2010年7月28日水曜日

foursquare のチェックインを427%高めて、ROIのブランド、デジタルに貢献したMiss Shirley’sの事例



昨日のエントリ、
を読まれて、「まぁ多面的にROIをとらえよう、というのは分かったが、もう少し具体的に説明せよ」と思われた方もいらっしゃると思います。
そこで、というよりもたまたま面白い記事を見つけたので、そのあたりも触れながらご紹介を。
事例はfoursquareを使った、Miss Shirley’s Café というお店のもので、そのお店のMayorshipを獲得すると、
Miss Shirley's のメイヤーになると、席に着くのに待つ必要はありません。もしあなたがメイヤーなら、店員にそれを見せれてください。すぐに列の先頭にお連れいたします(4人までの団体の場合)。
The Mayor never waits for a table at Miss Shirley’s. If you’re the Mayor, show the host/hostess and you will get bumped to the top of the list (let’s be fair, no parties larger than 4). (via ethiopianreview.com)
という特典が得られる、というそれだけのシンプルなキャンペーン。
  
このキャンペーンを行ったことにより、お客さんがそのゲームに参加してMayorの座を競い合っていたそうです。その結果として、froursquareのチェックインは427%上昇したとのこと。
Foursquare checkins at Miss Shirley's Roland Park location increased dramatically when they added a foursquare mayor special
またこのキャンペーンは話題となり、ポジティブな記事やブログエントリなども書かれたそうです。
獲得できたこと(Return)をまとめると、
1. 顧客に対して楽しさを提供してロイヤルティを高めることに成功した。
2. 多くのfoursquareのチェックインを通じて、目立つことができた。
3. 記事やブログの露出を通じてPRができた。
4. 同時に記事などからの非リンクを通じてのSEOやサイト訪問も獲得できた(であろう)。
ということができると思います。
ではこのシンプルなキャンペーンのROIを昨日のForrester Researchのチャートに当てはめてみると、
1 は「ブランド」、4は「デジタル」、2と3は「ブランド」と「デジタル」の両方に貢献したということができると思います。記事によると、売り上げへ(「財務」)の貢献は限定的だったようです。
今回の事例は小さなケースですが、ツールは使いようであるということと、飲食店のように直接の「財務」的インパクトに重きをおいてしまいそうな業態においてもROIを多面的に考えらることを、分かりやすく伝えてくれていると思います。