2012年4月9日月曜日

非ビジュアル系企業でもPinterestは活用できる、ということを示している好事例:Pinterest向きとは言えない生理用品ブランドによるキャンペーンなど




急成長が続いているPinterestが人気SNSの第3位になった、という調査レポートがExperian Marketing Services社から発表されました(2012年3月のアメリカ国内の訪問者数で3位)。

私が最初にPinterestのことを取り上げたのはまだ日本ではその勢いがあまり伝えられなかった昨年12月でしたが、今年に入ってから急成長がさらに加速し、オバマ大統領まで開始したほど。まぁ、今年は選挙もあることですし、Pinterestのメインユーザーである女性に訴えかけるツールとしてはありなのでしょう。

そんなこともあり、最近見かけたPinterestの好事例を少しまとめてみたいと思います。

Pinterestは、ビジュアル性が重視されるため、フィットする業界とそうでない業界が必然的に生まれてしまいます。Pinterestに向いている業種の代表例はメディアでしょう。例えば下の画像はELLEのアカウントですが、「レッドカーペットファッション」「ELLEセレブリティズ」「ヘアスタイル」などなど、ボードの名前を列挙するだけで楽しそうですし、各画像は当然オンライン版のメディアへの流入もとになっています。

でも、今日詳しくご紹介したいのはPinterest向けとは言えな企業でも活用のヒントになりそうな事例

最初の事例は、自動車メーカープジョーのPeugeot Panamaのアカウントです。


車の画像をパズルのピースのように分解してPinする手法は他でもよく見ますが、秀逸なのがパズル化したPinをキャンペーンに活用している点。Peugeot Puzzle Contestは、

・@Peugeot Panama のアカウントをフォローし
・Peugeot Puzzle Contestという名前でボードを作り
・パズルが完成したことを伝えると先着5名が商品をもらえる

という仕組み。

足りないパズルのピースがどこにあるかというと、Peugeot PanamaのFacebookページ公式サイト他のサイトを利用しているのは良いポイントですね。

次にご紹介したいのは、イスラエルの生理用品メーカーKotexのケース。生理用品ブランドなので、当然女性がターゲットとなりPinterestに目を付けたわけですが、直接商品訴求をするのは、Pinterestにはふさわしくありません。そこで行ったのが"Women’s Inspiration Day"というキャンペーン。


紹介ビデオによると、

・影響力"のある Pinterestユーザー50名を選び
・彼女たちの好みの傾向を分析
・それに基づいて手作りのプレゼントを作り送った

という実施内容。

結果、制作した50のプレゼントボックスに対して、50名ほぼ全員が自身のPinterestで贈り物をPinし、それがFacebookや、Instagramにも波及。合計で694,853インプレッションを獲得したそうです。


ターゲットの中からインフルエンサーを探し、一人ひとりに合わせたアプローチをする、というとても基本に忠実で心のこもった、このキャンペーン自社製品をPinterestでは出しにくなぁ、という業界でもPinterestを通じて顧客と豊かな関係が作れる、といういい事例だと思います。

Kotexの事例は紹介ビデオを見ていも具体的な手法が今一つ分からなかったので色々調べてみました。以下自分用メモの詳細なので、興味のない方はスキップしてください。

<インフルエンサーへのアプローチ>
Get Inspiredというキャンペーンアカウント(キャッシュ)を作り


そこから直接コンタクトし、以下のメッセージを残す。

"Kotex loves the way you express yourself! Like our photo and we will show u the unique way we express ourselves… http://pinterest.com/pin/75..."

その様子がこちら(キャッシュ)。


<Repin>
指定されたURL(飛び先は削除済み)は、Get InspiredのPinで、これをRepinする。その後再度連絡をとって送り先等の個人情報取得をしたのでしょう。


<実際のプレゼント画像>












他の事例として、Pinterestを使って1から81の番号が振られた画像をRepinしてくれた人の中から毎週抽選でプレゼントがあたる宝くじ感覚なイギリスのbim Airlinesの施策はシンプルですが、応用しやすいでしょう。


また、女性の中では、Pinterestのレシピ画像にインスパイアされてPintrest partyなるものを開催する現象も起きているようで、



例えば食品メーカーなら自社の製品を使った楽しいレシピをPinしていけば、こうした現象をマーケティングに活用できそうです。

単に売りたい商品をダイレクトに訴求するのではなく、会話(この場合Repin)を生むようなコンテンツや、役に立つコンテンツを提供する、という他のソーシャルメディア原則は、Pinterestでも同じですね(同じというよりその傾向はより強いのでしょうね)。