marketers have to recognize benefits beyond dollars and cents.
先週、調査会社のForrester Research社のブログにソーシャルメディア・マーケティングのROIに関するエントリがあげられていました。有料のフルレポートのサマリとして書かれたこのポストの趣旨は、売り上げ直結的な指標だけでは評価しきれないのがソーシャルメディアマーケティングである、というものでした。
多くのマーケターは、ソーシャルメディア・マーケティングへの投資と財務的な結果の間に明確な線引きができるが、それができないマーケターの方が実際には多い。このことは、ソーシャルメディア・マーケティングは効果が無いということを意味しているわけではなく、マーケターは金銭的な利益以上のものに目を向けなければならない、ということを意味しているに過ぎない。FacebookのファンやRetweets、サイト訪問、ビデオ視聴、ポジティブな評価、活発なコミュニケーション、こうしたものは財務的な資産ではなく、バランスシートに反映されることは無く、損益計算書にもカウントされないが、それは価値が無いということではない。その代わり、こうしたものはブランドが価値を生み出していることを示す指標であり、将来的には財務的な結果に繋がるものである。
1. 財務: 売り上げや利益が増えたか、もしくはコストが下がったか?
2. ブランド: コンシューマーのブランドに対する態度変容は起きたか?
3. リスク管理: 企業に対する攻撃や、会社の評判にかかわる問題に対応する準備は整っているか?
4. デジタル: 企業は自社が所有する (owned) ものと、(評価などの)獲得した (earned) デジタル資産を強化しているか?
この中で特にわかりにくいのが、3 のリスク管理だと思いますが、Readwritewebにその具体的な解説がありました。ざっとその内容をご紹介すると、最悪のケースで、リスク対応のPRコストや、広告費、CSコスト、短期的な売り上げ減少による損失が$375,000(約3300万円)とした場合、ソーシャルメディア上で獲得したブランドに対する好意度やソーシャルメディアを迅速に反応によるCSやメディアコストなどの吸収により、$25,000(約220万円)のコスト圧縮につながる、と試算されています。
また、1 はソーシャルメディアを通じての販売やクーポン、2 は、認知や購買意欲などの一般的なブランド評価指標への貢献度の測定、4 はソーシャルメディアでの製品評価を通じて検索結果の順位が上がりサイト訪問が増えたか、などが、これらの指標の具体的に意味するところです。
上に挙げたリスクマネージメント以外にも、「製品レビューのついているものは返品率が少なく、在庫管理コストの低減につながっている」というような事例もあるようです。確かに製品の長所短所を理解視する機会が多ければ、返品率が下がるのは想像に難くありません。
このように、いろいろな視点で検証してみると実は様々な面でビジネスに寄与している、ということは他にもありそうですね。
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