2010年10月20日水曜日

プライバシーとは自己責任:実名SNS利用の際に気をつけたいこと



FacebookのCEO、Mark Zuckerberg氏の伝記映画"The Social Network"が公開され、日本にもその反響が伝わってきた直後といってもいいでしょう、先週突如Facebook旋風が発生しました。これには「果たして偶然の一致なのだろうか」などと勘ぐってしまいたくなりましたが。

さて、日本のSNSとFacebookの両者を大きく隔てていることのひとつが実名と匿名の違い。「実名SNSは日本には不向き」という意見がある中、先日Facebook日本代表の児玉氏は、

あくまでFacebookは実名をベースにここまで成長してきました。そのなかで情報を共有することによって得られる喜び、感動、驚きこそが、最も皆さんに感じていただきたいことです。それはずっと変わりません。ですので、日本市場において、たとえば匿名性に変えるとか、実名でなくても登録していいようにFacebookを変えていくといった予定はありません。japan.cnet.com

と実名路線を変えないことを明言。

実名SNSの懸念点のひとつとなるプライバシーについて確かにね、と思えるエントリを読むことができました。

プライバシーとはコントロールであり、匿名とは違う

Seth Godinは、プライバシーについて気にかけることはない、と言っています
プライバシーのことを気にするのなら、クレジットカードは持っていないでしょう。カード会社はあなたが何にお金を使ったかを全て把握しています。また、電話も使わないでしょう、どこかであなたが話していることをスキャンしているからです。私たちが最も気をつけなければいけないのは、予期せぬサプライズです。」

私はクレジットカード会社やAmazon、Google、Facebookなどが私の情報を使うのは気にしない。そんな私が欲しいもの、わかりますか?それはコントロールです。

企業が私の情報をどのように使うかについてコントロールしたいし、私の投稿やオンライン上の誰かの写真を見られるのは友達だけと設定したときに、私の友達「だけ」が見られるようにしたい。


実際、Facebookを使っているときの不安要因はプライバシーのコントロールです。

筆者はFacebook上で公開する内容はプライベート、Twitterやブログはパブリックとわけるようにし、フレンド申請もあまり存じ上げない方の場合は承認していません。当然直接知らない方に申請することもありません。自分のプロフィールは「友達の友達まで公開」、それ以外は全て「友達まで公開」の設定にしています。

詳しくは書きませんが、Facebookでガチガチにプライベート設定したとしても、簡単にWeb上にコンテンツの一部を公開することが可能ですし、相次ぐサービスアップデートでプライバシーの設定を逐一見直す必要もあります。例えば先日導入された、Facebook Placesに連動するプライバシー設定もそのひとつです。


さらにいうと、ソーシャルメディアなどに出す情報のコントロールを完全にできるようになったとしても、事故や他人のコントロールはできず、意図を持ってその情報を使われてしまう可能性は十分にあります。

結局は自分が出す情報には自分で責任を取らなければならない、という当たり前の話になると思います。投稿されるプロファイルは蓄積され、変えることはできません。

あちらとこちら(SNSとリアル、SNS内のグループ別等)顔を使い分けるということも、あまり想定しない方がいいかな、と。(Facebookの新Groupsはそこをある程度解決してくれそうですが)

つい数日前にも「Facebookアプリがユーザーの個人情報送信」とWSJなどというニュースが話題になったばかりです(続報)。

少なくともFacebookの利用については、サービスの進化に伴うプライバシー設定の確認を都度行った方がいいと思います。