A day might be coming when the power of Facebook means that major companies no longer bother with their own Web sites.
via news.cnet.com
「Facebookによって、企業が自社のWebサイトに手間暇かける必要がなくなってきているかもしれない。」
これは、イギリスのFacebookでCommercial Directorを務めるStephen Haines氏が先週Technology for Marketing and Advertising というイベントで語った言葉。
以前からこうした議論は周辺でなされていましたが、実際にFacebookの幹部クラスの口から語られた記事を見るのは筆者は初めてでした。
この見方を証明するために示されたのが、Facebookユーザーが企業のLikeボタンをどのくらいクリックしているか、というデータ。
例えば、
スターバックス:180万の月間サイト訪問者に対して2110万のLikeコカコーラ:27万の月間サイト訪問者に対して2050万のLikeオレオ:29万の月間サイト訪問者に対して1010万のLikeドクターペッパー:32万5千の月間サイト訪問者に対して410万のLike
確かにこうして数字だけ比較してみると、圧倒的な開きがありますね。
また、先日参加した「ソーシャルメディアサミット2011」では、コカコーラアメリカのサイトは2010年7月のサイト訪問者数が前年比40%減少というデータが示されていました。
実際にこうしたデータをみると、ホームページは要らなくなるとまではいかなくとも、リソースをかける価値が減少すると言ってもよさそうに思えてきます。一方、Facebookでの活動をマーケティング全体の中でどのように位置づけ、そこで何を達成するのかの設計は必用ですね。
商品のサンプリングやPlacesを活用した実店舗への誘導、Facebook内でのコマース、調査やゲームなどのアプリ等々、Facebookでは本当に様々なことができ、人々に立ち寄ってもらうにはとても良いロケーションです。
でも始めるに当たってはこういうことに注意しようね、という箇条書きが記事の最後に紹介されていました。
1. Facebookページの運営を続けるコミットメント:継続的に更新し、(潜在)顧客に刺激を与え続けられなければ意味はありません。2. 批判への準備:批判は無視することもできますが、最もやってはいけないこと。いずれ発生することなので、備えが必用です。批判していた人をファンに変えてしまうような対応が理想的です。3. 顧客と関わりを深めることと、煩わせることとの見極め:ある企業のFacebookページは20万以上Likeされたが、1日に7回ものメッセージを送ったため、ファンの基盤が弱まってしまった。
国内でもFacebookを始めないと、という企業の動きが見られます。こうしたことはどれも当たり前のことですが、事前に社内で認識を同じくしておきたいところですね。
筆者個人としては、以前のエントリにも書きましたが結局こういうことだと思っています。
Facebook上のブランドのファンページは、トリプルメディア(Paid, Owned, Earned)の分類で言うと、間借りしている状態のOwned Mediaです。Facebook側の運用方針の変更(例えば有料化や従量制による税など)があれば従わざるを得ず、100%コントロールできるOwnedメディアではありません。そのリスクを理解したうえで、StarbucksやWalgreensのようにWebサイトとFacebookに担わせる役割を明確にして双方を活用していくことは、今後のサイト/コンテンツ戦略を考える上で重要なポイントと言えそうですね。