GoogleがFacebookの対抗としてGoogle Meというサービスの準備を進めているという噂があります。
GoogleがなぜFacebookを警戒し、新しいソーシャルネットワークサービスを立ち上げようとしているのか。
実は3ヶ月前にGoogleのリサーチャー、Paul Adams氏によって公開された、179ページも及ぶ"Bridging the gap between our online and offline social network(オンラインとオフラインのソーシャルネットワークのギャップを埋める)"というプレゼンテーションがあります。
そのプレゼンが最近更新されたらしく、それがきっかけとなったのか、抜粋を通じての解説記事があったので、(さらにかいつまんで)ご紹介。
あくまで数ヶ月前もので、数多くいるGoogleのリサーチャーの1人のものではありますが、(Google Meがどのようなサービスになるかを占ううえでも)参考になるデータがまとまっていると思います。
Google検索は一人でするもの。友達は手伝ってはくれません。
それが変わり始めました。Googleはより多くのソーシャルな結果を表示しています。
(ソーシャルなやり取りも検索結果に現れ始めています。)
今では人々は、ますますお互いを頼るようになり、ついにGoogleの必要性を重視しなくなってきています。
Adidasは、SEOを通じてあなたの友人に自社のスニーカーを薦めることはできません。
私たちのオンラインでの時間はFacebookやその他のソーシャルネットワークにより多く費やされています。
このことはGoogleにとって重要と思われます。Googleはテクノロジーには長けていますが、ソーシャルな関わり合いについてはそうではありません。
(テクノロジーではなく、行動を理解しよう)
Googleはソーシャルネットワークに飛び込む前に、Facebookでみんなが何をしているのかを理解することからはじめました。
Googleにとってもうひとつ重要なことは、私たちがどのように友人をグループ分けしているかの理解です。
私たちがFacebookを通じて告知しても、いつもターゲットに届くとは限りません。それとは異なる友人のグループがあるからです。
ですから、Facebook上でのソーシャルネットワークを進化させたければ、この問題について考えなければなりません。
(異なる人間関係に向けてデザインすること
私たちはそれぞれ強さの異なる人間関係の中に生きています。
興味深いことに、私たちは本当の親友は4人しかいません。
(3000人の米国人を対象にした調査データより)
そのことはFacebookにもあてはまります。
(平均でFacebookの友人は130人。常時やり取りをするのはたったの4−6人:様々な調査データより)
もう少し分かりやすい事実で説明してみましょう。
(強い絆は電話の利用についても同じで、80%が4人の同じ人への発信)
だから、どんなソーシャルネットワークも成功のためには強い絆の最大活用ことに注力する必要があります。
特に購入決定において、私たちは多くの人を信頼するため、こうした強い絆は非常に重要です。
一度に対処できるのは(ダンバー数として有名な)150名の知人だけです。
(弱い絆の150名までが関係を維持できる上限で、これが脳の限界)
この150という数字は、古来受け継がれています。
(新石器時代の農村は住人150人で分けられていた)
ローマ人ですらそうであったといわれています。
(ローマ軍は150名単位でグループ分けし、メンバーはお互いを知っていた)
では、Facebookのようなプラットフォームは、弱い絆を強めるためのものでしょうか?
(オンラインのソーシャルネットワークは弱い絆で結びつき、情報の更新をしやすくするもの)
これが(GoogleのUX researcher)Paul Adamsがいうところの一時的な絆という新しいグループを生み出したのです。
一時的な絆は、一度会った人とFacebookで友達になるようなものです。
(一時的な絆はオンラインではより一般的になってきている)
空気のような存在(絆)であっても私たちは彼らを信頼します。
ソーシャルな要素は一般的に有名なサイトでも使われています。
私たちは大きな数の弱い絆の中に突如入ってしまいましたが、頻繁に会話をするのは少ない数の親密な人とだけです。
私たちはなぜ賢いわけではない友人を信頼するのでしょうか?それは私たちが自分自身を信頼できないからです。
私たちはソーシャルネットワークの力を借りて決定する必要があります、なぜなら情報の渦の中にいるからです。
それでもソーシャルな要素を利用するのは簡単ではありません。
企業から見て、伝統的な影響力のあるメディア、もしくはターゲットがいないところに投資するだけの価値はあるのでしょうか?
広告は誰かのネットワークの中にあるべきでしょうか?
そう、私たちは友人の声に常に耳を傾けています。
わかりますか?
発言内容にかかわらず人々はプライバシーについて注意しています。
(公開する情報に制限をかける:44%、プライバシー設定を変更:71%、いやなコメントを削除:47%、写真から自分の名前を削除:41%)
Facebookの最新のプライバシーへの非難に対する興味深い発言
(私たちは、ユーザーが複雑なプライバシー設定を理解していないので、プライバシーにあまり関心がないと考えている)
Facebookさん、これ、聞こえてますか?
(我々Googleの仕事はデザイナーとして、人々が今起きていることをきちんと理解できるようにすること)
今のところ、これはFacebookにとって(大きな)問題にはなっていません。
(もしプライバシーに関して不透明なところがあれば、不信を招き、使われなくなる)
216ページにも及ぶ資料は、こちらからごうぞ。