2010年1月24日日曜日

Buzzは安く作れる、というのは幻想


YouGov's BrandIndexという企業ブランドの調査会社のデータとともに、"Big Spenders Get the Most Buzz"という興味深い記事が、AdAgeに出ていたのでご紹介。
チャートを見るとわかるように、
・Biggest Decline in Perceived Value
・Biggest Decline in Buzz
の部分には、リーマンショック以降の金融危機で大打撃を受けた、銀行や証券会社、自動車会社やその製品ブランドがずらり。
当然とういえば当然なのですが、そのような状況においても、モルガンスタンレーやフォードは実はブランド価値の向上やBuzzの形成に成功している、というから驚きです。
特にBiggest Improvement in Buzz 1位、Biggest Improvement in Perceived Value 2位となったフォードのケースを見ると、LGが大量に広告を投下して国民的イベントとして実施した、今年で3回目となるtexting contest(携帯電話のテキスト入力の速さと正確さを競うもの)への協賛がフォードのブランド価値向上に貢献し、その一方、フォードは政府の公的支援を辞退し、独自に財務体質を改善したことを強調したことでBuzzを獲得した、とのこと。
実際には、企業努力とマーコムへの資本投下がかみ合った結果なので、"Big Spenders Get the Most Buzz"とは言い切れないと思いますが、投資がBuzzの醸成に貢献したことには変わりないと思います。
(成功事例もありますが)Buzzは安く作れるという甘い幻想だけではなく、Buzzを作るには投資が必要ということもきちんと認識しないといけないですね。
ちなみにフォードは、23日付の4半期決算によると見事黒字転換までしたようで、ブランド価値の向上やBuzzも業績に寄与した、と言えるのではないでしょうか?
フォード、利益回復への模範演技・4-6月期は黒字転換
ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米フォード・モーター(NYSE:F)が23日発表した4-6月期決算は黒字を回復し、経営安定化の兆しをみせた。純損益は23億ドルの黒字(前年同期は86億7000万ドルの赤字)、1株損益は0.69ドルの黒字(同3.89ドルの赤字)。ただこの黒字は、4-6月期に取り組んだ大規模な債務再編による特別利益によるところが大きい。こうした特別利益を除くと4億2400万ドルの赤字になるが、それでも比較可能な赤字は前年同期の10億3000万ドルから大幅に圧縮され、またアナリストの予想よりもかなり良い数字。(Nikkei Net

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