PR担当です。広告使います。コラボします。ソーシャルメディア使います。記者さんともコンタクトします。
何でこんな発言をしたかというと、私のタイムラインに流れてくるPR関連のコメントを読んでいて、PR担当はもっといろんなことをしてもいいはずなんだけどなぁ、と思ったからです。
筆者は今所属する会社で、基本的に「PR担当」という職務を与えられています。ですが上記発言のとおり、一般的にPR担当が行うと思われる以上のことをさせていただいています。
ただし広告費などの予算は持っていないので、色々とレバレッジを利かせることで横断的な活動を実現しています。
ということで、今日は筆者がしている仕事の一例をご紹介し、PR担当が仕掛けるコラボと広告の説明をしてみたいと思います。
筆者が勤務している会社は、デモグラでいうとF1層のユーザーが中心のコンテンツビジネスを行っています。通常のメディアリレーションの考え方だと、女性誌などの媒体を通じて情報を伝える、ということになりますが、例えばファッション誌でコンテンツを扱うページがあるでしょうか?
ありません。露出させる枠がないので、掲載されず、情報を届けることができない、となります。
そこで登場するのがコラボです。
女性誌の中には公式ホームページや有料の携帯サイトを運営しているところがあります。ここにアプローチをします。編集部ではなく、Web担当にコンタクトし、一部コンテンツの無料提供とバーターで、特設ページを作っていただき、「もっとほしい人はこちらへ」という具合にリンクアウトして自社サイトへトラフィックを誘導していただきます。
コンセプトとしては、伝統的なPRの「プレゼントパブリシティ」と同じです。違いは既存の枠にあわせるのではなく、自ら枠を生み出す、という点です。
パートナー側のサイト運営者としては、既存ユーザーの満足度向上や活性化、退会防止に役立てることができるので、双方にメリットがあります。
さらにこの仕組みの良い点は、編集と広告を巻き込むことができる点です。
サイト上でコラボを行い、通常では手に入らないコンテンツを提供できるということは、サイトへの新たな訪問者や会員獲得の機会となります。これで何が起こるかというと、サイト上のコンテンツコラボの告知を雑誌の編集ページで行い、さらには自社広告を出していただることになります。
そして、パートナーサイト上の訪問者数が増えれば、筆者の所属する会社のサイトへの訪問者数も自動的に増えることになります。
このケースは「メディアリレーションズ」の延長であり、コストも特別かからないのでPR担当が行っていることはごく自然であり、筆者としてはオンライン、オフラインでのメディア露出に加えて、自社サイトへのトラフィック創出を通じて直接的な収益への貢献もできる、ということになります。
これにソーシャルメディアを加えると、興味をもってくれている人に対して直接キャンペーンのお知らせをすることができるようになります。「無料」などのお得な情報であればそれがシェアされる確立も高まり、コラボページへのダイレクトなトラフィックとなります。とくに小さめのキャンペーン情報は、社内調整や配信コストのかかるプレスリリースは出せないので、このチャネルが活かされるのです。
ちなみに、自社メディアが無いパートナーと組む場合は、ポータルサイトやメールなどでの広告になることもあります。コラボ企画をしていることがわかるバナーやメール広告は通常よりもCTRが高くなり、ROIも高くなります。
既存のメディアリレーションだけでは、枠がないと掲載されずターゲットに届かない。じゃぁどうしようか、ということから様々な方法でターゲットに情報をお届けしているのですが、根底にある考え方は共通しています。
「価値あるコンテンツと露出のバーター」です。この考え方はPR担当の方であれば説明不要でしょう。
PRはPublic Relationsの略です。そのことを口にするPR担当者は多くいますが、業務をメディアリレーションズだけに狭めているのはPR担当自身かもしれません。
既存の広告、PR、SPなどの壁は意識せず、多くの人と相思相愛になれる仕組みを作ったもの勝ちなわけで、枠は自分で設定すればいいのです。
事業内容や社風によって前提は異なると思いますが、広告を買う予算が無いなら持っている人に使ってもらえる流れを作ればよいのです。例えば、あるメディアで自社の製品・サービスの露出が決まっている場合、リスティング広告のキーワードにそれを事前に加えてもらう、ということだけでもいいかもしれません。
Start smallで、できるところから、パブリックとの接点を増やす工夫をしてみてはいかがでしょうか?
ということで筆者のブログもタイトルも変えてみました。