「Twitter、サードパーティーによるツイート表示に制限 まずLinkedInで終了」 というニュースが先月末出ており、ご覧になった方も多いと思います。この記事は、
TweetieとTweetDeckは買収して公式アプリにし、「サードパーティーは公式クライアントをまねたTwitterクライアントアプリを開発すべきではない」と発言したり、サードパーティーによるタイムラインでの広告ツイート表示を禁止するなど、サードパーティーに対する制限を段階的に厳しくしてきている。
という締め方をしていましたが、この動きは、Twitterが、Expanded tweetsの導入し、検索機能の強化するなどのアップデートにより、Twitter上での体験をリッチなものにしてメディアプラットフォーム化を強め、広告によるマネタイズを目指していることと合致します。
数か月の内に大きな変更が予定されており、それによってTwitterは開発者に人気のオープンプラットフォームから、Facebookのような閉鎖空間へと向かう事になる。
今回のLinkedInとのAPI連携に制限を加えたことに関して、詳細については書かれていないものの、関係者の発言として上記コメントが「TwitterはFacebookのように閉鎖空間への道を進む」という記事の中で引用されていました。
同記事ではまた、
Twitterは、オープンウェブと繋がっていない、閉鎖空間にはならないでしょう。しかし、サードパーティクライアントよりも、ユーザーが自社の企業のウェブサイト、モバイルアプリを通じてアクセスするFacebookのような閉鎖的なエコシステムが、大手ブランドの広告主を惹きつけ有意義な収入を生み出すにはベストである、と同社の幹部は考えている。
という見解も示されていました。
TwitterはこれまでAPIを公開することで様々なサービスが開発され、それを通じてTwitterの利用者層が拡大するという歴史的な背景があったことを考えると、この移行は簡単ではないと思われますが、この流れは「無料でユーザーを広げ、後からマネタイズを考える」というサービス展開の一つの典型例と言えそう。
記事内ではサードパーティ各社のコメントが引用されていましたが、ニューヨークに拠点を持つインキュベーターbetaworks社のCEO、John Borthwick氏のコメントを最後にご紹介(betaworks社はTwitterやTwitterが買収したTweetDeckに投資をしていた)。
私はAPIは間違いなくメディアよりも大きなビジネスを生むと考えていますが、その質問は現時点では非現実的でしょう。2年前にTwitterは道を閉ざし、それを続けています。私は彼らが新しいメディアビジネスに成功してほしいと望んでいますが、サードパーティに対して制限を加えるのであれば、彼らには次のことを期待しています。 (a) 素晴らしいクライアントを作る (b) Twitter上に価値あるサービスが開発されること対価としてサードパーティがAPIにアクセスできるようにする。これはゼロサムゲームである必要はないでしょう。
ご参考: