2011年1月11日火曜日

2011年ソーシャルメディアが直面する課題:成熟にともなう情報過多の弊害



via flickr by - hilari - 
ソーシャルメディアはマーケティングを楽にするものではない。ブランドを強化し、アドボカシーを活性化し、関係を強化するにはパワフルなツールではあるが、注意や投資、革新をいまだ必要とするマーケティングチャネルのひとつです。(blogs.forrester.com)
下のチャートは昨年Symos社が行った2009年と2010年のTwitter利用状況の比較調査からの引用ですが、100人以上フォローしている人の割合が、2009年の3倍の21%になっています。これは恐らく自分の知り合い以外の人も積極的にフォローするようになった結果だと思われ、調査の中でもこの事実は、"This is a significant change from last year."と表現されています。


2011年のソーシャルメディアは2010年よりも成熟が進むでしょうし、日本ではFacebookのような新たなプレイヤーの存在感も強まるでしょう。成熟に伴って起きること、それはより多くの人がつながり、活動が行われ、声があふれるということで、マーケターにとってはメッセージを届けにくくする要因となります。

そんな2011年の動向に対してForresterがレポート"2011: Now Social Media Marketing Gets Tough"を発表したようで、そのサマリの一部が公開されていました。日本の現状にも当てはまりそうなものがあるので抄訳にてご紹介。

新しいソーシャルスパムフィルターによって、多くのツイートやステータスアップデートが消費者にリーチするのを阻まれるでしょう。ソーシャルネットワークが実装するであろう、スパムフィルターは、B2Cのメッセージだけでなくピア・ツー・ピア(C2C)のメッセージも届かなくする。たとえばチェックインや、懸賞(キャンペーン)のハッシュタグ、価値の低いツイートなどは現れなくなるでしょう。

不信感の増大によって、フレンドやフォロアーの獲得、企業のソーシャルなプログラムへの参加を促すことが難しくなるでしょう。プライバシーや企業が個人を特定できるデータにアクセスすることへの問題意識が高まり、マーケターは信頼、フォロー、参加を獲得するためにより努力が必要になるでしょう。単に"Like"や"Follow Us"のボタンを設置するだけではなく。

2011年の早期に6億ユーザーを超えるであろうFacebookのジャガーノート(絶大な力)は、今後も続くでしょうが、最も成功するマーケティング施策は「Facebook以外を考える」ものになるでしょう。少なくともFacebook限定でのキャンペーンは大成功とはならないでしょう。

日本では、Facebookがインフラとなってはいないので3点目を除くと、なんとなく同じようなことが起きる、あるいはすでにおき始めているという感じがします。

特に「不信感の増大」については、ありうる話だなと思う一方、ソーシャルメディアでの活動は「親近感や信頼関係を作り出すための急がば回れ」であろうという側面もあることを考えると、やはり短期的な結果を追いすぎてバンバンソーシャルメディア施策を打つのは本末転倒になってしまうのかもしれないな、と思いました。