必然的に記者を短期で回すことは避け、ある程度分野を絞った長期ローテーションにならざるを得ない。この点、私が一番脅威に思う存在はやはり日経新聞である。産業分野も含めた人的配分は圧倒的であり、除名されても単独でクラブに匹敵するプレゼンスがある。長期ローテーションやられたら圧勝でしょう。
記者クラブによる情報独占を楯にして、談合によってこの有料化戦略を成功させればいい、と主張しているのである。
との考えを持っている人がいることを紹介し、もしそうなった場合、オンライン上で無料戦略をとるメディアはクラブを除名され、
独自のニュースソースによってオリジナルの記事を書くことしかできなくなり、発表モノを報じることはできなくなってしまう。この結果、ウェブ上では無料のニュースはごくわずかしかなくなってしまい、みんな新聞社の有料サービスに申し込まざるを得なくなる。
との見解を展開していました。記事の6割が「発表モノ」であると言われる中、これは致命的に思われます。
これに対し本石町日記さんの「あるメディアが記者クラブを除名されたら…=逆説的だが、超強力なメディアになるかも」というエントリでは、「発表モノ」はHPなどで開示されているので、除名されたメディアは、 「人とのコンタクト」を重要視するようになるだろう、との意見が述べられていました。
「記者クラブ」は記者を短期間でぐるぐる回すメディアには便利なシステムで、取材が容易になるインフラという側面が強い。従って、除名されたメディアは既存のつながりを一層大事にし、その後の人的ネットワークも非常に大事にする取材体制にすると考えられる。
個人的には後者の本石町日記さんの意見に賛成というか、そうなってほしい、と思っている立場です。
取材が容易になるインフラというのは、企業側の視点で言うと「効率的に発表しやすい」ということなので、実際記者クラブに対してはメディア、官民ともに相互依存している状態だと思います。
一方でこの体制が、画一的な記事を各紙が書く一因にもなっているのも事実だと思います。また、1年単位で(クラブの)担当記者が変わることで、記者の知識が表層的になり、独自の視点やメディアとしての独自性が海外メディアに比べて損なわれてしまっているとも思います。
もし本石町日記さんの指摘のように、長期ローテーションで記者が担当をすることになれば、豊富な知識を持つ記者の視点、メディアとしての独自性を結果強めることになり、画一的でない、ジャーナリズムとしてのポジションをそのメディアは確立することができるかもしれません。
そうなると、オンラインでもそのメディア、ひいては取材記者の「指名買い」に近い状態が発生し、Yahoo!ニュースなどでも人気のパブリッシャーとなれるのではないでしょうか。
よく言われることですが、「重要なのはコンテンツ」ということとでしょう。
Posted via web from Capote's Connected Communications - 続・広報の視点
0 件のコメント:
コメントを投稿