2011年8月23日火曜日

1万以上のLikeを生む最高の顧客サービスを提供したステーキハウスの話




先週読んだ記事の中で、1万以上のLike、4700件以上のツイート、200件以上のコメントが付いたエントリがありました。

それは上の画像のような美味しそうなステーキを提供するステーキハウスチェーン"Morton's Stake House"の顧客サービスに関するものです。

そのエントリ"今まで聞いた中で最高の顧客サービス:Morton’s Steakhouse"を書いたのはPeter Shankman氏。

無類のステーキ好きで、Morton's Stake Houseの常連でもあるShankman氏(店側もPeter氏が常連であることを知っている)は、忙しい出張の移動の合間に冗談で

@Mortons 2時間後にニューアーク空港に着くんだけど、porterhouseを持ってきてくれないかな? 

とツイートをして、飛行機に乗り込んだ。

2時間半ほどかかってニューアーク空港に到着し、秘書が帰宅のために手配したはずのドライバーが待つ駐車場に向かうPeter氏。自分の名前を見つけ、手を振り、ドライバーの待つ方に向かって歩き出す。ここまではいつも通りのこと。

ドライバーが、

「Shankmanさん」と声をかけ、

Shankman氏が振り向くと、

「あなたにサプライズがございます」と言う。

すると、ドライバーの横にはタキシードを着て、Morton'sの袋を持った男性が。

Morton'sのHackensack店から来たAlexと名乗るその男性が自己紹介し、バッグを手渡すと、中には24オンスのPortehouseステーキと、大エビ、サイドポテトとパン、2枚のナプキンとナイフとフォークが。

喜びのあまり、Shankman氏は、

I. Was. Floored.(床にひっくり返るほど驚いた)

な状態になってしまったそうです。

ちなみに Shankman氏のブログによると、
1) 自分は冗談でつぶやいただけで
2) 最寄りの店舗から空港までは23.5マイル(約38キロ)離れている

という状況を考えると、

3時間以内という時間で、自分のツイートをみたMorton'sの社員が社内で決済をとり、Hackensack店に連絡し、オーダーを出し、Hackensack店で調理し、包装し、車にサーバーをセットし、ニューアーク空港まで車を走らせ、その間にどのフライトでどこに着陸するかを調べ、私がセキュリティを通った先に待っていた。

という事になるようです。

これはきっと想像よりも、ものすごぐくスピーディーな仕事なはずで、Shankman氏も感激のあまりブログを書き、それが1万以上ものLikeをつけるほどの反響になったようです。 

顧客に「サービスを通じてWowを届ける」がコアバリューのひとつであるZapposの驚きの逸話にも通じる話。

これはかっこいいですね。

企業の担当者としてはこういうのを演出してみたいものです。

さて、なぜこのようなことが実現できたのか、いくつか要因を(推測の範囲ですが)整理してみたいと思います。

ソーシャルメディアを活用して、自社に対するコメントに気がつくことができた
現場に権限移譲がなされていて判断がスピーディーにできる環境にあった(たぶん)
CRMがしっかりしていて常連客かどうかを把握可能だった
 こうしたチャレンジをよしとする企業文化があった(たぶん)

といったところでしょうか。

そしてもう一つ忘れていはいけないのが、Shankman氏そのもののinfluencerとしての存在感です。
10万人以上のTwitterフォロアー
5万人以上のFacebookページLike

を持つShankman氏は、ITベンチャーの創業者、ソーシャルメディアマーケティングのコンサルタント、投資家などとして知られる人。そんなShankman氏であったからこそ、このようなスタントに許可が下り、実現できたのでしょう。

ブログで取り上げてもらえ、大反響になることまでを期待していたかは分かりませんが、お店の常連であることを公言しているインフルエンサーのためであればやってみよう、という事になるでしょうし、現場はとても楽しかったんじゃないかな、と想像してしまいます。

いずれにしてもソーシャルメディアを活用した、ちょっといい話であることには変わりないですね。