今年2月8日、アメリカの運輸省から電子制御装置に欠陥はなかったとの安全宣言が出され、業績も回復、一旦は幕を閉じることになったトヨタの大規模リコール。
そのトヨタが危機的状況にある中、ブランドアドボカシー(推奨)を築くために、どのようにソーシャルメディアを活用したかについて、アメリカ国内のデジタルマーケティング & ソーシャルメディアマネージャー、Kimberley Gardiner氏のプレゼンテーションとそのサマリが紹介されていたので、サマリのほうを抄訳にて。
経営陣を前面に出すトヨタのアメリカにおけるCEOのJim Lentsを、リコールの真っ最中にDigg上で、コミュニティから寄せられる質問に回答させました。会社のトップを出して回答させたことによってブランドイメージを和らげることに成功しました。
ポジティブなニュースを作るブランドに関するネガティブな意見に対し、トヨタはポジティブな会話を生みだす面白いコンテンツを作りました。"Swagger Wagon"というミニバンSiennaを発売するときに使ったバイラルビデオです。(チャンネルの)再生回数は1,100万回を超え、数か月がったった今でもそのことが人々の話題に上ります。このキャンペーンは消費者に投稿を呼び掛けるコンテストになりました。
ブランドの推奨者の声を見つけるトヨタのソーシャルチャネルは、消費者が自らポジティブな意見とブランド体験とを共有する場となりました。それがきっかけで"Autobiography"という、消費者が自分の車についての物語りを、文章や写真、動画等で投稿できるキャンペーンを行いました。1,380ものストーリーが集まり、2か月でトヨタのFacebookページの"Like"は倍になりました。
トヨタのリコール発生当初のソーシャルメディア上の対応については、筆者も「トップ自らが積極的に参加する、米トヨタのソーシャルメディアを活用したダメージコントロール」というエントリで紹介しましたが、初期の時点で積極的にトップが対話を行うフェーズから、消費者との対話を通じて周りの状況(空気)の変化を理解しつつ、それに合ったキャンペーンを順次展開してきた様子がうかがえますね。
Kimberley Gardiner氏のプレゼンテーションは以下の動画はこちらからご覧になることができます。
ご参考:
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