企業で参加型のソーシャルメディアキャンペーンを実施すると、どうしても
「ファンを囲い込んで今後の情報発信を定期的に行おう」「より詳しく知ってもらって、弊社へのファン度を高めてもらおう」
という方向性になりがち。
一方消費者目線で見ると、好きだけどファンというほどではない、あるいはその企業やブランドのファンであることを公表したくない、という具合に「ファン」の一言で一概にくくれるものではありません。
一般的に企業やブランドのファンをそのファン度別に分けると上図のようになります。コアファンであれば、そのブランドのファンであることを公表し自ら宣伝もしてくれますが、ノンリジェクター場合、ファンとしての態度表明は行わないが、拒否するレベル(リジェクター)ではない、と言う具合です。
この1 tweet, 1 smile キャンペーンには公式Twitterアカウントがありません。その代わり何をするかというと、
- プラス代表門田より発信されるツイートをRTして一人でも多くの人に知らせよう
- あなたの意見や感想、エイズ孤児へのメッセージをつぶやこう
- 必ず投稿の中に、参加者を結びつけるタグ「#May7」を入れてください。
- プラス代表門田のアカウントは @Rui_Plas です。ぜひフォローして下さい!
- 1 tweet, 1 SMILEツイッター壁紙できました。 ダウンロードはこちら です(zipファイル)。
と、これだけ。
ハッシュタグ「#May7」で緩やかに参加を促す手法をとっています。@Rui_Plas さんの賛同できるツイートがあれば無言のRTでもよい、というのは弱めのコミットでも参加しやすいと思います。
さらにもう少しこのキャンペーンにコミットしている人向け、といえるのが、twibbonを使って、Twitterのアイコン(アバター)を変えるというもの。
なぜもう少しコミットしている人向けと言うと、アバター(avatar)は、文字通り「化身=デジタルな自分自身」をあらわすものだからです。アバターにtwibbonをつけるのは、上記のブランドとファンの考え方で言えばファンであることの表明であり、コミットが深くないとちょっと躊躇してしまうでしょう。
そして、いわばコアファンにあたるもっとコミットしている向けには、「寄付」というオプションが用意されています。
ちなみに、ソーシャルメディア上のキャンペーンをハッシュタグ主体で行うことには、短命なアカウントを作らずにすむというメリットもあり、@gosuke さんも、社内で推奨されているとこのことです(ご参考:ソーシャルメディアで「使い捨てアカウント」はやめようよ、という話)。
「囲い込む」のではなく、「自分の意思で参加したいように参加する」ことを段階的に可能にする仕組みで、ノンリジェクターまで含めて気持ちよく参加できるこのキャンペーン。「当キャンペーンのソーシャルメディアポリシー」というものまで用意されていて、企業のソーシャルメディアキャンペーンをする際にも参考になると思います。
今、1日に6000人以上の子供が親をHIV/エイズで亡くしています。(plas-aids.org)
南アフリカで開催されているワールドカップのタイミングでのこのキャンペーン。多くの人がこういう事実を受け止めるきっかけになると良いですね。