2011年12月19日月曜日

Facebook以上の効果も生まれている注目の新サービスPinterest:特徴的な利用者属性とセルフプロモーションを嫌うポリシー




先日TechCrunchでも「一般および投資家から熱い注目を集めるPinterest、6月比2,000%のページビュー数を達成」として紹介されていた新サービス Pinterest。現在招待制をとっており、筆者もまだアカウント登録ができていない状態ではありますが、海外では最近その存在に言及する記事が増え始めているので、ちょっとご紹介。

簡単にいってしまうと、Pinterestは、画像に特化したブックマークサービスで、flickrとDelicious(日本なら「はてな」)が合わさったようなサービスです。関心のある画像を張りつけ(Pin)、それを張りなおすRepinやLike、コメントなどがつけられるもの。

人気のPin一覧のページをスクロールするだけでもその楽しさを体感できると思います。

さて、このPinterestですが、TechCrunchにも書かれていたように、

Pinterestのアーリーアダプターは、よくあるテック系の人々ではないのだ。投資家たちも同様の傾向を見ている。

というのがサービス利用者の特徴。

何かを検索して探すというよりも、興味のある画像を偶然発見する楽しさがポイントであるため、敷居が低く利用でき、ブックマーク元へのトラフィックも生み出しています。ちょうど自分の気になるコンテンツに偶然出会える人気サービスで、Facebookに匹敵する巨大なトラフィックソースとなっているStumbleUponにも似ていると思います(利用者にとってはどちらも時間泥棒となってしまいそうなサービスです)。

さて、利用者がテック系の人々ではない、という特徴に注目しているのは企業も同様で、既にReal Simpleや、EstyNordstromなどのライフスタイルブランドが公式アカウントを作成して、投稿(Pin)を行っています。

その効果は、というと、

リファラーという観点からみると、Printerestは巨大な流入元で、10月はFaebookからの流入を凌駕しました。それはエンゲージしているオーディエンスのパワーに訴えかけるものです。私たちはPrinterestをソーシャルメディア戦略上重要なものとして見ています。(Real Simpleマガジンのデジタル部門のGM、Shannon King氏 via adage.com

と、確かな手ごたえを感じている様子。

また、ファションブランドのLand's EndはCanvasブランドで、クリスマス商戦に合わせて、"The Holiday Pin it to Win it"というコンテストを開催中Facebookページの告知によると、

キャンペーン用のボード(Pinをするためのアルバムのようなもの)を作り、
Pinterest上のCanvas公式アカウントCanvas公式HPからお気に入りのアイテムをPinし、
ボードのリンクをメールで送る
すると、10人に1名250ドル分のCanvasのギフトカードがもらえる

という仕組みのようです。トラフィックの獲得だけではなく、プレゼントを絡めたキャンペーンを行うことで参加と、ユーザー経由の認知拡大を促す仕組みになっています。

ただし、このPintrestの利用における注意点をまとめた、Pin Etiquetteによると、

Pinterestはあなたのお気に入りをまとめ、共有するためのものです。もし自分が素晴らしいと思う写真やプロジェクトがあれば、Pinしていってください。ただし、Pinterestを、セルフプロモーション目的だけのツールとして使わないようにしてください。

と、注意事項が書かれています。確かに企業の押し売りマーケティングコンテンツばかりになってしまうと、楽しんでいたユーザーが離れて行ってしまうかもしれません。

冒頭でもふれたようにPintrestはまだ招待制をとっている状態ですが、来年には完全に公開され、注目サービスになっているかもしれません。その時セルフプロモーションを推奨しないこのエチケットが適切なレベルで守られてるとよいのですが。