2012年3月5日月曜日

Facebookの新広告Reach Generator:ページの仕様変更とセットでマーケティングプラットフォーム化を進めるFacebook




先週、Facebookページの完全リニューアルが行われました。これにより、アメリカ時間の3/31にはすべてのFacebookページがタイムライン形式に切り替えられることになります。Facebookページの運用者にとっては、いわゆるLike gatingができなくなるなど、いくつかの方針変更を迫られることになります。

さて、Facebook Marketing Conferenceで発表されたことで、Facebookページのリニューアルと同じく大きなインパクトがあったものが、新広告商品の"Reach Generator"です。

上の図にあるように、"Reach Generator"を使うとFacebookページの投稿が、これまでのsponsored storyに当たるページ右側の広告枠に出せるだけでなく、モバイルやタブレットを含むニュースフィード上やログアウトページにも露出ができるようになります(ログアウトページの広告は4月以降利用可能)。

また、Reach Generatorを使うと、多くのひとにリーチする可能性が最も高い投稿の選択を自動的にサポートしてくれる、というおまけ付き。

Reach Generatorの有料配信システムを使ったBen & Jerry'sは、98%のファンにリーチし3倍のROIを生み、他のページでも75%のファンにリーチした。

とのことで、Likeで繋がったファンに対して、コンテンツを発見してもらえる機会提供を確立を飛躍的に高めてくれそうです。

これが必要な理由は

Facebook書き込みは友達の16%にしか届いていない。ちなみに16%はユーザーだけの数字ではない。ビジネスページの平均リーチ率も同じjp.techcrunch.com

という問題を解決する必要があるため。

今回のFacebookページリニューアル、ページデザインが変わるのは良いのですが結局見られるのはページではなく、自分のフィードに届くコンテンツ(しかもハイライト側)がほとんどであることを考えると、マーケターにとってはLike gatingができなくなる今回の仕様変更は、得るものと失うものが等価ではないという意見もありそうですね。

さらに、ファンへのリーチ不足は有料広告で補ってねというReach Generatorのセットによって、Facebookはマーケティングプラットフォームとしての体制を複合的に強化したことになります。

Facebook曰く

ソーシャルメディアは顧客と企業との関係を、薬局のカウンターに立っている店員があなたの名前を知っていた「古き良き日」のものに戻す(via thenextweb.com

という考えをカンファレンスで提示したようですが、文字通りそれを行うには企業側でそれなりの体制が無いことには無理でしょうし、それこそ人件費を含めた費用対効果としては確実に赤字になるでしょう。

Facebookがマーケティングプラットフォームとしての変貌を遂げていく一方、企業にとっては自社コンテンツの埋没を避けるために運用コストをさらに掛けねばという流れになると思いますが、そうなるとさらなるROIの証明が求められます。

なんだかFacebookに上手くやられてしまっている感もありますが、Facebookが無料で活用できるプラットフォームであることに変わりはなく、そこを使わせてもらっている企業としては、要所要所で効率的にコストを投じていくのがいいのでしょうね。