2011年4月26日火曜日

Facebookの新ボタンはSendボタン:情報共有の対象を選択できる新機能




ちょうど昨日、このブログで「FacebookのLikeボタンが1周年:Likeボタンに関する数字まとめ」というエントリを書いたばかりですが、Facebookから新たなボタンがローンチされました。

その名も"Send"ボタン。

LikeボタンやShareボタンとの大きな違いは、Sendボタンの場合、特定の個人や、自分が所属しているFacebookのグループ、Emailあてに情報送ることができる、情報共有の対象が選択できるようになることです。

例えば上の画像は母の日に一緒に買う花について、Facebook上の個人、Facebookグループ、emailあてに尋ねている様子です。他にもルームメイトのFacebookグループに対して、旅行を誘う、などの使い方がmashableに紹介されていました。

これはその名の通り、メールを送る行為に近いと言えますし、グループの活用という面からも理にかなった発展の仕方ですね。

自分の電話帳や住所録を見れば分かる通り、ソーシャルグラフには旧友もいれば、仕事の取引先、趣味の仲間など様々なクラスタが入り組んで構成されています。自分が共有する情報を適切なクラスタだけに限定することができれば、不要な情報共有をなくし、繋がっている人のウォールを「汚す」ことを避けられます。

Sendボタンはこちらから入手可能で、Likeの隣に表示することも、単独で表示することもできます。

ちなみに、日本語表記は「送信ボタン」になるようです。









2011年4月25日月曜日

FacebookのLikeボタンが1周年:Likeボタンに関する数字まとめ




Facebook関連書籍の出版が相次ぐ状況の日本ですが、ちょうど先週の4月21日に、Facebookの「Likeボタン」が一周年を迎えたそうです。Facebook上でのその告知には、7万以上のLike、1万弱のコメントが寄せられています。

導入当初から、「"悪魔色"のボタン」の存在や「Facebookの”like”ボタンは立ち上げから24時間で10億回押される」など、強烈なインパクトをもってデビューしたわけですが、この1年間でWebの様相もずいぶん変わりました。

Like、というこの行為がとにかく日常的になりましたし、Webのトラフィックが変わり、Pay per Likeのような動きに象徴される「指標としてのLike」の存在感も増し、類似のボタンも多数出回るようになりました。

何よりFacebookの成長のエンジンにもなっているわけですが、Facebook公式のLikeボタンに関する数字が掲載されていたので、ご紹介。

・昨年4月にLikeボタンを発表、最初の3週間で5万以上のサイトが導入した。その後、、、
・1日1万のサイトがLikeボタンを導入している。 
・2億5千万以上の人々がFacebookの外のサイトでエンゲージしている。
・250万のサイトがFacebookと連携しいている(この数字にはcomScoreの米国上位100社の80社以上、同じくcomScoreの世界上位100社の半数以上も含まれる)。
・FacebookはcomScoreの米国メディアサイトの最大手に導入されている:スポーツ上位10サイト、ニュース上位10サイト中9サイト、エンターテイメント上位10サイト中9サイト。
・comScoreの米国コマースサイトの上位25サイトのうち18サイトに導入されている。
・comScoreの米国急成長コマースサイトの半分以上がFacebookを使っている。
・メディアサイトは最も早くLikeボタンを導入した中のひとつで、その結果Facebookが活発に利用されている。メディアサイトの場合、Facebookからのリファラートラフィックは、2010年の初頭より平均で300%以上増加している。 
日本での状況も気になるところですね。 



2011年4月21日木曜日

Facebookユーザー間での無料電話サービスをT-Mobileが提供:電話帳=ソーシャルグラフなサービス




ドイツテレコム傘下のT-MobileがFacebookユーザー間で無料電話を提供するサービス「Bobsled」をローンチしたことが公式ブログで発表されていました。

発表文によると、

Bobsledのアプリを使う事で、顧客はクリックひとつでFacebookチャットを通じて電話ができるようになります。 これによって簡単にFacebookフレンドに電話をかけられます。ダイヤル不要で、ただ友達の名前をクリックするだけで会話を始められます。このサービスはPC/MacからPC/Macに無料で、世界中で使う事ができます。

とのこと。ボイスメッセージを残すこともできるようで将来的にはビデオチャットも実装する予定のようです。




ちょうど同じようなタイミングで「Skype for WindowsがFacebookタブを改良、友人と直接Skypeで通話できる機能も」というニュースが発表されていましたが、こちらはあくまでもSkypeの操作画面上での話なので、Facebookを離れることなく通話ができるBobsledは体験が異なりそうですね。

電話帳=ソーシャルグラフなわけですが、HTCによるFacebookスマートフォンの発表に続き、いよいよその世界が実現されていく、ということでしょうか。

にしても無料とは。。。












2011年4月19日火曜日

Engagement再考:「関わりと交流」だけではないその定義


via flickr by michelle.parker52

ソーシャルメディアマーケティングにおいて、重要な指標とされる、"Engagement"。

もとはサルトルの用語で、フランス語(アンガージュマンと発音)。英語ではcommitmentと訳されることが多いそうなのですが、日本語にするのが非常に難しく、個人的には「関わりあいを深めること」という意味合いで使い、このブログでも幾度か取り上げてきました

筆者自身どうもまだ理解が足りないと感じているのですが、「Engagementという言葉を見直そう」というエントリがForrester reserchのブログで公開されていたので、抄訳にてご紹介。

2007年、Forresterが"Engagement"をマーケティングの主要な指標として提唱した際、このように定義していました。関わりの度合い(the level of involvement)、交流(Interaction)、新密さ(intimacy)そして影響(Influence)。

しかしながら、この言葉は現在、定義のうちの最初の2つ「関わりと交流」の意味で使われています。

有能なマーケターならこの2つだけでは結果に結び付けるには不十分だと分かっています。

よく見られるのがマーケターやエージェンシーがクリックや、訪問、滞在時間、ダウンロードなど様々な指標にすり替えていることです。これではビジネスの結果に結び付けることは到底できません。

だからこそ、「親密さと影響」というengagementの残り2つの定義が重要になります。なぜならそれは顧客の関心を得ることの(attention)インパクトを表しているからです。「親密さ」はブランド認知やブランドとの親和性、感情などの質的な側面を表しています。また「影響」はクチコミでの共有されやすさ(例:シェア率やネットプロモータースコア)を表しています。

ではどのようにしてEngagementを軌道に乗せることができるのか?

プログラムの目的を明確にして、様々な最新技術による指標に惑わされないことです。例えばセールスなら、交流を促し、購入して推薦してもらうためのEngagementが必要です。ブランドの場合なら、「関与、交流」の指標に加え、「新密さと影響」についても理解ができるアプリケーションが必要になります。そうすることで、マーケターもエージェンシーも事前に設定した目的に立ち返ることができます。

interactionやinvolvementのように、数字に置き換えやすい、すなわち投資に対して正当性を持たせる報告書に使いやすいものに意識がいってしまい、その数字は中身を伴っていない可能性もあります

とはいえ、感情分析をするためにブランドについて語られるコメントの全てを整理把握、分析するには多くの人的リソースを必要としますし、マニアックに追求しすぎてもそれは独りよがり。

有料の感情分析ツールなどを使うこともできますが、レポートのためにコストを割く、ということになってはちょっと本末転倒。

筆者自身が関与しているアカウントにおいては、全体的な傾向の把握(何が、どのように評価されているか等)を主に行い、ブランドに対する評価を文脈で追いかけるようにしています。

ソーシャルメディアにかけられるコストと、それに見あうEngagementの評価方法。

まぁ、なんというかこれという決定打が無い分、永遠の課題とも言えそうですが、会社や事業者、プロジェクト単位で設計して関係者がそれに納得するような合意形成をするしかないですかね

2011年4月14日木曜日

仕事でソーシャルメディアを始めるときのクイックスタートガイド、というインフォグラフィック




仕事でソーシャルメディアを始めるときのクイックスタートガイド、というインフォグラフィックがあったのでご紹介(半年ぐらい前に作られたもののようですが)。

1. ゴールの設定
ソーシャルメディアがなぜ必要か?
ゴールと目的との明確化。
会社のビジネスゴールに合わせる。

1a. ステークホルダー(関係者)からのインプット
インタビューや内部調査でどんなソーシャルメディアチャネルがベストかを見つける。

2. 顧客はどこにいる?
顧客のペルソナを描く。
自分のチームと顧客とが交流するチャネルの発見。
顧客にリーチするにふさわしいチャネルの発見。

3. インフルエンサーの特定
モニタリングツールを使って潜在顧客についての理解を深める。
購買意思決定に影響を及ぼす人を見つける - ブロガーや、パートナー、場合によっては競合。

4. 責任領域の明確化
関係者間の主な役割分担。
主要責任者でソーシャルメディアの「タスクフォース」を作る。

5. チャネルを作る
内部調査の結果や顧客のペルソナをもとにエンゲージするためのチャネルを選ぶ - 例えばFacebook、Twitter、LinkedIn。

6. コンテンツ戦略を作る
既存のコンテンツを入手して再利用の目的をもたせる。例:白書、事例、オピニオン、ビデオなど。
マーケティングの注力エリアに準ずるトピックの確認。
ブランド名、競合、使用するキーワードの調査を通じて適性を決定。

7. 測定基準の策定
戦略的目的に合わせて測定基準とモニタリングの枠組みを作る。
リーチ、バス、感情、影響などの主要な測定のゴール。
ビジネスに関連することだけを測定。

8. チャネルのカスタマイズ
チャネルの設定、カスタマイズ、最適化。例:複数の投稿者によるブログプラットフォーム、FBページのカスタマイズ、YouTubeチャネルなど。

9. エンゲージメント(関わりあいを深めること)の枠組み作り
誰がどのように、どこで(どのチャネルで)、どの程度返信するかを決める。
ソーシャルメディアで関わりあいを深めることを上手く管理するには一貫性と速度が重要。

10. ソーシャルメディアポリシーの策定
ベストプラクティス、何が受け入れられるか、マーケターの領域外のこと、機密情報、ビジネスと個人の許容力等に基づいて。
エンゲージメントの妨げとなりうるグレーエリアを避けるために全てを文書化する。
 11. 社内コンテンツを出す
編集スケジュールを作る。
適切なコンテンツでチャネル内に居場所をつくる。
複数のソーシャルメディアを横断するコンテンツの組織化を行う。

12. モニターと測定
事前に設定された基準に基づきモニターと測定ツールを設定する。

13. 社内のネットワークを利用する
チームに素材を提供してもらう。
広めて、宣伝して大きくする。
 
14. 出発!
分析、適合、改善:新しい発見を今のプロセスに適合させ、ソーシャルメディアの旅をナビビゲートしながら改善する。
これは繰り返し行うプロセスだという事をお忘れなく。










本当にこの順番の通りでいいのか?など突込みどころはあると思いますが、なかなか良くまとまっていて、これから始めるという場合だけでなく今あるソーシャルメディア上での活動の点検にも使えそうですね。 

2011年4月12日火曜日

Facebookのジャーナリズム宣言?:記者向けにFacbookページ運営のベストプラクティス等を公開






先週Facebookが、Facebook & Social Journalismというノートを投稿しました。

中を読んでみると、

本日、新たに"Journalists on Facebook"というページを公開しました。それは情報源として、読者との交流の場として、記事の提供場所としてFacebookを利用する記者が増加していることに応えるためのものです。このページでは記者に対して、最新のFacebookの機能を活動に取り入れているベストプラクティスや、5億人以上ものFacebookのオーディエンスとのを交流の機会を提供します。

との記載がありました。

実際にJournalists on Facebookのページを見てみると、

Get Started
Best Practices
Videos
Articles

などの項目があり、Facebook上で自分のページを開設する記者に対するガイダンスの役割を果たそうとしていることが分かります

Facebookによれば、メディアサイトが"Like"ボタン等の統合を開始した2010年以来、

Facebookからのトラフィックは平均で300%以上増加している

とのことで、リファラーとしてのFacebookと、メディアサイトとの相性の良さがうかがわれます。また、ちょうどその時期(2010年4月)Facebookは"Facebook + Media"というページを開設しています。

一方で、ユーザー数やトラフィックではFacebookに及ばないもの、速報性、現地からの情報発信、リアルタイムの中継、情報の拡散力等の点からソーシャルジャーナリズムとしての地位を確かなものにしているのがTwitter

Twitter自身が、「Twitterはソーシャルネットワークではなく、リアルタイムの情報ネットワーク」と定義しているように、ジャーナリズムに適したツールと言えます。

Journalists on Facebookの目的は、記者と読者との交流や関わりあいなどのFacebookならではの機会の提供を通じて、Facebookでニュースなどの情報に触れる時間を増加させるとともに、あわよくばTwitterが築き上げたソーシャルジャーナリズムのポジションを違った形で実現することを考えていることの表れなのかもしれません。

とはいえ、先日のエントリも書きましたが、ソーシャルネットワークでは面白いことや共感するものをシェアするものであり、Facebookはニュースなどの情報を得るための場所というよりも、ソーシャルゲームや写真、ビデオを知人と共有するための場所といえるので、そのアイディンティティやユーザーの認識を変えるのはそう簡単ではないでしょうし、無理に変えることのデメリットの方が大きいでしょう。

ちなみに、 Facebook Journalism Meetupのミートアップを開始して、Facebookページの使い方のワークショップなどをジャーナリスト向けに行うそうです。Facebookは、広告主向けに広告クリエイティブのべストプラクティスの共有も開始するようなので、B2B向けのこうした活動もしっかり行っているな、という印象を受けます。

日本の記者の皆さんも使ってみてはいかがでしょうか? 


















2011年4月11日月曜日

Facebookが不適切な投稿のフィルタリングを行うモデレーション機能を追加:もちろん無料で





新年度に入り、今年はFacebookを始めるぞ、という企業も少なくはないと思いますが、その際の懸念のひとつが不適切な投稿の処理。

そんな企業の担当者に朗報となりそうなのが、Facebookが公式に追加した、禁止語句を含む投稿のフィルタリングを行うモデレーション機能。

もちろんこの機能は無料で提供されます。

これによって禁止語句のリストを管理者が指定できる作れるようになったわけですが、ヘルプセンターの説明には以下のように書かれています。

ページに投稿されるコンテンツに対して制限を設けることはできますか
ページに不適切な語句が表示されないよう、コンマ区切りのキーワードを「禁止語句リスト」として指定できます。[Facebookページを編集]を選択し、[権限の管理]タブを開くと、禁止語句リストにキーワードを追加できます。禁止語句リストに含まれている語句がページへの投稿やコメントに使用されると、そのコンテンツは自動的にスパムに指定されます。投稿はページの「スパム」フィルタに配置され、公開されることはありません。コメントは管理人に対してグレーで表示されますが、一般には公開されません。
投稿からスパムの指定をはずすには、[スパム]フィルタをクリックして、その投稿にカーソルを合わせ、[X]をクリックします。[スパム指定を取り消す]を選択します。コメントからスパムの指定をはずすには、そのコメントにカーソルを合わせ、[X]をクリックします。[スパム指定を取り消す]を選択します。

また、Facebookが事前に登録した「不適切表現」のブロックを「なし、中、強」から選ぶこともでき、一般的な公序良俗に反する表現は、ここでフィルタリングできるようになりそうです。

ただし、不適切表現のブロックについては、具体的にどういった言葉が指定されているのかは分かりません。

Inside Facebookの記事によると、これまでFacebook上でのモデレーションのソフトウェアや、目視によるモデレーションサービスを提供してきた企業となりそう、とのこと。

この機能を使うことで担当者の負担は軽減できそうですが、これは投稿自体を削除するものではなく、一般に表示されなくなるものなので、投稿した本人やその友達には見られることになりそう。不適切な投稿を削除するという業務自体は定期的に行う必要がありそうです。

また、これによって「炎上」が避けられるわけではありません。いうまでもないことですが念のため。

ご参考: 

2011年4月5日火曜日

Huffington PostとBuzzFeedの共同創業者が語るコンテンツがバイラルする理由:Googleの「+1」発表に関連して




via buzzfeed.com by Dave Stopera
FacebookのQuestionsに続き、先週の注目の話題の一つが、Googleの発表した「+1」。こちらの記事「Googleが「+1」ボタン発表、Facebookの「いいね!」に似たソーシャル検索」にもあるように、

ユーザーが良いと思ったページや広告を「+1」ボタンで推薦することにより、Googleの検索結果を改良し、結果的にそのユーザーの友人に対して最良の検索結果を表示できるようにすることを目指している

というもの。

ソーシャルメディアの台頭によってコンテンツの流れは変わり、「+1」はGoogleにとってその対抗策と目されているわけですが、コンテンツがなぜバイラルするのかについて、Huffington PostとBuzzFeedの共同創業者のJonah Peretti氏のWeb 2.0 Expoでの話が紹介されていたので紹介。

Googleはなぜこのサービスを出すに至ったかを整理して理解するのにもお薦めです。

理解しておきたい重要なことのひとつは、コンテンツは異なる理由で異なるプラットフォーム上で拡がるということ。Googleの検索エンジンは情報を中心に作られています。だからAbout.comのようなサイトは知識中心かつ、キーワード中心なのでGoogleに対して完璧な最適化ができます。

Facebookのようなソーシャルネットワークでは話が全く異なります。ユーザーはHow to記事をシェアするよりも、面白いことや共感するものをシェアします。Facebookではユーザーは自分を定義し、自分を良く見せるものをシェアするのです。

例えばこの犬の写真にはGoogleにとって有益な情報は全くありませんが、45,000以上のFacebook "likes" を獲得しています。

別の言い方をすると、コンテンツをバイラルさせたければ、「人々の頭の中に入っていく情報」という考え方をやめ、「ソーシャルアクションを起こす理由」についてより考えるべきです。



今のGoogleのアルゴリズムに無いのが、この「ソーシャルアクションを起こす理由」に対するデータなのでしょう。で、「+1」でそれを蓄積しよう、と。

アクションを起こしてもらうことは、関わりあいを深める(エンゲージメント)視点からも、ソーシャルメディアでは重要。フォロアーの数やファンの数ばかりでなく、アクションを起こしてもらうことにこそ価値があるといえます。

だから、挨拶や簡単な質問、天気や季節の話題のような「普段の会話」がソーシャルメディアでは大切なコンテンツになります。

ちなみに、Gooleの検索結果にFacebookの"Like"の機能を連動させた"+Like"なるアプリも開発されたようです。












2011年4月4日月曜日

Facebook Questions、企業アカウントではどのように使う?:関わり合いを深めるという視点から




先月下旬に発表されたFacebookの新機能、Qurstions。Tech Crunchの記事「Facebookの新しいQuestionsにはあなたのソーシャルグラフが答をくれる」にも書かれていましたが、

当時本誌は、それが巨大な機能になると予言した。なにしろユーザ数が5億(今は6億)だから、すぐにYahoo Answersなどを凌ぐQ&Aサイトになり、トラフィックを大きく押し上げるだろう。

という事にはならず、知り合いのネットワークから回答を得られる、という仕組みでした。

むしろそれは、Facebookの伝統の’ソーシャル’の線に沿ったものになり、質問はフレンドのNews Feedsに人気投票アンケートのような形で現れる。それを見たフレンドは、「この中のどれを選ぶか」というタイプの質問に答えたり、あるいは新たに自分の答を書いたりできる。第一印象としては、名前はQuestions(質問)よりもPolls(投票)のほうがふさわしい、と思った。
ではこのQuestions、企業にとってはどのような利用価値があるのでしょうか。

その可能性を示唆するOxford Communicationsというマーケティングエージェンシーのインタビュー記事があったのでご紹介。

ブランドや、ビジネス、グループや組織はQuestionを様々な方法で使う事ができる。例えば、

・アイスクリーム店がどんなフレーバーを週に提供すべきかを知ることができる
・ジムがヒップホップヨガを行う一番いい時間を知ることができる
・ラジオ局が夏の最もホットなコンサートを決めることができる
・製造業がファンの休日のショッピングの計画の傾向を知ることができる

なるほど、ブランドのファンに対して意見を聞く、というのは確かに有益な情報が得られそうですし、関わりあいを深めること(Engagement)ができますね。以前、「ソーシャルメディアで最も効果的なマーケティングコミュニケーションは「普段の会話」:Stream marketing が今後重要に」というエントリでもご紹介しましたが、


ソーシャルネットワークサイト上で最も効果的なマーケティングコミュニケーションが、シンプルで、ランダムで、暦と関係した陳腐な発言や質問、ブランドとは無関係の思いつきの質問など

であり、例えばOREOのファンページを覗いてみると、
  
フォークや他のものを使ってオレオを飲み物に浸して食べた(Dunk)ことはありますか?> 8,200のLike! と2,300のコメント
 
どんなフレーバーでもいいので、オレオの新フレーバーを作るとしたら何にしますか?> 7,100のLikeと12,500のコメント
 
抜き打ちテスト:Twist、lick、それから...>6,500のLikesと6,200のコメント

こんな結果を見ることができます。

また、Questionには、

ユーザーによる複数回答の追加ができるように設定が可能で、この場合、企業が本当に示すべき回答を消費者から学ぶことができます。

とのことなので、これも便利そうだし、参加をさらに促すことにつながりそう。

でもこのQuestions、これまでFacebookページでサードパーティから提供されてきた"Poll"のようなアプリとは何が違うの?ということについては、

アプリケーションの場合は個人情報へのアクセスに関する許諾が必要とされるが、Questionではそれがなく、アプリを使用していない友人にも回答をもらえます

確かに自分の情報へのアクセスについては多少なりとも抵抗がありますから、それがないのは敷居を下げることになるので、企業にとってもありがたい限り。

上で示された使用例以外でも、Facebook上で行うキャンペーンやイベントについての意見をQuestions経由でとり、それを反映させる、という事もできるでしょうから、例えば、

・キャンペーンの景品でどれが欲しいか?
・キャンペーンストーリーの次の展開はAとBのどちらがいいと思うか?
・質問に対する回答が1000集まったら、最も人気のあったものをプレゼント

のような質問を入れてリアルタイムに参加者の意見を聞きながらFacebookキャンペーンを行う、ということもできますね
 
関わり合いが増えればエッジランクもおのずと上がり、注目度も高まる、、、はず。

うーん、なんだかちょっと楽しそうですね。