先週から企業やブランド、著名人などが利用するための「ページ」機能の提供開始した「Google+」。公開開始から4カ月ほどが経ったこの新サービスは「Facebook対抗の独自ソーシャルネットワーク」という認識のされ方が一般的だと思いますが、どうもそういうわけではないようです。
11月9日〜11日まで開催されていた、Monaco Media Forumに登壇した、GoogleのChief Business Officer、Nikesh Arora氏が、The Telegraphの質問に対し、こう回答したそうです。
Google+は、私たちにとっては、ソーシャルネットワークではない
以前、Twitterの幹部が「Twitterはソーシャルネットワークではない」と発言したことを彷彿とさせます。ではGoogle+とは何か、という事になりますが、
それは、Googleが提供する全サービスにソーシャルの要素をもたらすプラットフォームです。YouTubeとGoogle+の連携や、Google検索におけるGoogle+のダイレクトコネクトにみられるように。私たちは人々を一つの場所に集め、それをソーシャルネットワークと呼ぶのではなく、ソーシャルの信号をGoogleの全製品にわたって使えるようにしようとしているのです。
要するにGoogle+とは、製品を横断するソーシャルなレイヤー、ということになると思いますが、この考え方自体は、Google+の開始後に、Edelman DigitalのEVP、David Amano氏が"The Social Layer: Six Thoughts On Where Google Plus Is Going"というエントリで示していたもので、それと同じコンセプトがいわば公式に示された、ということになります(初めてかどうかは知りませんが)。
Google+は、Facebookの直接的な競合にあたるのかどうか、という点についてのテレグラフからの質問に対しては、
「Facebookの機能と競合しているものがGoogle+にもあることは確かだ」とはぐらかした
そうです。
Google+のユーザー数は既に4,000万人に達したと公式発表されており、その増加の速度には目を見張るものがありますが、
Googleにとって、4000万の会員登録はたやすい。写真に関しては、Google+にAndroidとのシンクがあれば、簡単に10億のオーダーにいくだろう。でも、Google+のいわゆる日常的なアクティブユーザ数となると、まだまだ??がつきまとう。(via TechCrunch)
という見方があるものも事実。
「Google+はソーシャルネットワークではない」という発言が出ているということは、Facebookとの比較をされたくないのかもしれませんね、少なくともソーシャルを生かした「勝ち」の状況を作れるまでは。Arora氏の発言は、広報の観点からはそのように感じさせるものです。
どのようなポジショニングであるにしても、インターネット上の個人のデータと人の時間とを巡る両者の争いという側面は変わることはないのでしょうが。
ところで、最初にご紹介した、Monaco Media Forumのですが、その公式HPではカンファレンスが行われている間のニュースをpaper.liでまとめて表示する、というなかなかユニークな使い方をしていました。とてもシンプルですが、このような使い方があるんだなぁ、と思いました。