2012年9月18日火曜日

「iPhone 5」発表の裏で繰り広げられていたTwitterのトレンドトピック争奪戦:ハイジャックされる危険性もあるプロモトレンド広告



米国時間9月12日に発表されたiPhone 5。その熱狂はTwitterなどのSNS上でもあふれかえっていますが、その波に対抗するかのごとく、サムソンがTwitterのトレンドトピックを購入(プロモトレンド)していたようです。
購入していたのは"#DontWait"。

アップルの新製品など待たずに、世界販売台数が2000万台を突破と絶好調な「ギャラクシーS3」を買おう、というのが趣旨のハッシュタグ。それだけではなく、「iPhone」や「iPhone 5」などの検索キーワードに対してツイートを表示させる「プロモツイート in サーチ」も購入もしていた模様

焼け石に水だったのではという感じがしますが、下のツイートは711回りツイートがされ「ギャラクシーS3」支持者からの熱い反応は見受けられました。


今"#DontWait"で検索すると、別のプロモツイートが表示され、このハッシュタグ自体が検索キーワードとして他社に購入されていることが分かります。





うーん、まさしく、リアルタイムマーケティング。今後はこういう使われ方も増えていくのでしょうか?


さて、このハッシュタグの購入は、先日行われた共和党と民主党の全国大会において両陣営がそれぞれ購入しましたが、目的通りの役割は果たしていないようで、例えばRomney陣営が民主党全国大会の初日にあたる9/4に購入したトレンドトピック"#AreYouBetterOff(暮らし向きは良いですか?)"は、現オバマ政権によって生活に苦しんでいる人のツイートを誘発することを目的としていましたが、Yesと答えた人はNoと答えた人の5倍と逆効果ともいえる結果に。




同じことはオバマ陣営にも起こり、ツイート記録を生んだ民主党全国大会最終日に購入した"#Forward2012"には、下のようなものをはじめとする、ネガティブな反応も寄せられました。











さて、Twitterのプロモトレンドは、マクドナルドの"#McDStories"の事例が有名ですが、広告主側の意図に反するコメントであふれかえる「ハイジャック現象」が発生するケースがあり、なかなか難しい商品ですが、Twitterの広告収入は増加しており、事例も出てきていることを考えると、今後購入を検討する機会も増えるのではないでしょうか?


Twitter Ad Revenues Worldwide, 2010-2014 (millions and % change)

間違った購入をしないためのポイントとしては、

あえて狙っている場合以外は、賛否両論を生むトピックは避ける:特に政治に関するものや、商品やサービスに対する感想を問うものなど。

あやふやなものではなく目的が具体的なトピックを設定する:例えば同じ政治でも"#投票しました"のような具体的行動を促し、可視化するものであればあまりおかしな結果にはならないでしょう。

ディスカウントやインセンティブなどのポジティブなものと連動させる:ハッシュタグが使われただけ安くなる等、使用目的が明確なものはキャンペーンの結果にも連動しやすくなるでしょう。

と、いったところでしょうか。

ご参考: