2011年5月31日火曜日

コンテンツがキングではないソーシャルメディア時代におけるキングとは?:通貨たるコンテンツ制作の5Ps




via flickr by Intersection Consulting
"Content is king."

SEOの文脈などで定番として語られるこのフレーズ。

良質なコンテンツを提供し、数多くのリンクを集め、検索エンジンによる評価を高める、という視点に立った見方です。一方、大量のバックリンクを生産して良いコンテンツでなくとも検索順位を上げることができるのもまた、SEOなのですが。

SEO的なコンテンツの重要性は今後も変わらないと思いますが、ソーシャルメディアにおける、Kingとは誰になるのでしょうか?

きっと人間関係がKingになるのでしょう。

それを説明している上のイラストをたまたまflickrで見つけました。このイラストが生まれるきっかけとなった、2009年に書かれたブログから引用してみます。

コンテンツは王ではない。あなたが王なのだ。コンテンツは通貨であり、王はあなただ

コンテンツは興味を運ぶための手段ではあるが、それでは王にはなれない。

王とは支配するもの。一方、コンテンツは宝物であり、癒しであり、それを囲んで偉大な物語が語られる焚火にくべられる木なのだ。

いいコンテンツを作ると同時にリレーションシップに注力しよう



うーん、素晴らしいですね。

ソーシャルメディアの時代、良いコンテンツを運ぶのは、人

それだけに利害関係者との関わり合いを深めることが重要、といえるのでしょう。

さて、ではその通貨たるコンテンツをどのように作り出せばいいのか?コンテンツ作りの5Pなるエントリがあったので最後に抄訳にてご紹介。

Prep(準備)
コンテンツはインサイトに基づいているべきもの。オーディエンスは誰か、達成したい目的は何か、コンテンツで何を伝え、どのように活用されるべきか、などの戦略的な問いに対する回答を考えなければなりません。

Program(プログラム)
コンテンツマーケティングにおいては、戦略立案やその実行よりむしろ、適応性が求められます。コンテンツマーケティングを常に変化するものとして捉え、進行中であることを前提に、評価、分析、最適化を行い、効くことに適合させる必要があります。

Produce(制作)
コンテンツを生み出すことは最大のチャレンジ。クオリティが高く、マルチメディアプラットフォーム向けのコンテンツが、真のエンゲージメントや結果を生み出す鍵となります。コンテンツを作るときは、全てのものが共有可能で、モバイルフレンドリー、さらに検索されやすくすることをお忘れなく。

Publish(公開)
コンテンツは汎用性があり、マルチプラットフォーム対応であるべきです。コンテンツはオウンドメディアから発せられますが、同時にグーグルのメディア広告や動画広告、Facebookのスポンサード・ストーリーなどのぺイドメディアから伝えられるものとして考えることもできます。

Propagate(広める)
公開するだけではなく、コンテンツがネットワークを通じて広がるように企画することが必要です。これがコンテンツとコミュニティとの連動です。オーディエンスのエンゲージメントに深く入り込み、コンテンツにSEO対策を施すことが、ネットワークを超えて広がり、アーンドメディアを生み、リーチと効率性を高めるキーであり、究極的にはビジネスの成功に結び付きます。

2011年5月26日木曜日

Facebookページのファンが100万人になったら得られるエンゲージメントの平均値


FacebookページにLikeしている人の数が、もし100万人になったら、どのくらいのエンゲージメント(リアクション)を得られるか?

そんな調査をワンストップのソーシャルメディアマーケティングソリューションを提供してる、Simplify360が様々なブランドから選んだ50のFacebookページをもとに数値化したのが上の画像。

100万のFacebookファンがいる場合、1投稿当たり、平均で826のLike、309のコメントがつく

という事になるようです。

まぁ、ふーんというか、そうですか、という感じですが、Facebookページ運用の指標を考える上では参考になるかもしれませんね。

ちなみに上の表のLiking Rate (Per Million)の欄が、ページへのファン数(Like数)が100万だった場合に得られる1投稿当たりのLikeの単純計算値になるわけですが、ファンが多いページほど、反応率は下がり、「ファン数が増加するに従い、エンゲージメント率は低下する」という国内での調査結果とも合致しています。

ファン数が少ないほどコアファンの比率が高く、ファン数が多いほどライトなファンの比率が高まっていく傾向が見て取れます。

この傾向は、どんなFacebookページにも当てはまりますが、リンク共有のソリューションを提供するVisibli社が10万以上のファンがいるページをカテゴリ別に調査した結果が下の図。



(たとえばLady Gagaのような)アーティスト はLike、コメントともに多くつき、メディアのページは(記事等に対しての)コメントが多くつく、という傾向があるようです。企業のブランドページはこの比較においてはどちらも一番少ないという事のようです。

企業のマーケターにとってはだからこそ頑張り甲斐がある、と言えそうですね!




ご参考:

2011年5月25日水曜日

Twitterの登録アカウント数、3億を超えたのでは?というデータ


先週の話題ですが、twitterの登録者数が3億を突破ているかも、という予測によるデータが出回っていました。

2006年の3月の最初のアカウント登録から連読して増えている全アカウント登録数をみると、先週、Twittterが3億アカウントを達成したようです。TwitterのアカウントとそれらのIDから登録日を見る限りこの数字は妥当なものと言えます。(twopcharts.com)

上のチャートをみると、今では1日に60万件近くのアカウント登録があり、月間で1,500万程度アカウントが増えている事が分かります。

ただしこの3億という数字、twittterからの公式な発表ではありません。公開されている現在の数字を見るとわかるように、

460,000 1日あたりの新規登録ユーザー数
155,000,000 1日あたりのツイート数
200,000,000+ 登録ユーザー

2億アカウント以上、というのが現在の公式の数字です。

色々な文献をみてみると、2月に2億アカウントを超えているはずなので、そこから毎日50万登録を足していくと、現在2.6億程度になるので、3億という数にはアカウントを抹消した数字(12%程度)が含まれていないのだろう、という事のようです。

いずれにしても成長は鈍化していないようですね。

2011年5月24日火曜日

ソーシャルメディアの成長を支えている秘密兵器、それはeメール:コミュニケーションツールから、ノーティフィケーションツールへ


via flickr by jonathanb1989

「ソーシャルメディアが普及すると、eメールは無くなる」

こんなことが書かれた記事を目にすることも少なくありませんが、果たしてそうなのでしょうか?

確かに人と人とのコミュニケーションはメールのやりとりからよりソーシャルメディアに移行し、人々の会話がソーシャルメディア上で行われる事(時間)が増えました。そして、企業のマーケティング担当が、その会話の中に加わろうとしているのがソーシャルメディアマーケティングです。

活性化するソーシャルメディア上での会話が、eメールは無くなる、と言われる主たる所以なのですが、ソーシャルメディアの成功を支えているのは実はeメールだ、というエントリがあったのでご紹介。

私は自分の知り合いで最もプロダクトに詳しい企業家の一人にFacebookがなぜ月間アクティブユーザーや登録者数などの面で非常に成功していると思うかを尋ねたところ、彼は「Facebookから友人が自分をタグ付けした、というメールが来ると、私はそれをクリックしチェックしいに行く」と答えました。

確かに企業から来る興味の無い宣伝的なメールは開封しないかもしれませんが、自分のソーシャルメディア上での活動に関わる内容のもの(タグ付けされた、コメントがつけられた等)であれば、要するに「自分事」なのでメールは開封され、クリックされます

これは言わば、コミュニケーションのためのメールからノーティフィケーションのためのメールへと役割が変わっていることを意味しており、リテンションとしてのeメール利用そのものが、ソーシャルメディアの成長を支えていた、と言うことができます。

では、実際にそうした役割のメールは増えているのか?同エントリには、メールがスパム扱いされないようメール到達度向させるソリューションを提供するReturn Pathという企業のCEOのコメントも記載されていました。

Return Pathの創始者でCEOに、ソーシャルメディアやモバイルのクライアント企業において、メールの使用が増加していないかを尋ねたところ、彼らのクライアント全般において(twitterもその一社)、強い成長がみられる、という回答でした。

TwitterやFacebookをはじめとするソーシャルメディアの成長の裏には、例えばGmailとの連携による友人サーチ、という機能がありましたが、実はこうしたノーティフィケーションとしてのメール利用が効いていたという事は理解できます。

Gmail自体が受信メールの自動振り分け(プライベート、一括、通知など)を始めましたが、それはこうした動きを裏付けているのかもしれませんね。

2011年5月19日木曜日

ソーシャルメディアの企業公式アカウント、検索結果の20位に表示されるのは3割:FacebookページにおけるSEOの超基本




via flickr by marciookabe
会員制のSNSであるFacebookですが、その特徴の一つがクローズでありながらオープンなところ。

例えば、GoogleでOreoで検索すると、

ヤマザキナビスコ【オレオ】
Oreo - NabiscoWorld
オレオ - Wikipedia
oreo の画像検索結果
Oreo | Facebook

のように、Facebookページが検索結果の上位に現れます。

Facebookページを開設しようという意向を持っている日本企業も少なくないと思いますが、意識しておきたい基本のひとつがオープンゆえのSEO

どのくらいの企業のソーシャルメディアチャネルが、検索されたときに上位に現れるのかについての調査が、SEOプラットフォームを提供するBrightEdge社によって行われていました。

対象となったのはFortune 500の上位200社。

企業名では、ほぼ100%がトップかトップに近いランキングの検索結果であったのに対し、そのソーシャルメディアアカウントについては、上位20位に表示されたのは全体の約3割だったそうです。それをグラフ化したのがこちら。 

Facebook



Twitter



検索の上位に入らないとクリックされない、という常識から考えると、ソーシャルメディア上の企業アカウントのSEOはとても重要。

Facebookページをサーチエンジン向けに最適化する方法、というエントリがあったのでご参考までに抄訳を。

独自URLへの変更
ブランド名を冠したカスタムURLは、広告やクチコミマーケティング的に(「"Facebook/企業名" をチェック」のように)使いやすいだけでなくSEOにおいて重要な役割を果たします。(25名以上のファンを獲得が必要な)FacebookのURL変更、一般的には企業名を使用し、オリジナルのブランド名となるべく同じものにします。ダッシュや下線は使えないため、限界もあります。また、後で変更できないので熟慮の上決めましょう。

企業名に注意を払う
当たり前のことではありますが、ブランドのFacebookページで使用する名前は非常に重要。繰り返しになりますが、オリジナルのブランド名となるべく同じようにすることが重要です。それによって検索を通じて、そしてFacebook上で見つけやすくなります。キーワードについて、少しならここに入れることもできますが、実際の企業名から離れすぎてはいけません。他にキーワード入れる場所はあるのでご心配なく。

企業情報、キーワードなど全てを記入
Facebookには企業情報を入力する箇所が3つあります。 「情報」「企業概要」「説明」などですこれらすべてを使いましょう。「情報」の欄は、小さな枠を見てわかる通り1-2行のタグラインの短い説明文を。「企業概要」「説明」では事業内容についてより多くのことを簡潔かつ詳細に説明することができ、できるだけ多くのキーワードを記入するのに理想的な場所と言えます。それより下の(「ミッション」「受賞歴」「商品・サービス」など)より多くの枠にできるだけ多く記入した方がいいです。これにより検索された際に見つかりやすくなります。

リンクを張る
Googleのページランクアルゴリズムの根幹ともいえるハイパーリンクのことをお忘れなく。メインのWebサイトやその他の適切なサイトからFacebookページへのリンクを張りましょう。ちなみに、Facebookでの情報更新から自社サイトへのリンクバックについては、SEOに直接貢献はしません。これらのリンクには"nofolow"の特性が含まれているからです。とはいえ、リンクバックは自社のブランドサイトへのトラフィックソースとして大きく貢献します。
こうした工夫は、超基本といってもいいことばかりですが、SEOを意識してキッチリ押さえておきたいところですね。

2011年5月16日月曜日

Facebook Dealsに見るソーシャルコマースのネクストステップとは?:ソーシャルグラフ x 心情というヒネリ




flickr by giumaiolini
先月サービスを開始したFacebookの新機能「Facebook Deals」。

米国の5都市からサービスインし、徐々に展開していくというこの新サービス、いわゆるグルーポンサービスのFacebook版、という言い方が最も分かりやすいようですが、

Dealsは、米Grouponなどのクーポン購入サービスと同様に、ユーザーによる地域ビジネスのクーポン購入を仲介するものだが、Facebookは「ディスカウントよりも、Dealsを通じてユーザーが友達と興味深い体験をすることが重要」という。 (itmedia.co.jp

とのコメントを見る限り、単に「安く共同購入しよう」、 ということよりも、ソーシャルグラフを意識した展開を想定していることが伺えます。

その象徴とも言える機能がこちら。



Groupon等の場合、「知らない誰かと一緒に安く買う」というのが基本的な体験となりますが、Dealsの場合、"buy for:"というメニューがあり、知り合いの誰かのために買う事ができます

以前「映画"Toy Story 3"の劇場鑑賞券がFacebook上で販売開始:ソーシャルグラフを活かせる理由とその販売手法」というエントリで、Facebook上で映画のチケットを買う事ができ、さらに

「友人を誘う」という機能があり、まさにソーシャルグラフを活かした販売方法になっています。

という事例を紹介しましたが、Dealsはディスカウントだけでなく、このソーシャルグラフを活かした購入体験をFacebookがオフィシャルに提供するものと言うこともできます。

さて、2006年に、博報堂がこんな調査を行っていました。

子ども一人がもつ平均ポケット数は、 シックスポケットより一つ多い7ポケット。(pdf)

これは、「少子高齢化の進む中、これまでは両親・父方祖父母・母方祖父母の6つ(シックスポケット)といわれていた子どものポケット数は実際にはもう少し多く、平均で7つという結果がでました。」という調査レポート。

ここから出てくるキーワードは、そう、「おねだり」です。

「おねだり」を活かした販売手法はこれまでもあり、たとえば子供服販売のナルミヤ・インターナショナルでは、通販サイト上に買って欲しい商品を選んでメールで送る「おねだり機能」を導入しており、ネット通販売上の10%にもなるそうです。

また、トリンプのオンラインショップもおねだりで有名な事例のひとつ。そこで販売しているネット限定ランジェリーdesir(デジール)は、女性の訪問者が、男性にメールを通じて欲しい商品をおねだりし、メールを受け取った男性が女性に代わって決済して購入する、というもの(詳細)。一説では、おねだりのCVRは80%とも言われています。

これまでソーシャルコマースの事例として出てくるのは、Grouponのような共同購入型のものや、Likeボタンと同時にローンチされた商品情報と友人のLikeを同時に見ることができるLevisのサイト、企業側にこれが欲しいとおねだりツイートをするとポイントアップする東急ハンズの事例などだと思いますが、どれも実際の知り合いや親族の気持ちに訴えかける、ソーシャルグラフを活かしきったものにはなっていないと思います。

消費者のポケットはソーシャルグラフの視点から見ると、数がふえるというだけではなく、そこに「おねだり」という心情に訴えるヒネリを加えることで、実際の購買にもよりつながりやすくなるのではないでしょうか。























2011年5月11日水曜日

位置情報サービスの人気順位と使う理由:割引などの特典目的での利用はわずか8%




この画像、なんだかわかりますか?
最近アップデートされたfoursquareの、銀座アップルストアの情報です。

以前は無かった、繋がっていない(知らない人)が投稿した写真の共有機能が加わっています。そう、鳴り物入りでローンチされた、あのColorの機能を取り入れた、という事ができそうですね。

さて、ニューヨーク市が認定した4月16日のFoursquareの日に300万チェックインという驚異的な記録をだした、Foursquareをはじめとする位置情報サービスのアプリを、どのくらいの人がどのように利用しているのか、についての調査(437名の米国スマートフォン利用者が対象)の記事が公開されていました。 

調査によると、

スマートフォン利用者の60%以上(266/437)が位置情報系のアプリを使っておらず、そのほとんどがどのようなアプリかを知らなかった。知っていても利用していない人の割合は16.7%(73/437)だった。

とのこと。

では、利用しているアプリは何か、との問いに対しては、


Facebook Placesが42%で首位となり、さすがはネット利用者の7割がFacebookを使っているといわれるアメリカならではの結果といえますね。

また、興味深いのが、アプリを使うメリット(使用理由)。

知り合いと連絡をとる/会うため:41%
自分の信頼する人のお気に入りの場所を知るため:21%
・自分の移動パターンを理解できる:17%
割引や購入特典が得られる:8%
・新しいテクノロジーの知識が得られる:6%
・ゲーム内の行動目標の達成:4%
・その他:3%

よくfoursquareなどのニュースで目につくのは、たとえばGAPやマクドナルドなどで行われた割引やプレゼントのサービス、メイヤーになると得られる特典などのマーケティング施策の事例だったりしますが、特典に期待して利用している人は全体のわずか8%というデータや、実際の知り合いと会うためや、信頼する人による場所に関する情報が得られる、ということがおもな利用目的というデータをみると、位置情報サービスが実用的に利用されているのが垣間見られますし、マーケティング活用も単なる「特典」だけにとどまることなく展開することを考えた方がよさそうです。

また、位置情報サービスを知っているがそのアプリを利用していない人(n=73)が、利用していない理由については、

・プライバシーに対する懸念:32.9%
・利用するメリットが分からない:26.0%
・他のコミュニケーション手段との重複(だから不要):19.2%

が上位になったそうです。

foursquareに限らず、プライバシーの心配はソーシャルメディア活用において常に付きまといますが、自分で納得して使える範囲で、楽しみながら使いたいものですね。

2011年5月9日月曜日

「ソーシャル」「メディア」という言葉の矛盾




via fickr by Dunechaser

先日、Engagemetという言葉を見直してみよう、という趣旨のエントリを書きましたが、そもそもきちんと理解すべきはこの言葉でしょ、ということで「ソーシャルメディア」。

最近IBMが279名のオンライン、ダイレクトマーケティングの担当者に行った調査"The State of Marketing 2011"によると、対象のうちの53%がソーシャルメディアを活用しているものの、
(ソーシャルメディアに対する)マーケターの熱意は昨年より下火になっている。高すぎた期待のピークを経て、今はソーシャルチャネルが生みだす価値を見出すことに注力している。
という傾向がみられたそうです。
 
これまでの広告に代わるもの、新しいクチコミの手法、コスト効率よく実施できるマーケティング等などの期待があったことが想像に難くありませんね。

その期待の落差を生むけん引になったのが、相互に矛盾する要素を持つこの「ソーシャル」「メディア」という言葉なのかもしれません。
 
その2つの言葉の意味合いについて整理しているブログがあったのでちょっとご紹介。

Media = 金銭の支払いを伴うもの
Media = コストを伴う広告でメッセージをコントロールできる
Media = 1対多の一方向の情報配信
Media = リードタイムの長い、単発型のコンテンツ

Social = 金銭の支払いを伴わないもの(この部分は広告主に最も魅力的でもある)
Social = コントロールを失うだけではなく、それを受け入れた上でプランする
Social = 「メッセージ通り」という考えを捨てる
Social = 双方向、1対1、多対多、そして個人的
Social = 継続的、迅速でリアルタイムのやりとりが非常に短いリードタイムで行われる

「ソーシャルメディア」という言葉は、オンライン上の様々なソーシャルなるものを包括する非常に便利な言葉である一方、人によってとらえ方が異なるだけでなく、使われる文脈によっても意味することが異なる用語。

伝統的メディアや、広告的な発想のままソーシャルメディアについて話す人もいますし(フォロアーがたくさんいれば多くの情報発信ができるようになる等)、人によってはFacebook=ソーシャルメディア、という極端な人もいるでしょう。人と人の新たな繋がり方や新しいプライバシーのあり方という意味合いで使われることもあるでしょう。

では、ソーシャルメディアの代わりにどういった言葉を使えばいいのでしょうか?

Forrester reserchのエントリ"Why Social Media Sucks"では、様々なものをSocial Mediaと一緒くたにしない呼び方を提案しています。

人々がオンライン上で繋がりあい、良さをお互いに引き出すものはSocial WebまたはSocial Internetと呼ぶことができます。これにはMySpaseやコミュニティ、YouTube、ブログなどが含まれます。

顧客や潜在顧客が集い、ブランドと繋がり、参加者が相互に繋がる場を作りたい場合、それはSocial applicationと呼ぶことができます。これはコミュニティ、UGCサイト、さらにサイトに評価やレビューをつけることをも含みます。

FacebookやMySpace、TwitterやYouTbeのような巨大なソーシャルサイトについては、Social Network サイト(もしくはsocial networkと略すのも可)と呼ぶことができます。


このエントリ自体が書かれたのは2009年。確かにこのような呼び分けは有効な感じがする一方、今だSocial Mediaという言葉が使われているのは、この言葉が矛盾をはらんでいる一方、なんだなんだで使いやすいからなのでしょう。

いずれにしても相反する意味合いを含んだ用語である、ということは理解しておきたいですね。 



ご参考:

2011年5月2日月曜日

「送信」でいいの?Facebookの新しい「Sendボタン」の日本語訳:Facebookクエスチョンでご意見募集中


最近日本でも使えるようになったFacebookクエスチョン。

クエスチョンについては以前「Facebook Questions、企業アカウントではどのように使う?:関わり合いを深めるという視点から」というエントリで、いわゆるエンゲージメントのためのツールとしての可能性について書かせていただきましたが、GW中ということもあるので、今日は軽めの実験的なエントリにしてみたいと思います。

先日発表された、Facebookの新ボタン"Send"ボタン。公式の日本語訳は「送信ボタン」になるようなのですが、この翻訳には異論がありそう。

百式管理人さんのIDEA * IDEAでまとめられていた意見をベースにアンケートを作ってみました。

お題:「送信」でいいの?Sendボタンの日本語訳。

・「どうぞ」
・「これどう?」
・「すすめる」
・「よくね?」
・「どや?」
・やっぱり「送信」
・その他
ご回答は、Facebookクエスチョンで受け付けております!