PR会社のFleishman-Hillardと、Harris Interactiveによる、オンラインの影響力に関するグローバル調査"Digital Influence Index"の結果が公開されていました。調査結果は詳細についても配布されており、ボリューム満点です。
結果の方はというと、
1. 投資のギャップ:世界的にデジタルの影響力が支配的である一方、使われるマーケティング費用は少ない。2. 岐路に立つ:中国のインターネットユーザーは他国より先進的だが、アーアリーアダプターが多く、成長余地が大きい(中国のネット普及率は27%)。3. メインストリームを超えて:デジタルは意思決定の中心−リサーチ、購入そして友人付き合い。インターネットは意思決定において必要な役割を担っている。4. 情報過多:オンラインでの過度な個人情報の共有は単に問題なだけではなく、高まっている脅威。5. 注意深く信頼:インターネットの情報は、複数の情報源があった場合に信頼される、例えば友人はそのひとつ。6. 金銭授受があると信頼されない:ブロガーを雇うことへの信頼性は低いまま。後援されているものや支払いが発生しているコンテンツには信頼性がかけているのは世界共通。7. リアルタイムの信頼性:マイクロブログ利用者(Twitterなど)はリアルタイムで声を聞き、対応する企業を信頼する。彼(女)らは、このオンライン上の傾聴活動を、起業が自分たちの要求やフィードバックへの欲求を気にかけている証拠と捕らえているようだ。8. 移動通信のギャップ:アプリが複合的になり、スピードが速くなってきて、携帯ユーザーはスマートフォンに飛びついているが、その機能を使い切れていない。9. どこまで成長するか?:インターネットの影響力、さらに将来強くなると思うか、という問いに対しては回答にばらつきが見られたが、中国は圧倒的にYesの回答が多かった(85%)。
抄訳でご紹介してもこの量。
そこで、このエントリでは、日本と他国のギャップが顕著に見られた、4と7についてデータつきでご紹介。
4. 情報過多:オンラインでの過度な個人情報の共有は単に問題なだけではなく、高まっている脅威。
この数字、他国が軒並み50%を超える中、とびぬけて低いといえますね。理由まではこの調査では分からないのですが、1. そもそもあまり個人情報を開示しない、2. 何となく安心している、3. 企業側も個人情報利用を慎重に行っている、といったところでしょうか。
そのことを裏付けていそうなのが下の設問に対する解答。
・ネットでの会話は安全だと思う:28%
これを見る限り、他国に比べてネット利用はそもそも慎重に行っている(だから個人情報もあまり開示されていない)と考えてもよさそうですね。
それだけにFacebookのプライバシー設定のような問題には国内のユーザーはあまりなじみがなく無防備なのかもしれません。たまに、おそらく意図せずに、全情報を全体に公開している人も見受けられます。
7. リアルタイムの信頼性:マイクロブログ利用者(Twitterなど)はリアルタイムで声を聞き、対応する企業を信頼する。彼(女)らは、このオンライン上の傾聴活動を、起業が自分たちの要求やフィードバックへの欲求を気にかけている証拠と捕らえているようだ。
これは中国の94%についで高い値。
一方、マイクロブログを使う企業が信頼できるかどうか、という設問については、
・やや信頼に値する:21%
・あまり変わらない:42%
・逆に信頼できない:4%
と、アカウントを開設していればよいという単純な問題ではないようです。個人的にはリアルタイムにこだわる必要はないと思っていますが、上のデータと併せて考えると、やはりユーザーの声に真摯に耳を傾け、フィードバックすることが重要といえそうです。
全体を通して驚きだったのは中国の非常に積極的なネット活用の姿です。もちろんこれは前述のようにネット普及率が低く、一部のアーリーアダプターによる回答が多いため、今後平均的になっていくと思われま。
ご興味のある方は元データをご参照ください。
ちなみにこの調査は昨年12月と今年1月に、中国、アメリカ、日本、カナダ、ドイツ、フランス、イギリスのインターネットユーザー4243人を対象に、15分のオンライン調査で得た結果だそうです。