2010年8月30日月曜日

Facebookがあればホームページは要らない? :普及率約7割のアメリカでちょっと話題の議論



日本でのユニークビジター数450万人というデータもあり、確実に利用が増えているFacebook。

140文字という非常に制限のあるTwitterに比べ、Facebookの場合はコンテンツを非常にリッチにすることができます。

どのくらいリッチにできるかを、現在1100万人以上のファンがいるCoca-Colaを例にとって見ると、

掲示板
基本データ
Coca−Cola
写真
動画
ディスカッション
イベント
Fan Downloads
Expedition 206
Secret forum(秘密の製法)
Ahh Giver
Live Positivity
アンケート
リンク
ボックス
Summer
OpenUp Downloads
Photo Contest
Page Creators
Rumble Bug
と、単純に羅列しただけですがこのボリューム。

サイト内の投稿イベントや、キャンペーン、ダウンロードなどできることが多様にあります。またFacebookでは、Paypalによる決済もできます。

ここまでそろっているとなると、ひとつの疑問が出てきます。

「企業のホームページ、もしかしていらないんじゃない?」

そんな疑問をテーマにしたエントリをここ最近よく見かけたので、ちょっと(というかかなり抜粋しながら)まとめてみました。

第一にオンライン上での情報交換の変化。これまで私たちは"Webページ"を読んでいましたが、今コンテンツはより小さく、端的な"ソーシャルなもの"に変わってきています。このことはこれまでページランキングなどを行ってきたGoogleの役割も変えようとしています。

第二に機能。Webサイトに投資を続けたのは、Facebookページの機能が不十分だったから。でも今は、North Social のような簡単にFacebookのタブをカスタマイズするサービスがあり、これまでwebサイトで提供していたことのほとんどがファンページでできるようになりました。また、ShopTab などを通じてeコマースのプラットフォームとして使うことが増え、ファン登録者を増やすだけでなく直接マネタイズ可能なことを証明しています。

Facebookのwebサイトへの攻撃の最後は、プッシュからプルへという部分。これまでWebサイトでは価値あるコンテンツを作り続け、SEOやPR、広告などを通じて知らしめてきました。が、今や5億ユーザーのいるFacebookでは、すでに顧客へのアクセスが可能になっています(かつてのAOLのように)。これを利用しない手は無いですよね? 
結果的に、今日ブランドは分散しています(もし崩壊していなければ)。購入、ロイヤルティ、推薦のサイクルの中の様々な段階で、消費者との会合や交流のために、より小さな住まいや、賃貸のアパート、いわば「ブランドスタンド」とでも言うところにまでブランドの「ホーム」の境界線は広がっています。Facebookのファンページはその代表的なもの。

(しかし)あなたが「所有する」Webサイトは重要。Webサイトはデータベースに情報をフィードし、サイトを楽しんだユーザーは優良顧客となり、バイラルを生みます。これが直接的なフィードバックのフロー(Webサイト)に対して、死刑宣告を与えない大きな理由です。AppleのWebサイトがもっとも重要かつ効果的なマーケティングツールであり、Patagoniaのサイトが推奨者の"tribe(部族)"を育てているように。

今ブランドが行うべきは、サイト戦略の再考とリフレッシュです。柔軟性と敏捷性は、今日もとめられているものです。そしてまた、オープンなフィードバックのプロトコルと、温かくお出迎えするマットも必要。これによってすべてのブランドスタンドで、一貫してハッピーなブランドの側面を強めることができます。訪問者に対して検索、発見をしやすくし、あらゆる方法で回覧(シェア)を行う機会の提供も必要です。

だから、webサイトを放棄しないように。傾聴し、適応し、ブランドスタンドの爆発するネットワークを充填しましょう。"webマスター"から、よりソーシャルな"spoke caster (スポーク付の車輪)"という発想をしましょう

ブランドの伝統的なwebベースの"owned media"が衰退し、消費者がソーシャルメディアに向かうことによって、多くのマーケターにとって、Facebook上のファンは、最大のプレゼンスとなり、ブランドサイトやeメールを上回るものとなっています

(データベースマーケティングコンサルティングの)DBM/Scanは、Facebookを現在は無料の「(Experian社のような)巨大なリストブローカー」と見ています。

1070万人のFacebookファンがいるCoca-Cola。この数はMyTownやFoursquareの登録者数の3〜4倍にあたります。この数は、アメリカの7月の訪問者数は昨年比で40%落ち込み24万2千となったコークのブランドサイトの訪問者数を明らかに上回るものです。

一方、現在最大のFacebookファン(約1300万人)を擁するStarbucksのwebトラフィックは、数年間大きく変化していません。 Staebucks.comでは、かなりのeコマースのトラフィックもあります。約60万人のファンがいるドラッグストアのWalgreensのサイトも、7月に670万のトラフィックを記録し、まったく低下していません。

Walgreensは、Facebook内では、(即答を求める質問を含め)頻繁に状況のアップデートを行うことが最も機能する、ということを理解しています。 









当然ですが、FacebookがあればWebサイトはいらない?という疑問自体、Facebook普及が約70%というアメリカならではの議論といえます(2010年7月のコムスコア社調査データでは訪問者数が約146億人で68.1%のリーチ)。

Facebookが日本でも浸透していくかどうかは定かではありませんが、同じような状況が今後生まれても何ら不思議はありません。

Facebook上のブランドのファンページは、トリプルメディア(Paid, Owned, Earned)の分類で言うと、間借りしている状態のOwned Mediaです。Facebook側の運用方針の変更(例えば有料化や従量制による税など)があれば従わざるを得ず、100%コントロールできるOwnedメディアではありません。

そのリスクを理解したうえで、StarbucksやWalgreensのようにWebサイトとFacebookに担わせる役割を明確にして双方を活用していくことは、今後のサイト/コンテンツ戦略を考える上で重要なポイントと言えそうですね。















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