The New York Timesではsocial media editor のポジションを廃止する方向にある、とのエントリがありました。
Timesにおいてそのポジションを務めていたのがJennifer Preston氏。social media editor とは何ぞや?というところですが、「Twitterはランチについてつぶやくためのものだろ」という発言もあるほどだった社員に対して、記事のプロモートや特ダネの速報だけではなく、コミュニティを作り、新しい読者を獲得する場として、いかにソーシャルメディアを活用していくかを伝え、定着させていくのが仕事のようです。
このポジションにPreston氏がついたのが2009年の5月26日なので、約1年半をもってTimesにとって最初でおそらく最後のsocial media editor の役割をおえようという段階にあることになります。
この動きはTimeの紙とデジタルをより深く統合させる動きの一環です。これはまた、ソーシャルメディアは共同で責任を持つべきものであり、すでにそうなっている、との認識によるものです。「ソーシャルメディアは一人の人に属するものではありません。全員の仕事の一部であるべきです。それは今の編集/制作プロセスに統合されなければならない。」とPreston氏。
面白いのが、Preston氏自身はソーシャルメディアで存在感のある、精通した人ではなかったという事実。だからこそ逆に、社内でソーシャルメディアに詳しい記者達のグループを作れたそうです。特に新聞のような紙メディアにおいては反発のようなものもあり、Preston氏のような人が、橋渡しとして必要だったのかもしれません。
これとは趣旨の違うエントリですが、似たような視点を示しているものを先週読みました。それは次のように始まります。
ソーシャルの"専門家"や"第一人者"達は、企業がソーシャルマーケティングを導入する際に戦略と計画が必要、というがそれは違う。最初に必要なのは、カスタマーサポートの精神を社員に教育することです。企業が好むと好まざるとにかかわらず、どの部門も顧客と接する機会があります。それは経理から受付、CEOに至るまで。
記事全体で伝えているのは、顧客の声を聞くことや、普段の顧客との接し方の大切さなのですが、同時に筆者が受け取ったメッセージは、今はどの部門もソーシャルメディアを通じて顧客との接点がもてるようになった、ということでした。
日本でも多くの企業がTwitterにアカウントを持ち運用を行った2010年は、ソーシャルメディア活動をを実施した1年だったといえると思います。でもそれは多くの企業において、1部の部門、一握りの担当者が運営していたものだと思います。
Timesにおけるsocial media editor がその役目を終えようとしているように、多くの企業にとってソーシャルメディア担当、というポジションの意味合いが特別なものでなくなっていき、ソーシャルメディアに企業としてもっと広く、深く参加しはじめるのが2011年になるのではないしょうか。
ご参考:
0 件のコメント:
コメントを投稿