2010年6月30日水曜日

Guy Kawasaki氏によるZapposのCEO、Tony Hsieh氏のインタビュー:企業家精神、Amazonへの売却、家族、そして幸せについて

Delivering Happiness: A Path to Profits, Passion, and Purpose
 
先ごろ"Delivering Happiness: A Path to Profits, Passion, and Purpose"という本を出版した、ZapposのCEO、Tony Hsieh氏のインタビューをGuy Kawasaki氏が行ったようで掲載されていました。
 
Zapposといえば、昨年末Amazonに12億ドルで会社を買収される、という大きな転換を経験したところ。インタビューでは企業家精神について、経営について、家族について、そして幸せについて触れられています。その一部を抄訳にてご紹介。
 
Q: これまでの起業経験を基に考えて、企業家精神は作られるもの?それとも生まれつきのもの?
A: ほとんどの人にとって12歳までに企業家精神を持つかそうでないかが決まると思います
 
Q: (オンラインで購入した靴の)無料配送や、(広大なアメリカでの)翌日配送などの背景にある計算は?
A: 私たちのポリシーは、マーケティングや広告に使うところのお金を、顧客体験に投資し、顧客にクチコミでマーケティングをしてもらうことです。無料配送や、翌日配送へのサプライズのアップグレードは、我々にとってのマーケティングコストと見ています。
 
Q: 企業家はどのうにしてどんなビジネスをはじめるべきかを決めるべきでしょうか?
A: 私なら、異業種の多くの異なることに、異なる人たちとともに挑戦していけば、自分にとって意義のあるビジネスのほうからあなたを見出してくれるでしょう。
 
Q: スタートアップ起業にとって悪いのは、資金が多すぎるのと資金が少なすぎること、どちらですか?
A: 資金が多すぎること。
 
Q: 企業家はどのようなビジネスプランを立てるべきですか?
A: 10年後の自分を考え、1年後までに実現したいことを考える。その間のことは分からないので実際あまり意味が無い。
 
Q: 顧客サービスは新しいマーケティングですか?
A: 新しくなったことは、全てが高度に接続し、情報伝播が以前よりもずっと早くなったことです(Twitterやブログなどを通じて)。顧客サービスのストーリーはそれがいいものでも悪いものでも、すぐに伝わり、企業ブランドにより大きな影響を及ぼします。
 
Q: 普通の昔ながらの電話はZapposにおいてどんな役割ですか?
A: 私たちは電話は最高のブランディング機器だと思っています。顧客との集中をした時間を5〜10分間持つことができますが、30秒のスーパーボウルの広告では、視聴者はあまり集中していません。電話で正しいやり取りを行えば、顧客は長い間覚えてくれていて、友人や家族に私たちのことを話してくれます。
 
Q: 会社が瀕死の状態になったことは、良かったことだと思いますか?
A: そうすることはできる、もし会社がそこから学んで、そのおかげでより強くなったのなら。
  
Q: AmazonはZapposを変えている?それともZapposがAmazonを変えている?
A: 私たちは双方から学んでいます。しかし、彼らの言葉に従うなら、AmazonはZapposが独立し続けることを容認している。私たちはこれからも独自に決定し、Zapposのやり方でブランドと企業文化を育んでいきます。
 
Q: 会社を2億6千5百ドル(LinkExchange)、12億ドル(Zappos)で売却した人物にとっての「幸せ」とは何ですか?
A: コントロールの実感、進歩の実感、つながり(関係性の数と深さ)、より高い目的、です。
 
Q: あなたの母親はあなたを誇りに思っていますか?それともまだ医者になってほしいと思っていますか?
A: 今でも医者になることを望んで切ると思います。
 
ちなみに"Delivering Happiness"には、2005年に一度は断ったAmazonへの売却に至った経緯が語らているそうで、「ザッポスの奇跡―アマゾンが屈したザッポスの新流通戦略とは」の著者、石塚しのぶ氏のブログにザッポスCEO、トニー・シェイの本『Delivering Happiness』を読んで・・・ にも紹介されています。 
 
主要な投資家であったセコイア・キャピタルが、これ以上ザッポスに投資し続けるのを拒んで、IPO(株式公開)に向けて圧力をかけ始めた、という背景があったらしいです。少し抜粋すると、「彼らは、企業文化に関するザッポスの取り組みを、僕のごく個人的なプロジェクトであるとしか考えておらず、『トニーの社会的実験』などと呼んでいた。社員の幸せについて考える暇があったら、どうしたらもっとたくさんの靴が売れるか心配すべきだ、というのが彼らの意見だった」という記述があるのですが、そういった投資家の姿勢に嫌気がさして、マネジメント・バイアウトを検討していた矢先に、アマゾンからのオファーが持ち上がったとか・・・。
 
"Delivering Happiness"の企業文化を守るための過酷な経験があったことがうかがわれますね。
 
ソーシャルメディアマーケティングでよく語られる、「アドボカシー型のマーケティング(顧客を徹底的に支援し、時として競合の製品をも薦めるマーケティング)」を地で行くZappos。その経営スタイル、発言は多くの示唆に富んでいます。
 
Amazon傘下となった第二ステージでさなる発展を遂げることに期待しています。
 

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2010年6月29日火曜日

Foursquareを「アンチソーシャルに」利用する方法:善意をベースに開発された友人を避けるためのサービス

Popular Foursquare Prompts Antisocial Networking
 
 
"Twitter Places"が始まり、日本でも注目が集まるかもしれない、位置情報サービス。
 
そんな中、ソーシャルメディアを「アンチソーシャルに」利用するサービスがローンチされた模様です。
 
その名も"Avoidr"。 
 
サンフランシスコを拠点とするテクノロジストのJesper Andersen氏は、先月、Avoidrというなのサイトを製作。Avoidrは、Foursquareのユーザーが避けたい"友人達"を選択できるようにするもの。その"友人達"をがどこにチェックインしたかを示すことで、ユーザーはどこに行くべきでないかを知ることができます。Andersen氏によると、2万人の人が利用し、2500人がアクティブに使っているそうです。
 
San Francisco–based technologist Jesper Andersen last month designed a site called Avoidr, which allows Foursquare users to select the "friends" they want to avoid. By showing where those "friends" have checked in, users know where not to go.According to Andersen, the site has been used by around 20,000 people, with around 2,500 active users.
(nymag.com)

 
なるほど、SNSの理念を逆手に取ったサービスのようですね。
 
「けしからん!」という声も聞こえてきそうですが、このサービス、無料で利用でき
 

Built with love by @jandersen
 
とサイトに書かれているように、善意をベースに開発されたもののようです
 
このアイディアは、Andersen氏の友人の多くが離婚するのを目にした時に思いついた:「元妻(夫)がいるからこのバーには行きたくない、というのは共感できる感情です」
 
The idea came about when Andersen watched a lot of his friends go through breakups: "It was an emotionally resonant feeling — you don't actually want to go to this bar because your ex is there."
 
Avoiderは、ストーカー対策にも役立っているようです。 
 
彼はまた、Avoidrは、ストーカー被害にあっている人にも利用されていると言う— 彼(女)らは、ストーカーを"友人"として許可し、自分からはチェックインしない。その代わり、Avoidrを使ってストーカーを避けています。
 
He says Avoidr has also been used by people with stalkers — they allow their stalkers to "friend" them, never check in themselves, and use Avoidr solely to steer clear.
 
Foursquareを積極的に使っている人が対象、という条件はありますが、使い方によっては良いツール、といえそうですね。
 
最後に、Andersen氏の印象的な言葉をご紹介。 
 
ソーシャルネットワークは、友人関係は潮の満ち引きのように常に変化するものだということを考慮するべきだ。
  
social networks should take into account that friendships ebb and flow.

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2010年6月24日木曜日

コミュニティの危険を察知する8つのサイン



via Flickr
顧客との深い関与をもつために、ソーシャルメディアでに公式コミュニティを立ち上げる、というのはよくあること。
今ならTwitterアカウントを持つことも一種のコミュニティ的な要素がありますね。
さて、立ち上げたコミュニティ、最近盛り上がっているのかな?と思うことがあったらこちらをチェック。コミュニティが行き詰っていることを見るける方法、というエントリより抄訳にてご紹介。
24時間全く更新が無い:(クリスマスなどを除いて)コミュニティで全く会話が行われていないとしたら、危険。緊急ボタンを押して、アクティビティが行われるように一人一人と深く関わりましょう。
キーメンバーがいなくなった:10名挙げてみましょう。その中で誰か更新が減っている人はいますか?その理由をつきとめて対応しましょう。
新規メンバーが減った:コミュニティのメンバーは様々な事情により移ろいやすいもの。コミュニティをアクティブにするためにも新しい血は常に必要。定期的に新規メンバーの加入数を測定し、減少してきたら募集活動をしましょう。
ライバルのコミュニティが勢いづいている:同じ分野で新しコミュニティが急速に伸びている場合、あなたがライバルののコミュニティのメンバーのニーズを満たせていないことを意味しています。
投稿に反応なし:会話が起こらないのは明らかに間違いがあることを示しています。投稿への反応が無くなり始めた時は、参加者がよそへ行き始めた時です。
分野/話題/情熱の低下:(例えば特定のゲームコミュニティなど)ニッチな分野の魅力が無くなった時、参加者をつなぎとめることはできない。
親近感の欠如:議論が重要な一方、親近感はもっと重要。最近メンバーの親近感が無くなっていませんか?メンバー間の親しさや以前のような議論が無くなっていませんか?コミュニティのトップメンバーがどんな人か知っていますか?
退屈な議論:主観的だが、重要。参加者は議論に関心を示していますか?会話するに値しないことはありませんか?
コミュニティの目的や性質によって、上の限りではないと思いますが(例えば、何かの問題解決コミュニティなど、24時間何も起きなくても良いでしょう)、それぞれいい目安だと思います。
特に企業アカウントでコミュニティを運営していておろそかにしてはいけないのは、やはり参加者の理解。全員を把握することは無理でも特定の関わりの深い、積極的なメンバーがどんな人なのかは把握しておきたいもの。
それは公式Twitterアカウントのフォロアーの場合でも同じ。少なくとも同じ人に全く同じ受け答えをしていた、なんてことがないようにしたいもの。人と人との会話なのですから。 
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ご参考

2010年6月23日水曜日

ビジネス向けの10のTwitter Tips:50 Power Twitter Tipsより



via flickr
Twitter系のTipsは自分の中ではもういいかな、と思いつつも、50 Power Twitter Tipsなるエントリがあったのでご紹介。
Intent
Technical
Business
Integrated Usage
Off-Twitter
の5分野で10づつTipsが説明さてているのですが、そのなかからBusinessを抄訳にて。
Business
1. 繰り返しスパム行為をすることは問題ない。単にアンフォローされるだけだ
(Spamming us repeatedly is okay. We just unfollow you.)
2. 自分のことをネタにチャットをするなら、検索に時間を使ったほうがいい(Spend more time in search than in chatting us up about your stuff.)
3. あなたが売りたいものを求めている人を探すことは、我々に対して宣伝することに勝る (Finding people who need what you’re selling trumps advertising to us.)
4. 自分に対する賛辞をリツイートすることはダサイし、注目されない。そのままにしておいたほうが良い。 (Retweeting someone’s nice words about you is lame and doesn’t buy you more attention. Let it stand.) 
5. リンクがアフェリエイトやクライアントである場合、(括弧をつかって)それを伝えよう(If your link is an affiliate link or a client, say so (in parentheses).)
6. あなたの顧客はTwitterを使っていないかもしれない。 (Your customers might not be on Twitter.)
7. 顧客をTiwtterに招待し、彼らにとって有益なものにしよう。 (Invite your customers to Twitter, then make it worth it for them.)
8. Twitterを個人的なコミュニケーションツールとして使おう、新たな爆風(バズプロモーション)としてではなく。 (Use Twitter as a personalized communication tool, not another blast.)
9. 複数の支持者を育てることの大変さを認識するまでは、全てに対して個別のアカウントを持つことは正しい動きのように見えるものだ。 (Having different accounts for everything seems like the right move, until you realize it’s hard to grow multiple followings.) 
10. とにかく金を稼げ。そうすれば上司がROIについて何も言わなくなる。 (Just make money and then the boss won’t ask about ROI any more.) 
個人的には特に3番に賛同。
誰でもいいからフォローしてもらえばいいわけでなく、極端にいえば情報を伝えたい人、コミュニケーションをとりたい人とだけつながっていれば十分で、筆者はフォロアー数よりもフォロアーの質を重視しています(ご参考:"Fans First"の気持ちをもって、F1層向けに実施したTwitter中継)。
あと、最後の「金を稼げ」というのはやや乱暴ですが、筆者は
Twitterも含めたマーケティング施策全体を通じて金を稼げ。そうすれば上司が個別施策のROIについて何も言わなくなる」 
と解釈しています(に、しても各施策の効果検証は必要ですが)。
50 Tipsには他にも、
いいと思った内容は、Retweetしよう。シェアすることはケアすること。 (Retweet the good stuff from others. Sharing is caring.)
みな、それぞれの使い方をしている。他のひとからみたら、あなたの使い方は間違ってみえる。 (Everyone does it their own way. You’re doing it wrong, too- to someone.)
などなど、頷ける内容ばかりです。
エキスパートの方にも復習の意味を兼ねて読みがい、再発見があるかもしれないですね。 
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ご参考

2010年6月22日火曜日

グランズウェルの作者が語る「オープンリーダーシップ」

グランズウェルの著者、Charlene Li氏が新著を出版しました。そのタイトルは"OPEN LEADERSHIP"。
すでに書評がブログなどで書かれているようですが、著者Charlene Li氏のインタビューが公開されていました。その中から面白いな、と思った部分を抜粋してご紹介。
前著グランズウェルからどのようにしてOpen Leadershipを書くにいたったのですか?
グランズウェルに関する会話の半分はソーシャルストラテジーをどのように導入すればよいかと言うことでもう半分は、「コントロールを失う」ことに対する不快感でした。そしてよく質問されたことが「どの程度オープンになる必要があるの?」でした。そこにはソーシャルテクノロジーへの対応が、リーダーのポジションにいる人に、力の源とその使い方についての再考を促していることが見てとれました。コントロールする必要性を手放すことは、顧客や従業員との真の関係構築にいたる機会を生み出します。オープンリーダーシップの最大の利点は、ビジネスを処理ではなく関係性のレンズを通して見るということです。
よいオープンリーダーの特徴は?
Emotional intelligence(感情的知性、EQ)です。なぜなら長期にわたってはぐぐむ人間関係に関することだからです。好奇心もオープンリーダーの中心的な思考態度のひとつです。彼らは自分の周りの世界について考える新しい方法を常に探し、学習意欲も旺盛です。そして、彼らは多くの失敗を過去も未来も犯し、そして自分よりも賢く、多彩な多くの人々に囲まれていて、非常に謙遜家であるという特性も持ち合わせています。
オープンリーダーシップでは、失敗に対して慣用であることが何故重要なのですか?
オープンリーダーは、フォロアーとの関係の中にいる、ということを認識しており、同時に意義のある人間関係は決して完璧ではないことも理解しています。間違いや失敗は起きる。そして関係の強さがみられるのは良い時ではなく、悪い時。失敗を許すことは強い関係に必要な信頼を生みます。
 リーダーが陥りやすいことの一つが、どのような失敗が起こりうるかを予想し、いざという時に備えることです。これは失敗が起きなくするということにはならず、むしろ失敗への対応力があり、失敗の結果に耐えられられることを証明しているにすぎません。組織の回復への能力を信じることで、オープンであることのリスクを取れるようになります。
ソーシャルメディアをマーケティングの観点から参加・活用しようという視点から、組織の構造そのものにソーシャルメディアからのフィードバックを生かしていく、というステージへの移行を考えていくと、リーダーシップそのものも、オープン性が求められていく、という考え方は理解できますね。
ビジネスを処理ではなく関係性のレンズを通して見る
インタビューの中で最も印象的だったのはこの言葉でした。
ここでは「オープンリーダーシップ」という言葉でフォーカスをしていますが、本質的に重要な「ステークホルダーとの関係性の重視」、ということは昔から変わっていないと思います。
変わったのはその関係性やが見やすくなった、と言うところであり、それを生かすも殺すも企業次第、というところでしょうか。 
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ご参考

2010年6月18日金曜日

ワールドカップの公式スポンサーでなくても話題は起こせる:ペプシの「脱ぎます」宣言 #jpn #worldcup

 
 
19日は、サッカーワールドカップの日本対オランダ戦。
 
そのW杯の公式スポンサーではない、ペプシが面白いキャンペーンを企てているようです。
 
ペプシは、もしアルゼンチンがW杯に優勝したら、「ブエノスアイレスを裸になって走り回って祝福する」と発言したアルゼンチンの監督ディエゴ・マラドーナにならう予定だ。彼に引けを取ることなく、ペプシはもしアルゼンチンが優勝したら、ボトルにラベルのついてないソフトドリンクを1週間アルゼンチンで発売すると発表した。
 
If Argentina wins the World Cup, Pepsi Cola plans to follow the example of Argentina's coach Diego Maradona, who says he'll celebrate by running around naked in Buenos Aires. Not to be outdone, Pepsi announced that the company's soft drink bottles will be sold for a week in Argentina with no label if that country wins the soccer tournament.
 
上の画像はその宣言を広告にしたもので、スペイン語で
 
監督が脱ぐなら、我々もやる。ペプシは誓います。
 
"If the coach goes naked, we will, too. Pepsi promises."
 
と書かれてあります。
 
ペプシは以前もペプシはスペインでは「ペシ」?:スペイン語の発音に合せたTVCMキャンペーンを行うなど、サッカー × アルゼンチンの組み合わせを活かした独創的なキャンペーンを行っています。
 
 
 
W杯の公式スポンサーでもないのにもう1500万回視聴されているナイキの動画"NIKE FOOTBALL WRITE THE FUTURE"もそうですが、このペプシのキャンペーンは公式スポンサーにならずとも、スマートな企画さえあれば話題を呼ぶことができる、ということを認識させてくれます。 

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2010年6月17日木曜日

ソーシャルメディアでの消費時間は1.1兆分間:ニールセンの調査結果

the world now spends over 110 billion minutes on social networks and blog sites. 
 
 
ニールセンの調査結果によると、世界の人気サイトの上位にソーシャルメディア関連サイトが食い込んでおり、
 
ソーシャルネットワークやブログに初めて世界全体のオンライン上の消費者の3/4が訪問し、その訪問者数は前年比で24%増えた。
 
For the first time ever, social network or blog sites are visited by three quarters of global consumers who go online, after the numbers of people visiting these sites increased by 24% over last year.
 
ということが分かったそうです。しかも、
 
世界全体でのソーシャルネットワークやブログでの消費時間は1.1兆分間となり、これはオンラインの全時間の22%もしくは4分半毎に1分間に相当する。
 
the world now spends over 110 billion minutes on social networks and blog sites. This equates to 22 percent of all time online or one in every four and half minutes.
 
とのことです。
 
それにしてもFacebookの一人当たりの消費時間6時間(月間)というのはすごいですね。
 
WORLD’S* MOST POPULAR BRANDS ONLINE / April 2010
Brand
% of World’s Internet Population visiting brand
Time per person (hh:mm:ss)
Google
82%
1:21:51
MSN/WindowsLive/Bing
62%
2:41:49
Facebook
54%
6:00:00
Yahoo!
53%
1:50:16
Microsoft
48%
0:45:31
YouTube
47%
0:57:33
Wikipedia
35%
0:13:26
AOL Media Network
27%
2:01:02
eBay
26%
1:34:08
Apple
26%
1:00:28
Source: The Nielsen Company
 
*Global refers to AU, BR, CH, DE, ES, FR, IT, UK & USA only
 
 
ちなみにそのFacebookへのリーチは日本は3%、とのこと(下表)。
 
対照的に日本ではFacebookはの積極性がもっとも低く、調査した国の中でリーチ、消費時間ともにどの国より低い。ソーシャルネットワークやブログで、日本でもっとも人気があるのが、Twitter風のマイクロブログを提供しているAmebaで、訪問者の38%を占めている。一方、Facebookは40位である。
 
In contrast, Japanese people have the least appetite for Facebook, with reach and time spent markedly lower than in any of the other countries measured. Ameba, which offers a micro-blogging platform akin to Twitter, is the most popular social networking and blogging site in Japan, visited by 38% of Japanese people online while Facebook is the 40th most popular.
 

Facebook Reach and Usage by Country / Apr 2010 (Home & Work)

 
Country

% Reach of Active Users

Time per Person (hh:mm:ss)

Italy

66%

7:00:21

Australia

63%

7:45:28

United States

62%

6:43:22

United Kingdom

62%

6:19:59

Spain

57%

4:04:53

France

57%

4:33:05

Switzerland

45%

4:18:47

Germany

27%

3:42:50

Brazil

26%

1:46:50

Japan

3%

0:31:38

Source: The Nielsen Company

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2010年6月16日水曜日

炎上したら検索を買うな?:原油流出で揺れるBPのリスティング広告が非難される理由



流出した原油の回収や賠償で約1500億円を負担し、時価総額が17兆円から9兆円まで落ち込んだ(16日付日経新聞)、石油のメジャー企業BP(British Petroleum)が、"Oil Spill"などのキーワードに対してGoogleなどでの検索結果に連動したリスティング広告を購入し、それが非難を浴びているそうです
上の画像は、"Oil Spill"での検索結果。
この手法は、以前のエントリ、「炎上」したら検索を買え。「対話」型のテキスト広告:クックパッドの新テレビ番組と過去の爪痕でもご紹介していますが、炎上が誤解によって生じている場合、正しい理解を促すために、リスティング広告を通じて公式HPに誘導し、説明するというもの。
先日のエントリでは、「キッコーマンの醤油は純植物性ではない?」という誤認がきっかけで起きた炎上に対し、
"Soybeans, wheat, salt, water. Nothing else added."(大豆、小麦、塩、水、以上。)
というテキストのリスティング広告と、詳しい説明をした公式HPへの誘導を行っていました。
Googleという「世界最大のメディア」の影響力は大きく、情報が伝わるのも早いため、そのカウンターアクションをアドセンスなどで行う、しかも消費者との「対話」として検索連動型広告を活用するのは、危機対応として新しく、正しいやり方だと思いました。
今回のBPも原理としては同じで、
目的は流出の影響を最も受けている人達に正しい情報を提供すること
goal is to provide accurate information to help the people most affected by the spill.(blog.hubspot.com)
とのこと。
ではキッコーマンの時と今回とで何が違うのか?
今回、非難が起きた背景には、
BPが、原油流出によってネガティブな注目を集めていることへの対抗策として巨額の資金を投じていることに、オバマ大統領が不満を表明していることが、非難を呼ぶきっかけになっている。
The criticism comes as President Obama expressed unease at the amount of money the company was spending to counter the negative attention the company has received following the oil spill.(foxnews.com)
ということもあるようです。このテレビCMなどもそのひとつでしょう。
レギュレーションとしては、BPがイメージ向上施策のためにリスティング広告を行うことは全く問題ではなく、倫理に反することではないと思いますが、世論としては「今はその時ではない」ということでしょう。
ポイントは、会社のブランドのことは忘れろ、ということです。それは文字通り空っぽであり、あなたはそれを所有していない。あなたはあらゆる時間と金をつかって、世論を生み出そうとすることはできるが、それは最後は世間が決めることであり、今はそのときではないのでは??(streetgiant.com
このあたりは空気を読む、というか助言ができる第3者の存在が望まれるところ。
コミュニケーションでは
情報
感情
この2つが常にセットです。
論理的に考えると同時に、道義やオーディエンスの心理などを併せて考えていく必要がありますね。 

2010年6月14日月曜日

ノンリジェクターの参加を無理なく促すtwitterキャンペーン:世界エイズ孤児デーキャンペーン1 tweet, 1 smile #May7



@IHayato さんが参加されている、世界エイズ孤児デーキャンペーン"1 tweet, 1 smile"。その参加方法が実によくできていたのでご紹介。
企業で参加型のソーシャルメディアキャンペーンを実施すると、どうしても
「ファンを囲い込んで今後の情報発信を定期的に行おう」
「より詳しく知ってもらって、弊社へのファン度を高めてもらおう」
という方向性になりがち。
一方消費者目線で見ると、好きだけどファンというほどではない、あるいはその企業やブランドのファンであることを公表したくない、という具合に「ファン」の一言で一概にくくれるものではありません。
一般的に企業やブランドのファンをそのファン度別に分けると上図のようになります。コアファンであれば、そのブランドのファンであることを公表し自ら宣伝もしてくれますが、ノンリジェクター場合、ファンとしての態度表明は行わないが、拒否するレベル(リジェクター)ではない、と言う具合です。
この1 tweet, 1 smile キャンペーンには公式Twitterアカウントがありません。その代わり何をするかというと、
1 tweet, 1 SMILE 参加方法
  • プラス代表門田より発信されるツイートをRTして一人でも多くの人に知らせよう
  • あなたの意見や感想、エイズ孤児へのメッセージをつぶやこう
  • 必ず投稿の中に、参加者を結びつけるタグ「#May7」を入れてください。
  • プラス代表門田のアカウントは @Rui_Plas です。ぜひフォローして下さい!
  • 1 tweet, 1 SMILEツイッター壁紙できました。 ダウンロードはこちら です(zipファイル)。
と、これだけ。
ハッシュタグ「#May7」で緩やかに参加を促す手法をとっています@Rui_Plas さんの賛同できるツイートがあれば無言のRTでもよい、というのは弱めのコミットでも参加しやすいと思います。
さらにもう少しこのキャンペーンにコミットしている人向け、といえるのが、twibbonを使って、Twitterのアイコン(アバター)を変えるというもの
なぜもう少しコミットしている人向けと言うと、アバター(avatar)は、文字通り「化身=デジタルな自分自身」をあらわすものだからです。アバターにtwibbonをつけるのは、上記のブランドとファンの考え方で言えばファンであることの表明であり、コミットが深くないとちょっと躊躇してしまうでしょう。
そして、いわばコアファンにあたるもっとコミットしている向けには、「寄付」というオプションが用意されています。 
ちなみに、ソーシャルメディア上のキャンペーンをハッシュタグ主体で行うことには、短命なアカウントを作らずにすむというメリットもあり、@gosuke さんも、社内で推奨されているとこのことです(ご参考:ソーシャルメディアで「使い捨てアカウント」はやめようよ、という話)。
「囲い込む」のではなく、「自分の意思で参加したいように参加する」ことを段階的に可能にする仕組みで、ノンリジェクターまで含めて気持ちよく参加できるこのキャンペーン。「当キャンペーンのソーシャルメディアポリシー」というものまで用意されていて、企業のソーシャルメディアキャンペーンをする際にも参考になると思います。 
今、1日に6000人以上の子供が
親をHIV/エイズで亡くしています。(plas-aids.org)
南アフリカで開催されているワールドカップのタイミングでのこのキャンペーン。多くの人がこういう事実を受け止めるきっかけになると良いですね。

2010年6月11日金曜日

ソーシャルメディアランキングで1位に輝いたのはスターバックス



ロンドンに拠点を置く、ソーシャルメディアでの人気度を測定するサービスFamecountによる、コンシューマー向けブランドのランキングが発表しました。
その結果、1位に輝いたのはスターバックスでした。
2位以下にはコカコーラ、オレオ、レッドブル、ザッポス、ジェットブルー、デルなど、日本でも知られているブランドが並んでいます。
「興味深いことに、確立されたオフラインのブランドが強い結果を示しています。この結果は、幅広いマーケティングキャンペーンにおけるソーシャルメディアの重要性が高まっているということと、確立されたブランドにとってソーシャルメディアが適用可能であるということを示しています。」Famecountの創設者Daniel Dearlove氏
"It is interesting to see established offline brands perform so strongly, "Famecount founder Daniel Dearlove wrote in a summary of the rankings. "This highlights the growing importance of social media in wider marketing campaigns, as well as the applicability of these channels to established brands." (venturebeat.com)
それにしても各社のFacebookファンやTwitterフォロアーの数は半端ないですね。

2010年6月10日木曜日

ソーシャルメディアで「使い捨てアカウント」はやめようよ、という話



企業のTwitterアカウントは本当に多くなったと思います。
Twinaviで見たところ、今3279件。ここに登録していないアカウントも多数あると思うので、実際にはもっと多いでしょう。
そのうちのどのくらいがアクティブなのか、ちょっと知りたいところ
例えば先日IS Paradeでヒットを飛ばしたAUも、その公式アカウント@au_officialは、発表会終了後完全停止していますし、(テスト的に)イベントやキャンペーンで立ち上げて終了、というアカウントは少なくないと思います。
ちょっと古い調査データですが、フォーチュン100企業のTwitterアカウントの15%が停止アカウント、というデータもあります(フォーチュン100企業のTwitterアカウントの半数は不人気:Weber Shandwickによる調査と提案)。
最近読んだ、(短期的な)ソーシャルメディアキャンペーンが最低な4つの理由、というエントリが、共感できる内容でした。
まず、特に印象的だったのはこの言葉。
"disposable properties(使い捨てアカウント)"
使い捨てアカウントの特徴は、  
 
Listen, engage, develop. の逆で、Build, promote, abandon.
まさに使い捨てですね。。。では詳しくご紹介。
オーディエンスに魅力を感じてもらうには時間もしくはお金が必要
FacebookやTwitter、ブログなどのソーシャルメディアでは、テレビやラジオ、紙誌面の広告が、スイッチを押せば何千もの人にリーチできるわけではない。ソーシャルメディアが可能にしてくれることは、あなた自身を見出し、確立し、同じような意見を持った人々のコミュニティと親しくなる、ということ。しかしながらこれは一夜にしてできることではない。だからゼロからはじめ、早期に結果を必要とするキャンペーンでは、どんな場合でも他のメディアによるサポートによって人々をソーシャルメディア上の「場」へ、深く関与してくれることを期待して向かわせる必要がある。
オーディエンスを獲得し、最後にはそれを捨てる
ソーシャルメディアを通じてオーディエンスを獲得するには、時間もしくはお金を必要とする。キャンペーンの終わりとともに築き上げた資産を捨て去ることは、全ての投資をどぶに捨てるのと同じことである。それは例えばeメールのリストを作り上げると同時に削除するようなものである。より良いアプローチは、例えばFacebookページや企業ブログのような長期的な「場」へと人々を誘導し、そこで短期的な目的のことも実施することである。そうすることで、コミュニティを育て、関与を深め、ローヤルティを強めながらさらに会話を深め、ブランドイメージを改善していくことができます。何よりもいいのは、次回発表やキャンペーンを行う際に、すでに情報の更新に関してオプトインしたグループがいるということ
ソーシャルメディアは"paid media"ではなく"earned media"
根本的にソーシャルメディアは"paid media"ではなく、"owned media"であり、"earned media"です。その区分はあいまいかもしれませんが、長期的な関係性を作り出すための、自身の"owned media"で面白いことをして、他の形態のメディアでの注目を得ることもできるでしょう。"earned media"や"owned media"上で、"paid media"でやるアプローチを行うことは、木の板をハンマーで切ろうとするようなもので、間違いである(上のForresterによるメディア分類をご参照)。
双方向でなく一方向
キャンペーンを主体とするアプローチでは、オンラインでの深い関与を目的に、依然旧来の一方向のアプローチをとり、面白いことを行ってバイラル化し何千もの人々にリーチすることを期待している事例が見受けらる。そうすることの価値はあるものの、純粋にキャンペーン主体のアプローチをとっていては、ほんの表面を引っかく程度のことしかできません。例えば、業務プロセスの再設計や、製品の強化、顧客サービスの改善などを閉じたプロモーションキャンペーンで見つけることはできるでしょうか?ソーシャルメディアをキャンペーンのために使うことはできますが、それは木を見て森を見ず、ということに等しい。
企業の活動としてソーシャルメディアに「かかわる」のだから、キャンペーンのような短期的な取り組みで、一定の効果を上げるためにアカウントを使うことが期待されるのは自然なことだと思います。 
特にTwitterは企業にとっての参入障壁の少ないプラットフォームなので、キャンペーン目的のアカウントも数多くあると思いますが、やはりやるなら長期的に使って自社のステークホルダーとの深い関与をここで行いたいところ。
Twitterでも例えば、長期的に運用するアカントを持ちつつ、キャンペーン施策の際にはそのアカントのアイコンや背景を変える、中の人の口調や運用ポリシーを変えてみるなど、単純ですが色々と活用方法は考えられると思います。 

2010年6月9日水曜日

iPhone4の発表会で語られなかった、iOSへのFacebookの統合の話

steve jobs apple hands AP
 
 
昨日は、iPhone4の発表で大いに盛り上がったところですが、WWDCでこの話が無いではないか?ということがありました。
 
それは、筆者もこのブログで取り上げた「AppleとFacebookの最強タッグが誕生するかも?という情報:iPhone OSにFacebookをビルトイン」というお話です。
 
ニュースソースのBusinessinsiderで確認してみると、"Missing At WWDC(WWDCで欠けていたこと)"とのエントリが!
 
iOSへのFacebookの統合の話が無かった件
先月レポートしたこの話。あれはいったいどこへ?この話を最初にしてくれた情報ソースに確認したところ、「まだできていない」とのことでした。そうであれば、これは今年後半、iPhoneおよびiPad向けに出されるiOSのバージョン4.1の際に、アップデートとして今後追加されることになるかもしれない。もしくは、アップルはiOSのバージョン5まで待つのかもしれない。なぜならFacebookは、モバイルプロダクトのトップを採用したばかりだから。(注:元グーグルのアンドロイドのシニアプロダクトマネージャーのこと)
 
There was no Facebook integration into iOS
a feature we had reported last month. Where is it? We asked our source who first told us about it: Still not done, he claims. So, maybe this is something that's going to be added as an update later in the year, when iOS rolls out version 4.1 for both the iPhone and iPad. Or maybe it's something that Apple is going to wait until iOS 5 for, especially now that Facebook just got a new head of mobile products
 
電話帳=そもそもソーシャルグラフ、という大きな可能性を想像させてくれる、この最強タッグの誕生はあるのかないのか。いずれにしても、しばらく様子見モードですね。 

Posted via email from Capote's Connected Communications - 続・広報の視点

2010年6月8日火曜日

BPの原油流出事故とPRクライシス:CEOの失言から人気の「偽」Twitterアカウントまで



メキシコ湾で甚大な原油流出事故を起こしてしまっている、石油のメジャー企業BP(British Petroleum)
そのBPが、PRクライシスに瀕しています。
BPトップはPR史上最悪の失言男」という先週の記事では、CEOトニー・ヘイワードの、例えば下にあるような様々な失言をまとめて掲載しています。
5月14日 英ガーディアン紙に対し、「メキシコ湾は広大だ。海全体の水の量に比べれば、流出した石油と分散剤の量など微々たるものだ」と弁明した
確かにこんな発言をされてしまっては、PR担当のみならず、BPで働く社員全体にとってもたまったものではないと思います。
そんな中、ソーシャルメディアではどうか?
BPはファンやフォロアー数は、企業アカウントとしては特別多くは無いものの、Facebook(ファン約1万5千人)やTwitter(フォロアー約1万2千人)などの公式アカウントを持っています。
特にそれまで3回しか更新していなかったFacebookでは、5月3日以降ほぼ毎日、場合によっては1時間に1回くらいのペースでコンスタントに動画やコメントで、現状の被害回復への取り組みを説明しています。
が、やはりCEOの失言は悪影響を及ぼした模様。特に5/30のトゥデイ・ショー出演時の発言
I want my life back(元の生活を取り戻したい)
は波紋を呼んだようで、この日を境にコメント数も増加している感じです(余談ですが、この発言はなんだか昔の雪印社長の「寝てないんだよ(怒)」に通ずるものがありますね)。実際Facebook上でこの発言に対する謝罪をしていて、(Fワードを含む)300ものコメントが付いています。
また、テレビなどでの失言の悪影響もあってか、BPの公式情報を信用しないという声も多く見られます。原油の流出を防ぐキャップの取り付け成功、という最近の動画に対しても、嘘をつくな、という声が出ています。
Nestleの時同様、下のようなアイコンを使っている人もいます。

一方、頻繁な情報更新の努力や、目の前の危機をなんとかしたい、という気持ちもあってか、BPへの声援が多数見られるのも事実です。
  
こうした状況の中、公式以上の勢力を持っているアカウントがあります。Twitter上のBPの偽アカウント、@BPGlobalPRです。
@BPGlobalPRは、5月19日に
大変遺憾ながら、私たちは(メキシコ)湾岸沖で何かが起こっていることを認めます。今度さらに情報をお知らせしていきます。
We regretfully admit that something has happened off of the Gulf Coast. More to come. 1:07 PM May 19th
というツイートをしたのを皮切りに、
海岸でオイルを見つけた場合は、どうか取り除いたり掃除をしないでください。それはBritish Petroleum社の所有物であり、あなたをきっと訴えるでしょう。
Please do NOT take or clean any oil you find on the beach. That is the property of British Petroleum and we WILL sue you. 4:11 PM May 23rd
というような皮肉たっぷりのツイートをポストし、いまや公式の10倍以上の13万人弱のフォロアーを獲得しています。
その中の人が、先日公式声明を発表しました。
中の人の名前は、"Leroy Stic"。昔近所に住んでいたLeroyという猛犬の対策を、飼い主や警察が何もしないのでついに町中の人が棒をもって犬を叩いて対処した、という話から名づけられたもの。
このTwitterアカウントも、そのときと同じような理由で始めたそうです。 
この話のポイントは、あなたの近所に誰かが脅威を与えるような場合、時には棒を握って振ることは正当なこと。ソーシャルメディア、この場合Twitterは、私のような一般市民にも使うことができて、様々な新しい棒を生み出してくれる。 
The point of this story is that if someone is terrorizing your neighborhood, sometimes it’s alright to grab a stick and take a swing. Social media, and in this particular case Twitter, has given average people like me the ability to use and invent all sorts of brand new sticks.
そしてこのアカウントがここまで人気を得た理由と問題の要点を、中の人はこう説明しています。 
人々はうそを嗅ぎ取ることができて、時として怒ったり、がっかりするよりも笑い飛ばしたほうが気分がいいことがあるからだと思う。少なくとも、それは退屈なルーティンからの息抜きとして受け入れられている。@BPGlobalPRが成長を続けているのは、BPが嘘を垂れ流し続けているからに他ならない。
私は、@BPGlobalPRからブランドを守るためにBPはどうするべきかを考えている、PRやマーケティング担当が書いたこの状況についての記事やブログを数多く読んだが、第一に、誰が気にするだろうか?第二に、あなたは何の業界に属しているのか?私は文字通り海を汚した企業を汚しているわけだが、このバカどもはどうすれば会社を守れるかを考えているというのか?
ポイントは、会社のブランドのことは忘れろ、ということです。それは文字通り空っぽであり、あなたはそれを所有していない。あなたはあらゆる時間と金をつかって、世論を生み出そうとすることはできるが、それは最後は世間が決めることであり、今はそのときではないのでは??
例えば、こんなテレビCMをつくっている場合ではないだろう、ということでしょう。
ちなみに、この動画については「"元の生活を取り戻したい"、と言ったCEOが、"We will get this done. We will make this right.(必ずやり遂げて、正常な状態に戻す)"、という発言をしても全く信頼性がない」というコメントもされています。
「偽アカウントが作られたり、それによる風評被害を避けるために企業の公式アカウントを作りました」、なんて話を聞くことがあります。ソーシャルメディア上にアカウントを作る際に、保守的な会社を説得するための理由としてこういう考え方があるとは思いますし、その効果もあるとおもいます。
が、危機発生時には、今回のように偽アカウントが力を持つような事態が発生することは、早期に自体を収束できない場合以外には、企業側では防ぎきれるものではありませんね。
何よりも事故の早期の解決を祈るばかりです。
追記:最新情報ではABCが、@BPGlobalPR中の人にインタビューをしたようで動画がアップされています。とてもユーモラスでシリアスないいインタビューです。中の人は、元PR会社の社員の方だそうです。
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ご参考: 

2010年6月3日木曜日

政治の世界にも適用可能な?ソーシャルメディア・マニフェスト



 via Flickr
突然の首相辞任劇に見舞われた日本。
この8か月間は何だったのか?何のための政権交代だったのか?あのマニフェストは?
今日はネットもマスメディアもそのニュースで持ちっきりですが、The Social Business Manifestoという素敵なエントリがあったのでご紹介。
私たちは決してあなたを"消費者"として見ません。そうではなく、あなたは共同製作者、参加者、支持者です。
• We will no longer view you as "consumers". Instead, you are co-creators, participants, and advocates.
私たちは積極的に傾聴し正式な手続きを踏んで参加します。私たちはあなたがそれ以下では受け入れないのを理解しているから。
• We will actively listen, and participate authentically because we know you demand nothing less.
あなたの条件に合わせます、我々のものではなく。
• We will meet you on your terms, not ours.
ノイズではなく、バリューを提供します。
• We will provide value, not noise.
ネットワーク化された経済の変化する要求を満たすよう、私たちの社員を進化させます。
• We will evolve our workforce to meet the changing demands of a networked economy.
私たちはあなたのニーズにフォーカスします。我々のメッセージにではなく。
• We will focus on your needs vs. our messages.
私たちは、私たち全員にとって利益を生む方法でつながる関係性を築きます。
• We will build relationships that connect us in ways where we all benefit.
私たちは、倫理的にそして透明性をもって活動します。それ以外に方法は無いから。
• We will act ethically and transparently, because it's no longer a choice.
私たちは変化に迅速に対応し、適応します。
• We will respond to changes quickly—we will adapt.
私たちはあなたとともに前進します。なぜならあなたが私たちの未来だから。
• We will move forward with you, not without you, because you are our future. 
 うーん、なんだか政治の世界にもそのまま適用できそうなマニフェストですね。

ご参考:

2010年6月2日水曜日

映画"Toy Story 3"の劇場鑑賞券がFacebook上で販売開始:ソーシャルグラフを活かせる理由とその販売手法



日本でも7月から公開予定の映画"Toy Story 3"の劇場鑑賞券(もちろん米国の劇場の)がFacebook上で買えるようになったようで、NYTで記事になっていました。
ソ−シャルメディアでは商品などの販売を行う活動が進んでおり、Payvmentなどが、ショッピングカートやPayPal決済などを利用し、eコマースを簡単に可能にするアプリを提供しています。
ソーシャルメディアを離れることなく購入できるのは便利ですし、とくに友人との会話で盛り上がりながら購入できるとあれば、企業側にとっても、まさに顧客獲得のチャンスを「その現場」に持ち込める、ということになります。
"a first-of-its-kind application(業界初)"となるこの劇場券の発売アプリ。ソーシャルメディア上での販売という意味では特に目新しいものではないものの、そのコンセプトや開始の理由がちょっといいな、と思ったのでご紹介。
Disney Tickets Togetherとい名のアプリケーションのコンセプトは、
"NO FRIENDS GETS LEFT BEHIND"
直訳すると、友達の誘い忘れがない、ということになります。Disney Tickets Togetherというアプリの名前にもこのコンセプトが込められていますね。
このアプリでは、映画を見たい場所を検索してチケットを購入でき、購入したことがFacebook上の友人にアラートで知らされます。ここまでは普通ですが、さらに、「友人を誘う」という機能があり、まさにソーシャルグラフを活かした販売方法になっています。
これは映画スタジオにとっては初めての試みですが、私たちはやってみる価値は十分にあると思っています。なぜなら、映画を見に行くこと自体が、そもそもソーシャルな行動だからです。
This is the first time that a movie studio has tried this, which we think makes a lot of sense because moviegoing is one of those activities that is inherently social.
なるほど、確かにそうですね。
現在FacebookのDisney • Pixarのページは130万人以上もの人がファン登録していますが、そこで映画について友達との会話が盛り上がり、一緒に見に行こう、という行動に至るのはごく自然な流れですし、スタジオ側としても気持ちが熱い瞬間に購入機会を提供したいところ。
現実で友人とともに行う行為にはソーシャルメディで展開するにふさわしい理由がある。そんな当たり前の事が確認できる事例だと思いました。
ご参考

2010年6月1日火曜日

女性のほうが男性よりもTwitterを積極活用している、というデータ

 
女性のほうが、Twitter利用が積極的、というデータが公開されていたのでご紹介。
 
Twitter Graderに登録されている、900万のTwitterアカウントのうち、100~10,000のフォローアーを持つアカウントを分析した結果によると、次のような傾向が見られたそうです。
 
女性は男性よりもフォロー数が2%多い。(上図)
In our database, women follow 2% more people than men do on average
 
女性は男性よりも、12%多くツイートしている。(下図)
Women posted over 12% more Tweets than men in our dataset did.
 
 
グラフの書き方によって、データがちょっと大げさに表現されてはいますが、女性のクチコミ力は常に注目されていますし、SNSは成熟すると本来コミュニケーションを大切にする女性比率が高まるループス・コミュニケーションズ 斉藤氏)という傾向もあるようなので、まぁそうなんだろなぁ、という印象です。
 
実際に、年齢区分でいうところのF1層をターゲットにしている自社の公式のTwitterアカウントを運用していても、3か月前と今とでは女性のフォロアーの方のレスポンスが積極的になってきているのを実感します。
 
フォロアーの方のアイコンや、ツイートを見ていても、なんというか生活の一部になってきているんだろうな、という感じです。
 
このあたりの分析レポート、機会のあるときにまた書いたみたいなぁ。

Posted via email from Capote's Connected Communications - 続・広報の視点