2012年11月26日月曜日

Facebook自身によるエッジランクの解説と低下するオーガニックリーチへの対策



最近AdAgeで1000件以上シェアされていた記事"What's Really Happening on Facebook (and What to Do About It)"をご紹介。

9月下旬に行われたアルゴリズム変更によって、Facebookページに投稿したコンテンツのリーチが下がっている、という話やそれに関する調査をよく目にするようになりましたが、実際のところどうなのか、についてFacebookの製品マネージャーを務めるWill Cathcart氏が先日、Facebookのエッジランクのアルゴリズムについて説明を行いました

それによると、コンテンツとニュースフィードへの表示の関係性は以下の4つ。

投稿者のコンテンツに以前かかわったことがある場合:もし表示されるFacebookページからの全ての投稿にLikeした場合、そのページからの投稿がより表示されるようになる。
特定の投稿に対する他の人のリアクション:もしFaebookに表示される投稿を全員が無視するか(非表示やスパム報告のように)不満を示している場合、そのコンテンツが表示されにくくなる。
過去、似たような投稿にかかわった場合:もしいつも写真にLikeしているなら、Facebookページからの写真投稿を目にする機会が増える。
特定の投稿が他のユーザーから不満を示されたあるいは、その投稿をしたページが過去多くの批判を受けた場合、投稿を見る機会は減る。この要素は2012年9月からより多く普及した。


この説明を補足するように、スターウォーズの登場人物を例にとって、こう説明を加えたとのこと。

ダースベーダーが、彼とルークスカイウォーカーは実の親子である、投稿し、ヨーダがその投稿をニュースフィードで見るかどうかを判断するために、Facebookは次の事を見ます:ヨーダが過去のベーダーの投稿にLikeしたかどうか、ベーダーが行った親子関係についての投稿をレイアとハンソロが見てLikeしたかどうか、ヨーダが過去に関係性変更の投稿に関与したかどうか、もしくは他の人がベーダーに不満を示したか、シスロードによるこの特定の投稿に不満を示したかどうか。

という、エッジランクとニュースフィードへの表示の説明に加え、Facebookページ投稿のリーチの減少については、ページごとに異なり、平均値は変わっていない、としていました。



とはいえ、リーチが下がっているページが数多く存在することも確かなようで、FacebookページからTumblrかMySpaceへの移行を検討しているところも現れています

では、こうした状況に対してどうすればいいのか、がAdAgeに書かれていたわけですが、Facebook運営の基本的な考え方がよくまとめられていたので抄訳にて。

どうすればいいのか3か月前と比較してFacebookの重要度は全く下がっていない。実際のところ、これらの変更はファンへのリーチとエンゲージメントを以前よりも容易なものとする。ただしそれにはアプローチの変更が求められる。
コンテンツ戦略を適応させる
もし、潜在的なオーガニックリーチが実際に落ちているのであれば、バイラルリーチ(クチコミ)に注力することがより重要となる。Facebook利用者は頻繁にLikeをするため、結果的にそのウェイトがシェアやコメントに移行した。より多くのシェアを得るコンテンツを生み出し供給することで、Facebookがアルゴリズムに変更を加えてもクチコミによるインプレッションは増加する。

コンテンツの見た目を変える一年前、コンテンツ制作には多くの努力を要さず、テキスト中心のコンテンツカレンダーは数時間で完成し、良いコピーの投稿は多くのLikeを得ることができた。だが今同じレベルのエンゲージメントと成長を求めるなら、コンテンツ制作に投資をしなければならない。最も多くLikeやシェア、コメントを促す画像コンテンツは、その制作に、これまでのテキスト投稿よりも多くの時間を要する。
ぺイドメディアをスマートに活用するオーガニックインプレッションの減少に伴い、ぺイドメディアの力と効率性は増した。Facebookが言うところによると「我々はクライアントに考え方を変えるように言っている。彼らはもうオーガニックリーチに影響を及ぼすことはできない。良くて10%位だろう。我々は有料広告がもらたすリターンの大きさや、将来モバイルで何百万もリーチできることを説明している。」
もしも今のままだったら
ほとんどのマーケターは、どれほど多くのコンテンツがFacebookのために作られているかを把握していないが、現在のプレゼンスを持し、さらに成長をさせるには多くのコストを要することになる。休眠中やアクティブでない多くのファンに対して、広告は再度エンゲージし、なぜファンになったのかを思い出させるいいきっかけになる。そしてファンの注目を保つにはよりよいコンテンツが必要になる。
来年は多くのブランドにとって、厳しい選択を迫られることになるだろう。


最後の一文は重いですね。

ご参考:










2012年11月19日月曜日

進化するTwitter Cards:ThingLinkと連携し、ツイート内に表示する画像から、動画や音楽の再生、FacebookのLike、Wikipediaの表示等が可能に





Twitterの将来を握っているとされる"Twitter Cards"とは:InstagramへのAPIも閉鎖したTwitterの将来像」というエントリで以前ご紹介した、"Twitter Cards"。ツイート内で画像や動画、サイトの一部等を見えることができる、メディアとしての体験をよりリッチなものにする、Twitterのソリューションであり、サードパーティに対し「ツイートの中で動くアプリケーションを開発してほしい」としているものです。

さて、そのTwitter CardsとThiingLinkが連携し、ツイートーの中の画像を様々なリソースへのハブにすることが可能になりました。

ThingLinkとは、画像にタグづけし、サイトや、YouTube、Wikipedia、SoundCloud、Instagramなどにリンクを張り、その場で映像再生や、情報のプレビューができるようにするもの。



下の動画をみるとThingLinkがどのようなものかがわかります。


ThingLinkは、既にFacebookとも連携しており、Mashableでは、「ThingLinkはFacebook広告と競合するもの」と紹介されていました。

さて、Twitterと連携したThingLinkは、上の画像のように表示されるわけですが、これはスマートフォンのTwitterアプリにおいても同様の体験を得ることができます。

スマートフォンのTwitterアプリ内で表示されたところ。一見、動画なのかなと思いきや、


ThingLink特有のタグ付けされた画像が登場し、



それぞれのタグからは動画や音楽を楽しんだり、FacebookページへのLikeや詳細情報の表示等ができます。







また、今回の連携を機に、Twitterアカウントの表示もできるようになったようです。


さて、ツイート内で表示する画像をリッチメディア化することをThingLinkは可能にしたわけですが、調子に乗ってタグを埋め込みすぎても煩雑になるだけなので、必要なものに絞ってタグ付けするのがよいのでしょうね。

ご参考:













2012年11月12日月曜日

PR代理店によるソーシャルメディアモニタリングの実態調査





トリプルメディアの考え方で言うところのEarned mediaには、伝統的なPRの領域であるメディアのカバレッジと、ソーシャルメディアでの会話とがあり、この両者における自社やサービスに対する言及を把握できることが望ましいわけですが、ではそのモニタリングサービスをPR代理店は提供できているか、ということについての調査結果が公開されていました。

対象となったのはイギリス、フランス、イタリア、スペインの116のPR代理店に勤める240名のPRコンサルタント。

上のチャートは、「信頼できるソーシャルメディアのモニターサリングビスを提供しているか?」という質問への回答。

イギリスの場合

提供できている:9%
分からない:50%
できていない:41%

という結果でした。

イタリアは肯定的な回答が多く、Yesが30%でした。

では、PR代理店はモニタリングをどのように行っているのかを尋ねたところ下のような結果になりました。



トップがGoogleという結果になってますが、これはあくまでもテレビや新聞を含む包括的なモニター活動の「補完的な役割」としての位置づけとのことです。

ちなみにPickanewsというのは欧州向けのラジオ、テレビ、新聞、ネット、ソーシャルを横断的に検索できるオンラインツールのようです。

モニタリングに関する不満を尋ねたところ、「適切な記事が上がってこない」「複数の情報源から包括的にカバレッジを得ることは難しい」など、半数近くが現状のモニタリングには不満を持っていることが分かります。



そして当然ながら、ソーシャルメディアを含む包括的なモニタリングサービスへの興味に関しては、非常に高い、という結果になりました。



ここでもイタリアは強気(?)な45%が興味なし、という結果になりました。他国とはソーシャルメディアの環境が異なるのでしょうか?

日本国内で同様の調査をするとどのような結果になるのか、興味のあるところですね。

この調査の概要をまとめた動画も公開されていましたので最後にご紹介。

ご参考:


















2012年11月5日月曜日

Facebook利用頻度の高さと、クレジットの借金や過食症には相関性があるという調査:Facebookによる自尊心強化と自己管理力の低下




Facebookばかりやっている人は、ちょっと注意した方がいいかもね、という調査結果が、コロンビア大学と、ピッツバーグ大学の共同調査によって示されました。

結果の一部を端的に示しているのが、上のチャートです。

Facebookの利用頻度と、BMI値、過食症には相関性がある。
Facebookの利用頻度と、クレジットカードの借金、信用度には相関性がある。

Facebookばかりしているから過食傾向にあるのか、過食傾向にある人にFacebookにハマっている人が多いのか、というニワトリタマゴなお話ではありますが、基本的な考え方は、調査レポートの冒頭に次のように述べられています。

私たちの提案は、ソーシャルネットワークを閲覧することによって強化された自尊心は自己管理を一時的に低下させ、その結果として、ソーシャルネットワークを閲覧しなかった人に比べると、ソーシャルネットワーク閲覧後に自己管理の低い行動に人々を導くことになる、というものです。

Facebookという環境で自分に関する情報を投稿し、Likeやコメントが付くことを通じて自尊心が高まり、自尊心への軽微な影響の蓄積がが自己管理を疎かにする、という構図のようです。


ウォールストリートジャーナルの記事に、調査を行ったコロンビアビジネススクールのKeith Wilcox助教授のコメントが掲載されていました。

これをライセンスン効果と考えると良いでしょう。自分のことをよく思うと、自分に何かしらの権利が付与されていると感じるようになる。そうなると次にその良いイメージを守りたくなり、同じ意見を持たない人に対して攻撃的になるのです。

他者への攻撃も自己管理力の低下によるものと言えると思います(WSJの記事は「なぜ私たちはオンラインで無礼に振舞うのか」とタイトル)。

また、この調査では制限時間のある知能テストと、解読不能なアナグラムの問題を出したところ、Facebook利用頻度の高い人は難しいタスクを早くあきらめる傾向にあった、ということです。

うーん、なんとなく思い当たる節があるような無いような、、、

ご参考: