2010年12月27日月曜日

ソーシャルメディアは、「職」ではなく「スキル」:共有すべきソーシャルメディア・スキル


via flickr by Extra Ketchup 

先日のエントリ、「ソーシャルメディア担当が特別な意味を持たなくなる時:Social media editorを廃止するThe New York Times」が、思いのほか多くの反響を呼び、ソーシャルメディアの担当者、ということについては、多かれ少なかれ問題意識が生まれつつあるのかな、ということが感じられました。

特にその趣旨である「ソーシャルメディアは一人の人に属するものではありません。全員の仕事の一部であるべきですに共感された方が多かったようです。

さて、「それはそうだと思うけど何から始めようか」というのが次の疑問になると思いますが、書籍"THE NOW REVOLUTION"(日本語訳が出たら「なうの革命」という邦訳がつくのだろうか、、、)の共著者のブログに参考になるエントリがあったので抄訳にてご紹介。

分散させるべき5つの重要なソーシャルメディア・スキル
  
社員全員が好むと好まざるとにかかわらず、マーケティングに携わっています。
ソーシャルメディアは、「職」ではなく、「スキル」になる必要性が高まってきています。

1. ブランドの浸透と表現
かつては、マーケティングやPRが表向きの外観を作り上げていました。今は、全員に(ブランド)ガイドラインを共有し、彼ら自身のやり方でブランドを表現する必要があります。

2. 成功の測定
一部の社員がソーシャルメディアでのインパクトを計測するのではなく、全ての社員に測定方法が共有されるのがベストです。共有することで繋がりを感じ、結果への投資を感じ、自分の活動がどのように違いを生み出しているか理解できます。

3. 傾聴
自分の会社や部門、業界がどのようにソーシャルメディアでの会話に影響されているかを理解するのは普遍的な義務です。が、これもすぐに一部の人が負うだけでは済まなくなり、各部門ごとに合う目的で傾聴をおこなう必要があります。

4. 社内でのストーリー作り
機会をとらえて絶え間なくストーリーを語れるようになることは重要。1-2名の担当では、幅広くカバーすることは難しいので、受付から製造、ITまで全社員に寄稿を促すようにしましょう。そのためにはアイディアなどを共有する社内コミュニケーションのツールが必要です。

5. エンゲージメント
ソーシャルメディア担当が既存・見込み顧客とのほとんどのコミュニケーションを行うと思いますが、それが全てではありません。1-2人のソーシャルメディアのスペシャリストがオンラインのタッチポイントの全てを管理しているだけでは、時に(会話の)流れは急で広すぎます。他の社員から有志を募り、教育を施して参加させましょう。




ここで問題になるのは、やはり多くの社員が使用する時間とそれに対するリターンの正当化、だと思います。

ソーシャルメディアのROIについては(歴史のある)PRのROI同様、まだ確立されていません(Grouponのようなソーシャルコマースは別ですが)。

【ROI関連エントリ】

経営層が意欲的、という状況でもないとここまで全面的に実施する体制は作れないと思います。 とはいえ、コミッティを立ち上げる、コンテンツを社内から募る、傾聴の目的を各部門別に最適化する、などの小規模な拡大を通じて、間接的に関与する人を増やすことは可能だと思います
こうしたことはすでに実施しているところもあるでしょうし、そうでないところの場合、これもスタートスモール、ですかね。 

また、@gosuke さんが、「“ソーシャル メディア担当” の行く先」と題した連載をされているので、そちらも是非ご参考にしてみてください。