FacebookのIPOは早くて水曜日とWall Street Journalが報道した数日前、Googleがプライバシーポリシーと利用規約を更新しました。この更新によってGoogleは各サービスから取得するユーザー関連の情報がて統合され、ターゲティングを強化することができるようになる、と言われています。一方で、
Googleは今回の改訂がユーザー体験の向上につながると主張しているが、プライバシー擁護者などは、異なるさまざまなWebサイトで自身の情報を共有する習慣のないユーザーを裏切る行為だと批判している。
という声も同時に起こっているようです。
すでにGoogleの検索結果には、Google + の繋がりのデータが併せて表示されるようになっていて、さらにAndroidを含むGoogleの各サービスからのデータが統合的に集められ、検索結果や広告に反映されるとしたら、
それは事実上、ユーザーと世界で最も人気のある検索エンジンとの関係を書きかえることになる (wsj.com)
といっても過言ではないのかもしれません。
そんな批判の発生を見越して、ということではないでしょうが、"Vanity or Privacy? Social Media as a Facilitator of Privacy and Trust"というGoogleによる調査が公開されていました。ここでいうVanityとは日本でもエゴサーチとして知られているものをさしており、意訳すると「エゴかプライバシーか?プライバシーと信頼とを促進する存在としてのソーシャルメディア」という感じでしょうか。
さて、そのリサーチで語られていることの一つ目が、「Vanity検索(エゴサーチ)はプライバシーにも役立つ」、というもの。
ソーシャルメディアは、ソーシャルネットワーキングのプロファイルや投稿によってより豊富な検索結果をもたらし、個人のブログ、ウェブページ、トランザクションのパブリックレコードと同様にアピール力のあるものとなり得ます。
実際、調査対象(n=200人、24-25歳男女)の約半数がエゴサーチをしたことがあり、オンライン上の評価に高い関心があるという結果になったそうです(もしくはその逆でエゴサーチをしない人はオンラインでの評価に関心がない)。
また、調査の中で語られていたもうひとつのことは、「ソーシャル検索の表示は情報の信頼性を増す」というもの。
下の表は、ある情報に「ニュースサイトの人気記事」あるいは「Facebookで数多くLikeされた記事」という情報が付加された時とされない場合とで関心がどのように変わるかを調べたもの(n=615)。
記事やトピックへの関心、ブックマークや共有への関心が、両方の場合で高まっていることが分かり、共有への関心はわずかながらFacebookで数多くlikeされている、という条件が示された場合のほうが高くなっています。
いずれの結果もこの調査の結論で、
ソーシャルメディアの有用性(評価の監視と情報への信頼獲得)は、プライバシーの問題を上回る利点
と書かれているほどではないにしても、
最も重要なチャレンジは、こうしたプライバシーがもたらす利点を、プライバシーの他の問題点に妥協することなく実現することです。
というのは確かにその通りですね。
要するに自分でコントロールできているのかどうかにつきると、個人的には思いますが。
さて、最後に昨年6月に行われたD9(All Things Digitalのカンファレンス)でGoogleのエリック・シュミット会長が登壇した際に語った言葉を引用したいと思います。
Googleは、ユーザーが匿名で検索ができる場の提供を続けます。私たちが獲得する個人情報に関してユーザーがコントロールができるように深くコミットしています。例えば、Googleにログインせず、自分が誰かということを私たちに教えないままユーザーがGoogleを使いたいと思うとします。これは今後も変わらずに提供します。
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