務」的インパクトに重きをおいてしまいそうな業態においてもROIを多面的に考えらることを、分かりやすく伝えてくれていると思います。

2010年7月27日火曜日

ソーシャルメディア・マーケティングのROIは、財務、ブランド、リスク管理、デジタルで:Forrester Researchのレポート


marketers have to recognize benefits beyond dollars and cents.   

先週、調査会社のForrester Research社のブログにソーシャルメディア・マーケティングのROIに関するエントリがあげられていました。有料のフルレポートのサマリとして書かれたこのポストの趣旨は、売り上げ直結的な指標だけでは評価しきれないのがソーシャルメディアマーケティングである、というものでした。
 
多くのマーケターは、ソーシャルメディア・マーケティングへの投資と財務的な結果の間に明確な線引きができるが、それができないマーケターの方が実際には多い。このことは、ソーシャルメディア・マーケティングは効果が無いということを意味しているわけではなく、マーケターは金銭的な利益以上のものに目を向けなければならない、ということを意味しているに過ぎない。FacebookのファンやRetweets、サイト訪問、ビデオ視聴、ポジティブな評価、活発なコミュニケーション、こうしたものは財務的な資産ではなく、バランスシートに反映されることは無く、損益計算書にもカウントされないが、それは価値が無いということではない。その代わり、こうしたものはブランドが価値を生み出していることを示す指標であり、将来的には財務的な結果に繋がるものである。
 
では、財務面でのもの以外にどのような指標があるのか?その問いに対する回答として示されているのが、長期・短期、財務直結・財務間接の軸で分けられた下の4つの指標です。 
1. 財務: 売り上げや利益が増えたか、もしくはコストが下がったか?
2. ブランド: コンシューマーのブランドに対する態度変容は起きたか?
3. リスク管理 企業に対する攻撃や、会社の評判にかかわる問題に対応する準備は整っているか?
4. デジタル: 企業は自社が所有する (owned) ものと、(評価などの)獲得した (earned) デジタル資産を強化しているか?
この中で特にわかりにくいのが、3 のリスク管理だと思いますが、Readwritewebにその具体的な解説がありました。ざっとその内容をご紹介すると、最悪のケースで、リスク対応のPRコストや、広告費、CSコスト、短期的な売り上げ減少による損失が$375,000(約3300万円)とした場合、ソーシャルメディア上で獲得したブランドに対する好意度やソーシャルメディアを迅速に反応によるCSやメディアコストなどの吸収により、$25,000(約220万円)のコスト圧縮につながる、と試算されています。
  
また、1 はソーシャルメディアを通じての販売やクーポン、2 は、認知や購買意欲などの一般的なブランド評価指標への貢献度の測定、4 はソーシャルメディアでの製品評価を通じて検索結果の順位が上がりサイト訪問が増えたか、などが、これらの指標の具体的に意味するところです。
 
上に挙げたリスクマネージメント以外にも、「製品レビューのついているものは返品率が少なく、在庫管理コストの低減につながっている」というような事例もあるようです。確かに製品の長所短所を理解視する機会が多ければ、返品率が下がるのは想像に難くありません。 
このように、いろいろな視点で検証してみると実は様々な面でビジネスに寄与している、ということは他にもありそうですね。
ご参考:

2010年7月20日火曜日

3日間で1100万回以上視聴されたP&Gのバイライル動画キャンペーン:Alyssa Milanoをバスタオル一枚にさせてしまったThe Old Spice Man

Procter & Gambleが、先週注目を集めるバイラルキャンペーンを行いました。 そのキャンペーンの主人公となったのが、上のCMに出てくる"The Old Spice Man"ことIsaiah Mustafa氏。
The Old Spice Manのように男らしい香りを身につけようではないか、というのがCMのコンセプトで、YouTubeチャンネルには過去の面白いCMがそろっています。Isaiah Mustafa氏は元NFLプレイヤーで、2月のスーパーボウルの広告で登場したとのこと。
さて、そのOld SpiceのCMが先週のViral chartでTop3を独占しました。しかも先週だけで合計700万回以上の視聴数になっています。
via adage.com 
そのような快挙を生んだキャンペーンとは、TwitterをはじめとするソーシャルメディアとYouTubeを連動させたものでした。
それも普通の動画ではなく、Twitter上のインフルエンサーにあてた挨拶でした。
2日間の大キャンペーンで、チームは180もの"挨拶"動画を作成した。それは結婚のプロポーズに始まり(彼女は受理した)、様々なセレプリティとのやり取りを含むものでした。それは例えば、Ellen DeGeneres, Demi Moore, Christina Applegate, Alysa Milano, George Stephanopoulos, オリンピックスピードスケート選手のApolo Ohno, ゴシップブロガーのPerez Hilton, テック・かジェット系ブログのGizmodo, スタンリーカップチャンピオンのChicago Blackhawks そしてFacebookde1千万にんものファンがいるStarbucks でした。
In a two-day blitz, the team produced more than 180 video "shout-outs," including a marriage proposal (she accepted) and exchanges with celebrities including Ellen DeGeneres, Demi Moore, Christina Applegate, Alysa Milano, George Stephanopoulos, Olympics speed skater Apolo Ohno, gossip blogger Perez Hilton, tech gadget blog Gizmodo, Stanley Cup champions Chicago Blackhawks and Starbucks (which now has 10 million fans on Facebook). (businessinsider.com)

キャンペーン自体は、以下の3ステップからなるシンプルなもの。
・事前にソーシャルメディアを通じて、Old Spice Manへの質問を募集
・寄せられた質問の中からいい内容や影響力のある人への返事を動画で撮影
・撮影した動画をTwitterなどで本人に対して発言する
バイラルが最初に広がったきっかけと見られているのが、Digg.comの創業者であるKevin Rose氏(フォロアー数約117万人)に宛てた動画。
OldSpice: @kevinrose feeling better? http://digg.com/comedy/Get_Well_Ke… (07/13/2010 11:31:30 PM from web)
「良くなったかい?」という内容で投げかけられたこのツイート、実は下にあるように6日間も熱と肺炎に苦しんだというKevin氏の現状を踏まえたもの。
kevinrose: Day 6 of the fever/pneumonia, first day I've felt semi normal, fever @ 99F, now back to bed, enjoy your saturday all, make the most of it! (07/11/2010 12:18:18 PM from Twitter for iPhone)
しかもつけられているリンクは直接YouTubeではなく、Diggに投稿された動画のリンクになっています。
実際の動画がこちら。 
やぁ、ケビン、体の調子はどうだい?よくなっているといいな。俺自身は一度も風邪をひいたことがない。なぜなら体の98%が筋肉でできていて、筋肉は病気にならないから。俺の体で筋肉でない1%は両耳だ。耳は軟骨でできているからな。だが調べてみるとそうではないようで、耳は熱を出さないらしい。これって俺たち2人にとってすばらしいことだって思わないか?つまり、俺は肉体において明らかに勝っていて、お前はインターネットの天才だから知性で抜きん出ている。お前の明晰な頭脳と、俺の強靭な肉体と、ワイルドでハンサムなこの顔ががひとつになったら、どう思う?いや、それはお前にはできない。俺にも。誰にも。なぜなら、脳が爆発すると考えるのは健康的ではないからな。ではケビン、ありがとう。いや、お前の天才的なコンピュータ言語で言おう。10010110100001101。(一部意訳です。。。)
これにKevin氏が「これまでで最高の動画!」と反応。 

kevinrose: HOLY SH*T, best get well video EVER from the old spice man!: http://bit.ly/dpSeOs (07/14/2010 4:17:30 AM from Tweetie for Mac)
結果、6千回以上もdigg(日本で言うと"はてぶ")されることとなります
さらに凄いのが、 Kevin氏のこのツイートを引用した動画を作っているところ。それを見たKevin氏は「ストーカーされている!」と驚くほど
また、このやり取りを見ていたGuy Kawasaki氏(フォロアー数約25万人)が紹介したところ、 
GuyKawasaki: Old Spice dude replies on Twitter with personalized videos http://idek.net/2pAw (07/14/2010 2:20:33 AM from API)
Old Spice マンが、「@guykawasaki、ビデオを広めてくれてありがとう。ところで、girl kawasaki はいないの?」と、もちろん動画つき返答
これを見てわかるように、動画とツイートは、反応に対するフィードバックも製作されていた、しかもリアルタイムで、ということのようです。
圧巻はバスタオル1枚になってしまったAlyssa Milano氏(フォロアー数約94万人)のこの動画でしょう。
ちなみにここでAlyssa Milano氏は、$100,000 をメキシコ湾の原油流出事故の復旧に寄付することをThe Old Spice Manに提案しています。
こうした、個別のユニークな動画とTwitterを繰り出し続けた結果は、上にご紹介したCM動画の700万回以上の視聴に加え、
Old SpiceのTwitterフォロアー数は1,000%以上も増え、約600,000人がFacebookの"Like!" ボタンを押した。
Old Spice's Twitter followers increased more than 1,000 percent. Nearly 600,000 people on Facebook gave its ads a thumbs-up "like it" vote. (businessinsider.com)

さらに、The Old Spice Manの一連のキャンペーン動画が3日間で1100万回以上も視聴されるという、申し分のない結果になったようです。
さてさて、このものすごい集中的なキャンペーン、いろいろと学べるものがあると思います。記事にもTipsが紹介されていますが、ここでは筆者の考えを以下に整理します。
1. シンプルさ:セレブリティを含むTwitter上のインフルエンサーにOld Spice Manが、動画を通じて返事・挨拶をする。基本的にはそれだけのシンプルなスキームです。スキームが複雑になるほどキャンペーンの運営は難しくなり、成果に結びつきづらくなるもの。製作される動画そのものも非常にシンプルにできています。
2. インパクトのある、すでに人気のある人物の採用:すでにテレビCMで一定の認知と人気を博している人物を起用することで、キャンペーンの受容度が高まっています。キャンペーンに巻き込まれるTiwtter上のインフルエンサーも、「まったく知らないキャラのたった人物」では絡みづらいというもの。
3. 相手の文脈に合わせてパーソナライズされたコンテンツ:先にご紹介したKevin氏へのツイート・動画コンテンツのように、相手の状態(この場合は病み上がりのIT界の著名人)にあわせて、作られています。
4. 絡むのが好きなインフルエンサーを巻き込む:バイラルに広げるための重要な部分。インフルエンサーを選ぶ際にも、その相手がTwitterで絡むのが好きかどうか、というのも大事な判断基準になります。
5. フィードバックの(リアルタイムな)反映:特に今回はリアルタイムの体制が組まれており、Alyssa Milano氏に対しては4回も受け答えの動画を作っています。このように、ソーシャルメディアからのフィードバックを反映し、対話を行っていたのが今回のキャンペーンの秀逸なところで、さらにバイラルに広がった要因だったと思います。
もし今の日本で同様なキャンペーンを行うとしたら、例えばどんな人を立ててやるのがいいんでしょうかね?嗜好は少し異なりますが、こども店長や白戸家のお父さんなどで実施できればヒットしそうですね。

eメールを捨て、ソーシャルメディアに完全移行したBen & Jerry's



米バーモント州に本社を置く、アイスクリームメーカで知られるBen & Jerry's社が、先週驚くべき発表をしました。
それは、e-Mailによるマーケティングを一切廃止し、ソーシャルメディアに消費者とのコミュニケーションを移行する、というものでした。
例えばFacebookの「Likeボタン」をメールの中に入れられるソーリューションの導入が予定されているように、e-Mailとソーシャルメディアマーケティングは、相性がよい補完関係にあると思うのですが、hubspotの記事によると、
Ben & Jerry'sは明らかにその逆のように感じていて、彼らの顧客はソーシャルメディアを通じてコンタクトされるほうが、e-Mailのインボックスからよりも好ましいと感じている。最後のeメールには、購読者に対してFacebookかTwitterを通じて繋がるように招待し、このアイスクリームブランドからメールを受け取るのはこれが最後になるだろう、と書かれていた。
However, Ben & Jerry's clearly feels otherwise and that their customers prefer contact through social media sites to email in their inbox. In their last email message, they invited their subscribers to connect with them via their Facebook or Twitter accounts, and this would be the last email they would receive from the famous ice cream brand.
Ben & Jerry's の顧客は、ブランドは好きだがメールは嫌いということを示していて、そうであるならメールを通じてではよい関係は築けない、という判断をしたようです。
確かにオンライン上の自分の居場所ともいえるソーシャルメディアの自分のページを通してメッセージが届けられるほうが、よりパーソナルに訪問をされている感じになり、受け入れやすい、ということはいえそうな気がします。
現在のBen & Jerry's のソーシャルメディアチャネルは、
Facebook:130万人以上のファン
Twitter:1万1千人以上のフォロアー(ほぼ全員と相互フォロー)
となっており、これだけあれば十分、ということなのでしょう。
また、ソーシャルメディアの方が顧客の声を直接聞くことが可能になり、さらにメールの配信費用やリストのメンテナンス費などのコスト削減にも繋がるとのこと。
今後このような動きをとる企業が増えていくのか、ちょっと注目したいですね。
ご参考

2010年7月16日金曜日

おもちゃがGoogle検索をしている動画:映画Toy Story 3とGoogle検索ストーリーのコラボ

 
どんな検索にも物語がある、というコンセプトで行われていた、「Google 検索ストーリー」キャンペーン。 検索を通じてその人の物語を描き出すというものでテレビCMなどでご覧になった方も多いと思います。
 
そのキャンペーンの最新動画がありました。
 
それが上のもので、映画「Toy Story 3」とのコラボレーションになっています。
 
動画の解説によると、
 
アンディが大学に行くことになり、おもちゃたちは不安になっています。そして、彼らはGoogleを見つけます。
 
Andy's going to college. The toys are nervous. In the meantime, they discover Google.
 
ということで、このGoogle検索ストーリーは、映画に即した舞台設定になっている様子。
 
実際の映画のストーリーとGoogle検索ストーリーをコラボレーションさせるというのは、映画の宣伝になると同時にgoogle検索を見る側に楽しみながら受け入れてもらえる、双方にメリットのある取り組みになっていますね。 
 
****以下ネタばれです***
 
使われている検索キーワードは、
 
what is beyond infinity
REX
 
など、映画のストーリーを知っている人なら楽しめる内容。
 
さらにふとしたはずみでアンディの大学進学に向けたTo Do リストを発見し、そこには
 
"Donate Toys(おもちゃを寄付する)"という未チェック項目が。。。
 
それを見て驚いたおもちゃたちは、
 
selling toys online
 
というキーワードを入れて検索しようとするも、アンディが部屋に戻ってくるのであわてて退散。
 
その直前に書きこんだのが、
 
bring your toys to college
 
でした。
 
それを見たアンディはその言葉で検索ボタンをクリック。・・・その続きは映画館で、という感じでしょうか。
 

Posted via email from Capote's Connected Communications - 続・広報の視点

2010年7月15日木曜日

Twitterの新たな収益源@Earlybirdの最初の商品はDisney映画の鑑賞券



Twitterの新たな収益源としてひっそりとアカウントが開設されていた@earlybird。Looopsの斉藤さんの記事(ツイッターが新たなフラッシュマーケティング広告 EarlyBird を計画中)に詳しい解説が書かれていますが、 タイムセールなどをの限定商品を提供する、Tiwtterのリアルタイム性を活かしたアカウントです。
その第一弾の限定商品はDisney映画"The Sorcerer's Apprentice"の観賞券になったようです。
Mashableの記事によると、
アメリカの@earlybirdおよび@DisneyPicturesのフォロアーは、チケット2枚を1枚の料金で期間限定で購入できる。
U.S. @earlybird or @DisneyPictures followers can get a special 2-for-1 deal on tickets for a limited time.
というもの。
Promoted Trendsの第一弾もDisney/PIXARで、筆者もそれを初めて目にしたときに思わずツイートしたものです。
映画とソーシャルメディア。
映画鑑賞券をFacebook上で販売する取り組みや、Twitterで映画の興行成績を予測できる、という話もあるほどなので、色々と相性が良いのでしょう。 
ご参考

2010年7月13日火曜日

強い絆、弱い絆、一時的な絆:Facebook対抗サービスの開始が噂されるGoogleが、ソーシャルメディアをどう見ているかのプレゼン



GoogleがFacebookの対抗としてGoogle Meというサービスの準備を進めているという噂があります。
GoogleがなぜFacebookを警戒し、新しいソーシャルネットワークサービスを立ち上げようとしているのか。
実は3ヶ月前にGoogleのリサーチャー、Paul Adams氏によって公開された、179ページも及ぶ"Bridging the gap between our online and offline social network(オンラインとオフラインのソーシャルネットワークのギャップを埋める)"というプレゼンテーションがあります。
そのプレゼンが最近更新されたらしく、それがきっかけとなったのか、抜粋を通じての解説記事があったので、(さらにかいつまんで)ご紹介。
あくまで数ヶ月前もので、数多くいるGoogleのリサーチャーの1人のものではありますが、(Google Meがどのようなサービスになるかを占ううえでも)参考になるデータがまとまっていると思います。 

Google検索は一人でするもの。友達は手伝ってはくれません。

Google search is an isolated experience. We don't have our friends helping us.

それが変わり始めました。Googleはより多くのソーシャルな結果を表示しています。
(ソーシャルなやり取りも検索結果に現れ始めています。)

That's starting to change. Google is seeing more social results popping up.

今では人々は、ますますお互いを頼るようになり、ついにGoogleの必要性を重視しなくなってきています。

Yet, people are relying on each other increasingly, de-emphasizing the need for Google, ultimately.

Adidasは、SEOを通じてあなたの友人に自社のスニーカーを薦めることはできません。

Adidas can't SEO your friend to get him to recommend its sneakers.

私たちのオンラインでの時間はFacebookやその他のソーシャルネットワークにより多く費やされています。

Our time online is increasingly hogged by Facebook and other social networks.

このことはGoogleにとって重要と思われます。Googleはテクノロジーには長けていますが、ソーシャルな関わり合いについてはそうではありません。
(テクノロジーではなく、行動を理解しよう)

This seems key for Google. The company is great at technology and engineering. Not so great at social interactions.

Googleはソーシャルネットワークに飛び込む前に、Facebookでみんなが何をしているのかを理解することからはじめました。

Before Google jumps back into social networking, it better figure out what everyone is doing on Facebook.

Googleにとってもうひとつ重要なことは、私たちがどのように友人をグループ分けしているかの理解です。

Also key for Google, understanding how we segregate our groups of friends.

私たちがFacebookを通じて告知しても、いつもターゲットに届くとは限りません。それとは異なる友人のグループがあるからです。

When we broadcast through Facebook we don't always hit the target audience. We have different groups of friends we care about.

ですから、Facebook上でのソーシャルネットワークを進化させたければ、この問題について考えなければなりません。
(異なる人間関係に向けてデザインすること

Therefore, a social network that wants to improve on Facebook should try to think about this problem.

私たちはそれぞれ強さの異なる人間関係の中に生きています。

We have a variety of relationships of varying strength.

興味深いことに、私たちは本当の親友は4人しかいません。
(3000人の米国人を対象にした調査データより)

Guess what? We only have 4 really good friends.

そのことはFacebookにもあてはまります。
(平均でFacebookの友人は130人。常時やり取りをするのはたったの4−6人:様々な調査データより)

And that's reflected on Facebook.

もう少し分かりやすい事実で説明してみましょう。
(強い絆は電話の利用についても同じで、80%が4人の同じ人への発信)

Now we're getting into neat facts territory...

だから、どんなソーシャルネットワークも成功のためには強い絆の最大活用ことに注力する必要があります。

So, any successful social network needs to focus on maximizing the strong ties.

特に購入決定において、私たちは多くの人を信頼するため、こうした強い絆は非常に重要です。

Those strong ties are important because we only trust so many people, especially when it comes to making purchases.

一度に対処できるのは(ダンバー数として有名な)150名の知人だけです。
(弱い絆の150名までが関係を維持できる上限で、これが脳の限界)

More Gladwell-esque data. We can only handle knowing 150 people at a time.

この150という数字は、古来受け継がれています。
(新石器時代の農村は住人150人で分けられていた)

The 150 thing has held throughout time.

ローマ人ですらそうであったといわれています。
(ローマ軍は150名単位でグループ分けし、メンバーはお互いを知っていた)

Even the Romans were into it, supposedly.

では、Facebookのようなプラットフォームは、弱い絆を強めるためのものでしょうか?
(オンラインのソーシャルネットワークは弱い絆で結びつき、情報の更新をしやすくするもの)

But, aren't Yelp and Facbeook all about making weak ties strong?

これが(GoogleのUX researcher)Paul Adamsがいうところの一時的な絆という新しいグループを生み出したのです。 

This creates a new group, which Paul calls \\\" /></div>  <br />  <h2><span style=

一時的な絆は、一度会った人とFacebookで友達になるようなものです。
(一時的な絆はオンラインではより一般的になってきている)

Temporary ties can be reviews on Yelp, or someone we met once and friended on Facebook.

空気のような存在(絆)であっても私たちは彼らを信頼します。

Despite the ethereal nature of these ties, we still trust them.

ソーシャルな要素は一般的に有名なサイトでも使われています。

And so a social element is baked into most commercial sites now.

私たちは大きな数の弱い絆の中に突如入ってしまいましたが、頻繁に会話をするのは少ない数の親密な人とだけです。

We may accidentally run into a large number of weak ties, but we talk to just a few close ties repeatedly.

私たちはなぜ賢いわけではない友人を信頼するのでしょうか?それは私たちが自分自身を信頼できないからです。

Why do we trust our bird-brained friends? Because we don't trust ourselves.

私たちはソーシャルネットワークの力を借りて決定する必要があります、なぜなら情報の渦の中にいるからです。 

We need social networks to help with decisions, because we are bombarded with information.

それでもソーシャルな要素を利用するのは簡単ではありません。

It's still tough to figure out how to harness all the social elements.

企業から見て、伝統的な影響力のあるメディア、もしくはターゲットがいないところに投資するだけの価値はあるのでしょうか?

From a company's perspective, does it make more sense to spend on traditional influential media, or on places where the people are?

広告は誰かのネットワークの中にあるべきでしょうか?

Should you advertise across someone's network?

そう、私たちは友人の声に常に耳を傾けています。

Yes! We listen to our friends all the time.

わかりますか?

See?

発言内容にかかわらず人々はプライバシーについて注意しています。
(公開する情報に制限をかける:44%、プライバシー設定を変更:71%、いやなコメントを削除:47%、写真から自分の名前を削除:41%) 

People do care about privacy despite what some want to say.

Facebookの最新のプライバシーへの非難に対する興味深い発言
(私たちは、ユーザーが複雑なプライバシー設定を理解していないので、プライバシーにあまり関心がないと考えている)

Interesting statement to make in the context of Facebook's latest privacy flap.

Facebookさん、これ、聞こえてますか?
(我々Googleの仕事はデザイナーとして、人々が今起きていることをきちんと理解できるようにすること)

Yo, Facebook, you hear this?

今のところ、これはFacebookにとって(大きな)問題にはなっていません。
(もしプライバシーに関して不透明なところがあれば、不信を招き、使われなくなる)

So far this hasn't been an issue for Facebook.
216ページにも及ぶ資料は、こちらからごうぞ。